九州大学・2027年度対策
九大理系数学
分野別完成演習
標準問題は終えた。過去問はまだ早い。

九大の過去問を初めて開いたとき、多くの受験生が同じ感想をもつ。「方針は見えているのに、最後まで書き切れない」。教科書傍用問題集や標準的な網羅系問題集を一通り終えた段階では、1つの小問で使う道具はたいてい1つか2つである。ところが九大の1小問には、立式・場合分け・計算・結論がまとめて入っている。しかも小問が2〜3個しかないので、1問あたりの重さが大きい。道具は知っているのに手が止まるのは、能力の問題ではなく、そういう分量の問題を解いた経験がないというだけのことである。
- 頻出分野
- 7分野
- 収録
- 26題
- 小問
- 111問
- 目標時間の合計
- 780分
¥2,695・138ページ・2026年9月20日発売
九大数学の頻出7分野と、本書の章立て
2019〜2026年度の九州大学の出題を分析して、次の7分野を選んでいます。 章は数学I・A から数学III へ進む順に並び、第1・2・4・5章は数学III を学ぶ前でも解けます。
| 章 | 分野・範囲 | 題 | 標・や・本 | 目標 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 場合の数と確率数学A | 3 | 1・1・1 | 90分 |
| 2 | 整数の性質数学A(一部II) | 4 | 1・2・1 | 120分 |
| 3 | 数列と論証数学B(一部III) | 3 | 1・1・1 | 90分 |
| 4 | 空間図形とベクトル数学C(一部II) | 4 | 1・2・1 | 120分 |
| 5 | 複素数平面数学C | 4 | 1・2・1 | 120分 |
| 6 | 微分法数学III | 4 | 1・2・1 | 120分 |
| 7 | 積分法数学III | 4 | 1・2・1 | 120分 |
| 計 | 26 | 7・12・7 | 780分 |
「標・や・本」は標準・やや難・本番接続の題数。
目標時間の合計780分は、1日90分ならおよそ9日でひととおり終わる分量です。 時間を計って解く本ではないので、目標時間を超えてもかまいません。
分野ごとの出題傾向と収録問題
各章の扉に置いた「その分野で九大が何を要求するか」と、収録した問題の題材・レベル・目標時間です(問題文は載せていません)。
第1章・数学A
場合の数と確率
数え上げの正確さと、確率漸化式・期待値へつなぐ
九大の確率・場合の数は、 年度から 年度までの 年で 回出題された。毎年出るわけではないが、出たときの特徴がはっきりしている。
- 他分野との融合が原則である。複素数平面( 年度)、整数の倍数条件( 年度)、方程式の解の個数( 年度)、 項間漸化式( 年度)。 「確率だけ」で終わる問題は 年で 題もない
- 純粋な数え上げも出る( 年度の格子点)。図をかいて数え漏らしを防ぐ力がそのまま点になる
- 小問は〜 問。(1) は必ず具体値で、そこから一般化・漸化式・期待値へ上がっていく。 (1) の数え上げを落とすと、あとの誘導がすべて死ぬ
本章の 題はすべて数学A の範囲で解ける。数学III を学んでいなくても取り組める。
- 1-1標準格子点から 点を選ぶ25分
- 1-2やや難じゃんけんで代表を決める30分
- 1-3本番接続トーナメントで誰が決勝に残るか35分
第2章・数学A(一部II)
整数の性質
「示せ」から「すべて求めよ」へ、九大の二段構え
整数は 年度から 年度まで 年連続で出題された、九大の看板分野である。 年 題のうち 題を占める。型もはっきりしている。
- (1)「示せ」 (2)「すべて求めよ」の二段構えが原則。 (1) で作る補題は、(2) で候補を絞るための道具である。 (1) を飛ばして (2) に行くと、まず解けない
- 絞り込みの道具は余りによる分類( 年度は を で割った余り、 年度は 次方程式の合同式)と大小によるはさみうち( 年度の階乗の方程式)の つ
- 「すべて求めよ」では、十分性(実際にみたすことの確認)を書かないと大幅減点になる。必要条件で絞ったあと、必ず逆を確かめて答案を閉じること
本章の 題は数学A の範囲で解ける(2-1 で数学II の二項定理を使う)。
- 2-1標準 を調べる25分
- 2-2やや難直角三角形の 辺が整数になるとき30分
- 2-3やや難 の末尾に は何個並ぶか30分
- 2-4本番接続 つの平方数の差として表す35分
第3章・数学B(一部III)
数列と論証
数え上げ・漸化式・帰納法を、証明として書く
九大には「数列」という看板を掲げた大問は少ない。しかし数列は、ほとんどの大問の中身として毎年入っている。
- 年度大問 は絶対値つき漸化式の収束・発散、 年度大問 は硬貨の 項間漸化式、 年度大問 は整式の割り算から作った数列の極限である
- 出題形式は「示せ」が中心。 年の小問およそ 問のうち約 が「示せ」型で、 その多くが数学的帰納法か、漸化式による論証である
- 数列と整数の融合( 年度大問 の二項係数と素数)も九大の定番である
本章は 題である。第 章までで数学I・A・II・B の範囲は終わる(極限を使うのは 3-1 (4) と 3-2 (5) だけである)。
- 3-1標準三角形の中の格子点を数える25分
- 3-2やや難割り算の余りがつくる数列30分
- 3-3本番接続二項係数と素数35分
第4章・数学C(一部II)
空間図形とベクトル
九大が7年連続で出しつづける看板分野
空間図形は 年度から 年度まで 年連続で出題されている。 年 題のうち 題を占め、整数と並ぶ九大の二枚看板である。
- 素材は球・四面体・円柱・平面に集中している。球と平面の交わり(、、 年度)、平面への垂線(、 年度)、面積や体積の最大( 年度)
- 九大では数学公式集が配られない。点と平面の距離も、 の面積の内積表示も、四面体の体積も、 その場で自分の手から出す必要がある
- 最後の小問は最大最小か図示になることが多い。変数が つあるところを条件式で つに減らす一手間が必ず入る
本章の 題は数学I・A・II・B・C の範囲で解ける(4-2 の最後だけ数学II の微分を使う)。
- 4-1標準 辺が直交する四面体25分
- 4-2やや難 辺のなす角が等しい四面体30分
- 4-3やや難ねじれの位置にある 直線30分
- 4-4本番接続立方体を対角線に垂直な平面で切る35分
第5章・数学C
複素数平面
軌跡を図示し、方程式と結びつける
複素数平面は 年 題のうち 題を占め、微分積分に次いで多い。出題されなかったのは 年度と 年度だけである。
- もっとも多いのが軌跡と図示である( 年度大問 、 年度大問 )。 境界を含むか、除外点はどこかを書き入れて初めて満点になる
- 次に多いのが方程式との融合である( 年度大問 、 年度大問 、 年度大問 )。 次方程式や の解を、平面上の点として扱う
- 整数や数列との融合もある( 年度大問 はさいころと複素数平面)。複素数だけで閉じた問題のほうが少ない
本章の 題は数学C(平面上の曲線と複素数平面)と数学II の範囲で解ける。
- 5-1標準 定点からの距離の比が一定25分
- 5-2やや難 次方程式の解がつくる四角形30分
- 5-3やや難回転しながら 点に近づく30分
- 5-4本番接続 の 乗根と、35分
第6章・数学III
微分法
増減・概形・不等式、そして解の追いこみ
微分積分は 年 題のうち 題を占める、九大の最大分野である。そのうち微分法が中心になるのは、おおむね次のような問題である。
- 増減を調べて概形をかき、方程式の解の個数を数える。とくに媒介変数表示された曲線は 年度大問 、 年度大問 と続けて出た九大の看板である
- 接線が存在する条件( 年度大問 )と、 積分で定義された関数の極値( 年度大問 )
- 不等式の証明と、それを使った極限。 年度大問 、 年度大問 はいずれも評価が最後の山になる
九大では公式集が配られないので、 、、合成関数・商の微分、媒介変数の はすべて自分の手から出す必要がある。
- 6-1標準 の増減と概形25分
- 6-2やや難自分自身と交わる曲線30分
- 6-3やや難指数関数は多項式より速い30分
- 6-4本番接続 の解を追いこむ35分
第7章・数学III
積分法
面積・体積・漸化式・評価。九大の最大分野
積分法は九大の最大分野である。 年 題を分野別に数えると、微分積分で 題、そのうち積分が主役の題が 題を占める。
- 媒介変数曲線の面積(、 年度大問 )と 回転体・切り口の体積( 年度大問 、 年度大問 )が二枚看板
- 積分漸化式と極限( 年度大問 、 年度大問 )。 値を求めさせるのではなく、不等式ではさんで極限を出させる
- 誘導文読解型( 年度大問 、 年度大問 )。定積分の定義や関数の性質を、その場で読んで使わせる。予備知識は要らないが、読み飛ばすと何も書けない
九大では公式集が配られない。 、、、曲線の長さの式は、すべて自分の手から出す必要がある。
- 7-1標準円が転がってできる曲線25分
- 7-2やや難 のべきの積分漸化式30分
- 7-3やや難切り口が相似な立体の体積30分
- 7-4本番接続 次の近似式と誤差(誘導文読解型)35分
本書の使い方
- 3段階で上げる
- 標準7題・やや難12題・本番接続7題。「本番接続」は九大の実際の大問に近づけた問題で、ここまで解ければ過去問演習に入ってかまいません。
- 手が止まったら
- 問題の下のヒント、解答冒頭の着眼の順に読んで問題に戻ります。解いたあとは、定石でその問題で使った手を整理します。
- 数学III の前から
- 第1・2・4・5章(15題)は数学III を使わずに解けます。
- 付録
- 付録A 自分で用意する公式・定理集
- 付録B 定石索引
- 付録C 過去問演習への移行プラン
本書を終えたら:本番形式の予想問題集へ
次に置くのは、同じ著者による本番と同じ形式の予想問題集「合格答案をつくる」シリーズです。 加点・減点つきの採点表で、自分の答案のどこが減点されるかを照合できます。本書の問題とは題材が重複しないように作られています。
九大理系数学 分野別完成演習について、よくある質問
- 九大の数学で頻出の分野は何ですか?
- 本書が2019〜2026年度の出題を分析して選んだ7分野は、場合の数と確率、整数の性質、数列と論証、空間図形とベクトル、複素数平面、微分法、積分法です。各分野で九大が何を要求するかは、このページの「分野ごとの出題傾向」で章ごとにまとめています。
- 九大理系数学の問題集は何題で、どれくらいで終わりますか?
- 全26題(小問は計111問)で、目標時間の合計は780分です。1日90分ならおよそ9日でひととおり終わる分量です。
- 数学IIIを学習中でも使えますか?
- 第1・2・4・5章の15題は、数学IIIを使わずに解けるように作られています。数学IIIの学習中はこの範囲から取り組めます。
- いつ九大の過去問に進めばよいですか?
- 各章の「本番接続」の問題が自力で完答できるようになったら、過去問演習に進んでかまいません。過去問演習へ移る順序は本書の付録にまとめています。本番形式の訓練は、そのあと過去問と『合格答案をつくる』で行います。
- 過去問がそのまま載っていますか?
- 収録問題はすべて本書のための書き下ろしです。九州大学の過去問は出題傾向の分析にのみ用い、問題文の転載や改題はしていません。
過去問の前にシリーズ
九大理系数学 分野別完成演習 2027年度対策

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