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京都大学 2025年度 前期日程 理系
京大理系 2025年度 数学の解答・解説
全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/11
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は京都大学が公開しています。
掲載ページ名「令和7年度 試験問題および出題意図等」/2026/10/05に当サイトでリンク先を確認。 公開年度は大学側の都合で入れ替わることがあります。
第1問 小問集合(複素数平面・積分法)
複素数の絶対値・2倍角・置換積分・半角の公式当サイトの体感難易度:標準
問1 を動く複素数 について の最大値と最小値を求める
答最大値 、最小値
という条件は と置けば1つの変数に落ちる。絶対値は2乗して実部・虚部から計算すると、 の2倍角だけが残る形にまとまる。
より とおける。このとき だから であり
となる。実部と虚部に分けると
であるから、絶対値の2乗は
となる。 が実数全体を動くとき は から までのすべての値を取るので、この2乗は から までを動く。絶対値は 以上だから、求める最大値は 、最小値は である。
すなわち のとき で、 となり絶対値は 。 では絶対値が になる。
を に直すところで を使う。 をそのまま分母に置くと符号と大きさがずれる。
という評価だけでは、等号が成り立つ が実際にあることを言わないと最大値とは言えない。2乗して計算すれば、その確認まで一度に済む。
問2(1) を求める
答
分子が3つの項の和なので、分母で割って3つの積分に分ける。分けてしまえば、順に「 の微分」「割り算で次数を下げる」「 の置換」という別々の型になる。
被積分関数を項ごとに分けると
となる。第1項は だから、そのまま積分できて
である。第2項は分子の次数が分母より高いので、割り算をして
となる。第3項は と置けば 、 で、 が から まで動くとき は から まで動くから
である。以上を足し合わせて、求める値は となる。
。数値積分でも同じ値になる。
第1項で を約分し忘れると、置換の形が見えないまま手が止まる。 である。
を に直すところまで書いておくと、答えの形が他の項とそろう。
問2(2) を求める
答
根号の中が半角の公式そのものの形をしている。 に直せば根号が外れ、あとは の積分になる。外すときに符号の確認が要る。
半角の公式 、 より
である。積分区間 では だから であり、根号はそのまま外れて被積分関数は になる。
したがって
となる。
。数値積分でも同じ値になる。
である。区間の中で が 以上であることを断ってから絶対値を外す。断らずに外した答案は、ここで減点される。
は区間内で正なので、 の中に絶対値は要らない。要らないことを確かめたうえで書かないのと、確かめずに書かないのとでは意味が違う。
第2問 整数
平方数・因数分解・合同式・4乗数の剰余当サイトの体感難易度:やや難
正の整数 を用いて と表される正の整数 の最小値を求める
答()
だから、条件は「 が平方数になる」こと。平方数の差の形に直せば因数分解でき、 を1つ決めるごとに の候補が有限個に絞れる。 を大きくすると がすぐ大きくなるので、調べる は少なくて済む。
だから、 とおくと条件は「 をみたす正の整数 が の倍数として存在する」ことになる。 に注意して移項すると
となる。 だから、 なら である。あとで のとき が実現することを示すので、最小値を与える は 以下に限られる。そこで を順に調べる。
または のとき。 で割った余りを見ると早い。 乗数を で割った余りは、 を で割った余りが のそれぞれに対して であり、取りうる値は だけである。一方 は だから で割り切れる。
なら 、 なら が必要になるが、 は上の4つの中にない。よってどちらも解を持たない。
のとき。 だから である。 の値は分からないので、代わりに が平方数になる条件を、 の形から追う。、 とおくと 、 であり、 はともに正で同じ偶奇である。 は偶数なので、 はともに偶数かともに奇数。
ここで の約数の組を直接探す代わりに、 を小さい方から確かめるほうが早い。 では となり、いずれも平方数ではない。 のとき
となり、 だから と書ける。すなわち 、、 が条件をみたす。
で のときは条件をみたさず、 では解がなく、 では である。よって求める最小値は である。
、、。、 の範囲を全探索しても、条件をみたす最小は だった。
という形は「平方数である」だけでなく「その平方根が の倍数である」ことまで要求している。 が平方数になる組を見つけただけでは足りない。 の場合は が の倍数なので、この条件まで確かめて初めて答えになる。
を切り捨てるには、先に での実例を1つ押さえておく必要がある。実例を出さないまま「 は小さいはず」と書くと、議論の順序が逆になる。
乗数を で割った余りが の4つしかないことは、 を で割った余りで場合分けして確かめる。使うなら、その表を答案に書いておく。
第3問 微分法
接線と法線・対数関数の微分・増減表・値域当サイトの体感難易度:やや難
のとき、 と 軸の交点の 座標 の取りうる値の範囲を求める
答
を の式で書き下すのが先。書いてみると の中の が の傾きとちょうど打ち消し合い、 が驚くほど簡単な形になる。あとは を1つの変数と見て増減を調べる。
より である。
のとき だから であり、 とあわせて 。とくに なので、これに垂直な直線の傾き が定まる。
は点 を通り傾き の直線だから
である。 とおいて について解くと
となる。右辺を展開すると がちょうど先頭の を打ち消すので
と書ける。 に が入っていたのは、この打ち消しを起こすためである。
ここで とおく。 であり、 は にあたる。 と は同じ向きに増減するので、 で調べれば での増減が分かる。
では なので、 の符号は の符号と一致する。よって で減少、 で増加し、 で最小になる。
端では、 のとき だから である。ただし は定義域に入らないので、この は取らない。 では で、これは取る。
減少する区間 で は の手前から まで連続に動き、増加する区間 で から まで連続に動く。後者だけで 以上 以下のすべての値を取るので、求める範囲は
である。
では 。 では で、 と一致する。接線の傾きを数値微分で取り直して を定義どおり作っても、同じ値になる。
という条件は、 を保証して「垂直な直線」が引けるようにするために置かれている。この確認を飛ばすと、傾き を書いた時点で根拠が抜ける。
最小値を取る は定義域の内側にあり、端の は定義域に入らない。開いている端で となることと、 自体は別の で取れることを分けて書く。
が区間の両端より内部で小さくなるので、端の値だけを比べる解き方では最小値を取り逃がす。増減表まで書く。
第4問 空間ベクトル
平面のベクトル方程式・1次独立・四面体の体積比当サイトの体感難易度:標準
(1)平面 が によらない一定の点 を通ること、およびそのような がただ1つであることを示す
答
平面 上の点は、係数の和が になる形で の1次結合に書ける。その係数の和が という条件と、与えられた を見比べると、どの係数を取ればよいかが読み取れる。
、、 とおく。 は同一平面上にないので、 は1次独立であり、空間のどのベクトルもこれらで一意に表せる。
は でないので はいずれも と異なり、、、 も1次独立である。よって3点は平面をただ1つ定める。点 がこの平面上にあることは
をみたす実数 があることと同値である。
そこで
とおく。これは を含まないので、 の値によらず定まる点である。、、 と取れば であり、係数の和は
となる。したがって は、条件をみたすどの についても平面 上にある。
次に、そのような点がこれ1つであることを示す。点 が同じ性質を持つとし、 と表す。 が平面 上にあることは、上と同じ議論で
と書ける。、、 とおくと、条件は「 をみたす でない のすべてについて が成り立つ」ことになる。
この条件をみたす組を3つ取って連立させればよい。たとえば はいずれも をみたす。これらを代入して差を取ると
すなわち 、 を得る。これを の1つ、たとえば に入れると から となり、、 が定まる。 が1次独立だから、この係数を持つ点は1つしかない。よって であり、そのような点はただ1つである。
は となり条件をみたさない。条件をみたす組としては があり、このとき 。係数は で和は になる。
が同一平面上にないという条件は、 が1次独立であること、つまり係数が一意に決まることのために置かれている。ただ1つであることの証明は、最後にこれを使う。
が でないという条件がないと、 のどれかが と一致して平面が定まらない。
「ただ1つ」を示すには、条件をみたす を具体的に複数取って連立させるのがいちばん短い。1つだけでは係数が決まらない。
(2)四面体 の体積を とするとき、四面体 の体積を で表す
答
底面 が共通なので、比べるのは と の平面 までの距離だけ。 の係数の和を見れば、距離の比は計算せずに読み取れる。
点 を と表したとき、 が平面 上にあることは と同値である。そこで とおくと、 は の座標の1次式なので、 は から平面 までの距離に比例する。
では だから で 。 では
だから である。四面体 と は底面 が共通なので、体積の比は高さの比に等しく
となる。よって四面体 の体積は である。
なお 、 なので、 と は平面 の反対側にある。体積を比べるだけなら符号は効かないが、位置を答案で説明するときはここに触れておくとよい。
、、 で計算すると 、四面体 の体積は で、ちょうど半分になる。
「係数の和が なら平面 上」は、 が1次独立なとき成り立つ。(1) で確かめた条件をここでも使っている。
が平面 の と反対側にあるので、 の絶対値を取らずに比を書くと符号が合わない。
▸ ▾ 別解:外積を使わずに、分点で高さをたどる
の係数の和は である。 と書き直すと、括弧の中は係数の和が なので平面 上の点 を表す。
つまり は半直線 上にあって である。 は平面 上にあるから、 から平面までの距離を とすると、 から平面までの距離は になる。したがって体積の比は である。
第5問 空間図形・軌跡
直線と平面の交点・媒介変数の消去・双曲線当サイトの体感難易度:やや難
のときの点 の軌跡を求め、 平面上に図示する
答双曲線 のうち の部分(左側の分枝の全体)
は と を結ぶ直線の での点なので、媒介変数で書いて 成分から係数を決める。そのあとは を消す。 を作ると がまとめて消えるので、そこから攻める。
直線 上の点は、実数 を用いて と書ける。 成分が になる条件は
である。 では だから であり、 がただ1つ定まる。すなわちこの範囲では直線 は 平面と必ず1点で交わる。両辺を4倍して整理すると
となる。以下 とおく。 より である。
の 成分はどちらも なので、 の座標は
である。ここから を消す。まず2乗して足すと が消えて
となる。 とおくと であり、 だから である。
次に の式から を得る。これを の定義 に戻すと
となる。 を代入して整理すると
を得る。 だから、この式は すなわち を意味する。両辺を2乗して を代入すると
となる。これは中心 、 軸方向に 、 軸方向に の双曲線である。この曲線上では だから または であり、先に出た とあわせると 、つまり左側の分枝に限られる。
逆に、左側の分枝の各点が実際に現れることを確かめる。 のとき で 、 となり、これは左側の分枝の頂点である。 を から に近づけると で だから 、 を に近づけると となる。 は の連続関数なので、中間値の定理からすべての実数値を取る。左側の分枝は の値で1点に定まるので、分枝全体が軌跡である。
以上より、点 の軌跡は双曲線 の の部分、すなわち左側の分枝の全体である。
では で 。 となる。
2乗して を消すと、元の条件より広い図形が出てくる。 の段階で から が出ており、これが右側の分枝を落とす根拠になる。2乗する前の式を書き残しておくこと。
「軌跡を求めよ」なので、得られた曲線の上の点がすべて実際に現れることまで示す。 での頂点と、両端で が に飛ぶことを押さえれば、連続性から全体が埋まる。
という範囲は、 すなわち直線 が 平面と平行にならないことを保証している。範囲の端では交点が存在しない。
第6問 確率
確率漸化式・偶奇の追跡・隣り合う2項の積当サイトの体感難易度:難
が奇数である確率 を求める
答 のときも のときも
の値そのものではなく偶奇だけを追う。 回目までの結果で次に必要なのは「最後が表か裏か」と「ここまでの偶奇」の2つだけなので、4つの状態の確率漸化式になる。さらに「偶の確率から奇の確率を引いた量」を見ると、2つの式に減って一気に解ける。
は、 回目と 回目がどちらも表のとき 、それ以外は である。したがって は「表が隣り合う箇所の個数」を数えている。
回目までの状況を、最後の出目と の偶奇で4つに分ける。 を「 で が偶数・奇数」である確率、 を「 で が偶数・奇数」である確率とする。 であり、求めるものは である。
回目を投げたとき、 が増えるのは「直前が表で、今回も表」のときだけで、そのとき だけ増えて偶奇が入れ替わる。それ以外では偶奇は変わらない。どの目も確率 だから
となる。 の右辺に が入るのは、直前が表で が奇数だったものが、今回も表で偶数に変わるからである。
このまま4つを追うのは重い。偶奇を分けたまま扱うより、差を見るほうが式が減る。、 とおくと、上の4式から
を得る。さらに とおくと、2式を足して 、下の式から だから
となる。 は1つ飛ばしで公比 の等比数列である。
初期値を求める。 では は和が空なので であり、偶数である。表なら 、裏なら で だから 、、よって 。また である。
と 、 から、 を 以上の整数として
となる。一方 は「偶数である確率」から「奇数である確率」を引いたものだから、 である。したがって
であり、 のときも のときも となる。 が 以上という条件のもとでは である。
言い換えると、 を で割った商を とすれば で、 が1つ増えても が偶数から奇数に変わるときは値が変わらない。
では が奇数になるのは2回とも表のときだけで 。式でも として 。 では全探索で 、式でも として 。 では全探索・式ともに になる。
は「表の個数」ではない。表が3つ連続すれば寄与は である。隣り合う組を数えていることを最初に押さえないと、 回中の表の個数の偶奇を求める別の問題を解いてしまう。
のとき和は空で とする。この初期値を から立てると、 の両方が要る漸化式の初期条件が1つ足りなくなる。
偶奇を追う問題では、確率そのものより「偶の確率と奇の確率の差」を変数に取ると式が減ることが多い。差の総和 が になることは、答えに戻すときに必ず使う。
▸ ▾ 別解:表の個数と表の連なりの個数の差として見る
表が連続している1つのかたまりの長さを とすると、そのかたまりが に与える寄与は である。したがって、表の総数を 、表のかたまりの個数を とすると と書ける。
の偶奇は と の偶奇が一致するかどうかで決まる。この見方からも同じ漸化式が立つが、 と を同時に追うことになるので、状態は結局4つのままである。上の解き方のほうが短い。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
当サイト運営者が制作した教材
同じ形式の問題を、5回分
中身を試し読みする
扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
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