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京都大学 2024年度 前期日程 理系
京大理系 2024年度 数学の解答・解説
全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 確率・極限
立方体の塗り分け・対面・順列・極限当サイトの体感難易度:標準
(1) を求める
答
立方体では「辺を共有する」と「向かい合っていない」が同じことである。だから条件は「向かい合う3組が使う色の集合が互いに素」であり、各組が使う色の個数( か )で場合分けすればよい。
立方体の面は、向かい合う2面どうしだけが辺を共有しない。向かい合う3組を とすると、条件は「異なる組に属する2面はつねに違う色」、すなわち
である。同じ組の2面は、同じ色でも違う色でもよい。各組が使う色の個数を とすると が必要である。
のとき。 なので
- :3組に相異なる3色を割り当てて 通り。
- とその並べ替え:2色を使う組を選んで 通り、その組の2面に相異なる2色を順番込みで塗って 通り、残り2組に残りの 色を割り当てて 通り。合わせて 通り。
合計 通りで、全体は 通りだから
である。
一般に、 となる組は でそれぞれ 通りあり、色の割り当ては 通りなので
となる。(2) ではこの式を使う。
通りを全探索すると、条件をみたすのはちょうど 通りだった。 でも 通りで、上の一般式と一致する。
2色を使う組では、どちらの面にどちらの色を塗るかで 通りある。面に区別があるので、色の組だけ数えない。
は色を 個使うので では不可能。先に で絞る。
(2) を求める
答
(1) の一般式を で割る。 は の 次式なので、 で割ったとき残るのは の項だけである。
(1) の式から
である。 のとき なので、 の項は
である。残る の項は
である。したがって
である。
意味を考えれば当たり前で、色数が多ければ6面がすべて違う色になる確率が に近づき、そのときは条件が自動的にみたされる。実際 が「6面すべて違う色」の確率である。
で 、 で 、 で 、 で と、 に近づいていく。
などは の程度で に行く。 でない極限をもつのは最高次の項だけ、という見方をする。
は有限個(6個)の積なので、各因子の極限を掛けてよい。
第2問 複素数平面
円板と円・和の動く範囲・円環・面積当サイトの体感難易度:標準
、 のとき の動く領域を図示し、面積を求める
答中心 、内半径 、外半径 の円環(境界を含む)。面積は
と分けると、 は原点中心・半径 の円板を、 は中心 ・半径 の円周を動く。円周上の点に「半径 以内のずれ」を足すのだから、中心からの距離は から までを動く。
と分ける。
- : は原点中心・半径 の円板(内部と周)を動く。
- : は中心 ・半径 の円周を動く。
距離を押さえる。 、、 とおくと で
である。、 なので、三角不等式より
である。
逆に、この円環のすべての点がとれる。 、 を任意として とする。 ととれば をみたし、
なので は半径 の円板に入る。つまり 、 が条件をみたし、この は実現する。
よって の動く領域は
という円環(境界を含む)で、面積は
である。
、 をみたす を 万組ランダムにとって を計算すると、 はすべて 以上 以下に収まった。面積は である。
は円周()であって円板ではない。だから内側に穴が開く。 だったら穴のない半径 の円板になる。
なので、 も も 倍してから足す。半径も 倍になる。
「領域を図示せよ」なので、三角不等式による「入る」だけでなく、円環のすべての点が実際にとれることも示す。向きをそろえて を選ぶのがこつである。
第3問 空間ベクトル
ねじれの位置・1次独立・行列式・共面条件当サイトの体感難易度:やや難
直線 と直線 がねじれの位置にあるための の必要十分条件を求める
答
2直線がねじれの位置にあるとは「同一平面上にない」ことである。、、 の3本が1次独立かどうかを見ればよく、 を座標軸だと思って成分を並べれば、行列式1本の計算になる。
、、 とおく。4点が同一平面上にないので は1次独立である。条件より
である( より )。
3本のベクトル。
(成分は の係数)。なお も も の係数が なので ではなく、2本とも直線として定まる。
ねじれの位置の言いかえ。 2直線がねじれの位置にあるのは、同一平面上にないとき、すなわち上の3本が1次独立なときである。行列式を計算すると
である。よって1次独立であることは 、すなわち
と同値である。これが求める必要十分条件である。
行列式を使わないなら、 とおいて成分を比べればよい。 の成分から 、 の成分から となり、 を入れて 。 の成分 より なので で、 が必要十分になる。
を基本ベクトルにとり、 を から まで 刻みの 組で行列式を計算すると、 になるのはちょうど の組だけだった。
「ねじれの位置」は「平行でなく、交わらない」ことで、まとめると「同一平面上にない」である。平行の場合と交わる場合を別々に調べると長くなる。
は2直線上の点を結ぶベクトルなら何でもよい。ここでは と を結ぶのがいちばん簡単で、 になる。
のときは実際に交わるか平行になる。たとえば なら 、 で、直線 ( 直線 )と直線 は点 で交わる。
第4問 整数・数列
偶奇・合同式・帰納法・2のべき当サイトの体感難易度:やや難
(1) がすべて奇数となる最小の自然数 を求める
答
が奇数のときの次の項は で、これが奇数になる条件を の を法とする余りで書くと となる。これを繰り返すと、法が と倍々になっていく。
が奇数のとき である。これが奇数になる条件は 、すなわち で、 だから
である。これを順に使う。
- が奇数:。 と書ける。
- 。 も奇数には 、つまり 、 より は奇数。 として 。
- 、。 も奇数には 、つまり より は奇数。 として 。
よって が必要十分で、最小の自然数は
である。実際 はすべて奇数である(次の は偶数)。
を から まで動かして先頭から何項が奇数かを直接数えると、 項以上が奇数になる最小の は だった。 である。
「 が奇数」だけでは次が奇数とは限らない。 が次の項の奇数条件である。
毎回「」の形が出て の偶奇が決まり、法が 倍になる。この構造に気づけば (2) も同じ手で進む。
(2) がすべて奇数となる最小の自然数 を求める
答
(1) の計算を続けてもよいが、 とおいて一般項を求めてしまうほうが早い。実際 となり、偶奇が指数で読める。
(1) の繰り返しから、 がすべて奇数になる条件は だと予想できる。これを確かめる。
のとき。 に対して
であることを帰納法で示す。 は定義どおり。 が奇数なら
となり、形が保たれる。 の偶奇は の偶奇で決まるので、 なら のべきが残って偶数、したがって は奇数である。 では で偶数になる。
最小性。 (1) と同じ議論を 回繰り返すと、 がすべて奇数である条件は であり、自然数の最小は である。
がすべて奇数なので 、したがって
である。
の列は と 項が奇数で、 で偶数になる。 に を入れると で合っている。
を から まで動かすと、 項以上が奇数になる最小の は だった。 である。
の形を見つけると、偶奇が の指数だけで決まるので議論が一気に短くなる。
「 がすべて奇数」は 項なので である。 としない。
最小性は、各ステップで法が 倍になる (1) の議論から従う。「 でうまくいく」だけでは最小だと言えない。
第5問 積分法
指数関数で囲まれた領域・面積・極限・逆関数の値当サイトの体感難易度:やや難
(1) の面積 を求める
答
と の差は でとても簡単である。上の境界が から に切り替わる で区間を2つに分ければ、どちらも素直に積分できる。
、 とおく。、、、 である。
では とも増加で、 となる を 、 となる を とすると、 より である。、 なので
である。
領域の形。 は で の部分である。 では となり空になるので、 だけを考えればよい。
- :上は 。高さは 。
- :上は 。高さは 。
積分する。
である()。また なので
である(、)。合わせると
である。
のとき 、 で、式の値は 。 万点の数値積分でも になる。 でも小数9桁まで一致した。
が効き始めるのは からで、領域が消えるのは である。 と を取り違えない( なので )。
はこの問題のいちばんおいしいところである。差を展開してから積分しない。
は から出る。有理化の形で覚えておくと速い。
のときは で、最初の積分が消える。式はそのまま使える。
(2) を求める
答
(1) の式を3つの部分に分けて、それぞれの極限を見る。根号の差は有理化、 の項は の形に持ち込む。意味を考えると、 では領域が「 と ではさまれた帯」全体に近づき、その面積は である。
(1) の式を項ごとに見る。
根号の差。 有理化すると
である。
の項。 分母分子を で割ると
で、 とおくと だから、この比は である。よって
である。したがって
である。
はさみうちで示すこともできる。 なので であり、いっぽう なので である。
で 、 で 、 で 、 で となり、 に近づく。 の形になっているのも、上の展開と合っている。
は の形である。 の中身を と展開してから掛ける。
をそのまま と見ない。有理化すれば に行くことがすぐ分かる。
上の note のはさみうちなら (1) の式を使わずに済む。(2) だけなら、こちらのほうが短い。
第6問 極限・対数
桁数と常用対数・最高位の数字・個数の評価・はさみうち当サイトの体感難易度:難
について、整数部分が 桁である の個数 と、そのうち最高位が である の個数 の比の極限を求める
答
桁数の条件も最高位の条件も、 の範囲の条件になる。 の範囲は区間なので、 の範囲はその2乗の区間であり、整数の個数は区間の長さ で押さえられる。
とおく()。 の整数部分が 桁であることは
すなわち
と同値である。最高位の数字が であることは 、つまり
と同値である()。
個数を押さえる。 長さ の区間に入る整数の個数は より大きく より小さい。区間の長さはそれぞれ
なので
である。したがって
で、分母分子を で割って とすると
である()。
が等間隔に近く分布するので、 の小数部分が一様に散らばり、最高位が になる割合が になる。いわゆるベンフォードの法則と同じ理屈である。
を区間の整数の個数として数えると、 で 、 で 、 で となり、 に近づく。 では を直接計算しても同じ が得られた。
の区間は の区間を2乗したもので、長さは 倍ではなく である。 に比例して伸びる。
整数の個数は区間の長さ で押さえる。端の扱いを厳密に書こうとすると床関数だらけになるので、誤差 以内であることだけ言えばよい(極限では消える)。
最高位が の区間は の側で長さ ()である。ここが の正体で、 の側では長さ になる。
と を取り違えない。答えは のほうである。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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