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京都大学 2020年度 前期日程 理系
京大理系 2020年度 数学の解答・解説
全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 複素数平面
解と係数の関係・正三角形・平行移動・3乗根当サイトの体感難易度:やや難
(、 実数)の3解が一辺 の正三角形の頂点になるとき、 と3解を求める
答、、3解は と
3解の和が なので重心は である。重心を原点に移すと「和が の正三角形」になり、 定数 という形の方程式の3解になる。そこで と置き換えると、もとの方程式が 定数 になるはずで、その条件から が決まる。
3解を とすると、解と係数の関係より
である。重心は で、正三角形の重心は外心でもあるから、3解は中心 、半径 の円周上に おきに並ぶ。一辺 の正三角形では(一辺) なので である。
平行移動する。 とおくと、 は絶対値 で偏角が ずつ違う3つの複素数だから、ある実数 を使って
と書ける。このとき
である(前2つは から)。つまり は の3解である。
を決める。 なので
である( に を代入した)。これが に等しいので
である。左辺が正の実数になるには が実数、つまり でなければならない。 だと左辺が になって不適だから で
である。
解を書き下す。 より ととってよい(他の は3解の入れ替えになるだけ)。このとき
なので、 は
である。 を入れると
である。
。 、( とした)なので
である()。 は実数なので、題意にも合っている。
、 として3解 、 から多項式を組み立てると、係数は となり、、 と一致する。3解の相互の距離はすべて である。
「一辺 の正三角形の外接円の半径は 」である。 なので となり、 が2つの意味(係数と半径)をもつのがこの問題の仕掛けである。
と平行移動すると、 の3つの値が 定数 の解になる。これに気づけば積の条件だけで が決まる。
と「 が実数」から に絞る。 は となって不可能である。
の取り方は3通りあるが、3解の集合は同じになる。どれを選んでも答えは変わらない。
第2問 数列・極限
対称式の漸化式・偶奇・sin の周期・はさみうち当サイトの体感難易度:難
(1)すべての正の整数 に対し が偶数の整数であることを示す
答 は 、、 をみたすので、帰納法で整数かつ偶数
対称式なので、解と係数の関係から漸化式が立つ。 が をみたすことを使えば、2項間ならぬ3項間の漸化式が出る。初項2つが偶数なら、漸化式の形から全部偶数になる。
解と係数の関係より 、 である。 とおく。 は をみたすので、両辺に を掛けて足すと
である。また
である。
帰納法。 、 はどちらも偶数の整数である。 が偶数の整数なら、 も整数で、 も も偶数だから も偶数である。よってすべての で は偶数の整数であり、とくに正の整数 について成り立つ。
なら は 、 なら である。どれも偶数になっている。
について漸化式で を計算すると ですべて偶数の整数で、 の数値とも一致する。
から始める。 だけを初期値にすると、 を別に計算することになる(結果は同じ)。
漸化式の係数が ( の符号)なのは だからである。 の を落とさない。
(2) を求める
答
より である。(1) から は「偶数の整数」から小さい数を引いた形になるので、 がその小さい数だけで書ける。あとは を使う。
より で、 だから である。実際 、 である。
(1) の (偶数の整数)を使うと
である。したがって
で、 は偶数だから である。さらに は奇関数なので
である。よって
となる。
極限。 より 、つまり である。
である。したがって求める極限は
である。
が偶数であることがここで効く。奇数だと となって符号が変わり、極限は になる。(1) は (2) のための準備である。
恒等式 は 、 で数値的に成り立つ。 は でいずれも になる。
を直接計算しようとしない。 は巨大になるが、整数部分が で消えることを使う。
は が奇関数だから。 を中に入れたまま放置しない。
最後は の形に持ち込む。 と見る。
第3問 空間ベクトル
内積・対称性・単位球面・2次方程式当サイトの体感難易度:難
単位球面上の4点が与えられた内積の関係をみたすとき、 を求める
答
も も と同じ内積をもつので、どちらも と直交する。つまり は に垂直な平面の中にある。この平面を座標平面にとってしまえば、あとは平面上の単位ベクトル2本の話になる。
を とする。すべて単位ベクトルである。
は に垂直。 条件より なので
である。
座標を置く。 なので は単位ベクトルである。また とおくと より で、 である。 と、両方に垂直な単位ベクトル を座標軸にとると
であり、 は第1成分が である。
を決める。 、 である。 より
である。 の向きを選んで としてよい。
を決める。 で、 より である。 より
である。 に入れると
すなわち
である。解くと
で、 より
である( ほど)。
として座標を作ると、4本とも長さ で、、、 となり、条件をすべてみたす。
を「 が と同じ角をなす」で止めず、 という垂直の形にすると、座標を置く方針がはっきりする。
の符号は、座標軸の向きの選び方で決まる自由度である。どちらにとっても の方程式は同じになる。
の2解のうち負のほうは で捨てる。 の計算に注意する。
4点が実際にこの条件で存在することは、 を代入して を確かめれば分かる。問題は を求めよなので必須ではないが、検算になる。
第4問 整数
3進付値・合同式・mod 9 での絞り込み・最大値を与える組当サイトの体感難易度:難
の最大値と、それを与える をすべて求める
答最大値 。与える は の4組
まず で割った余りで、 と の組み合わせを絞る。 の場合は が でちょうど1回しか割れないことが計算で分かるので、(このとき )だけが残る。 とすると が の倍数になるので、 の の指数が 以上かどうかが勝負になる。
とする。フェルマーの小定理(あるいは の直接計算)より である。 なので または で
- : なので 。 には 。
- : なので 。 には 。
の場合は まで。 、 とおくと
なので
で、かっこの中は で割ると 余る。したがって である。
、 の場合。 とすると である。まず の の指数を調べる。 とおくと
で、 である。さらに のとき
である。、 となるのは ()で、 となるのは 、すなわち
だけである。他の では である。
- のとき: なので 。
- のとき: なので 。
を調べる。 は 、つまり と同値である。このとき とすると
なので となり、 では割り切れない。したがって ちょうどで
である。 より で、 となるのは 、すなわち である。
まとめ。 以上より最大値は
である。
実際 、 である。
、()のすべてで を直接計算すると、最大は で、与える組は の4つだけだった。それぞれ で、 で割ると となり、いずれも の倍数ではない。
のとき は の倍数になる( ではなく )。だから の指数が 以下なら、 は結果に影響しない。
の指数が になるのは だけである。 まで絞ってから、さらに の条件を見る。
なら である( ではなく で効く)。これで が で止まる。
の場合を「たぶん小さい」で片づけず、 をきちんと示す。
第5問 場合の数
ラテン方陣・完全順列・置換の型・場合分け当サイトの体感難易度:やや難
のマス目に を入れ、どの行にもどの列にも同じ数字が1回しか現れないようにする入れ方の総数を求める
答 通り
各行は の並べ替えになる。1行目は 通り、2行目は1行目と同じ列に同じ数字が来てはいけないので「完全順列」になる。3行目以降の数は、2行目の「ずれ方」の型(2つの入れ替えか、4つの巡回か)で変わるので、そこで場合分けする。
どの行にも が1回ずつ現れるので、各行は の並べ替えである。
1行目。 通り。以下、1行目を固定して数え、最後に を掛ける。
2行目。 どの列でも1行目と違う数字が来るので、2行目は1行目に対する完全順列(どの位置も動く並べ替え)である。 個の完全順列は 通りで、その内訳は
- 2つずつ入れ替える型(たとえば ): 個を2組のペアに分ける分け方で 通り。
- つが順に回る型(たとえば ): 通り。
である()。
3・4行目。 各列には、1行目と2行目で使った数字以外の2つが残る。3行目はその残り2つから1つずつ選んで並べ替えになるようにし、4行目は自動的に決まる。
1行目を として型ごとに数える。
- 2つずつ入れ替える型(例:2行目が )。各列の残りは左から である。3行目は左2列に を並べ( 通り)、右2列に を並べる( 通り)ので 通り。4行目は残りで決まる。よって 通り。
- つが順に回る型(例:2行目が )。各列の残りは である。1列目に を置くと4列目は 、3列目は 、2列目は と順に決まり 。 を置くと 。よって 通りで、 通り。
1行目を固定したときの総数は 通りである。したがって全体は
通りである。
でこのような入れ方の総数は「ラテン方陣の個数」と呼ばれ、 では である。 では と急に増え、一般の公式は知られていない。
行すべてを全探索して数えると 通りだった。1行目を固定したときの内訳も、 型の 通りが合計 、 項環状型の 通りが合計 で、 通りと一致する。
2行目が1行目の完全順列になることは「列ごとに違う」から従う。 という数は 個の完全順列の個数で、 ではない。
完全順列の型で3・4行目の数が変わる( 通りと 通り)。型を分けずに一律に掛けると答えがずれる。
4行目は3行目まで決めれば自動的に決まる。ここでさらに掛けないこと。
問題は「マス目に数字を入れる」ことを数えているので、回転や裏返しで移り合うものも別に数える。
第6問 積分法
2回の回転・断面積・円環・log の積分当サイトの体感難易度:難
平面の曲線 ()を 軸のまわりに回して を作り、 を 軸のまわりに回してできる立体 の体積を求める
答
軸まわりに回した は「()」という回転面である。次に 軸まわりに回すので、 を固定して「 の点の 軸からの距離」がどんな値をとるかを調べればよい。その範囲が区間になるので、断面は円環になる。
は 軸まわりの回転面なので、 とおくと
である。
を固定して考える。 軸まわりに回すので、 の点 は平面 (一定)の中で半径
の円を描く。 を固定したとき のとりうる値を調べる。 より で、 は を動く( はそれに応じて決まる)。したがって
である。 は で増加するので、 は から まで連続に増え
のすべての値をとる。つまり平面 (一定)での の断面は、内半径 、外半径 の円環である。
( では両者が で一致し、断面は円周だけになる。 では の点がないので断面は空である。)
体積。 断面積は
なので、偶関数であることを使って
である。それぞれ計算すると
なので
であり
である( ほど)。
断面積を で 万点の数値積分すると で、 と一致する。同じ条件で3次元のモンテカルロ法( 万点)を行っても となり、よく合っている。
は曲面(厚みのない面)である。それを回すので、断面は円環になり、内側に穴が開く。 を「曲線が通過した部分」と読み違えて塗りつぶさない。
を固定したとき が動ける範囲は である。 は から来る。
が について連続増加なので、 のとりうる値が区間になる。ここを言わないと「円環全体が埋まる」ことが示せない。
は部分積分で である。 としない。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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