本文へ
大学別数学研究室
  • 独自の解答・詳解
  • 問題文は非掲載
  • 全6問・無料

東北大学 2023年度 前期日程 理系

東北大理系 2023年度 数学の解答・解説

全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/12

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 確率

非復元抽出・色の並びで数える・順番に依存する勝敗・余事象当サイトの体感難易度:標準

(1)赤玉4個と白玉5個の袋から、 と が から交互に1個ずつ取り出す(戻さない)。 が赤を取り出したら の勝ち、 が白を取り出したら の勝ちでそこで終了し、玉がなくなったら引き分けとするとき、引き分けとなる確率を求める

答

9個を全部取り出す順番を「色の並び」と見る。同じ色の玉は区別しないことにすると、並びは 通りで、どれも同様に確からしい。引き分けになる並びはたった1つしかない。

色の並びで考える。 9個すべてを取り出す順番を考え、赤がどの位置に来るかで色の並びを決める。赤の位置の選び方は

で、どれも同様に確からしい(玉を区別して 通りと数えても、同じ色の並びを与えるものは 通りずつで等しい)。ゲームは途中で終わることもあるが、「その先も全部取り出したとしたらどういう並びか」で数えれば、各並びがちょうど1つの結果に対応する。

は1,3,5,7,9番目、 は2,4,6,8番目を引く。

  1. の手番で赤が出たらそこで の勝ち
  2. の手番で白が出たらそこで の勝ち

引き分け。 最後まで誰も勝たないのは、奇数番目がすべて白、偶数番目がすべて赤のときである。奇数番目は5か所、偶数番目は4か所で、白が5個・赤が4個だからちょうど過不足なく配れる。そのような並びは

の1通りだけである。よって引き分けの確率は

である。

126通りを全列挙して勝敗を判定すると、引き分けはちょうど1通りだった。

途中で終わるゲームでも「9個全部の並び」で数えてよい。終わったあとの並びを勝手に決めても、結果は変わらないからである。

白が5個・赤が4個と、奇数番目5か所・偶数番目4か所がぴったり合う。ここが「1通りだけ」になる理由である。

(2)このゲームに が勝つ確率を求める

答

が 回目の手番で勝つ並びを数える。それまでの 個の色は「奇数番目は白・偶数番目は赤」と完全に決まり、 番目が赤、残りは自由なので、組合せ1つで数えられる。

が 回目の手番( 番目)で勝つのは、次のときである。

  1. 番目( か所)がすべて白
  2. 番目( か所)がすべて赤
  3. 番目が赤
  4. それ以降は何でもよい

このとき赤は 個、白は 個が使われ、残り か所に赤 個と白 個を並べる。並べ方は 通りである。

  1. :
  2. :
  3. :
  4. :
  5. :赤は4個しかなく、 番目で使い切るので 番目を赤にできない。 通り

合計すると 通りなので、求める確率は

である。

同じ数え方で が勝つのは 通りである。 でちょうど尽きるので、よい検算になる。確率で書くと が 、 が 、引き分けが で、先手の が有利である。

126通りの全列挙で の勝ちは76通り、 だった。

( が9番目で勝つ)は赤の個数が足りず起こらない。機械的に と書き下すときに見落とさない。

「それ以降は何でもよい」の部分も数に入れる。勝敗が決まった時点で止まるが、並びとしては最後まで決めて数えている。

第1問だけのページ

第2問 三角関数・極限

和積の公式・方程式の解の集合・ガウス記号・はさみうち当サイトの体感難易度:標準

(1) について、 を満たす正の実数 のうち最小のものを求める

答

和積の公式で積の形にする。 を使えば になり、零点がすぐ読める。

和積の公式から

である。よって は

と同値である。それぞれの解は、整数 を使って

  1. :、つまり
  2. :

である。後者は前者( が奇数の場合)に含まれるので、 の解全体は

である。正で最小のものは のときの

である。

π/2π3π/22πy = f(x)
y = f(x) = sin3x + sin x = 2 sin2x cos x。零点は x = kπ/2 で、π/2, 3π/2 などでは接するように 0 になる(符号が変わらない)。

である。 では 、 なので で、零点はない。

の解は の解に含まれる。2つの解集合を足して重複を残さない。

は と が同時に になる点で、グラフは 軸に接する。符号変化だけで零点を探すと見落とす。

(2)正の整数 に対し、 を満たす正の実数 のうち 以下のものの個数を とするとき、 を求める

答

(1) より解は 間隔で等間隔に並ぶ。個数はガウス記号で書けるので、 ではさめば極限が出る。

(1) より の正の解は

と 間隔で並ぶ。 は と同値なので

である( はガウス記号)。ガウス記号の定義から

であり、 で割って

となる。 で両端とも に収束するから、はさみうちの原理より

である。

である。 では で と、確かに近づいている。

で 、 で、 に近い。

「解が等間隔に並ぶ」ことを (1) で確定させておく。 の解が別にあると思うと間隔を取り違える。

の側の不等号は強い不等号。はさみうちには と が混ざっていてよい。

第2問だけのページ

第3問 数列

係数が n の漸化式・階差への帰着・部分分数分解・和が 0 になる条件当サイトの体感難易度:標準

(1)、 で定まる数列について、 を と で表す

答

係数に が入っているので、両辺に を掛けて とおくと、階差型 になる。

与式の両辺に を掛けると

である。 とおくと左辺は だから

となる。 なので、 では

である()。これは でも と合う。よって

である。

なら (定数列)になる。実際 は をみたす。

では で、式の値と完全に一致した。

のままでは等比にも階差にもならない。 を掛けて の形を作る。

の添字をていねいに。 は から まで動く。

(2)ある正の整数 に対して が成り立つとき、 を で表す

答

(1) の式の を部分分数に分けると和が望遠鏡のように縮む。あとは について解くだけ。

(1) より

である。 なので

である。よって

である。これが になるのは、 より

のときである。 について解いて

である。

なら で、 だから確かに和は 。 なら で 、 と打ち消し合う。

から まで として漸化式を回すと、和はいずれもちょうど になった。

でくくってから を使う。 は正の整数なので割ってよい。

第3問だけのページ

第4問 複素数平面

1の5乗根・因数分解・極形式・周期性当サイトの体感難易度:やや難

(1)、 とするとき、 が で割り切れることを示す

答、

は係数が左右対称(相反式)なので、 の形2つの積に分かれる。係数比較で の2次方程式を作ると、その解の一方が になる。

実数 を使って と書けないか調べる。展開すると

である。これが に一致する条件は

である。したがって は2次方程式

の2解である。この解は

で、一方が である。 とおけば 、 が確かに成り立つ。よって

と因数分解でき、 で割り切れる。

実際に筆算で割ってもよい。商は になる。

数値で割り算すると、商が 、余りが になった。

定数項が 、 と の係数が等しい(相反式)なので、 の形の積を試すのが自然である。

(2) の虚数解で虚部が正のものを とするとき、 を極形式で表す

答

(1) より は の解なので である。極形式 とおき、ド・モアブルの定理で と を決める。実部の符号で が1つに決まる。

。 (1) より である。両辺に を掛けると

である。また は虚数なので である。

O1αα²α³α⁴
α は 1 の5乗根のうち、虚部が正で実部も正のもの。複素数平面の単位円を5等分した点のうち偏角 72° の点である。

極形式。 (、)とおく。ド・モアブルの定理から

なので かつ ( は整数)である。 は正の実数で をみたすから、与えられた事実より である。また

である。 より 、虚部が正より だから または である。

を決める。 の2解の和は で、2解は互いに共役だから、 の実部は である。 なので は不適で

である。

は、 の2解の積が で2解が共役()であることからも分かる。ついでに 、つまり が得られる。

で になった。

と「虚部が正」だけでは の2つが残る。実部の符号で絞る。

から を言うのに、問題が与えている「 をみたす実数 は のみ」を使う。

(3)(2) の に対して の値を求める

答

なので指数は で割った余りだけで決まる。 だから になり、 を使って と書ける。

で なので

である。よって求める値は である。

すなわち の両辺を で割ると

である。 とおくと

なので

である。 だから

である。よって

である。すなわち

である。

なので、求める値は でもある。(1) の とちょうど同じ値になっているのは偶然ではなく、 が の2解だからである。

数値では で、 と一致した。

を で割った余りを使う。 が (2) で手に入っている。

の展開で中央の を落とさない。

第4問だけのページ

第5問 空間ベクトル

内積の計算・平面への垂線の足・係数の和が1・平行の証明当サイトの体感難易度:やや難

(1)四面体 で 等とおき、、、、、、 とするとき、 と を求める

答、

は定義そのもの。 は「」を と書けばすぐ出る。

内積の定義から

である。また で、 だから

である。

条件をみたす座標を作ると、どちらの内積も になった。

(2)点 から3点 を含む平面に下ろした垂線の足を とするとき、 を と で表す

答

は平面 上なので とおける。 が平面に垂直、つまり とも とも垂直であることから連立1次方程式になる。

とおく。 が平面 に垂直だから

である。、、、 を代入すると

である。第1式を3倍して第2式を引くと 、すなわち である。これを第1式に入れて

である。よって

である。

座標で計算すると も も になった。

「平面に垂直」は「平面を張る2つのベクトルの両方と垂直」。 と の2本で条件を書く。

(3)点 から3点 を含む平面に下ろした垂線の足を とするとき、 と が平行であることを示す

答 なので

「 が になるような がある」ことを示せばよい。そのためには、 が (i) 平面 上にあり、(ii) と直交する、の2つを確かめる。

実数 に対し

とおく。

とは自動的に直交する。 との内積は

で、値を入れると

である( の項が消えるのは のおかげ)。つまり によらず である。

と直交する 。 との内積は

なので、 のときに になる。

平面 上にあること。 のとき

で、係数の和は

である。 の係数の和が だから、 の終点は平面 上にある。

結論。 の終点は平面 上にあり、 は とも とも直交するので平面 に垂直である。これは から平面 に下ろした垂線の足の条件そのものだから である。したがって

となり、 だから は に平行である。

「 が によらず成り立つ」が効いている。もとの四面体で と (平面 )の2つがあるので、 は平面 に垂直になる。 と がともにその平面上にあることが、平行性の正体である。

座標で を計算すると、3成分とも の 倍だった。

を未知数3つでおくより、「 が条件をみたす」と当てて確かめるほうが短い。これで示すべき平行性も同時に出る。

平面 上にあることは「係数の和が 」で言える。垂直条件だけでは足りない。

第5問だけのページ

第6問 微分法・積分法

接線・線分の通過領域・最大最小で境界を決める・対数を含む面積当サイトの体感難易度:難

(1) の曲線 の接線で、傾きが かつ接点の 座標が正であるものの方程式を求める

答

を解くだけ。分母の2乗が になるので、きれいな値が出る。

微分すると

である()。 とすると

なので または である。接点の 座標が正だから で

である。求める接線は

である。

で、 と一致する。

(2)、 とし、 が を動くとき、線分 が通過してできる図形 の概形を描き、 の面積を求める

答面積は ()

の傾きはつねに である。そこで に注目し、 とおくと、 の各縦断面が の最大・最小で書ける。 の増減を調べれば上下の境界が決まり、面積は積分で出る。

傾きは 。 の 座標の差は 、 座標の差も なので、 の傾きはつねに である。線分 上の点は を使って

と書ける。 とおくと、この点 について

である。 と から、 の動ける範囲は

である( のとき空でない)。逆に なら がとれるので、点 は に属する。 は連続だから、 の における縦の切り口は

という区間になる。ここで は 上での の最大・最小である。

の増減。 (1) の計算から

で、 は 、 では だけである。 で 、 で だから、 は で増加、 で減少する。値は

である。また となる は

すなわち から (もう一方は負)である。このとき である。

上下の境界。 が を含むのは のときなので

  1. : で は増加。、
  2. :、
  3. :、
  4. :、
  5. : で は減少。、
  6. :。、
(0, -4)(1/6, -9/4)最大 (1/2, -7/4)(7/6, -9/4)(2, -43/13)
g(x) = f(x) - x のグラフ(0 ≦ x ≦ 2)。x = 1/2 で最大 -7/4 をとり、g(1/6) = g(7/6) = -9/4 で同じ値になる。

である。、 に注意すると、境界は次のようになる。

  1. 上の境界:()→ 接線 ()→ ()
  2. 下の境界:(、 のときの線分)→ ()→ ()→ (、 のときの線分)
(0, -4)(1/2, -5/4)(3/2, -1/4)(3, -4/13)(7/6, -13/12)
線分 PQ の通過領域 S。上の境界は y = f(x)、傾き1の接線 y = x - 7/4、y = f(x-1)+1 の3つ、下の境界は x = 0 のときの線分、y = f(x-1)+1、y = f(x)、x = 2 のときの線分の4つからできている。

面積。 とおく。上の境界の積分は

で、順に 、、 だから、合計は

である。下の境界の積分は

で、順に 、、、 だから、合計は

である。差をとると が消えて

すなわち

である。

上の境界に接線 がそのまま現れるのは、 の最大値 が「 の最大値」だからである。(1) の接線は、傾き の直線のうち曲線の上から押さえるいちばん下のものにあたる。

上下の境界から区分求積すると 、 で一致した。400万点のモンテカルロでも になった。

「傾き の線分が動く」ので、 を見るのが決定打。 そのものを見ると場合分けが複雑になる。

下の境界で と が で入れ替わる。 を解いて交点を出す。

の全体で切り口が1つの区間になる( が連続だから)。領域が2つに分かれたりはしない。

第6問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

当サイト運営者が制作した教材

同じ形式の問題を、5回分

合格答案をつくる 東北大理系数学 2027 Vol.1の表紙

合格答案をつくる 東北大理系数学 2027 Vol.1

東北大理系数学の出題を分析して書き下ろした予想問題集です。過去問そのものは入っていません。 本番と同じ試験時間・大問構成で5回分、 解答・詳解・別解に加えて、 小問ごとの加点・減点つきの採点表を収録しています。

Amazonで見る全2巻を見る¥2,695・102ページ・2026年7月27日発売

中身を試し読みする

扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。

抜粋をPDFでまとめて見る

関連するページ