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東北大学 2022年度 前期日程 理系

東北大理系 2022年度 数学の解答・解説

全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/13

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 場合の数

奇数の置き換え・重複組合せ・余事象・2次不等式当サイトの体感難易度:標準

(1) を より大きな奇数とし、 を満たす正の奇数の組 (順序を区別する)の個数を とするとき、 での を求める

答

正の奇数は ( は正の整数)と書ける。3つとも置き換えると、条件は「正の整数 の和が一定」という重複組合せの標準形になる。

、、( は正の整数)とおくと

である( は奇数なので は整数)。 と は1対1に対応するので、 は「和が である正の整数の組 の個数」である。

和が の正の整数3つの組の個数は、 個の仕切りの位置から2つ選ぶと考えて である。 なら なので

である。

一般には より である。(3) で使う。

で を全探索すると 通りだった。 なら で、 の3通りと合う。

順序を区別するので、 と を別に数える。重複組合せの公式がそのまま使える。

(2) のとき、 の中に同じ奇数を2つ以上含む組 の個数を求める

答 個

「3つとも同じ」と「ちょうど2つが同じ」に分けて数える。(1) の置き換えで に直してから数えるほうが式が軽い。

(1) の置き換えで ( は正の整数)として数える。 が等しいことと が等しいことは同じである。

3つとも同じ。 より の1通り()。

ちょうど2つが同じ。 等しい2つの値を 、残りを とすると 、 である。、 より の 通りあり、このうち となるのは 、つまり の1通りだから、 の選び方は 通りである。

どの位置に「ちがう値」が来るかで3通りあるので、 通りである。

以上より、求める個数は

である。

3つとも相異なるのは 個で、 だから、順序を無視した相異なる3数の組は 通りである。

の全列挙で 通りだった。

「2つ以上」なので、3つとも同じ場合も含む。「ちょうど2つ」で数えてから足す。

で になる を除く。除かないと「3つとも同じ」を二重に数える。

(3) を満たす最小の を求める

答

(1) の注で得た を使う。 は2次不等式になり、 が より大きい奇数であることから候補が決まる。

(1) より一般に

である。 は

と同値である。 の解は で、 だから条件は

である( は から)。 は より大きい奇数なので、これを満たす最小の は

である。実際 では 、 では である。

では 、 では だった。

は奇数なので の次は 。整数というだけなら だが、偶数が候補に入らないことも確認する。

第1問だけのページ

第2問 微分法

4次関数の最小値・導関数の因数分解・解と係数の関係・単調減少の条件当サイトの体感難易度:難

(1) の最小値が負となるような の範囲を求める

答

なので、 が負になるのは かつ となる があるとき。これは が異なる2実数解をもつことと同値である。

は4次で の係数が正なので最小値をもつ。最小値が負であることは、 となる が存在することと同じである。

で、 では だから、 となるのは

となる があるときである。 の解が存在するのは判別式が正のとき、すなわち

のときである。このとき解の集合は長さが正の開区間だから、 以外の点を必ず含む。逆に なら がつねに成り立ち である。よって求める範囲は

である。

では最小値 、 では 、 では だった。

では で になる。「 となる がある」だけでなく、それが 以外にとれることまで見る(開区間なので自動的に成り立つ)。

(2) のとき は2つの極小値をもつ。極小となる を とするとき、 を示す

答 とおくと

は でくくれて「 2次式」になる。極小点は2次式の2解なので、そこでの の値を解と係数の関係だけで比べられる。 と平行移動すると式がさらに軽くなる。

の因数分解。 積の微分から

である。2次式 の判別式は で、 なら だから異なる2実数解 をもつ。 を代入すると なので は2解の間にあり

である。 の符号は と変わるので、 が極小、 が極大を与える。

α₁x = -1(極大)α₂
a = 0 のときの y = f(x)。x = α₁ と x = α₂ で極小、x = -1 で極大(値 0)。左側の極小値のほうが小さい。

極小値の表し方。 が の解なら なので

である。よって

である。 とおくと だから

である。

の対称式。 、 とおく。 を に入れると

なので、解と係数の関係から

である。 より である。

差をとる。

で、因数分解すると

である。、 を入れると、 の中は

である。 だから であり、また より なので

である。したがって

となり、 である。

では 、 で だった。 でも同じ向きだった。

を根号で書き下すと比較が重い。 を の形に直してから対称式で処理する。

と平行移動すると が定数 になり、 は にだけ残る。符号の議論がこれで一本化できる。

(3) が において単調減少し、かつ において最小値をとるとき、 の範囲を求める

答 または

の符号を で場合分けする。いちばん左の極小点が最小値を与えれば条件が成り立ち、そうでなければ途中に増加区間が入って成り立たない。

とおくと である。判別式は 、、 の軸は である。

(i) 。 判別式が 以下で だから、 の符号は の符号と同じである。 は で減少、 で増加し、 で最小になる。 として条件が成り立つ。

(ii) 。 (2) より で、 は で減少、 で増加、 で減少、 で増加する。極小値は で、(2) より だから最小値は である。 として条件が成り立つ。

(iii) 。 判別式は正なので は異なる2実数解 をもつ。 で、軸が だから は2解の右側、つまり

である( のときは )。このとき の符号は で負、 で正、 で負、 で正である。極小値は と の2つで、極大が である。

が で単調減少して で最小になるには、 でなければならない( だと、その手前の で増加してしまう)。したがって条件は

すなわち「 の最小値が 以下」である。(1) より最小値が負なのは 、最小値が になるのは のときで、 では は 以外で正である。よってこの場合の条件は である。

まとめ。 (i)(ii)(iii) を合わせると、求める範囲は

である(、)。間の では、最小値 をとるのが だけなのに、その手前に増加区間があるので条件を満たさない。

では で、最小値 を と の2か所でとる。 にとれば条件を満たす。

を から まで13通りとって数値で判定すると、条件を満たさなかったのは だけで、 と一致した。

の場合分けの境目は ( が の解になる)と (判別式 )の2つ。 は最小値の符号の境目で、別の由来である。

というごく狭い区間だけが除かれる。数値で確かめておくと安心できる。

第2問だけのページ

第3問 極限

有理化・不等式の評価・はさみうち・区分求積の変形当サイトの体感難易度:標準

(1)正の実数 に対して を示す

答右は2乗して比較、左は と有理化して分母を比べる

を含む不等式は「2乗する」か「有理化する」。右側は2乗、左側は有理化してから分母の大小を見るのがいちばん短い。

右側。 より なので、2乗して比べればよい。

なので 、つまり である。

左側。 有理化すると

である。 では より ( で )なので

である。分母が大きいほど分数は小さいから

である。以上で両側が示された。

を 刻みで まで動かして確かめ、反例は 件だった。

左側を2乗で示そうとすると分母を払う操作が増える。有理化して「分母の比較」に持ち込むほうが短い。

が成り立つのは のとき。 から を言っておく。

(2) の極限 を求める

答

(1) を で使って を上下からはさむ。上側はそのまま で、下側は分母を の最大値で置き換えればさらに簡単になる。

(1) に を代入して で足すと

である。右側は

である。左側は、分母・分子に を掛けて

である( より分母を に置き換えると小さくなる)。したがって

である。 で両端とも

となるので、はさみうちの原理より

である。

なので という見通しが立つ。(1) の不等式は、この近似の誤差を上下から押さえるために用意されている。

で だった。

区分求積の形()にはならない。 は で に近づくので、はさみうちで処理する。

左側は分母を によらない形に置き換えてから和をとる。そのまま を計算しようとしない。

第3問だけのページ

第4問 図形と方程式

角の二等分線・2倍角の公式・2円の外接・極限当サイトの体感難易度:やや難

(1)第1象限内で直線 ()と 軸の両方に接する半径 の円を とし、 の中心を通る直線 ()を考えるとき、 を で表す

答

2直線に接する円の中心は、その2直線のなす角の二等分線上にある。 が 軸となす角を とすると で、2倍角の公式から の2次方程式が立つ。

は 軸と の両方に接し、第1象限内にあるので、その中心は2直線のなす角の二等分線上にある。 が 軸の正の向きとなす角を (、)とすると、二等分線は である。よって

である。2倍角の公式 から

である( より で だから )。 だから解の公式で

で、 より

である。

では で、 と一致した。

「 軸と の両方に接する」から中心は角の二等分線上。半径 の値は には関係しない。

(2) と 軸、および円 のすべてにそれぞれ1点で接する円の半径を ()とするとき、 を で表す

答

半径 の円も2直線に接するので、中心は同じ二等分線 上にある。 軸に接するから中心の 座標が半径に等しく、原点からの距離が半径に比例する。2円が外接する条件を書けば の方程式になる。

OC半径 b の円ℓ: y = mxy = tx
m = 1 のときの様子。半径 a の円 C と半径 b の円は、どちらも x 軸と直線 ℓ に接するので、中心は同じ二等分線 y = tx 上にある。2円は外接する。

半径 の円も 軸と に接するので、中心は二等分線 上にある。 軸に接することから中心の 座標は半径に等しいので、中心は

である。原点からの距離はそれぞれ

で、 だから中心間の距離は である。2円は外接するので、これが に等しい。

とおくと 、すなわち だから

である( より で分母は正)。分母を有理化すると、 だから

である。

( が 軸、つまり直角のとき)なら で、座標軸に接する2円の有名な比になる。

()で中心間距離を計算すると で外接しており、 だった。

2円は外接する(内接ではない)。 で、小さいほうが角の奥にあるからである。

を使うと、有理化が一気に進む。

(3)極限 を求める

答

(2) より である。(1) の を有理化すると が見えるので、各項の極限がそのまま計算できる。

(1) の を有理化すると

なので

であり、とくに である。(2) より

である。、、 だから

である。

角が狭くなると2円の大きさの比は に近づくが、その近づき方が であることを意味している。

で だった。

をそのまま で とすると の形。有理化して にしてから割る。

第4問だけのページ

第5問 空間ベクトル

垂線の足・漸化式・極限・共通垂線当サイトの体感難易度:やや難

(1)、、 が定める2直線 、 について、 を原点とし、 から への垂線の足を 、 から への垂線の足を とするとき、 を で表す

答

「垂線の足」は、引いたベクトルが直線の方向ベクトルと直交する、という式1本で決まる。2回分を順に書いて を消す。

内積を先に計算しておく。

。 が の方向 と直交するので

すなわち

である。

。 が と直交するので

すなわち である。① を代入して

である。

は原点なので 、よって 、 である。

数値で となり、漸化式と一致した。

垂線の足の条件は「結んだベクトル 直線の方向」。点が直線上にあることは媒介変数で自動的に満たされている。

(2)極限 、 を求める

答、

は公比 の等比型なので収束し、極限は不動点である。 は ① に入れるだけ。

(1) の漸化式は

と書ける。不動点 は より

である。 だから

で、 より である。すなわち

である。① より だから

である。

数値で 、 となり、、 と一致した。

(3)、 とおくとき、直線 が2直線 の両方と直交することを示す

答 で、 とも とも内積が

と を直接確かめる。(1) で作った2本の式に を入れるだけで出る。

である。まず との内積は

で、、 を入れると

である。次に との内積は

である。また

なので直線 が定まり、その方向ベクトルが の方向 とも の方向 とも直交する。よって直線 は2直線 の両方と直交する。

、 は、(1) で作った2本の式で をすべて極限に置き換えたものである。極限では「垂線の足をとる操作」が止まるので、両方の直交条件が同時に成り立つ。

数値で で、 との内積はいずれも 以下だった。

を確かめてから「直線 」と言う。

は と の両方に直交するベクトル(外積の定数倍)。検算に使える。

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第6問 積分法

立体の共通部分・断面積の積分・場合分け・球冠の体積当サイトの体感難易度:やや難

半径 の円を底面とする高さ の直円柱と、半径 の球を考える。直円柱の底面の円の中心と球の中心が一致するとき、直円柱の内部と球の内部の共通部分の体積 を求める

答 で 、 で 、 で 、 で

底面に平行な平面で切る。高さ での切り口は、球からは半径 の円板、円柱からは半径 の円板で、共通部分は小さいほうの円板になる。どちらが小さいかの切り替わり位置と、積分の上端( か か)で場合分けする。

底面の円の中心を原点、円柱の軸を 軸にとる。円柱は 、、球は である。

高さ での切り口は、円柱が半径 の円板、球が半径 の円板( のとき)なので、共通部分の面積は

である。 となるのは ( のとき)である。

1√3√(r²-1)r
回転軸を含む平面での断面(軸からの距離を横軸、高さを縦軸にとった右半分)。網かけが共通部分。図は 1 < r < √3 のときで、高さ √(r²-1) より下では円柱の側面が、上では球面が境界になる。

(i) 。 つねに で、積分の上端は ()である。

(球が丸ごと円柱に入っているので、半球の体積である。)

(ii) 。 とおくと で、積分の上端は である。

である。 だから で

である。

(iii) 。 は なので、 で、積分の上端は である。

で、、 を使うと

である。

(iv) 。 なので のすべてで となり、切り口はつねに円柱の円板である。

(円柱がまるごと球に含まれる。)

境目では値がつながる。 では (i)(ii) とも 、 では (ii)(iii) とも 、 では (iii)(iv) とも である。

では数値積分が 、式の値も 。 では で一致し、 では円柱の体積 になった。

場合分けの境目は (球が円柱の側面に届く)、(球が円柱の上面に届く)、(球が円柱の上面の縁に届く)の3つ。 は から来る。

積分の上端は 。球のほうが小さいうちは 、大きくなったら である。

とおくと ときれいに消える。代入のタイミングを間違えないように。

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