本文へ
大学別数学研究室
  • 独自の解答・詳解
  • 問題文は非掲載
  • 小問3問・無料

東京大学 2024年度 前期日程 理科

第3問 確率・数列の解答・解説

対称移動・確率漸化式・対称性による言いかえ・等比数列当サイトの体感難易度:やや難最終更新 2026/10/11

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

(1) がとりうる点の座標をすべて求める

答、、、、、、、 の8点

4種類の操作はどれも「成分の符号を変える」か「2つの成分を入れかえる」かのどちらかである。だから は のまま変わらない。逆にその8点が全部出ることは、 から順にたどれば分かる。

点 に対する4つの操作は、順に

である。どれも成分の符号を変えるか、 つの成分を入れかえるだけなので、 と の組は のまま変わらない。よって は上の8点から出ない。

逆に8点すべてに行けることは、 から1手で 、、、 に行け、さらに から1手で と 、 から1手で に行けることから分かる。

(2, 1)(2, −1)(−2, 1)(−2, −1)(1, 2)(−1, 2)(1, −2)(−1, −2)
がとりうる8点。原点を中心に、 と (薄い線)について対称な位置に並ぶ。

どの操作も原点からの距離を変えないので、8点はすべて の距離にある。実際 で、8点はすべて同じ円周上に並ぶ。

(2) 秒後に にいる確率と にいる確率が等しいことを示す

答どの正の整数 についても等しい

正面から2つの確率を計算する必要はない。「1手前がどこであっても、そこから へ行く確率と へ行く確率が同じ」ことさえ言えれば、全部足したものも等しい。4点ぶん確かめるだけで済む。そのために、まず偶数秒と奇数秒でいる場所が完全に分かれることを押さえておく。

8点を次の2組に分ける。

の4点はどれも、4つの操作すべてで の点に移る。たとえば からは順に 、、、 となり、すべて の点である。、、 も同じように確かめられる。逆に の4点はどれも、4つの操作すべてで の点に移る。

最初 は にいるから、偶数秒後には の点に、奇数秒後には の点にいる。 も も の点なので、 が奇数のときはどちらの確率も で、等しい。

が偶数のときを考える。 秒後、 は の4点のどれかにいる。そこで の各点について、 へ移る操作と へ移る操作の確率を並べる。

  1. からは、 軸対称(確率 )で に、 軸対称(確率 )で に移る。どちらも 。
  2. からは、 軸対称()で に、 軸対称()で に移る。どちらも 。
  3. からは、 対称()で に、 対称()で に移る。どちらも 。
  4. からは、 対称()で に、 対称()で に移る。どちらも 。

つまり のどの点 についても、 から1秒後に にいる確率と にいる確率は等しい。それを と書くと、 秒後に にいる確率を として

となり、2つの確率は等しい。以上でどの正の整数 についても示された。

で直接確かめられる。 秒後に に戻るのは同じ操作を2回続けたときだけで、確率は 。 に行くのは「 軸対称と 軸対称を1回ずつ」または「 対称と 対称を1回ずつ」で、。一致する。

奇数秒のときに「どちらも だから等しい」で済ませるには、偶数秒と奇数秒でいる場所が分かれることを先に示しておく必要がある。これは (3) でも効くので、ここで書いておくと二度手間にならない。

と は原点対称な2点だが、「原点対称だから等しい」だけでは理由になっていない。 つの操作の確率が と2つずつ等しいことまで使って初めて言える。

(3) 秒後に が にいる確率を求める

答 が偶数のとき 、 が奇数のとき

8点を1つずつ追うと8本の漸化式になって手に負えない。ここで効くのが「どの操作も と を入れかえるか入れかえないかのどちらか」という見方である。 か かだけを見れば、状態は2つになり、漸化式は1本で済む。そのうえで (2) を使うと、その2つのうち の取り分がちょうど半分だと分かる。

8点を、 の4点(横長の組)と の4点(縦長の組)に分ける。操作が組をどう変えるかを見る。

  1. 軸対称と 軸対称は符号を変えるだけなので、 も も変わらない。組は変わらない。確率は合わせて 。
  2. 対称と 対称は と を入れかえるので、 と が入れかわる。組は必ず入れかわる。確率は合わせて 。

そこで を「 秒後に の組にいる確率」とおく。 であり、上の観察から

が成り立つ。 と変形でき、 だから

となる。

が偶数のとき、(2) で見たように は の点にいる。このうち なのは と の2点だけなので

であり、(2) よりこの2つは等しいから である。したがって

となる。 が奇数のときは は の点にいるので である。

では となり、(2) の検算で直接数えた値と一致する。 では で、これは8点の上の推移を分数のまま4回たどった値と一致する。

の漸化式は偶数秒・奇数秒を区別せずに立つ。組の入れかえは、いまどちらの組にいるかに関係なく確率 で起きるからである。

が言えるのは が偶数のときだけである。奇数のときは の点が と の2つで、 ではない。

で になるが、これは8点に均等にばらけた ではない。偶数秒には の4点にしか行けないので、 が正しい。

2024年度の全6問をまとめて読む

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針

当サイト運営者が制作した教材

同じ形式の問題を、5回分

合格答案をつくる 東大理系数学 2027の表紙

合格答案をつくる 東大理系数学 2027

東大理系数学の出題を分析して書き下ろした予想問題集です。過去問そのものは入っていません。 本番と同じ試験時間・大問構成で5回分、 解答・詳解・別解に加えて、 小問ごとの加点・減点つきの採点表を収録しています。

Amazonで見る全3巻を見る¥2,695・168ページ・2026年8月2日発売

中身を試し読みする

扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。

抜粋をPDFでまとめて見る

関連するページ