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東京大学 2019年度 前期日程 理科

東大理系 2019年度 数学の解答・解説

全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/11

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 積分法

置換積分・部分積分・分数関数の積分・展開して分ける当サイトの体感難易度:標準

を求める

答

とおくと となり、2つめの括弧はちょうど と書ける。そこで展開して4つの積分に分ければ、どれも基本の形(多項式、 型、 型、 型)に落ちる。

とおく。商の微分で

となるので、被積分関数は である。展開して

の4つを順に積分する。

であり、

である。3つめは ()と置換して

となる()。4つめは を使って部分積分する。 だから

である。 と直すと、 の置換で

なので、4つめは である。以上を足すと

となる。

、、 で、合わせて 。被積分関数をそのままシンプソン法で から まで数値積分すると となり、小数10桁まで一致する。

と書き直すところから始める。 に気づけば、2つめの括弧の正体が見える。

展開して4つに分けると、どれも定石どおりの積分になる。まとめたまま原始関数を探そうとすると行き詰まる。

第1問だけのページ

第2問 図形と方程式・微分法

三角形の面積・条件つきの最大最小・3次関数の増減・定義域の確認当サイトの体感難易度:標準

の最大値と最小値を求める

答最大値 、最小値

を原点にとって座標を入れると、 は1つずつの変数で書ける。2つの面積条件から変数が1つに減り、 は1変数の式になる。 を変数にとると3次式になって扱いやすい。定義域(各点が辺の上にあること)を落とさないことが要点。

、、、 とおく。、、()と書くと 、 である。

2つの面積条件。 より

である。 は 、 から

となる。 より で、 だから絶対値は外れる。 とあわせて 、すなわち

である。

1変数にする。 を代入して

となる。 とおくと

である。

の範囲。 から 、すなわち 。 とあわせて 、つまり である。このとき は で 、 で となり、間でも なので は自動的にみたされる。

増減。 とおくと

で、 では だから符号は で決まり、 で正、 で負である。よって は で最大になり

である。両端は

で、小さいほうは である。したがって最大値 ( のとき)、最小値 ( のとき)となる。

ABCDPQR
最大になるとき()の配置。、、 で、 と の面積はどちらも 。

のとき 、 で、、 となる。 である。 を 万等分した全探索でも、最大 、最小 が得られた。

の絶対値を外すとき、 から中身が正であることを確かめておく。符号を決めずに外すと式が変わる。

の範囲は である。 の極大を与える がこの範囲に入っていることが効いている。

が から の中にあることも確かめる。この問題では自動的にみたされるが、確かめずに進むと定義域を見落としたことになる。

第2問だけのページ

第3問 空間図形

平面の方程式・立体の切り口・錐の断面・領域の面積当サイトの体感難易度:難

(1)八面体 の平面 による切り口と、平面 の平面 による切り口を図示する

答八面体の切り口は4点 、、、 を頂点とする四角形( 平面で見たもの)、 の切り口は直線

は を通り に平行なので、法線は と の両方に垂直なベクトルとして求まる。八面体のほうは、正方形 を底面として を頂点とする角錐と を頂点とする角錐の和だから、 で切ると を共通の底辺とする2つの三角形になる。

は の中点で 、 は の中点で である。、 だから、両方に垂直なベクトルとして がとれる。 を通るので

である。 も をみたす。 で切ると直線 になる。

八面体 は、正方形 ( 上の )を底面として、 を頂点とする角錐と を頂点とする角錐を貼り合わせたものである。 で切ると、底面の切り口は線分 (、)で、 も も 上にあるから、切り口は三角形 と三角形 を合わせた四角形になる。

PAECz = x − 1
のときの平面 による切り口。四角形が八面体の切り口(横軸 、縦軸 )、斜めの直線が平面 の切り口 。 は辺 と平行なので、この直線も と平行になる。

の法線 は との内積が で、たしかに と平行である。、 はどちらも をみたす。

は 軸の上にはない( 座標が )。四角形が左右対称にならないので、図は を右に寄せて描く。

(2)八面体の平面 による切り口が八角形となる の範囲を求める

答

切り口が八角形になるのは、8つの面がすべて切られるときである。面が切られるかどうかは、その3頂点が の両側に分かれるかどうかで決まる。各頂点で の符号を調べれば、 だけが によって符号を変えることが分かる。

では八面体は凸である(頂点 を含む4面について が内側、 を含む4面について が内側にあることが、それぞれの面の方程式に代入して確かめられる)。凸な立体を平面で切ると、切られた面1つにつき切り口の辺が1本できるので、八角形になることと8面すべてが切られることは同じである。

とおくと、 は である。6頂点での値は

である。 と は正、 は負で、 の符号だけが で変わる。

  1. のとき:正の頂点は 、負は 。8面 はどれも正と負の頂点をもつので、すべて切られる。
  2. のとき:正は だけ。面 と は3頂点とも負なので切られず、切り口は六角形にしかならない。
  3. のとき: が 上にあり、、 との交わりは点 だけになる。切り口は を頂点とする六角形で、八角形ではない。

よって求める範囲は である。

八面体を「上の角錐 」と「下の角錐 」として実装し、8面それぞれで の符号を調べると、 では切られる面が 、 では になる。境目が であることと合う。

「切り口の辺の本数=切られる面の数」が使えるのは立体が凸なときである。 で凸であることを確かめておく( では が面 の外側に出てしまう)。

(3)切り口のうち 、 の部分を点 が動くとき、点 が動く範囲の面積を求める

答

の上では なので、 を決めれば点が1つに決まる。つまり 平面に写す対応は1対1で、面積はそのまま の条件から出る。 の部分は上の角錐だけなので、角錐を不等式で書き下して を代入すればよい。

上の角錐を不等式で書く。 頂点 と底面の正方形 ()を結ぶ角錐の点は、底面の点 と を に内分して

と書ける。 で、、 だから、 は

となる。 の部分では下の角錐()は面積に効かないので、これだけを考えればよい。

を代入する。 を入れ、 とおくと

なので、求める範囲は 平面上で

である。 より である。 とおくと、面積は ( の範囲)になる。

  1. :。 なので減少し、 での値は 。
  2. :。 で になる。 より 。

よって面積は

である。前半は

で、後半は高さ 、底辺 の三角形だから

である。足すと

となる。 を戻すと

なので、求める面積は

である。

の極限では で 、 では で となる。 平面を の格子で数えると で 、 で 、 で となり、式の値 、、 と一致する。

の上では が で決まるので、 への写像は面積を変えない1対1の対応である。射影で面積が縮むのでは、と悩む必要はない(ただし「 の動く範囲」を問われているので、そもそも 上の面積ではない)。

の条件から上の角錐だけを考えればよい。下の角錐は なので、 平面では面積に寄与しない。

の場合分けの境目 が、 が になる より左にあることを確かめる。、つまり が効いている。

第3問だけのページ

第4問 整数

ユークリッドの互除法・平方数・4で割った余り・背理法当サイトの体感難易度:やや難

(1) と の最大公約数 を求める

答 が偶数のとき 、 が奇数のとき

互除法の要領で、 を引いて差を小さくする。残るのは定数 なので、 は の約数に限られる。あとは が や で割り切れるかを の偶奇で見る。

である。 は と の公約数だから、この差 の約数でもある。よって は のいずれかである。

  1. が偶数のとき: は奇数なので、 は奇数。よって 。
  2. が奇数のとき: を で割った余りは なので を で割った余りは 。したがって は で割り切れるが では割り切れない。 も より偶数なので、。

以上より、 は が偶数のとき 、奇数のとき である。

: と の最大公約数は 。: と で 。: と で 。: と で 。たしかに偶奇で分かれる。

(2) が整数の2乗にならないことを示す

答 が偶数なら が平方数でないことから、奇数なら を で割った余りが であることから従う

互いに素な2数の積が平方数なら、それぞれが平方数になる。(1) で最大公約数が分かっているので、偶数のときはそのまま使える。奇数のときは共通因数 をくくり出してから同じ理屈を使い、残った因子が で割って 余ることを示す。平方数を で割った余りは か しかない。

が偶数のとき。 (1) より と は互いに素である。互いに素な正の整数の積が平方数なら、それぞれが平方数でなければならない。ところが のとき

なので は連続する2つの平方数の間にあり、平方数ではない。よって積も平方数ではない。

が奇数のとき。 、 とおく。(1) の議論から も も で割り切れるので は整数で、最大公約数が だったから と は互いに素である。積は

なので、これが平方数であることと が平方数であることは同じである。 は互いに素だから、 が平方数なら も平方数になる。

ところが は奇数なので を で割った余りは で、 を で割った余りは すなわち である。したがって

である。整数の2乗を で割った余りは か しかないので、 は平方数ではない。よって も平方数でなく、もとの積も平方数ではない。

以上より、どの についても は整数の2乗にならない。

なら で、。 なら で、。 を多倍長整数で全部調べても、平方数になるものは1つもなかった。

が奇数のとき、 のほうは平方数になりうる( で 、 で )。 で矛盾を出そうとすると行き詰まるので、 を見る。

「互いに素な2数の積が平方数ならそれぞれ平方数」は、素因数分解を考えれば分かる。共通の素因数がないので、各素数の指数が片方に固まり、それが偶数でなければならない。

第4問だけのページ

第5問 極限・微分法

中間値の定理・単調性・数列の極限・微分係数の定義当サイトの体感難易度:やや難

(1) がただ1つの実数解 をもつことを示す

答解は にあり、そこで は狭義増加

まず解の居場所を絞る。 では左辺の絶対値が を超えるので右辺と釣り合わない。 では なので左辺も正、つまり である。残った では、差の導関数が明らかに正になる。

とおく。

  1. のとき: なので 、解はない。
  2. のとき: なので 、解はない。
  3. のとき: より 、いっぽう なので 、解はない。

よって解は にしかない。この範囲で

である( かつ なので )。したがって は で狭義増加である。、 なので、中間値の定理と狭義増加性から、 をみたす は にただ1つである。

n = 1n = 5y = cos x
()と 。交点は にそれぞれ1つで、 が大きいほど右へ寄っていく。

(2) を示す

答 と の単調減少から直ちに従う

(1) の議論で が と のあいだにあることがすでに出ている。 は で減少するので、それだけで終わる。

(1) より は狭義増加で 、 だから である。また であった。

は で狭義減少なので、 から が従う。

(3)、、 を求める

答、、

の両辺に を掛けると 、つまり となる。これで も も、 の関数 を の近くで見るだけの話になる。 はそのまま微分係数の定義の形である。

。 (2) より で、 だから

である。 なので ()であり、はさみうちの原理から 、すなわち である。

を書き直す。 の両辺に を掛けて

となる(、 なので両辺とも正で、2乗の関係からこう書ける)。

。 と連続性から

である。

。 とおくと 、、 なので

である。 かつ だから、これは の における微分係数に収束する。 を微分すると

なので

である。

では で 、 では 、 と、どの でも小数10桁まで一致する。 へ近づき、 は で となって に近づく。

に気づくかどうかがすべてである。指数が なので、 を1つ掛けて にそろえる、という発想になる。

は微分係数の定義そのものだが、使うには ()と の両方が要る。 なのでどちらもみたされる。

第5問だけのページ

第6問 複素数・方程式

解と係数の関係・共役複素数・4次方程式・双曲線当サイトの体感難易度:難

(1) のうちちょうど2つが実数で、残りの2つが互いに共役であることを示す

答4つとも実数、または共役な2組、のどちらでも が実数になってしまう

係数が実数の方程式なので、解の集合は共役をとる操作で閉じている。4つの解の実数・非実数の内訳は「4つとも実数」「2つ実数+共役な1組」「共役な2組」の3通りしかない。条件3は が実数でないことを言っているので、残り2つを潰せばよい。

の係数は実数なので、解の集合は共役をとっても変わらない。解は相異なる4つだから、内訳は次の3通りしかない。

  1. 4つとも実数:このとき は実数で、虚部が になり条件3に反する。
  2. 非実数が2つ(互いに共役)で実数が2つ:これが残る場合。
  3. 非実数が4つ(共役な2組 ): の組み方は 、、 の3通り(残りが )で、それぞれ は 、、 となり、どれも実数。やはり条件3に反する。

よって、ちょうど2つが実数で、残りの2つは互いに共役な非実数である。

「非実数が4つ」の場合、 の選び方によって の形が変わるので、3通り全部を見る必要がある。どれも「ある複素数とその共役の和」の形になり実数になる。

(2) を で表す

答

の係数が であることから、解と係数の関係で が出る。これと条件3を合わせると、実数の組と非実数の組の配り方が2通りに絞られ、どちらでも になる。

解と係数の関係より

である。2つの積の和は

と分けられるので、 である。

(1) より実数解を 、非実数解を 、()とする。 が だと が実数で不適なので、 は実数1つと非実数1つの組である。 としてよく、このとき

である。条件3の「実部が 」は 、「虚部が でない」は (これは条件1から成り立つ)である。よって または である。

のとき。 4解の和が なので 、。2つの積の和から

となり 。3つの積の和は

より 、4つの積は

である。

のとき。 で、和から 。2つの積の和は

より 。3つの積の和は

より 、4つの積は である。

どちらの場合も である。

、、 とすると、和は 、2つの積の和は となり条件2の形に合う。、 で、 となり条件3もみたす。

の組み方は問題文の文字の付き方で決まっている。実数どうし・非実数どうしの組だと が実数になるので、実数と非実数を1つずつ組むしかない。

(3) のとりうる範囲を複素数平面上に図示する

答双曲線 から2点 、(頂点)を除いたもの

(2) の2つの場合それぞれで を書き下す。どちらも が という形で出てくるので、実部と虚部のあいだに同じ関係式が現れる。

である。 とおく。

のとき。 、 より である。よって

となり、、すなわち

が成り立つ。 だから である。

のとき。 は 、 をみたすので の解、つまり である。 なので

となり、やはり 、 である。

逆に 、 をみたす任意の点に対して、、、、( の場合)とすれば、4解は相異なり条件1〜3をすべてみたし、 となる。

したがって のとりうる範囲は、双曲線 から頂点 と (複素数でいえば と )を除いたものである。

0 は除く2 は除く中心 (1, 0)
のとりうる範囲。双曲線 (中心 、漸近線 )から2つの頂点 と を除いたもの。

、 の例では で、 をみたす。条件をみたす根の組を2種類の形で 通り作って確かめても、 はすべて の上にあった。

頂点 と は 、つまり にあたるが、 だと が実数になって (1) に反する。したがってこの2点は除く。

2つの場合( と )で が同じ双曲線に乗る。別々の曲線になると思って場合分けを残さない。

第6問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

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