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九州大学 2023年度 前期日程 理科系
第3問 ベクトルの解答・解説
1次独立・連立1次方程式・格子点の基底・整数解当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/12
問題文について
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(1)条件 I がすべての に対して成り立つとき であることを示す
答 なら は1本の直線上しか動けず、その外の をとれない
対偶を示す。 は と が平行であることを意味するので、 の動ける範囲は原点を通る1本の直線に限られる。
対偶「 ならば、条件 I をみたさない が存在する」を示す。
は平行を意味する。 とする。 なので または である。 のとき だから
となり は の実数倍である。 のときも から同様に となる。
動ける範囲。 と書けるので
である。 を実数全体で動かしても、これは の実数倍しか作れない。つまり原点を通る直線 (方向 )の上の点だけである。
だから、 に乗らないベクトル、たとえば ( と垂直で でない)は作れない。これは「条件 I がすべての で成り立つ」に反する。
よって対偶が示され、 である。
、()では は直線 上しか動かず、 は作れない。
、 が仮定に入っている。 の場合を気にする必要はない。
から を導くとき、 か かで場合分けが要る。いきなり割らない。
反例の は具体的に挙げる。 は と垂直なので、 の実数倍にはなりえない。
(2)、 をみたす を求める
答、
とおくと、条件は についての連立1次方程式になる。係数行列の「たすきがけ」がちょうど で、 だから一意に解ける。
を求める。 とおくと条件は
である。上を 倍、下を 倍して引くと 、つまり 。上を 倍、下を 倍して引くと 、つまり 。よって
である。
を求める。 とおくと
で、同じように解いて
である。 なのでどちらも一意に定まる。
この の役目は「 と書けたとき、 と を取り出す」ことである。実際、内積をとると、同様に となる。(3) はこの性質で解ける。
をランダムに 万組とって4つの内積を計算すると、すべて条件どおりだった。
は「 方向」ではない。 と垂直で、 との内積が になるベクトルである。
成分の位置に注意。 には 、 には が出る。入れ替えないこと。
(3) が整数で、成分が整数のすべての に対して条件 II が成り立つとき、 のとりうる値をすべて求める
答
(2) の注のとおり 、 である。 の2つを入れるだけで が のすべてを割ることが分かり、そこから が出る。
を書き下す。 のとき、 との内積をとると
であり、同様に である。したがって に対して
である。
が4つすべてを割る。 条件 II より、これらが整数になる。
- :、 が整数 は と を割る
- :、 が整数 は と を割る
よって 、、、 と整数で書ける。すると
である。 なので両辺を で割って
となる。 も も整数だから である。
逆も成り立つ。 なら (2) の の成分 はすべて整数である。よって整数ベクトル に対し 、 はどちらも整数で、条件 II が成り立つ。
したがって のとりうる値は
である。
の整数をすべて走査し、 の整数ベクトルすべてで が整数になるものを集めると、 は と しか現れなかった。
「 が整数として存在する」を使うには、まず が一意に決まることを言う必要がある。(2) の がその役目を果たす。
と の2つだけで すべてが で割り切れると分かる。すべての を相手にしなくてよい。
が十分条件でもあることを示さないと「とりうる値」として確定しない。逆向きを忘れない。
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