本文へ
大学別数学研究室
  • 独自の解答・詳解
  • 問題文は非掲載
  • 小問4問・無料

九州大学 2022年度 前期日程 理科系

第4問 積分法の解答・解説

定積分の定義・導関数の定義・平均値の定理・区分求積法当サイトの体感難易度:やや難最終更新 2026/10/12

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

(1) を導関数の定義から示し、これと定積分の定義 ① から を示す

答差分商を2つに分け、それぞれの極限が存在することから和の極限を得る。あとは が の原始関数になることを ① に入れる

どちらも定義どおりに書き下すだけである。前半は「極限の和は和の極限」、後半は「 が の原始関数」という一言で済む。

前半。 とおくと、 について

である。 は微分可能なので、 のとき右辺の2つの極限はそれぞれ 、 として存在する。極限の和の性質より左辺の極限も存在して

である。

後半。 、 となる をとる。前半より

なので、 は の原始関数である。定義 ① を に対して使うと

である(最後の等号で それぞれに ① を使った)。

、、 で両辺を計算すると、どちらも になる。

「極限が存在するから分けてよい」の順に書く。 が存在することが仮定である。

定義 ① は「原始関数の差」である。原始関数の取り方によらないと問題文にあるので、好きな をとってよい。

(2)定積分の定義 ① と平均値の定理を用いて、 かつ区間 で ならば であることを示す

答原始関数 に平均値の定理を使うと

① より定積分は である。 は微分可能なので平均値の定理が使え、 となる。あとは符号を見るだけ。

となる をとる。定義 ① より

である。 は区間 で微分可能(したがって連続)なので、平均値の定理より

をみたす が の範囲に存在する。仮定より 、また より だから

である。

この (2) は、性質 (C) を「差 に適用する」形で使うときの土台になる。 なら 、すなわち である。

、 で となり、確かに正である。

「 だから積分も正」は直感では当たり前だが、ここでは定義 ① からきちんと導くことが求められている。

平均値の定理を使う対象は ではなく原始関数 である。

(3)空欄 ア に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ② を示す

答ア (C)

が増加関数なので、小区間 上では の値が両端の値の間にある。これを定数関数と比べるのが性質 (C) である。定数の定積分は ① から直接計算できる。

空欄 ア は (C)(大小関係が定積分に移る性質)である。

定数の定積分。 定数 に対し なので、① より

である。

不等式 ②。 は増加関数なので、 では

が成り立つ。左の不等式に (C) を(、 定数 として)適用すると

である(区間の幅が )。右の不等式に同じく (C) を適用すると

である。2つを合わせて ② が得られる。

、、 で 、、 となり、② のとおり挟まれている。

(C) を使う相手は定数関数である。「定数関数に対する定積分の計算を行う」という下線部はそのことを指している。

区間の幅が であることから が出る。 の値そのものが積分値になるのではない。

が増加関数だから、左端で最小・右端で最大になる。減少関数なら不等号が逆になる。

(4)空欄 イ に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ③ を示す

答イ (B)

を 個の小区間の和に分けるのが性質 (B) である。② を から まで足すと、左側から が、右側から「右端和」が出てくる。2つの差は途中が打ち消し合って になる。

空欄 イ は (B)(区間を分けて足す性質)である。これを繰り返し使うと

である。

左側の不等式。 ② の左側を から まで足すと

すなわち である。

右側の不等式。 ② の右側を足すと

とおける。ここで

である(途中の項が次々に打ち消し合う)。したがって

となり、2つを合わせて ③ が示された。

が増加関数なので であり、③ の右辺は で に収束する。はさみうちの原理から がしたがう。これが区分求積法である。

(増加関数、)で とすると で、 以下である。 でも で ③ が成り立った。

(B) は「 のとき2つに分ける」形だが、これを繰り返せば 個に分けられる。そのことを一言添えておく。

は左端の値を使う和である。(右端の和)と取り違えない。

が望遠鏡のように打ち消し合うのが要点。 だけが残る。

2022年度の全5問をまとめて読む

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針

当サイト運営者が制作した教材

同じ形式の問題を、5回分

合格答案をつくる 九大理系数学 2027の表紙

合格答案をつくる 九大理系数学 2027

九大理系数学の出題を分析して書き下ろした予想問題集です。過去問そのものは入っていません。 本番と同じ試験時間・大問構成で5回分、 解答・詳解・別解に加えて、 小問ごとの加点・減点つきの採点表を収録しています。

Amazonで見る全2巻を見る¥2,695・140ページ・2026年8月2日発売

中身を試し読みする

扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。

抜粋をPDFでまとめて見る

関連するページ