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九州大学 2022年度 前期日程 理科系
九大理系 2022年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 空間ベクトル
外積・単位法線ベクトル・平面に関する対称点・折れ線の最短当サイトの体感難易度:標準
(1) の両方に垂直で、 成分が正、大きさが のベクトル を求める
答
外積 が両方に垂直なベクトルを与える。あとは大きさで割り、 成分の符号を合わせる。
、 である。外積は
で、大きさは である。 成分 なのでそのまま割って
である。実際 、 となっている。
外積を使わないなら とおいて 、、 を解く。、 から同じ答えになる。
、 を数値で確かめた。
「 成分が正」という条件で向きが1つに決まる。 のほうを答えない。
大きさ にするのを忘れない。 のままでは である。
(2)平面 に関して点 と対称な点 の座標を求める
答
平面 は原点を通るので、 から平面までの符号つき距離は である。対称点はそのぶんを2回ぶん戻した点になる。
平面 は を通る、すなわち原点を通り を法線とする平面である。 について
である( から平面までの距離が で、 の側にある)。対称点は
である。
確かめ。 中点は で、 との内積は だから平面上にある。また で に平行である。
中点 が平面上にあり、 が の 倍であることを確かめた。
の を忘れると、対称点ではなく垂線の足になる。
平面が原点を通るので定数項がない。通らない平面ならここに平行移動が入る。
(3) が平面 上を動くとき が最小となる の座標を求める
答(最小値は )
が平面上にあるかぎり なので、求めるのは「 と を結ぶ折れ線の長さの最小」である。 と が平面の反対側にあれば、線分 と平面の交点が答えになる。
が平面 上にあるとき、対称性から である。よって
であり(三角不等式)、等号は が線分 上にあるときである。
反対側にあるか。 、 で符号が逆なので、線分 は平面 と交わる。その交点が求める である。
交点。 とおくと、 より
である。 だから
すなわち である。
最小値。 である。
平面上の点を 通りに刻んで直接最小を探すと で となり、 と一致した。
「平面に関する対称点に飛ばす」のが定石である。 のまま最小化しようとすると2変数の計算になる。
と が平面の反対側にあることを確かめる。同じ側だと線分が平面と交わらず、答えが変わる。
が本当に平面 上にあるか()を最後に確かめておく。
第2問 整式
剰余の定理・重根と微分・因数分解・極限当サイトの体感難易度:やや難
(1) をみたす実数 と整式 が存在することを示す
答 を3次式 で割った余り(2次以下)を の形に書き直せばよい
まず割り算をして商 と余り (2次以下)を作る。次に、2次以下の整式はどれも 、、 の1次結合で書けることを言う。
割り算。 は3次式なので、 をこれで割ると
となる整式 がただ1組定まる。
余りを書き直す。 とする。
というより、 を次の順に決めればよい。まず ( の係数)とすると
は の係数が になるので1次以下である。これを と書き、さらに を使って
と直し、 とおく。すると
となる。 はいずれも実数である( が実数だから)。以上で題意の表し方が存在する。
、、 はそれぞれ2次・1次・0次なので、次数の高いほうから順に係数を合わせていける。一般に「次数がすべて異なる 個の整式は、 次以下の整式を1通りに表す」という形になっている。
、、 でやってみると となり、確かに書ける。
なので は3次式で割れる。 の存在は整式の割り算そのものである。
「存在を示せ」なので、具体的に を作る手順を書けばよい。一意性までは問われていない。
(2) を で表す
答、、
を代入すると が、 を代入すると が出る。 は両辺を微分して を代入すればよい。 があるので、微分しても の項は消える。
を代入。 右辺は だけが残るので
である。
を代入。 右辺は なので
である( なので割ってよい)。
両辺を微分して 。 左辺の導関数は 。右辺の第1項 の導関数は
で、3項とも を因数にもつから で になる。第2項の導関数は で では 、第3項は 、第4項は である。よって
すなわち
である。
を 組ランダムにとり、 が で 、 で値も微分係数も になることを確かめた。
を出すのに微分を使う。 があるおかげで、微分しても未知の が顔を出さない。
の代入だけでは しか出ない。 には「 が重根に近い」という情報が要る。
の式は とも書ける。(3) ではこちらが使いやすい。
(3) を固定して としたときの を求める
答
で約分すると、 は の形がひとつほどける。もう一度同じ因数分解を使えば極限が見える。
を使うと
である。分子の を ( 個の和)と見ると
となる。ここでもう一度同じ因数分解を使うと
で( のときは )、これは のとき に収束する( 個の項がすべて に近づく)。また である。したがって
である。
この値は 、つまり を のまわりで の整式に展開したときの の係数である。 にすると で割った余りを求める問題になる、と思えば自然な答えである。
で とすると 、。 で 、理論値 。 で 、理論値 と、いずれも近づいた。
が分母にあるので、約分を2回ぶん進める必要がある。1回では が残る。
である。 としない。
のときも、 なら で式は成り立つ。
第3問 整数
互いに素・平方数の余り・倍数の証明・解の構成当サイトの体感難易度:難
(1)、 が互いに素な整数であることを示す
答 は奇数なので両方とも整数で、差が だから最大公約数は
まず が奇数であることを言う。 が偶数だと左辺が偶数、右辺が奇数になって矛盾する。あとは2つの差が であることを使う。
は奇数。 は偶数なので は奇数である。よって は奇数で、 も奇数である。
整数であること。 が奇数なら も奇数なので、 と はどちらも偶数である。よって 、 はともに整数である。
互いに素。 を2つの正の公約数とすると、 は差
も割り切る。よって で、2つは互いに素である。
では 、 で、、 と互いに素である。
「整数であること」と「互いに素であること」の2つを示す。奇数であることがその両方の土台になる。
連続する2整数は互いに素、という形に持ち込む。 と は連続している。
(2) が の倍数であることを示す
答 で、( 奇数)、、 をそれぞれ示す
と素因数分解する。 は「奇数の平方は で割って 余る」から。 と は、 であることから を導く。
なので、 の倍数であることを順に示す。
の倍数。 (1) より は奇数である。 とすると
で、 は連続2整数の積だから偶数である。よって は の倍数である。
の倍数。 ① より は の倍数なので である。 を で割った余りは か で、 の余りはそれぞれ だから、 となるのは のときに限る。よって 。
の倍数。 同じく より である。 を で割った余りは のいずれかで、 の余りはそれぞれ
となる。 になるのは のときだけである。よって 。
はどの2つも互いに素なので、 は の倍数である。
で であり、確かに の倍数である。
と分けて、 と と を別々に示す。 をそのまま扱おうとしない。
から を出すところが要点である。 も をみたしうるので、法 ・法 では が平方数の余りに現れないことを確かめる必要がある。表を作るのが確実である。
平方数を で割った余りは の4通りである。 は現れない。
(3)① をみたす自然数の組 を1つ求める
答
(2) より と書ける。これを ① に入れて整理すると となり、 を小さいほうから試せる。
(2) より ( は自然数)と書ける。 なので
である。両辺を で割ると
となる。 を小さいほうから試す。
- :、。平方数でない。
- :、。 で平方数でない。
- :、。◯
のとき だから 、 である。
確かめ。
で一致する。よって である。
、 となっていて、、 である。(1) の「互いに素」から、 の素因数がどちらに振り分けられるかを考えると、この形に行き着く。
、 を全探索すると、① をみたすのは だけだった。
「1つ求めよ」なので、見つけたら代入して確かめれば十分である。すべて求める必要はない。
をそのまま探すと まで届かない。 に直して で探すと手が届く。
なので、 が を割り切る必要がある。 はこれをみたす。
第4問 積分法
定積分の定義・導関数の定義・平均値の定理・区分求積法当サイトの体感難易度:やや難
(1) を導関数の定義から示し、これと定積分の定義 ① から を示す
答差分商を2つに分け、それぞれの極限が存在することから和の極限を得る。あとは が の原始関数になることを ① に入れる
どちらも定義どおりに書き下すだけである。前半は「極限の和は和の極限」、後半は「 が の原始関数」という一言で済む。
前半。 とおくと、 について
である。 は微分可能なので、 のとき右辺の2つの極限はそれぞれ 、 として存在する。極限の和の性質より左辺の極限も存在して
である。
後半。 、 となる をとる。前半より
なので、 は の原始関数である。定義 ① を に対して使うと
である(最後の等号で それぞれに ① を使った)。
、、 で両辺を計算すると、どちらも になる。
「極限が存在するから分けてよい」の順に書く。 が存在することが仮定である。
定義 ① は「原始関数の差」である。原始関数の取り方によらないと問題文にあるので、好きな をとってよい。
(2)定積分の定義 ① と平均値の定理を用いて、 かつ区間 で ならば であることを示す
答原始関数 に平均値の定理を使うと
① より定積分は である。 は微分可能なので平均値の定理が使え、 となる。あとは符号を見るだけ。
となる をとる。定義 ① より
である。 は区間 で微分可能(したがって連続)なので、平均値の定理より
をみたす が の範囲に存在する。仮定より 、また より だから
である。
この (2) は、性質 (C) を「差 に適用する」形で使うときの土台になる。 なら 、すなわち である。
、 で となり、確かに正である。
「 だから積分も正」は直感では当たり前だが、ここでは定義 ① からきちんと導くことが求められている。
平均値の定理を使う対象は ではなく原始関数 である。
(3)空欄 ア に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ② を示す
答ア (C)
が増加関数なので、小区間 上では の値が両端の値の間にある。これを定数関数と比べるのが性質 (C) である。定数の定積分は ① から直接計算できる。
空欄 ア は (C)(大小関係が定積分に移る性質)である。
定数の定積分。 定数 に対し なので、① より
である。
不等式 ②。 は増加関数なので、 では
が成り立つ。左の不等式に (C) を(、 定数 として)適用すると
である(区間の幅が )。右の不等式に同じく (C) を適用すると
である。2つを合わせて ② が得られる。
、、 で 、、 となり、② のとおり挟まれている。
(C) を使う相手は定数関数である。「定数関数に対する定積分の計算を行う」という下線部はそのことを指している。
区間の幅が であることから が出る。 の値そのものが積分値になるのではない。
が増加関数だから、左端で最小・右端で最大になる。減少関数なら不等号が逆になる。
(4)空欄 イ に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ③ を示す
答イ (B)
を 個の小区間の和に分けるのが性質 (B) である。② を から まで足すと、左側から が、右側から「右端和」が出てくる。2つの差は途中が打ち消し合って になる。
空欄 イ は (B)(区間を分けて足す性質)である。これを繰り返し使うと
である。
左側の不等式。 ② の左側を から まで足すと
すなわち である。
右側の不等式。 ② の右側を足すと
とおける。ここで
である(途中の項が次々に打ち消し合う)。したがって
となり、2つを合わせて ③ が示された。
が増加関数なので であり、③ の右辺は で に収束する。はさみうちの原理から がしたがう。これが区分求積法である。
(増加関数、)で とすると で、 以下である。 でも で ③ が成り立った。
(B) は「 のとき2つに分ける」形だが、これを繰り返せば 個に分けられる。そのことを一言添えておく。
は左端の値を使う和である。(右端の和)と取り違えない。
が望遠鏡のように打ち消し合うのが要点。 だけが残る。
第5問 積分法
媒介変数表示・和積の公式・面積・対称性と回転当サイトの体感難易度:難
(1) で 、 であることを示す
答、
微分したあと和積の公式でまとめると、因数の符号が一目で分かる形になる。
微分して和積の公式を使う。
である(、)。
符号。 のとき なので 、 なので 、 である。よって
である。また なので
となり、 では だから である。
で数値微分と式が一致し、どれも 、 だった。
和積でまとめると が共通因数として出て、 で約分される。これをしないと符号が読みにくい。
を出すには が要る。先に を示しておく順番がよい。
(2) の の部分、 軸、直線 で囲まれた図形の面積を求める
答
両端が 軸上と直線上にあるので、閉じた曲線になる。面積は で求まり、 軸と原点を通る直線の上ではこの被積分式が になるので、曲線の部分だけ積分すればよい。
両端。 では
で 軸上の点 。 では
で、 だから直線 の上にある。よって「原点 ( 軸) 曲線 原点(直線)」が閉じた道になる。
面積の公式。 閉曲線で囲まれた面積は である。原点を通る直線 上では 、 軸(、)でも なので、この2つの辺は寄与しない。したがって
である。
被積分関数。 (1) の式を使って計算すると
である()。よって
である()。 ほどである。
を 万点で数値積分すると となり、 と一致した。
は「原点を通る直線」の上では になる。この問題では境界の2辺がどちらもそうなので、曲線だけ積分すればよい。
は である。符号と和を間違えない。
が直線 上にあることを確かめておく。ここがずれていると図形が閉じない。
(3) が 軸に関して対称であること、および 上の点を原点中心に反時計回りに 回転させた点が 上にあることを示す
答 で になり、複素数で書くと 、
対称性は の代入でただちに出る。回転のほうは、 を複素数でまとめると見通しがよい。
軸対称。 を に置き換えると
である。 が範囲を動けば も(周期 で読み替えて)範囲を動くので、 上の点 に対して も 上にある。すなわち は 軸に関して対称である。
回転。 上の点を複素数 で表すと
である(ここで と略記した)。原点中心に 回転させるのは を掛けることだから
である。一方
で、 だから、2つは一致する。すなわち
である。右辺は 上の点( を周期 で範囲に入れ直す)なので、回転させた点は 上にある。
複素数を使わなくても、加法定理で と を計算して 、 に一致することを示せばよい。式は長くなる。
で 、、 がすべて 以内で成り立った。
の指数は である。 と が 違いで同じ、というのが鍵。
が与えられた範囲 をはみ出すことがある。周期 なので読み替えてよいと断っておく。
(4)曲線 の概形を図示する
答原点から見て の距離に6個の尖点をもち、その間で まで内側にへこむ、6回対称の閉曲線(外サイクロイド)
(3) の2つの対称性で、 の一部分だけ描けば全体が復元できる。 の最大・最小と、 になる点(尖点)を押さえる。
大きさ。 の2項の偏角は と で、差は である。よって
である。()で最大 、()で最小 になる。
尖点。 (1) の式より となるのは 、すなわち のときである。このとき で、曲線は向きを変える。 の6個の尖点が、偏角 の方向、原点から距離 のところにある。
形。 (1) より では は減少、 は増加で、 は から まで減る。つまり から出て左上に、だんだん傾きを急にしながら へ向かう。
あとは (3) の 軸対称と 回転対称を使って、この弧を折り返し・回転させて並べればよい。
を から まで 点に刻んで を計算すると、最小 、最大 で、最大は のところだった。
では と が同時に になる。なめらかな点ではなく尖点なので、丸く描かない。
が と の間を6回往復する。へこみの深さ()を測っておくと形が決まる。
(3) の2つの対称性を使えば、描くべきは の弧ひとつだけである。全部を計算しない。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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