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東京科学大学 2019年度 前期日程 理系
第4問 空間図形・場合の数の解答・解説
平面を1枚ずつ足して数える・一般の位置・交線が平行になる3枚・最大から2番目・3番目の値当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/13
問題文について
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(1)空間内の相異なる 枚の平面 が空間を 個の空間領域に分けるとき、 のとりうる値のうち最も大きいものを求める
答
平面を1枚ずつ足す。 を足すと、 が先の平面との交線で分けられる部分の個数だけ領域が増える。
準備1(平面上の直線) 平面上に相異なる 本の直線があるとき、それらが平面を分ける部分の個数を数える。直線を1本ずつ引くと、 本目の直線はすでに引いた直線との交点で区切られて(交点の個数) 本の部分に分かれ、その本数だけ部分の個数が増える。よって
である。和は交点 全体にわたり、 は を通る直線の本数である( を通る 本のうち、2本目以降の 本が を新しい交点として数える)。 のとき であり、2本の直線は高々1点で交わるので
である。等号はどの2本も交わり、どの3本も1点を通らないときに成り立つ。
準備2(空間) 空間でも平面を1枚ずつ足す。 を足すとき、 は との交線(平行な平面とは交線がない)によっていくつかの部分に分かれ、その部分の個数だけ空間領域が増える。この個数を とすると
である。 上の交線は高々 本なので、準備1から
であり、 から まで足すと
を得る。次に、この値が実際にとれることを示す。
とおくと、次が成り立つ。
- どの2枚も平行でない。法線ベクトル は、 が違えば平行にならない(第1成分がどれも だから、平行なら一致してしまう)。
- どの3枚もただ1点で交わる。 に対する係数行列の行列式はファンデルモンドの行列式で である。
- どの4枚も共有点をもたない。点 が相異なる4つの で を満たすとすると、 の3次式 が相異なる4つの実数解をもつことになり矛盾する。
したがって 上の 本の交線は相異なり(3枚が直線を共有しないから)、どの2本も交わり(3枚が1点で交わるから)、どの3本も1点を通らない(4枚が共有点をもたないから)。よって は最大値をとり
となる。以下これを と書く。なお で、 で 、 で である(問題文の例と合う)。
について無作為な平面の組で領域の個数を数えたところ、最大値はそれぞれ で と一致した。
は「 と交わる平面の枚数」ではなく「 が交線で分けられる部分の個数」である。
(2) のとりうる値のうち2番目に大きいものを求める()
答
は 以上の整数なので、 となる配置を1つ作ればよい。「交線が平行になる3枚」を1組だけ作る。
は 以上の整数だから、 となる配置が1つでもあれば、それが2番目に大きい値である。
のときは2枚を平行にとると である()。
のときは、(1) の ()に
を加える。 の方向ベクトルは2つの法線の外積
である。 の法線 とこれの内積は で、 でこれが になるのは
- のとき より
- のとき ( だから)
より のときだけである。また が の定数倍なら すなわち となって に反するので、 はどの とも交わる。
ここで、 上の2本の交線 と が平行であることは、その共通の方向が にも にも含まれること、つまり が の方向を含むことと同じである。上の計算から、それが起こるのは の1組だけである。
は、(有限個の点)のどれも 上に来ないように、かつ が直線 を含まないように選ぶ。どちらも の有限個の値を避ければよい。
このとき 上の 本の交線は相異なり、平行な組は1組だけ、3本が1点を通ることもないので
となる。 の側は (1) の最大の配置のままなので である。よって2番目に大きい値は
である( で 、 で 、 で )。
3枚の平面が「どの2枚の交線も互いに平行」になる形は、三角柱の3つの側面のような配置である。問題文の2つ目の例(、、 で )がまさにこれで、 の より だけ小さい。
無作為な平面の組で の領域の個数を数えたところ、2番目に大きい値はそれぞれ で、 と一致した。
2枚を平行にしたり、3枚で1本の直線を共有させたりすると、減り方は ではなく になる((3) で確かめる)。 だけ減らすには「交線が平行な3枚」を使う。
(3) のとりうる値のうち3番目に大きいものを求める()
答 のときは 、 および のときは
が作れるかどうかを調べる。 では「交線が平行な3枚」を2組作れるが、 ではできず、 が飛ぶ。
のとき (1) の ()に
を加える。 と の内積は で、これが になるのは
のときである。 で調べると
- のとき (適する)
- のとき (不適)
- のとき (適する)
- のとき (不適)
- のとき ( と同値)より (不適)
より の2組だけである。この2つの方向 と は平行でないので、 上では から来る2本と、 から来る2本がそれぞれ平行になり、2つの方向は異なる。また が の定数倍なら かつ となって矛盾するので、 はどの とも交わる。
を (2) と同じように選べば
となり である。この配置は がすべて に入ること、つまり で作れる。よって3番目に大きい値は である。
のとき で、、、 の3枚をとると、平行な2枚が空間を3つの層に分け、 がそれぞれを2つに分けるので である。 に を入れると なので、 と同じ式で書ける。
のとき だが、 は起こらない。4枚を好きな順に足すとして 、 である。
(i) 2枚が平行なとき その2枚を後ろに回して とすると、 上の交線は から来る高々2本なので である。、 とあわせて 。
(ii) 3枚が1本の直線 を共有するとき その3枚を後ろに回して が を共有するとすると、 なので 上の交線は高々2本で である。やはり 。
(iii) どの2枚も平行でなく、どの3枚も直線を共有しないとき である。また
- 上の交線 、 は相異なる2直線で、交わるなら 、平行なら 。
- 上の交線は相異なる3直線で、3直線が平面を分ける部分の個数は (どの2本も交わりどの3本も1点を通らない)、(ちょうど1組が平行、または3本が1点を通る)、(3本とも平行)のいずれか。
なら だが、 は か 、 は のいずれかなので しかない。
は と が平行ということである。その共通の方向を とすると、 は にも にも含まれるので の方向でもある。つまり はどの2枚の交線も 方向で、3枚とも に平行である。
このとき に共有点はない。共有点 があれば、 を通り 方向の直線が でも でもあることになり、3枚が1本の直線を共有してしまうからである。
になるのは次の2つの場合だが、どちらも矛盾する。
- 3本が1点 を通る場合。 は のすべての上にあり、とくに の共有点になる。これは上で否定した。
- ちょうど1組が平行な場合。 と ()が平行なら、同じ理由でその方向は の方向、つまり であり、 も に平行になる。すると4枚とも に平行なので 上の3本の交線はすべて 方向、つまり3本とも平行で となり、 に反する。
よって では は起こらない。一方 、、、 の4枚をとると、3つの層を4つの象限が切るので である。したがって のときの3番目に大きい値は である。
まとめると、3番目に大きい値は
である。
無作為な平面の組で数えたところ、 では が現れ、 は一度も現れなかった。 では3番目に大きい値がそれぞれ で と一致した。
「最大から1ずつ減った値が必ず実現する」とは限らない。 では の次が で、 は飛ぶ。
で が作れないことは、実例を探すだけでは示せない。場合分けで尽くす必要がある。
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