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東京科学大学 2019年度 前期日程 理系
東京科学大 2019年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 図形と計量・不等式
平方完成による不等式の証明・正三角形になる等号条件・四面体の4つの面に足し上げる当サイトの体感難易度:やや難
(1) とする。、、()について、三角形 の面積を 、辺 の長さを とするとき、 を示し、等号成立時の を求める
答等号が成り立つのは 、 のとき
、 とおくと、左辺-右辺が と だけの式になり、 について平方完成できる。
はともに直線 上にあるので、 を底辺と見ると高さは で
である。、 とおくと なので
である。 について平方完成すると
なので
であり、 が成り立つ。等号が成り立つのは
のときで、、 より
である。
等号のときは 、 なので、三角形 は正三角形である。
を乱数で20万通り取って左辺-右辺を計算したところ、最小値は 以上だった。
なので である。 に絶対値を付ける必要はない。
(2)四面体 の表面積を 、辺 の長さを 、辺 の長さを とするとき、 を示し、等号成立時の四面体を答える
答等号が成り立つのは正四面体のとき
(1) は「どんな三角形でも、3辺の平方の和 面積」という形に読み替えられる。これを4つの面すべてに使って足す。
まず (1) を、座標を使わない形に言い直す。任意の三角形について、1つの頂点を原点に置き、向かい合う辺が直線 ( はその頂点から対辺までの距離)に乗るように座標をとれば、他の2頂点は ()と書ける。よって (1) から次がいえる。
どんな三角形でも、3辺の長さを 、面積を とすると であり、等号が成り立つのは正三角形のときに限る。
(等号条件は (1) の注のとおり。逆に正三角形なら 、 より両辺とも で等号になる。)
四面体 の4つの面の3辺は、それぞれ
- 面 …
- 面 …
- 面 …
- 面 …
である。6本の辺はどれもちょうど2つの面に現れるから、4つの面について「3辺の平方の和」を足し合わせると
になる。一方、4つの面に上の不等式を使って足すと、面積の和は だから
すなわち
である。等号が成り立つのは4つの面すべてで等号が成り立つとき、つまり4つの面がすべて正三角形のときである。このとき面 から 、面 から 、面 から が出るので6辺がすべて等しく、四面体 は正四面体である。逆に正四面体なら4つの面が正三角形なので等号が成り立つ。
四面体の4頂点を乱数で10万通り取って左辺-右辺を計算したところ、最小値は で、正四面体では両辺とも で一致した。
辺が2つの面に現れることを使うので、左辺に出るのは である。係数 を落とすと のままになってしまう。
「4つの面が正三角形」から直ちに「正四面体」と書かず、6辺が等しいことまで確かめる。
第2問 積分法
置換して積分区間を固定する・絶対値のついた積分の場合分け・積分方程式の微分・定数の決定当サイトの体感難易度:やや難
で が成り立つような連続関数 ( で定義)と定数 を求める
答、、
と置換すると積分区間が に固定される。あとは絶対値を と の大小で外し、2回微分して を取り出す。
と置換する。 で、 のとき 、 なので
である。そこで
とおくと、与えられた等式は両辺を 倍して
と書き直せる。、 のとき の符号は と の大小で決まるから
である。ここで
とおくと
となる。 は連続なので は微分可能で 、 である。微分すると の項が打ち消し合って
である。 の右辺を微分すると なので
である。もう一度微分すると となり
を得る。 で とすると より
である。一方 なので
である。2つを等しいとおくと 、すなわち
である。最後に で とする。、 より で、右辺は だから
である。、 を使うと
となり
を得る。逆に、この に対して の両辺は導関数が一致し、 での値も一致するので、 で等しい。よって
である。
で左辺を数値積分したところ、右辺と小数9桁まで一致した。
の置換で積分区間が によらなくなるのが要。置換しないと絶対値の場合分けが と の両方に絡んで扱いにくい。
を微分するとき、 の項が2つ出て打ち消し合う。ここを落とすと が合わない。
は「2回微分して出た式」だけでは決まらない。 を2通りに表して初めて決まる。
第3問 複素数平面・整数
複素数の割り算と格子・半径の中の格子点を数える・合同式で格子を書き表す・領域に含まれる点の数え上げ当サイトの体感難易度:やや難
(1) を虚数単位とし、実部と虚部がともに整数である複素数 により と表される複素数全体の集合を とする。原点を中心とする半径 の円上またはその内部に含まれる の要素の個数を とするとき、集合 を求める
答 を満たす 全体
なので、数えるのは を満たす整数の組の個数になる。
( は整数)とおく。 なので
である。 は1対1だから、 は を満たす整数の組 の個数に等しい。
の値ごとに組の個数を数えると、次のようになる。
- … 個(累計 )
- … 個(累計 )
- … 個(累計 )
- … 個(累計 )
- … 個(累計 )
- … 個(。累計 )
- … 個(累計 )
- … 個(累計 )
つまり のとりうる値は である。したがって
- となるのは累計が 以上のとき、つまり
- となるのは累計が 以下のとき、つまり
である。よって 、すなわち
である。分母を有理化して
(およそ )が答えである。
を 刻みで走査したところ、 となるのは で、上の区間と一致した。
は と飛び飛びに増える。 のように表し方が 通りある値があるので、累計をていねいに追う。
を満たす の値は と の2つだが、 の範囲はそれらがつながって1つの区間になる。
(2)複素数平面の相異なる2点 を結ぶ線分を で表すとき、6つの線分 、、、、、 で囲まれる領域の内部または境界に含まれる の要素の個数を求める
答 個
とおくと、 は というひとつの合同式になる。あとは で を拾う。
とすると なので、 の実部と虚部は整数である。そこで ( は整数)とおく。
逆に ( は整数)のとき、 であることは が実部・虚部とも整数であることと同じである。
なので、条件は「 と がともに の倍数」である。 も も と互いに素で
だから、どちらの条件も
と同値である。
次に領域を書き表す。6つの線分の端点は順に で、これらを結んだ図形は「1辺 の正方形から右上の1辺 の正方形を取り除いたL字形」である。 とすると、境界を含めた領域は
で表される。、 なので、求めるのは
を満たす整数の組 の個数である( は整数なので は と同じ)。 を から まで動かし、 で となる を拾うと
- … ( なのでどちらも適する)… 個
- … 順に ( なので適する)… 個
- … 。 かつ なので適さない … 個
- … … 個
- … … 個
- … 。適さない … 個
- … … 個
- … 。適さない … 個
- … は適し、 は適さない … 個
となる。合計すると
で、求める個数は 個である。
の格子をすべて に移し、領域に入るものを数えたところ 12 個だった。
と では に候補が2つ入る。片方だけ数えると足りない。
「内部または境界」なので、()や ()も数える。
第4問 空間図形・場合の数
平面を1枚ずつ足して数える・一般の位置・交線が平行になる3枚・最大から2番目・3番目の値当サイトの体感難易度:難
(1)空間内の相異なる 枚の平面 が空間を 個の空間領域に分けるとき、 のとりうる値のうち最も大きいものを求める
答
平面を1枚ずつ足す。 を足すと、 が先の平面との交線で分けられる部分の個数だけ領域が増える。
準備1(平面上の直線) 平面上に相異なる 本の直線があるとき、それらが平面を分ける部分の個数を数える。直線を1本ずつ引くと、 本目の直線はすでに引いた直線との交点で区切られて(交点の個数) 本の部分に分かれ、その本数だけ部分の個数が増える。よって
である。和は交点 全体にわたり、 は を通る直線の本数である( を通る 本のうち、2本目以降の 本が を新しい交点として数える)。 のとき であり、2本の直線は高々1点で交わるので
である。等号はどの2本も交わり、どの3本も1点を通らないときに成り立つ。
準備2(空間) 空間でも平面を1枚ずつ足す。 を足すとき、 は との交線(平行な平面とは交線がない)によっていくつかの部分に分かれ、その部分の個数だけ空間領域が増える。この個数を とすると
である。 上の交線は高々 本なので、準備1から
であり、 から まで足すと
を得る。次に、この値が実際にとれることを示す。
とおくと、次が成り立つ。
- どの2枚も平行でない。法線ベクトル は、 が違えば平行にならない(第1成分がどれも だから、平行なら一致してしまう)。
- どの3枚もただ1点で交わる。 に対する係数行列の行列式はファンデルモンドの行列式で である。
- どの4枚も共有点をもたない。点 が相異なる4つの で を満たすとすると、 の3次式 が相異なる4つの実数解をもつことになり矛盾する。
したがって 上の 本の交線は相異なり(3枚が直線を共有しないから)、どの2本も交わり(3枚が1点で交わるから)、どの3本も1点を通らない(4枚が共有点をもたないから)。よって は最大値をとり
となる。以下これを と書く。なお で、 で 、 で である(問題文の例と合う)。
について無作為な平面の組で領域の個数を数えたところ、最大値はそれぞれ で と一致した。
は「 と交わる平面の枚数」ではなく「 が交線で分けられる部分の個数」である。
(2) のとりうる値のうち2番目に大きいものを求める()
答
は 以上の整数なので、 となる配置を1つ作ればよい。「交線が平行になる3枚」を1組だけ作る。
は 以上の整数だから、 となる配置が1つでもあれば、それが2番目に大きい値である。
のときは2枚を平行にとると である()。
のときは、(1) の ()に
を加える。 の方向ベクトルは2つの法線の外積
である。 の法線 とこれの内積は で、 でこれが になるのは
- のとき より
- のとき ( だから)
より のときだけである。また が の定数倍なら すなわち となって に反するので、 はどの とも交わる。
ここで、 上の2本の交線 と が平行であることは、その共通の方向が にも にも含まれること、つまり が の方向を含むことと同じである。上の計算から、それが起こるのは の1組だけである。
は、(有限個の点)のどれも 上に来ないように、かつ が直線 を含まないように選ぶ。どちらも の有限個の値を避ければよい。
このとき 上の 本の交線は相異なり、平行な組は1組だけ、3本が1点を通ることもないので
となる。 の側は (1) の最大の配置のままなので である。よって2番目に大きい値は
である( で 、 で 、 で )。
3枚の平面が「どの2枚の交線も互いに平行」になる形は、三角柱の3つの側面のような配置である。問題文の2つ目の例(、、 で )がまさにこれで、 の より だけ小さい。
無作為な平面の組で の領域の個数を数えたところ、2番目に大きい値はそれぞれ で、 と一致した。
2枚を平行にしたり、3枚で1本の直線を共有させたりすると、減り方は ではなく になる((3) で確かめる)。 だけ減らすには「交線が平行な3枚」を使う。
(3) のとりうる値のうち3番目に大きいものを求める()
答 のときは 、 および のときは
が作れるかどうかを調べる。 では「交線が平行な3枚」を2組作れるが、 ではできず、 が飛ぶ。
のとき (1) の ()に
を加える。 と の内積は で、これが になるのは
のときである。 で調べると
- のとき (適する)
- のとき (不適)
- のとき (適する)
- のとき (不適)
- のとき ( と同値)より (不適)
より の2組だけである。この2つの方向 と は平行でないので、 上では から来る2本と、 から来る2本がそれぞれ平行になり、2つの方向は異なる。また が の定数倍なら かつ となって矛盾するので、 はどの とも交わる。
を (2) と同じように選べば
となり である。この配置は がすべて に入ること、つまり で作れる。よって3番目に大きい値は である。
のとき で、、、 の3枚をとると、平行な2枚が空間を3つの層に分け、 がそれぞれを2つに分けるので である。 に を入れると なので、 と同じ式で書ける。
のとき だが、 は起こらない。4枚を好きな順に足すとして 、 である。
(i) 2枚が平行なとき その2枚を後ろに回して とすると、 上の交線は から来る高々2本なので である。、 とあわせて 。
(ii) 3枚が1本の直線 を共有するとき その3枚を後ろに回して が を共有するとすると、 なので 上の交線は高々2本で である。やはり 。
(iii) どの2枚も平行でなく、どの3枚も直線を共有しないとき である。また
- 上の交線 、 は相異なる2直線で、交わるなら 、平行なら 。
- 上の交線は相異なる3直線で、3直線が平面を分ける部分の個数は (どの2本も交わりどの3本も1点を通らない)、(ちょうど1組が平行、または3本が1点を通る)、(3本とも平行)のいずれか。
なら だが、 は か 、 は のいずれかなので しかない。
は と が平行ということである。その共通の方向を とすると、 は にも にも含まれるので の方向でもある。つまり はどの2枚の交線も 方向で、3枚とも に平行である。
このとき に共有点はない。共有点 があれば、 を通り 方向の直線が でも でもあることになり、3枚が1本の直線を共有してしまうからである。
になるのは次の2つの場合だが、どちらも矛盾する。
- 3本が1点 を通る場合。 は のすべての上にあり、とくに の共有点になる。これは上で否定した。
- ちょうど1組が平行な場合。 と ()が平行なら、同じ理由でその方向は の方向、つまり であり、 も に平行になる。すると4枚とも に平行なので 上の3本の交線はすべて 方向、つまり3本とも平行で となり、 に反する。
よって では は起こらない。一方 、、、 の4枚をとると、3つの層を4つの象限が切るので である。したがって のときの3番目に大きい値は である。
まとめると、3番目に大きい値は
である。
無作為な平面の組で数えたところ、 では が現れ、 は一度も現れなかった。 では3番目に大きい値がそれぞれ で と一致した。
「最大から1ずつ減った値が必ず実現する」とは限らない。 では の次が で、 は飛ぶ。
で が作れないことは、実例を探すだけでは示せない。場合分けで尽くす必要がある。
第5問 数列・微分法
対数をとって増減を見る・隣り合う項の比・比がちょうど1になる番号・最大値をとる項当サイトの体感難易度:やや難
(1) は で減少することを示す
答 より減少する
微分すると ()の形になり、よく使う不等式 でかたづく。
で なので
である()。ここで とおくと
で なので、 では 、すなわち
である。 のとき だから であり、 は で減少する。
を 刻みで から まで動かしたところ、 はつねに減少し、、 だった。
(2) として ()とするとき、数列 の項の最大値 を既約分数で表し、 となる をすべて求める
答、
隣り合う項の比をとると となり、対数が になる。(1) よりこの比は減少する。
すべての で である。隣り合う項の比をとると
である。対数をとると
となる。(1) より は で減少するので、 が増えると は減少する。
ここで
であることに注目する。 とすると
である。比は減少するから
- では 、つまり
- では 、つまり
- では 、つまり
となり、最大値は である。実際に計算すると
であり、 でも同じ値になる。 は奇数なので既約分数である。よって
である。
と見ると、 は 、つまり である。 がこの形に作ってあることが、答えがちょうど2つになる理由である。
の を分数のまま計算したところ、最大値は で の2つで達成された。
比がちょうど になる があるので、最大値をとる は2つある。 だけ答えると足りない。
比が減少することは (1) から従う。 が減少すると「なんとなく」書くのではなく、(1) を使う。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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