本文へ
大学別数学研究室
  • 独自の解答・詳解
  • 問題文は非掲載
  • 全5問・無料

大阪大学 2020年度 前期日程 理系

阪大理系 2020年度 数学の解答・解説

全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/14

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/14時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 微分・極限

対数微分法・増減表・極限・グラフの概形当サイトの体感難易度:標準

(1)()の最大値を求める

答( のとき)

を微分する。

では なので であり、対数がとれる。

である。両辺を で微分すると

すなわち

である。、 なので、 の符号は の符号と同じである。

であり、 は増加関数なので、 では 、 では である。よって は で最大になり、最大値は

である()。

万等分の走査で最大 ()、 と一致した。

は底も指数も動くので、そのままでは微分の公式が使えない。対数をとるか と書き直す。

という定義域の左端 でも が定まる。端点も増減表に入れておく。

(2) と を求める( を用いてよい)

答、

から 。 は と の積。

とおくと のとき で

である。 は連続なので

である。

次に を見る。(1) より

である。 のとき 、、 なので、括弧の中は に収束する。 だから

である。

、 だった。

を直接 と言うのではなく、与えられた に を掛ける形に直して使うと、根拠がはっきりする。

(3) のグラフの概形をかく(凹凸は調べなくてよい)

答 から出て増加し、 で最大値 をとったあと減少し、直線 に上から近づく

(1) の増減と (2) の漸近線をつなぐ。

(1)(2) をまとめると、 での の様子は

  1. から始まる。
  2. で増加し、 で最大値 をとる。
  3. で減少する。
  4. で 、かつ なので、直線 が漸近線で、グラフはそこへ水平に寝ていく。

である。なお では より 、つまり なので、グラフは漸近線 の上側から近づく。

最大 e^(1/e)(0, 1)y = 1
y = f(x) の概形。x = 0 で 1、x = e − 1 ≒ 1.718 で最大値 e^(1/e) ≒ 1.445、そのあとは減少して点線 y = 1 に上から近づく。

数値でも は で最大 、 で だった。

に上から近づくこと、 でも値が であることを図に反映させる。左端と漸近線が同じ高さなのがこのグラフの特徴。

第1問だけのページ

第2問 確率・複素数平面

複素数の積と偏角・剰余による分類・確率漸化式・極限当サイトの体感難易度:標準

(1)1個のさいころを 回投げ、 回目の目が なら 、 なら 、その他なら とする。、 とおく。 が実数でない確率を求める

答

の偏角は ()。実数 が の倍数。

ド・モアブルの定理より と書けるので

である。 なので、 が実数であることは 、すなわち が の整数倍であること、つまり

と同値である。

各回の は をそれぞれ確率 でとる。 のとき なので、 が の倍数になるのは のときだけである。これは

  1. 2回とも :確率
  2. 一方が 、他方が :確率

の2通りで、合わせて

である。よって が実数でない確率は

である。

Xₖ = 0 なら Yₖ = 1Xₖ = 1Xₖ = −1−1(実数)
Yₖ は単位円上の 3 点のどれか(角 0、π/3、−π/3)。Zₙ は角 (π/3)Sₙ の点なので、Zₙ が実数になるのは点が 1 か −1 にあるとき、つまり Sₙ が 3 の倍数のときだけ。

の全列挙でも が実数になる確率は だった。

の絶対値は なので、「実数」とは のこと。 になることはない。

(2) がいずれも実数でない確率を求める

答

を で割った余りの動きを見る。 から出て、一度も に戻らない確率。

を で割った余り を追う。 で、各回 は確率 ずつ 動き、確率 で動かない(法 で考える)。条件は

である。

1回目。 から になるのは のときで、確率は である。

2回目以降。いま ( または )だとする。 のとき になるのは のときだけ、 のとき になるのは のときだけである。どちらの場合も確率 なので、 にならない確率は

である。これは が でも でも同じ値であり、しかも各回の は独立なので、そのまま掛け算してよい。

したがって求める確率は

である。

の全列挙で となり、式と完全に一致した。

「 に戻らない確率」が か かによらず で一定なのが鍵。ここが場合によって違うと単純な積にはできない。

のとき答えは で、 と整合する。

(3) が実数となる確率を とする。 を で表し、 を求める

答、極限は

の漸化式を作る。対称性から 。

、、 とおく。 は と を同じ確率でとり、出発点が なので、 と は同じ分布をもつ。よって

である。

になるのは、 で 、 で 、 で の3通りなので

である。特性方程式 の解は なので

である。( は の倍数)なので であり

である。実際 ( のとき)、 で (1) と合う。

なので

である。

極限 は、余り が平等に近づくことを意味している。(2) の確率が で に落ちるのとは対照的に、 は に落ち着く。

の全列挙で となり、式と完全に一致した。

から始めると式がきれいになる。 から始めても同じ式になるが、初項の扱いを間違えやすい。

▸ 別解:1の3乗根を使う

とおく。 は が の倍数なら 、そうでなければ なので

である。独立性から で

である。 についても同じく なので

となり、同じ式が得られる。

第2問だけのページ

第3問 三角比・数列

正弦定理・数学的帰納法・三角関数の不等式・角の和当サイトの体感難易度:やや難

を 以上の自然数とする。三角形 において辺 の長さを 、辺 の長さを で表す。 であるとき を示す

答正弦定理より ()。、 のとき が帰納法で示せるので

正弦定理で を角だけの式にし、 を加法定理と帰納法で示す。

とおくと である。三角形の内角の和より

である。とくに かつ なので 、 である。

正弦定理より、外接円の直径を として

である(辺の対角をとる)。よって

であり、示すべきことは である。より強く、次を示す。

補題。 と 以上の自然数 に対し である。

証明。 では である。 のとき

である( より )。()で成り立つとすると、加法定理より

である(最後の不等号で帰納法の仮定を使った)。よってすべての で成り立つ。

補題を 、 に使うと である。、 なので

である。

BCAabc
n = 3、∠ABC = 30°、∠ACB = 90° の場合。a = BC = 1 とすると b = CA ≒ 0.577、c = AB ≒ 1.155 で、たしかに c < 3b ≒ 1.732 になっている。

の 万組で の違反は 件だった。

正弦定理で対応する角を取り違えやすい。辺 の対角は 、辺 の対角は である。

帰納法を回すには (絶対値つき)で仮定しておく必要がある。 だけだと のときに掛け算の向きが崩れる。

が効いているのは を1回使えるところ。 なら等号になる。

▸ 別解:微分で一気に(こちらのほうが短い)

とおく。 で

である。いま を考える。このとき であり( と より )、 は で狭義単調減少なので

である。よって は で増加し、、すなわち である。 として を得る。

補題の形( すべてで )までは出ないが、この問題で必要な範囲 ではこれで十分で、帰納法より手数が少ない。

第3問だけのページ

第4問 積分・極限

領域の面積・双曲線と直線の交点・対数を含む極限・有理化当サイトの体感難易度:やや難

を正の実数とする。 平面において連立不等式 、、、 の表す領域の面積を とおく。 を求める

答

では三角形から「 のはみ出し」を引く。 を使って 。

を考えるので としてよい。双曲線 と直線 の交点の 座標は

の解である。判別式は なので2つあり

とおく。解と係数の関係から 、 である。

領域は、三角形 、、(面積 )から、 の部分を除いたものである。除く部分は で双曲線 と直線 にはさまれた部分なので、その面積 は

である。、 より なので

である。したがって

と分けられる。

。分子を有理化すると

なので で である。

。

なので である。

よって

である。

αβxy = 1
t = 3 のとき。網をかけた部分が領域で、上側の境界は x が小さいところと大きいところでは直線 x + y = 3、真ん中では双曲線 xy = 1(点線はその延長)。2 つの交点の x 座標が α ≒ 0.382 と β ≒ 2.618。

が出てくる理由は、領域が 軸・ 軸に沿って2本の細長い「ひげ」を伸ばすからである。 軸側のひげの面積は 、 軸側も同じで、合わせて になる。残る はひげの付け根(原点近く)の寄与である。

は で 、 以降は だった。

では双曲線と直線が交わらず、領域はそのまま三角形で になる。極限には関係しないが、場合分けの存在は意識しておく。

をそのまま とすると になる。有理化が要点。

第4問だけのページ

第5問 積分・図形

回転体の体積・ヘロンの公式・2次関数の最大・対称性当サイトの体感難易度:標準

(1)3辺の長さの和が である三角形 において、辺 の長さを 、辺 の長さを とする。 を軸として1回転させてできる回転体の体積を とする。 を固定して を変化させるとき、 が最大になるのは を底辺とする二等辺三角形のときであることを示す

答。 の2次関数 は で最大になり、このとき

( は から への距離)とヘロンの公式を組み合わせる。

とおく。 から直線 に下ろした垂線の足を 、 とする。

回転体は、 が線分 の内部にあるときは「底面の半径 の2つの円錐を底面どうしで貼り合わせたもの」、 が外にあるときは「大きい円錐から小さい円錐を取り除いたもの」である。どちらの場合も、 から 、 までの距離を とすると高さの和(または差)が になるので

と、同じ式になる。

三角形の面積を とすると なので であり

である。周の長さが なので、ヘロンの公式の であり

である。 なので

である。

を固定する。 は正の定数なので、 の最大は

の最大で決まる。 は の2次関数で の係数が 、2つの零点が と なので、頂点は

である。三角形になるための の範囲は ( すなわち )で、頂点 はこの区間のちょうど真ん中にあるから、ここで最大をとる。

このとき

なので 、すなわち三角形 は を底辺とする二等辺三角形である。

BCAHha
辺 BC を軸に 1 回転させたときの断面。A から BC に下ろした垂線 AH の長さ h が回転体の半径で、体積は V = (π/3)ah²。H が BC の外に出ても、2 つの円錐の差として同じ式になる。

を 刻みで固定して を 万等分して走査すると、最大を与える はつねに だった。

が の外に出る( または が鈍角)場合も でよい。差をとると高さが に戻るからで、ここをことわらずに「2つの円錐」とだけ書くと場合分け漏れになる。

の動く範囲を書かないと「頂点が範囲内にある」ことが言えない。 を出しておく。

(2) をともに変化させるとき、 の最大値と、最大値を与える の値を求める

答最大値 、、

(1) より に限ってよい。代入すると 。

(1) より、 を決めるごとに最大を与える は である。このとき

なので、 に代入して

である。 の範囲を確かめる。 が三角形をなす条件は 、すなわち より で、長さが正であることから である。よって

である。 は上に凸の2次関数で

なので、 で最大値 をとる。したがって

であり、そのとき

である。3辺は で、和はたしかに である。

最大を与えるのは正三角形(3辺 ずつ)ではない。軸にする辺 は短めのほうが得で、 になる。 の形から、 が小さいと半径は稼げても高さが足りず、 が大きいと逆になることがわかる。

の格子走査で最大 (、)、 と一致した。

(1) で を最適化したあと、 についても範囲 を確かめる。これを飛ばすと頂点が範囲外の可能性を潰せない。

「対称性があるから正三角形が最大」と即断しない。回転軸にする辺だけ役割が違うので、対称性は と の間にしかない。

第5問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

当サイト運営者が制作した教材

同じ形式の問題を、5回分

合格答案をつくる 阪大理系数学 2027の表紙

合格答案をつくる 阪大理系数学 2027

阪大理系数学の出題を分析して書き下ろした予想問題集です。過去問そのものは入っていません。 本番と同じ試験時間・大問構成で5回分、 解答・詳解・別解に加えて、 小問ごとの加点・減点つきの採点表を収録しています。

Amazonで見る全3巻を見る¥2,695・120ページ・2026年7月27日発売

中身を試し読みする

扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。

抜粋をPDFでまとめて見る

関連するページ