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大阪大学 2019年度 前期日程 理系
第4問 整数・数列の解答・解説
ユークリッドの互除法・数学的帰納法・2進法と位置・既約分数当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/14
問題文について
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から始めて、分数 の左下に 、右下に を配置するという規則でできる樹形図を考える(問題冊子には図が付いているが、ここでは言葉だけで述べる)。小問 (1)〜(4) に答える
答 段目は 、 段目は 、 段目は
「左下へ進む」を 、「右下へ進む」を と呼ぶことにする。
規則を記号で書く。分数 から
である。 では分母だけが増え、 では分子だけが増える。 段目には 個の分数が並ぶ。
逆向きも用意しておく。 が 段目以外にあるとき、その真上(親)は
である。実際、 に を施すと 、 に を施すと になる。これはユークリッドの互除法の1ステップ(大きいほうから小さいほうを引く)そのものである。
段まで作って、各段の個数が になることを確かめた。
で作られた分数は 、 で作られた分数は になる( は正)。だから「分子と分母のどちらが大きいか」を見れば、その分数が左下・右下のどちらから来たかが決まる。これが (3) と (4) の鍵。
(1)この樹形図に現れる分数はすべて既約分数であることを示す(整数 は既約とみなす)
答、 なので、段数についての帰納法で示せる
互除法の基本性質を使う。
段数 についての帰納法で「 段目のどの分数 も と が互いに素」を示す。
のとき、 で と は互いに素である。
段目の で が互いに素だとする。 を と の公約数とすると、 は も割り切るので は と の公約数、よって である。したがって は既約である。同様に、 と の公約数は も割り切るので だけで、 も既約である。
よって 段目の分数もすべて既約である。帰納法よりすべての段で成り立つ。
段ぶんの 個の分数はすべて既約だった。
が正であることは規則から保たれる(和は正)。負や が出ないことを一言ことわっておくと丁寧。
(2)すべての正の有理数がこの樹形図に現れることを示す
答既約分数 から親をたどると が真に減るので、有限回で に着く。その道を逆にたどればよい
無限降下法。親をとる操作で が減ることを使う。
正の有理数は既約分数 ( は互いに素な正の整数)としてただ一通りに書ける。この が樹形図に現れることを、 についての帰納法で示す。
のときは で、 は 段目にある。
とする。 は互いに素なので なら となり 、よって である。
- のとき。 を考える。 は正の整数で、 だから既約。和は なので、帰納法の仮定より樹形図に現れる。その左下が である。
- のとき。同様に は既約で和は 、その右下が である。
どちらの場合も は樹形図に現れる。帰納法よりすべての正の有理数が現れる。
の既約分数はすべて 段以内に現れた。
「正の有理数」は既約表示で考える。 のような約分できる形のまま降下させると、(1) で示した「現れるのは既約だけ」と噛み合わなくなる。
(3)この樹形図に現れる有理数はすべて異なることを示す
答既約分数の値からその親が一意に決まるので、値を見れば までの道が完全に復元できる。同じ値の場所は1つしかない
親をとる操作が値だけで決まることを使う。
(1) より、樹形図に現れる分数はすべて既約である。 で作った分数は 、 で作った分数は をみたし、 となるのは だけである(既約で なら )。
したがって、 以外の分数については、その値だけから
- 左下・右下のどちらから来たか( と の大小)
- 親が何か( なら 、 なら )
が一意に決まる。
いま、樹形図の2つの場所に同じ値 が現れたとする。(2) の降下と同じ理由で、親をとる操作を繰り返せば有限回( が毎回減るので)で に着く。その途中に現れる値の列も、どちらの場所から出発しても同じである。したがって2つの場所は同じ段数にあり、 からの道筋( と の並び)も同じである。道筋が同じなら場所も同じなので、2つの場所は一致する。
よって同じ値が2か所に現れることはなく、現れる有理数はすべて異なる。
(1)(2)(3) を合わせると、「正の有理数全体」と「樹形図の場所全体」が1対1に対応する。樹形図を上から順に、各段は左から右に読めば、正の有理数を重複なく並べ上げる列ができる。
段ぶんの 個の分数に重複はなかった。
「値が同じ 親も同じ」を言うには、値から親が決まること( と の大小で分かれること)が要る。ここで (1) の既約性を使っている。
(4) はこの樹形図の上から何段目の左から何番目に配置されるか答える(例: は上から3段目の左から4番目)
答 段目の左から 番目
親を順にたどって まで戻し、道筋を 、 の2進法で読む。
から親を順にたどる。 なら 、 なら である。
ステップ数は である。 が 段目なので、 は
にある。
次に左から何番目かを求める。上の列を逆向きに読むと、 から までの道は
である( は分母が増えているので 、 は分子が増えているので 、 はまた )。
各段では左の子が左半分、右の子が右半分に入るので、、 と読んで、最初の1歩を最上位の桁とする2進数が「左から数えた番号 」になる。実際
なので、左から 番目である。よって
である。
この読み方が正しいことは、与えられた例で確かめられる。 は でステップ数 、よって 段目。道は なので 、左から 番目である。
樹形図を 段まで実際に作って探すと、 は 段目の 番目にあった。
番号は「 進数 」。 進数そのものを答えにすると ずれる。例で検算するのが確実。
最初の1歩が最上位の桁。逆順に並べると別の場所になってしまう。
は 。引き算の向きを間違えない。
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