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大阪大学 2019年度 前期日程 理系
阪大理系 2019年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/14
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/14時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 微分・積分・極限
微分と単調性・定積分の不等式・はさみうち・指数関数の評価当サイトの体感難易度:やや難
(1) を実数とする。 が単調に減少することを示す
答
積の微分で を作り、通分すると分子が定数 になる。
微分積分学の基本定理より である。また
で、 なので、積の微分より
である。よって
である。中括弧の中を で通分すると、分子は
となり、 が消えて定数 になる。したがって
がすべての実数 で成り立つ。よって は( の値によらず)単調に減少する。
数値微分との差は最大 だった。
積分の下端が なので、基本定理を使うと符号が になる。 と書き直しておくと間違いにくい。
分子が定数 になるところまで計算しないと符号が確定しない。途中でやめない。
(2) をみたす正の実数 に対し を示す
答左は (1) の に を使う。右は で を積分する
左は (1) の単調減少そのもの。右は被積分関数の単調減少。
左側。(1) の (この を使う)で
である。 は減少で だから 、すなわち
である。移項すると左側の不等式になる。
右側。 では は減少するので、 のとき
である。 なので、この不等式を から まで積分して
を得る。
無作為な 組で違反 件だった。
左側は「積分の下からの評価」で、 の原始関数が初等関数で書けないため、(1) を経由しないと作れない。(1) と (2) は一続きの誘導。
右側で (正の実数)が効いている。 だと は増加する区間を含み、最大値が端にこない。
(3) とするとき を求める( を用いてよい)
答
と置換して (2) を 、 に使う。
とおくと 、 で、 のとき なので
である。(2) を 、(ともに正で )に使うと
である。 で割ると
である。
上から。 の右より 、よって
である。
下から。 の左を でくくると
である( による)。括弧の中は で に収束するので、ある から先はつねに 以上である。よって で
であり、対数をとって で割ると
である。与えられた と より、右辺は に収束する。
はさみうちの原理より
である。
答えが になるのは、 が のうち左端 のごく近くにだけ集中するからである。 くらいの大きさで、 をとると の多項式ぶんは消え、 の肩だけが残る。
で だった。
(2) の左辺の2項のうち の項は、 に比べてはるかに小さい。ここを「だいたい無視できる」で済ませず、比が に行くことを書く。
の収束はとても遅い( でも )。数値で を推測するのは難しい。
第2問 複素数平面・確率
複素数列の漸化式・等比数列の和・1 の n 乗根・確率当サイトの体感難易度:やや難
自然数 に対し とおき、、、()で複素数 を定める。小問 (1)〜(3) に答える
答
階差 が公比 の等比数列になる。
漸化式を移項すると
である。よって階差 は公比 の等比数列で、 だから
である。 と合わせて
である。とくに のとき
であり、(つまり )のときは である。以下、、 とおく。 である。
でも でも、漸化式を直接まわした値と の値が一致した。
特性方程式 は と因数分解でき、解は と 。階差を使うほうが式の見通しがよい。
(1)、 のとき、複素数平面上の点 をこの順に線分で結んでできる図形を図示する
答1辺の長さ の正六角形(中心 、 で閉じる)
が の原始6乗根になることを見る。
、 のとき なので
である。 で、 はどれも でないから、 は の原始6乗根である。
より なので、点を順に結んだときの各辺のベクトルは
の6つである。どれも絶対値 、偏角は ずつ減っていく。つまり「長さ 進んでは ずつ右に曲がる」動きを6回くり返す。さらに
なので で閉じる。したがってできる図形は1辺の長さ の正六角形である。
実際に計算すると
で、 である。6点の重心は で、ここから各点までの距離はどれも である。
辺の長さはすべて 、、 点はどれも中心から距離 だった。
をそのまま の偏角と見ると6乗根が見えにくい。 を掛けた のほうが扱いやすい。
(2)、 のとき を求める
答
は の原始4乗根。。
、 のとき なので 、 である。 で、 は でないから は の原始4乗根である。
より
である。 なので、 つずつまとめると消える。 だから、残るのは最後の3項で
である。
公式で確かめると、 なので
で一致する。
漸化式を 回まわした値も だった。
の和は から まで、つまり は 項。 項と数え違えない。
(3)さいころを2回投げ、1回目の目を 、2回目の目を とする。 である確率を求める
答
かつ 。 なので、 が奇数の整数になる条件に直る。
とおく。 は から なので 、 である。
のときは である。 のときは
なので
である。
なので であり
である。 は奇数なので は奇数、したがって
である。また が偶数の整数 が奇数の整数であり、 かつ から なので、これは 、つまり のときだけである。
以上より、求める条件は
である。 に注意して ごとに調べる。
- (): が整数 より 。このとき は奇数だが なので不適。
- (): より 。 は奇数だが なので不適。
- (): が整数 が偶数。 なら (奇数)で適、 なら (偶数)で不適、 は だが で不適。よって のみ。
- (): はつねに整数で、奇数 が奇数。 の3通り( は起こらない)。
- (): だが なのでなし。
- (): はつねに整数で、奇数 が奇数。 の3通り。
当てはまる は
の7通りである。全部で 通りなので、求める確率は
である。
では「 が奇数の整数」はみたすのに で落ちる、という引っかけになっている。 のときは等比数列の和の公式が使えず なので、必ず別扱いが要る。
通りを全部まわして になったのは 通りだった。
の場合を分けないと、 を数え込んで になってしまう。
の条件は「偏角の 倍が の整数倍」。 の整数倍で止めると符号 の場合を拾ってしまう。
第3問 図形と方程式・積分
2次方程式の実数解条件・領域の図示・回転体の体積・場合分け当サイトの体感難易度:標準
(1)実数 が をみたしながら変わるとき、 平面上で点 が動く領域を とする。 が の点かどうか判定する
答 の点ではない
、 なら は の2解。実数解をもつ条件 を見る。
、 のとき、 は の2次方程式
の2解である。 が実数であるためには判別式が 以上、つまり
が必要である。 を入れると
である()。よって 、 をみたす実数 は存在しない。したがって は の点ではない。
だった。
はみたしている。条件を1つだけ見ると「 の点」と誤答する。実数であることの条件が先に効く。
(2) を図示する
答(したがって )。2つの放物線にはさまれた部分
実数条件 と を について解く。
が の点である必要十分条件は、 が実数解 (重解も可)をもち、かつ となることである。
- 実数解をもつ:、すなわち
- 、すなわち
逆に、この2つをみたす に対しては の2解 が実数で、、、 となる。よって
である。中身が空でない条件は
すなわち である。両端 では上下が一致して の1点になる。
万組ずつ両向きに調べて、違反はどちらも 件だった。
「 が実数」を落とすと下の放物線だけの条件になり、領域が上に広がりすぎる。(1) はそこを確かめさせる小問。
逆の確認(条件をみたす が実際に作れること)を書いておく。必要条件だけでは図示の根拠にならない。
(3) を 軸のまわりに1回転してできる回転体の体積を求める
答()
を固定した断面が円板か円環かで3つに分ける。境目は と 。
、 とおく。 は 軸について対称ではないが で不変なので、 の部分を考えて2倍すればよい。
を固定すると、 の切り口は線分 である。これを 軸のまわりに回すと
- のとき():線分が 軸をまたぐので円板。半径は 。
- のとき():円環。外半径 、内半径 。
はつねに正しい。 と の大小は
で決まる。まとめると、 では
- :円板、半径
- :円板、半径
- :円環、外半径 、内半径
である。したがって
である。1つめは
である。2つめは
である。3つめは、被積分関数を整理すると
なので
である。3つを足すと
なので
である()。
断面積分で 、式の値も だった。
軸をまたぐ断面では、回転させると下側も上側もつぶれて円板になる。「外 ・内 の円環」と機械的に書くと の区間で誤る。
の境目を落とすと、 をひとまとめにしてしまい、半径の取り違えが起きる。
と の大小()を確かめてから区間を並べる。
第4問 整数・数列
ユークリッドの互除法・数学的帰納法・2進法と位置・既約分数当サイトの体感難易度:難
から始めて、分数 の左下に 、右下に を配置するという規則でできる樹形図を考える(問題冊子には図が付いているが、ここでは言葉だけで述べる)。小問 (1)〜(4) に答える
答 段目は 、 段目は 、 段目は
「左下へ進む」を 、「右下へ進む」を と呼ぶことにする。
規則を記号で書く。分数 から
である。 では分母だけが増え、 では分子だけが増える。 段目には 個の分数が並ぶ。
逆向きも用意しておく。 が 段目以外にあるとき、その真上(親)は
である。実際、 に を施すと 、 に を施すと になる。これはユークリッドの互除法の1ステップ(大きいほうから小さいほうを引く)そのものである。
段まで作って、各段の個数が になることを確かめた。
で作られた分数は 、 で作られた分数は になる( は正)。だから「分子と分母のどちらが大きいか」を見れば、その分数が左下・右下のどちらから来たかが決まる。これが (3) と (4) の鍵。
(1)この樹形図に現れる分数はすべて既約分数であることを示す(整数 は既約とみなす)
答、 なので、段数についての帰納法で示せる
互除法の基本性質を使う。
段数 についての帰納法で「 段目のどの分数 も と が互いに素」を示す。
のとき、 で と は互いに素である。
段目の で が互いに素だとする。 を と の公約数とすると、 は も割り切るので は と の公約数、よって である。したがって は既約である。同様に、 と の公約数は も割り切るので だけで、 も既約である。
よって 段目の分数もすべて既約である。帰納法よりすべての段で成り立つ。
段ぶんの 個の分数はすべて既約だった。
が正であることは規則から保たれる(和は正)。負や が出ないことを一言ことわっておくと丁寧。
(2)すべての正の有理数がこの樹形図に現れることを示す
答既約分数 から親をたどると が真に減るので、有限回で に着く。その道を逆にたどればよい
無限降下法。親をとる操作で が減ることを使う。
正の有理数は既約分数 ( は互いに素な正の整数)としてただ一通りに書ける。この が樹形図に現れることを、 についての帰納法で示す。
のときは で、 は 段目にある。
とする。 は互いに素なので なら となり 、よって である。
- のとき。 を考える。 は正の整数で、 だから既約。和は なので、帰納法の仮定より樹形図に現れる。その左下が である。
- のとき。同様に は既約で和は 、その右下が である。
どちらの場合も は樹形図に現れる。帰納法よりすべての正の有理数が現れる。
の既約分数はすべて 段以内に現れた。
「正の有理数」は既約表示で考える。 のような約分できる形のまま降下させると、(1) で示した「現れるのは既約だけ」と噛み合わなくなる。
(3)この樹形図に現れる有理数はすべて異なることを示す
答既約分数の値からその親が一意に決まるので、値を見れば までの道が完全に復元できる。同じ値の場所は1つしかない
親をとる操作が値だけで決まることを使う。
(1) より、樹形図に現れる分数はすべて既約である。 で作った分数は 、 で作った分数は をみたし、 となるのは だけである(既約で なら )。
したがって、 以外の分数については、その値だけから
- 左下・右下のどちらから来たか( と の大小)
- 親が何か( なら 、 なら )
が一意に決まる。
いま、樹形図の2つの場所に同じ値 が現れたとする。(2) の降下と同じ理由で、親をとる操作を繰り返せば有限回( が毎回減るので)で に着く。その途中に現れる値の列も、どちらの場所から出発しても同じである。したがって2つの場所は同じ段数にあり、 からの道筋( と の並び)も同じである。道筋が同じなら場所も同じなので、2つの場所は一致する。
よって同じ値が2か所に現れることはなく、現れる有理数はすべて異なる。
(1)(2)(3) を合わせると、「正の有理数全体」と「樹形図の場所全体」が1対1に対応する。樹形図を上から順に、各段は左から右に読めば、正の有理数を重複なく並べ上げる列ができる。
段ぶんの 個の分数に重複はなかった。
「値が同じ 親も同じ」を言うには、値から親が決まること( と の大小で分かれること)が要る。ここで (1) の既約性を使っている。
(4) はこの樹形図の上から何段目の左から何番目に配置されるか答える(例: は上から3段目の左から4番目)
答 段目の左から 番目
親を順にたどって まで戻し、道筋を 、 の2進法で読む。
から親を順にたどる。 なら 、 なら である。
ステップ数は である。 が 段目なので、 は
にある。
次に左から何番目かを求める。上の列を逆向きに読むと、 から までの道は
である( は分母が増えているので 、 は分子が増えているので 、 はまた )。
各段では左の子が左半分、右の子が右半分に入るので、、 と読んで、最初の1歩を最上位の桁とする2進数が「左から数えた番号 」になる。実際
なので、左から 番目である。よって
である。
この読み方が正しいことは、与えられた例で確かめられる。 は でステップ数 、よって 段目。道は なので 、左から 番目である。
樹形図を 段まで実際に作って探すと、 は 段目の 番目にあった。
番号は「 進数 」。 進数そのものを答えにすると ずれる。例で検算するのが確実。
最初の1歩が最上位の桁。逆順に並べると別の場所になってしまう。
は 。引き算の向きを間違えない。
第5問 空間図形
球面の方程式・2球面の共通部分・球面と平面・三平方の定理当サイトの体感難易度:標準
座標空間内の2つの球面 と の共通部分を とする
答 は平面 上の、中心 、半径 の円
2式を引くと2次の項が消えて平面の式になる。
2つの式を展開すると
である。辺々引くと2次の項が消えて
を得る。 上の点は 上にあり、逆に と の共通部分の点は(引き算を戻して) 上にもあるので
である。
の中心 と の距離は、、 より
である。()なので は円で、三平方の定理より半径は
である。 の中心 は から に下ろした垂線の足で
である。
との共通部分が になる球面の形。そのような球面 は を含むので、中心は の「軸」、すなわち を通り に垂直な直線
の上にあり、半径は三平方の定理より
である。逆に、この形の球面はどれも を含み、 とは異なる球面なので、 との共通部分はちょうど になる(相異なる2球面の共通部分は、 を含む以上 そのもの)。
上の 点がすべて と の上にあった。
「 との共通部分が となる球面」には 以外にも無数にある。中心が1本の直線上を動く1径数の族になる。
が 自身になってしまう はない( は に対応するが、そのとき でちょうど になる)。半径を指定する (1)(2) では 以外なので問題にならないが、一般には除いておく。
(1) との共通部分が となるような球面のうち、半径が最小となる球面の方程式を求める
答
は で最小。
は のとき最小値 をとる。このとき中心は である。
なので、この球面は とは異なり、 との共通部分はちょうど になる。よって求める方程式は
である。これは を大円とする球面、つまり「 をちょうど赤道にもつ球面」である。
上の 点がこの球面上にあり、中心からの距離はすべて だった。
半径の最小は の半径そのもの。 より小さい球面は を含めない。
(2) との共通部分が となるような球面のうち、半径が となる球面の方程式を求める
答 と の2つ
から 。
より
である。 なので
であり、中心は
である。 なのでどちらも とは異なり、条件をみたす。よって
の2つである。
の符号は「 の中心 から見てどちら側にふくらむか」に対応する。 自身は 、 に対応し、 は 、 に対応する。
上の 点が2つの球面のどちらにも乗り、中心からの距離は だった。
から は2つ。片方だけ書くと半分しか答えていないことになる。
は単位ベクトル()。正規化を忘れると中心がずれる。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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