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東北大学 2021年度 前期日程 理系
東北大理系 2021年度 数学の解答・解説
全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。
第1問 2次関数
解の配置・判別式・領域の図示・場合分け当サイトの体感難易度:標準
を実数とするとき、曲線 が 軸の正の部分と共有点をもたないような点 の領域を図示する
答 かつ 、または かつ
とおくと が効く。 の符号で場合分けし、 のときは「判別式」と「軸の位置」で正の解の有無を判定する。
とおく。 である。求めるのは「 が正の解をもたない」条件である。
のとき。 で であり だから、中間値の定理より正の解が必ずある。よって不適。
のとき。 である。 なら で解なし。 なら解は で、これが正になるのは のときである。よって正の解をもたないのは のときである。
のとき。 下に凸の放物線で だから、正の解をもつのは「実数解をもち、かつ軸が正」のときに限る。すなわち
である。その否定をとると、正の解をもたない条件は
である。
まとめ。 3つの場合を合わせると、求める領域は
である( で なら自動的に )。図示すると次のようになる。
では で、 の解 はどちらも正。 では で実数解なし。
(1次になる場合)を別に扱う。2次方程式として処理すると漏れる。
では なので「2解とも正」か「2解とも負」のどちらかになる。軸の符号だけで区別できる。
境界の扱い: 側は を含み、 側は (重解が正)を含まない。
第2問 図形と方程式
面積比・内分点・2変数の値域・整数解当サイトの体感難易度:やや難
(1)、 とし、三角形 で辺 を に内分する点を 、辺 を に内分する点を 、辺 の中点を 、、 とするとき、 を で表す
答
を基準にして 、 で3点を表す。面積比は「 での係数の行列式」で決まるので、 の具体形は要らない。
、 とおくと
である。よって
である。、 の成分で書くと、三角形の面積は などで表され、、 に対して
が成り立つ。したがって
である。最後に絶対値を外す。 を について整理すると
- : なので より
- : なので
とつねに正である。よって
である。
なら はすべて中点で中点三角形になり、。よく知られた値と合う。
三角形と を2万組ランダムにとって確かめ、反例は 件だった。
「 を に内分」は 。比の向きを取り違えない。
面積比は の取り方によらない。具体的な三角形で計算しなくてよい。
(2) が 、 の範囲を動くとき、 のとりうる値の範囲を求める
答
は を固定すると の1次式。1次式の値域は端点で決まるので、 を先に動かし、次に を動かす、と2段階で考える。
とおくと である。 を固定すると
は の1次式で、 より傾き 、つまり について減少する。 だから
すなわち
である(、)。次に を で動かすと は を動くので、 のとりうる値は
の範囲に収まる。逆にこの範囲のどの値もとれる。実際 を に近づけ を に近づければ 、 を に近づければ で、 は連続だから中間の値もすべてとる。したがって
である。
を細かく動かすと は から までを動いた。
端点 は範囲に入らないので、不等号はすべて真の不等号になる。
「すべての中間値をとる」ことに触れておく。範囲を上下から押さえただけでは、値域が区間全体だとは言えない。
(3) を 以上の整数とし 、 とするとき、 が整数となる組 をすべて求める
答
(2) と同じ評価で の動く範囲を押さえると、整数になりうる値がただ1つに絞れる。そのあとは という形の整数問題になる。
(1) より
である。
値の範囲。 より 、 である。(2) と同じ計算で、 は を固定すると について減少するから
である()。 で動かすと 、 なので
である。逆数をとると
である。この範囲の整数は だけだから、条件は である。
を解く。
すなわち である。両辺に を足して因数分解すると
である。 より は 以上の整数で、積が になるのは
のときだけである。よって
である。実際 なら で である。
を全探索すると と だけで、どちらも だった。
まず値域を押さえて「整数は しかない」と決めるのが要。いきなり を整数問題として解こうとすると大変になる。
で ( の約数でない)は起こらない。(何か) は不可能である。
第3問 場合の数
円に内接する図形・直径と直角・余事象・対称性による数え上げ当サイトの体感難易度:やや難
(1)正八角形 の3個の頂点を結んでできる三角形のうち、直角三角形であるものの個数を求める
答 個
正八角形の頂点は1つの円周上にある。円に内接する三角形が直角三角形になるのは、1辺が直径のとき(タレスの定理)に限る。直径を先に選べばよい。
正八角形の8個の頂点は外接円の周上にある。円に内接する三角形が直角三角形であることと、その1辺が直径であることは同値である(円周角の定理)。
8個の頂点のうち直径の両端になる組は、向かい合う頂点の組 、、、 の 組である。
直径を1つ決めると、残り 個の頂点のどれを3つめに選んでも直角三角形になる。また、1つの直角三角形に含まれる直径はちょうど1本(直角は1か所)なので、重複して数えることはない。よって
である。
通りを全列挙して内積で直角を判定すると 個だった。
直角三角形の斜辺は必ず直径。先に直径を選ぶと数え漏れも重複もない。
(2)3個の頂点を結んでできる三角形のうち、直角三角形でも二等辺三角形でもないものの個数を求める
答 個
全体から「直角」「二等辺」を引き、両方であるものを足し戻す(包除)。二等辺かどうかは、3頂点が分ける弧の長さ( を単位とする3つの数)で判定できる。
三角形は全部で 個である。3頂点が円周を分ける3つの弧の長さを 単位で とすると、、 である。弦の長さは弧の長さで決まるので
- 二等辺 のうち2つ以上が等しい
- 直角 のどれかが (その弦が直径)
である。 を正の整数3つに分ける分け方は の5通りである。
個数の数え方:順序つきの組 と頂点の出発点 通りを掛けると になり、各三角形は出発点の選び方で 回ずつ数えられる。したがって三角形の個数は である。
- :順序つき 通り 個(二等辺、直角でない)
- :順序つき 通り 個(二等辺かつ直角)
- :順序つき 通り 個(二等辺、直角でない)
- :順序つき 通り 個(直角、二等辺でない)
- :順序つき 通り 個(どちらでもない)
合計は で全体と合う。よって
であり、どちらでもないものは
である( の 個がそれにあたる)。
全列挙すると、直角 、二等辺 、両方 、どちらでもない で、この数え方と完全に一致した。
直角と二等辺は重なる()。単純に引くだけだと引きすぎる。
弧の長さの組を分類すると、5通りしかないので見通しがよい。個々の三角形を調べる必要はない。
(3)4個の頂点を結んでできる四角形のうち、「4個の頂点から3点を選んで直角三角形を作れる」ものの個数を求める
答 個
(1) より「3点で直角三角形が作れる」「4点の中に直径の両端の組がある」。余事象(直径の組を1つも含まない4点)を数えるほうが簡単である。
4個の頂点から3点を選んで直角三角形が作れるのは、(1) より「その4点の中に直径の両端となる2点が含まれる」ときである(含まれていれば、残り2点のどちらを3つめにしても直角三角形になる)。
4頂点の選び方は 通りである。余事象、すなわち「直径の組を1つも含まない」選び方を数える。
8個の頂点は向かい合う4組のペアに分かれる。直径の組を含まないように4点を選ぶには、どのペアからも高々1個しか選べない。4組から合計4個を選ぶのだから、各ペアからちょうど1個ずつ選ぶことになり
である。よって求める個数は
である。
余事象の 個は「向かい合う頂点を同時には含まない4点」で、たとえば がその1つである。
通りを全列挙すると 個だった。
条件は4点全体の性質(直径の組があるか)に帰着する。3点の組ごとに調べる必要はない。
4組のペアから4個選ぶとき、1個も余らないので「各ペアからちょうど1個」になる。ここは鳩の巣の議論である。
第4問 微分法・積分法
3次曲線と直線・解と係数の関係・軌跡・通過領域の面積当サイトの体感難易度:難
(1)傾きが で曲線 と異なる3点で交わる直線 について、交点を 座標の小さい順に 、線分 の中点を とする。 の座標を とするとき の座標を求める
答
とおくと交点の 座標は の3解で、解と係数の関係から和が 。 は 上にあるので 座標もすぐ出る。
とおく。曲線と連立すると
である。 の 座標を とすると、① に の項がないので解と係数の関係から
である。よって の 座標は
である。 はともに 上にあるので、その中点 も 上にある。また が 上にあることから 、すなわち である。したがって
である。すなわち
である。
では 、3解は で、。式の値と一致した。
は の中点なので、 上にある。 座標を曲線から求めようとしない。
の係数が なので3解の和が 。これが を与える。
(2) が条件を満たしながら動くとき、点 の軌跡を求める
答曲線 の の部分
(1) の の座標から を消去する。 の動く範囲は「① が異なる3実数解をもつ」条件から決まり、それは の極値で決まる。
の範囲。 ① が異なる3実数解をもつ条件を調べる。 とおくと で、 で極大 、 で極小 である。よって が異なる3実数解をもつのは
のときである。このとき最大の解 は の側にあり、 で ( のグラフが極小に接する)、 で ()に対応する。 は で増加だから と は1対1に対応し
である。
消去。 とおくと で、(1) より
である。 は にあたる。よって求める軌跡は
である(両端 と は含まない)。
では で、 と一致した。
の範囲を出さずに消去だけすると、曲線全体を答えてしまう。3交点をもつ条件が範囲を決める。
と が1対1に対応することを言っておく。 が で単調だからである。
(3) が条件を満たしながら動くとき、線分 が動いてできる領域の面積を求める
答
線分 は傾き なので、 に注目すると で一定。 は とともに単調に動くから、 を固定するごとに の区間が1つ決まる。面積は「区間の長さ」を で積分すればよい。
座標の取り替え。 線分 は の一部なので、その上の点は を満たす。そこで とおくと、 は面積を変えない変換(せん断)である。
を決めると が決まり、線分 は 平面では高さ の水平な線分
になる。 で だから は とともに増加し、 を1対1に動く。したがって高さ を決めると が1つに定まり、断面はちょうど1つの区間になる。
区間の長さ。 は ① の 以外の2解なので、解と係数の関係から
である。よって は の2解で
である(判別式は )。区間の長さは
である( は の中点)。
積分。 なので、求める面積は
である。()とおくと 、 で
である。、 を使うと被積分関数は
なので
である( で )。したがって面積は
である。
では で線分 は1点 につぶれる。領域は を頂点とする曲線三角形になる。
数値積分すると 、 と一致した。200万点のモンテカルロでも だった。
傾き の線分が動くので を見る。 そのものを見ると断面が複雑になる。
が について単調なので、各高さの断面が1区間になる。重なりを心配しなくてよい。
は の中点なので、区間の長さは に等しい。
第5問 複素数平面
共線条件・二等辺三角形・軌跡の図示・面積の最大当サイトの体感難易度:やや難
(1) を複素数とし、複素数平面上の3点 、、 について、3点が同一直線上にあるための の必要十分条件を求める
答 が実数であること
を基準にすると、 の位置ベクトルは と である。同一直線上 一方が他方の実数倍、で、 がそのまま条件になる。
3点が同一直線上にあるのは、 が の実数倍であるとき、すなわち実数 があって となるときである( なら3点とも に重なり、どの直線上にもある)。
は と同値なので
である。どちらも「 が実数」にまとめられる。逆に が実数なら はともに実軸上にあり、 も実軸上だから3点は同一直線上にある。よって求める必要十分条件は
である。
言い換えると、 が実数でなければ は三角形をなす。(2)(3) ではこの事実を使う。
を20万個ランダムにとると、 となるのと が完全に一致した。
が実数、という形で書くと を仮定することになる。 を別に確認する。
(2)3点 が二等辺三角形の頂点になるような 全体を複素数平面上に図示する
答円 、円 、直線 の和集合から、実軸上の点()を除いたもの
3辺の長さを で書くと、、、 となる。どの2辺が等しいかで3つの条件に分かれ、 で割ると見慣れた図形になる。
まず三角形になる条件は、(1) より「 が実数でない」ことである。このとき で、3辺の長さは
である。二等辺になるのは次の3つのいずれかのときである(いずれも で割った)。
- : より
- : より
- : より 、すなわち
である(3つめは と から等距離、つまり線分の垂直二等分線)。これらから実軸上の点を除いたものが答えである。実軸と交わるのは
の5点である。図示すると次のようになる。
()、()、()はいずれも二等辺になり、 はどの条件も満たさず二等辺にならなかった。
が実数の点を必ず除く。そこでは3点が一直線上に並び、三角形にならない。
は円ではなく直線(垂直二等分線)。3つのうち1つだけ形が違う。
(3)3点 が二等辺三角形の頂点であり、かつ の偏角 が を満たすとき、三角形 の面積の最大値とそのときの を求める
答最大値 、
面積を と で書くと になる。(2) の3つの場合それぞれで が の式になるので、1変数の最大問題を3回解けばよい。
()とおく。三角形になるには が実数でないので である。頂点 の三角形の面積は
である()。(2) の3つの場合を順に調べる。
(i) 。 なので面積は で、 のとき最大値 である。
(ii) 。 この円を極方程式で書くと ()である。よって面積は
である。微分すると
で、 では だから符号は で決まる。、つまり の前後で正から負に変わるので、 で最大になる。そのとき で
である。
(iii) 。 より である。面積は
で、 では も も増加するから で最大、値は である。
まとめ。 3つの最大値は 、、 なので、全体の最大値は
である。これを与えるのは (ii) の 、 のときで
である。
このとき 、、 で、 の二等辺三角形になっている。
3つの曲線上を細かく走査すると、面積の最大は 、そのとき 、、 だった。
は実数になって三角形にならない。 で考える。
円 の極方程式が であること。これを使うと1変数になる。
3つの場合すべてを調べる。(i)(iii) は端点で最大になるが、(ii) だけ途中に最大がある。
第6問 積分法
部分積分・テイラーの定理の剰余項・不等式の評価・e の近似当サイトの体感難易度:やや難
(1)正の実数 と正の整数 に対して を示す
答 とおくと部分積分で
を部分積分すると との関係が出る。 から順に足し上げれば示せる。
()とおく。 では
である。 で部分積分( を積分、 を微分)すると
である( なので符号が反転して になる)。第1項は で 、 で だから
である。これを 回繰り返すと
である。 とあわせて
である。
で数値計算すると、右辺は で と一致した。
を微分すると内側の が出る。部分積分の符号に注意する。
の上端が になるのがポイント。下端だけが残る。
(2)正の実数 と正の整数 に対して を示す
答 で を使い、 を掛ける
被積分関数のうち の部分だけを定数で上下から押さえる。残りの積分は直接計算できる。
では は増加だから
である。また なので、これを掛けて から まで積分すると
である。真ん中以外の積分は直接計算できて
である。よって
である。
では で、下界 、上界 のあいだに入った。
不等式を掛けるときは、掛ける側 が 以上であることを確認する。
(3) を満たす最小の正の整数 を求める
答
(1) を で使うと、絶対値の中身はちょうど になる。(2) の上下の評価で、 では不可、 では可を示す。
(1) で とすると
である。よって絶対値は そのもので、(2) の の場合から
である。
では不可。 なので となり、条件を満たさない。
は可。 で、 を使うと
である。したがって求める最小の は
である。
実際 で、 との差は 。 では差が で を超える。
数値では で 、 で となり、 を下回る最小の は だった。
なので絶対値は外れる。符号の確認を飛ばさない。
「最小の 」なので、 で成り立つことと で成り立たないことの両方を示す。下からの評価 が後者に効く。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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