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東北大学 2019年度 前期日程 理系

東北大理系 2019年度 数学の解答・解説

全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/13

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 微分法

接線・直交条件・三角関数の値の範囲・すべて求める当サイトの体感難易度:標準

平面における曲線 の2つの接線が直交するとき、その交点の 座標の値をすべて求める

答( は整数)

接点を とすると傾きは 。直交条件 は、 とあわせると片方が 、もう片方が に決まってしまう。

の における接線は、 より

である。接点を ()とすると、2つの接線が直交する条件は

である。ここで 、 なので

で、等号が成り立つには が必要である。積が なので、符号は逆になる。入れかえても同じなので

としてよい。このとき

で、 だから、2つの接線は

である。連立して より

で、 に代入すると

である。 は を動かすとすべての奇数をとり、逆にどの奇数も と適当な で作れる。したがって求める の値は、奇数 を使って

である。

接点接点交点 (π/2, π/2)接線 y = x接線 y = -x + πy = sin x
k = 0 の場合。y = sin x の (0, 0) での接線 y = x と、(π, 0) での接線 y = -x + π は直交し、交点の y 座標は π/2 になる。接線が引けるのは傾きが ±1 になる点、つまり曲線が x 軸と交わる点に限られる。

接線が直交するには傾きの積が だが、 の導関数の値は 以上 以下しかとれない。だから「どちらも絶対値 」という極端な場合しか起こらず、接点が 軸上に限られてしまう。

を から まで動かして交点を計算すると、 は だけだった。

を解く段階で、 による絞り込みを使う。ここが山場である。

接点の を動かすと交点は無数にあるが、 座標は の形だけになる。

第1問だけのページ

第2問 対数関数

底による不等号の向き・真数条件・2次不等式・必要十分条件当サイトの体感難易度:やや難

(1) を ではない正の実数、 を正の整数とし、不等式 を考える。 のとき、この不等式を満たす整数 をすべて求める

答 のとき 。 のとき

右辺を とまとめる。底が より大きいか小さいかで不等号の向きが変わるので、そこで場合分けする。

真数条件。 かつ なので

である。 なら で、整数は である。

不等式の書きかえ。 右辺は なので、もとの不等式は

である。 とおくと だから、底で分けて

  1. :
  2. :

となる。、 なので両辺を2乗してよく、 と の大小、すなわち の符号で決まる。

のとき。 で であり

である。 では なので、符号は で決まる。

  1. のとき 、つまり なので 、すなわち
  2. のとき 、つまり なので 、すなわち

である(、すなわち は両辺が等しくなるので除く)。

では整数解が 、 では だけだった。

底が より小さいと不等号が逆になる。 の値が決まっていないので、両方の場合を答える。

真数条件 を先に出しておかないと、 の値を拾ってしまう。

(2)この不等式を満たす整数 が存在するための についての必要十分条件を求める

答( が より大きいか小さいかによらない)

(1) と同じく ( の整数)に直し、 と の大小を見る。 は から まで動かせるので、 の最小値と最大値を見れば存在するかどうかが決まる。

真数条件 より、整数 は とおいて の整数に対応する。(1) と同じ計算で、不等式は

  1. :
  2. :

となる。 は で増加するので、 では

である( のとき)。

のとき。 に整数はないので、どちらの場合も解なし。

のとき。 だけで である。 も も成り立たないので解なし。

のとき。 なら をとると

なので成り立つ。 なら をとると が成り立つ。いずれの場合も整数解が存在する。

以上より、求める必要十分条件は

である。

答えが によらないのが面白いところである。 では「 を大きくとればよい」、 では「 ととればよい」と、使う はまったく違うのに、存在する条件だけは一致する。

でも でも、整数解が存在する は で、 では存在しなかった。

が等号の場合で落ちる。 ちょうどは不等式を満たさないので、ここを と答えてしまわない。

「存在するか」なので、 を1つうまくとれればよい。すべての で成り立つ必要はない。

第2問だけのページ

第3問 数列と極限

漸化式と単調性・発散の証明・数学的帰納法・有界単調数列の収束当サイトの体感難易度:標準

(1) を実数とし、、()で数列 を定める。 のとき が発散することを示す

答 より となり、

「増え方が毎回 以上」を示せば、1次式で下から押さえられる。極限を求める必要はなく、いくらでも大きくなることが言えればよい。

まず、すべての で を示す。 であり、 とすると

なので、数学的帰納法によりすべての で である。

このとき

なので、これを から まで足し合わせると

である。 だから右辺は で に発散する。よって となり、 は発散する。

でも60回で を超えた。

「増加するから発散」とは言えない。増加しても上に有界なら収束してしまう。増え方が に潰れないことを示す必要がある。

(2) のとき、すべての正の整数 に対して が成り立つことを示す

答 と因数分解すると、 から符号と大きさが決まる

と見る。 では 、 なので積は負。下からは平方完成で 以上と分かる。

数学的帰納法で示す。 のとき で、仮定より ✓。

と仮定する。 とおくと

である。仮定より かつ なので、積は負である。つまり ✓。

一方、平方完成すると

なので ✓。よって となり、数学的帰納法によりすべての で成り立つ。

-1O最小値 -1/4y = x + x²
y = x + x² のグラフ。-1 < x < 0 では値は負で、いちばん下がっても -1/4 までしかいかない。つまり区間 (-1, 0) はこの写像で自分自身の中に移る。

でも20万回まで が保たれた。

を と因数分解すると符号が一目で分かる。展開したままだと見通しが悪い。

(3) のとき、数列 の極限を調べる

答

(2) で上に有界が分かっている。増加であることを足せば収束が言え、極限の値は漸化式に極限を代入して決まる。

(2) よりすべての で である。このとき

なので は(広い意味で)増加する。また (2) より上に で押さえられている。上に有界な増加数列は収束するので、極限 が存在し、 である。

漸化式 で とすると

である。よって

である。

は負のまま に近づく。(1) の の場合と比べると、 は「右から来ると離れていき、左から来ると吸い寄せられる」境目になっている。

のいずれでも20万回後は 程度で、 に近づいていた。

「 だから 」とだけ書くと、極限の存在を示していないことになる。有界性と単調性から収束を先に言う。

は 以上であって、正とは限らない( なら )。ここでは なので実際は正である。

第3問だけのページ

第4問 式と証明

多項式の剰余・剰余の積の法則・2倍角の公式・すべて求める当サイトの体感難易度:やや難

(1)実数を係数にもつ整式 を で割った余りを と表すとき、、、 をそれぞれ求める

答、、

で割るので、 を に置きかえていくのが速い。 は に化ける。

余りを求めるときは、 を に置きかえてよい( だから)。

。

なので である。

。 より 、 なので

である。

3つめ。 上の2つを掛けて、また余りをとる。

である。

多項式の割り算をそのまま実装して計算させたところ、、、 だった。

(2)整式 に対して が成り立つことを示す

答、 を掛けると、差が で割り切れる

「余りが等しい」は「差が で割り切れる」と同じこと。掛け算を展開して、 以外の項がすべて を因数にもつことを見る。

商を とすると、割り算の原理から

である。掛け合わせると

となるので

である。2つの整式の差が で割り切れるなら、それらを で割った余りは等しい。よって

である。

整数を で割った余りについて成り立つ「積の余りは、余りの積の余り」とまったく同じ仕組みである。

乱数で作った200組の で両辺を計算すると、すべて一致した。

(3)実数 に対して が成り立つことを示す

答展開して と直すと、残りがちょうど2倍角になる

の項だけを の倍数に吸わせればよい。残った定数項が になるところが要点。

展開すると

である。 と書きかえると

となる。2倍角の公式 、 より

である。 は1次以下なので、これが余りである。よって

である。

を2乗すると角が になる、という形は とそっくりである。 で割ることが「 を虚数単位だと思う」ことに対応している。

を から まで20通りとって両辺を比べると、すべて小数12桁まで一致した。

(4) を満たす実数 の組 をすべて求める

答 の4組

を の形に直すと、(2)(3) がそのまま効いて4乗の余りが一気に出る。

なら左辺は で不適である。以下 とし

となる をとる( なので必ずとれる)。このとき

である。 とおくと、(2) と (3) から

である(最後はもう一度 (3) を の代わりに で使った)。定数倍は余りの計算をそのまま通るので

である。これが に等しいとは、 の係数と定数項を比べて

ということである。 より で、このとき である。2つめの式の右辺が負だから 、したがって 、つまり である。

より 、すなわち

である。 なので で、 に対応して

の4組である。

直接計算しても確かめられる。 で、もう一度2乗して余りをとると になる。 から と が出て、 も も不適なので 、したがって となり同じ答えになる。

4組すべてで を計算すると ( の係数は )になった。 刻みの格子では解が見つからなかったが、これは が刻みに乗らないためである。

を先に外しておく。 で割る操作がそこだけできない。

の右辺が負であることから に決まる。 のほうを拾わない。

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第5問 積分法

x を -x に置きかえる置換・偶関数・奇関数・定積分を定数とおく・関数の決定当サイトの体感難易度:やや難

(1) が成り立つことを示す

答 の置換で同じ積分の「相棒」を作り、足して を使う

は偶関数でも奇関数でもないが、 で に変わり、もとと足すと になる。被積分関数の残り が偶関数なのでうまくいく。

とおく。 と置換すると で、積分区間は が になるから

である( は偶関数なので )。ここで分母・分子に を掛けると

である。もとの式と足し合わせると

となる。 は偶関数なので

である。最後に半角の公式で

である。

太い実線が sin²(πx)/(1+eˣ)、破線は x を -x に置きかえたもの(= eˣsin²(πx)/(1+eˣ))。2つは y 軸について対称で、足すと細い線の sin²(πx) になる。だから太い線の面積は細い線の面積のちょうど半分。

一般に、 が偶関数なら が成り立つ。この問題はその特別な場合である。

数値積分すると左の積分も真ん中の積分も だった。

そのものは偶関数でも奇関数でもない。置換して足す、という手順が必要である。

(2) を満たす関数 を求める

答

積分の中は だけの関数なので、 と を定数 とおく。 を で書いてから、その を使って を計算し直すと連立方程式になる。

、 とおく。右辺の積分は

なので( は について定数)、もとの等式は

すなわち

である。

準備。 よく使う積分を先に求めておく。(1) の結果と同じ置換の議論から

  1. 、よって

の式。 を代入して項ごとに積分すると

である。整理すると 、つまり

である。

の式。 同じように を積分すると

すなわち である。 と合わせて

である。 なので

である。 を使って、求める関数は

である。

と は という関係で結ばれるので、 の式に現れる未知数は実質 だけになる。 の式がもう1本の条件になって が決まる、という流れである。

求めた を数値積分すると 、 で、 と一致した。 を5点とってもとの等式の両辺を比べると、すべて小数9桁まで一致した。

の は の積分では定数。 であって ではない。

も (1) と同じ仕組み(被積分関数の分子が偶関数 )で になる。地道に原始関数を求めてもよい。

の式だけでは が決まらない( が消えて の関係になる)。 の式も立てる。

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第6問 確率

状態の推移・確率漸化式・等比型への帰着・2段階の漸化式当サイトの体感難易度:やや難

(1) 個の玉が入っている袋から 個の玉を無作為に取り出し、新たに白玉 個を袋に入れるという試行を繰り返す。初めに袋には赤玉 個と白玉 個が入っているとし、この試行を 回繰り返したとき、取り出した赤玉が全部で 個である確率を とする。 以上の整数 に対して、 を と を用いて表す

答

取り出した赤玉の累計が 個なら、袋の中は赤 個・白 個(合計はいつも 個のまま)。この1つの数で状態が決まる。

1個取り出して白を1個入れるので、袋の中の玉は常に 個である。これまでに赤玉を 個取り出しているなら、袋の中は

である。したがって次の1回で赤玉を取り出す確率は 、赤玉でない(白玉)確率は である。

回終わって赤玉が2個になるのは、次の2つの場合である。

  1. 回で既に2個(:袋は赤3・白7)で、 回目は白を取り出す:確率
  2. 回で1個(:袋は赤4・白6)で、 回目は赤を取り出す:確率

この2つは互いに排反なので

である。

袋の状態を分数のまま推移させて計算した について、 から までこの関係が成り立った。

袋の中身は「取り出した赤玉の累計」だけで決まる。どの順で取り出したかは関係ない。

取り出すたびに白を1個補充するので、袋の玉の総数は のまま変わらない。

(2) を求める

答

まず を求める。赤を1個も取り出していなければ袋は赤5・白5のままなので、毎回 で白。そのあと (1) と同じ考えで の漸化式を立てる。

。 赤玉を1個も取り出していない間、袋は赤5・白5のままである(白を取り出して白を入れるので変わらない)。毎回白を取り出す確率は だから

である。

の漸化式。 回で赤が1個になるのは、 回で1個(袋は赤4・白6)でその後白を取り出すか、 回で0個(袋は赤5・白5)でその後赤を取り出すかである。

すなわち

である。また である。

解く。 の形を探す。漸化式に入れて の係数を比べると

である( の係数は自動的に合う)。 から

である。よって

である。

では 、 では で、直接数え上げた値と合う。

分数のまま計算した は で で、この式と完全に一致した。

は「赤を取り出さない限り袋が変わらない」から。ここを取り違えると全部ずれる。

と という2つの比が出てくる。 を特殊解、 を同次解と見て足し合わせる。

(3) を求める

答

(1) の漸化式に (2) の結果を入れると、 と が外から入ってくる形になる。(2) と同じく、3つの等比数列の重ね合わせで解ける。

(1) の漸化式に (2) を代入すると

である。(1回では赤を2個取り出せない)である。

とおいて係数を比べる。

  1. : より 、
  2. : より 、

である。 から

である。よって

である。

という3つの「白を取り出す確率」が、そのまま3つの等比の比として現れている。赤を 個取り出す確率は、この形が 項に伸びていく。

分数のまま計算した は で で、この式と完全に一致した。

初期条件は 。 から始めてもよいが、(1) の漸化式は 向けなので から使うときは直接確かめておく。

を決めるとき、漸化式の「外から入る項」の符号に注意する。 の側は が正になる。

第6問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

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