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東京大学 2025年度 前期日程 理科
東大理系 2025年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/11
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/05時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。
第1問 平面曲線・積分法
内分点・媒介変数表示・面積・曲線の長さ当サイトの体感難易度:標準
(1)点 の座標を求める
答
内分を3段階くり返すだけなので、1段ずつ座標を書いていけば必ず出る。途中で の次数が1つずつ上がり、最後は3次式になる。式を整理しながら進めると、各段の形が次の段の材料になっていることが見える。
点 、 を に内分する点は である。これを順に使う。
、、、 だから、1段目は
である。2段目は
となる。3段目は と を に内分して
である。よって となる。 で 、 で となり、問題文が 、 と定めていることとも合う。
では 、 で、その中点は 。式でも 、 となる。
内分の比は なので、係数は 側が 、 側が である。比の書き方と係数の付き方が逆になりやすい。
座標は と因数分解しておくと、このあとの面積と弧長の計算が軽くなる。
(2) で が描く曲線と線分 で囲まれた部分の面積を求める
答
曲線が媒介変数で書けているので、 を の積分に書き換える。 が の増加とともに から まで単調に増えることを先に確かめておけば、置き換えがそのまま使える。
より である。 では だから、 が から まで増えるとき は から まで単調に増える。また である。
線分 は 軸上の の部分だから、囲まれた部分の面積は
である。中身を展開して積分すると
となるので である。
を数値積分すると になる。
媒介変数のまま を使うには、 が単調であることを断っておく必要がある。単調でないと同じ を2回なぞって面積が重なる。
を掛け忘れて にしてしまうと、値が になって合わない。
(3) のとき、 で が描く曲線の長さを の多項式で求める
答
速さ の中身が完全平方になる。「多項式の形で求めよ」という指示が、根号が外れることを教えてくれている。
、 である。2乗して足すと
となる。括弧の中は完全平方で
と書ける。実際に右辺を展開すれば一致する。 だから、速さは
となり、根号が外れる。よって求める長さは
である。
なら 。 では速さの数値積分が 、式も で一致する。
である。判別式が負で常に正であることを確かめてから絶対値を外す。
完全平方に気づかないまま根号のまま積分しようとすると、高校の範囲では手が止まる。「多項式の形で」という指示を手がかりにする。
第2問 極限
対数不等式・はさみうち・定積分と極限当サイトの体感難易度:やや難
(1) のとき を示す
答 は で最小値 を取るので、 で
差を1つの関数にまとめて微分する。等号がどこで成り立つかまで出るので、あとの小問で使うときに扱いやすい。
()とおくと
である。 では 、 では だから、 は で最小になる。その最小値は である。
よって のとき 、すなわち が成り立つ。等号は のときに限る。
では 、 では でどちらも成り立つ。
最小値が であることまで書く。 の符号だけで「よって 」とすると、最小値が負でないことの根拠が抜ける。
(2) を求める
答
で なので の中は に近づき、積分は に近づく。そこへ を掛けるので、 に近づく速さを押さえる必要がある。(1) の不等式を上下から当てて、はさみうちに持ち込む。
とし、 とおく。 である。 を上下から挟む。
上から。 (1) の に を入れると
下から。 (1) の不等式に を入れると であり、左辺の符号を変えて
を得る。以上を 倍して で積分すると
となる。ここで の振る舞いを押さえる。 であり、 とおくと である。 なら で、 のとき だから となり、これは の取り方によらず一様に成り立つ。
したがって右端は に、左端は より分母が に近づくので同じ に収束する。はさみうちの原理より、求める極限も同じ値である。
よって極限は である。
。 で数値計算すると と、 を増やすほど近づく。
の中が に近づくからといって、積分を先に にしてはいけない。 を掛けているので、 に近づく速さ( の程度)まで押さえないと値が出ない。
下からの評価は、(1) の不等式を に当てて向きを変えると作れる。同じ不等式を2通りに使うのがこの問題の仕掛け。
は部分積分で出す。暗記していても、答案では1行で導いておくと安全。
第3問 図形と三角関数
三角関数の合成・長方形に内接する平行四辺形・最大値当サイトの体感難易度:やや難
(1) のとき、長方形 の面積 を で表す
答
長方形の2辺の長さを、 を使って直角三角形から拾う。 のまわりの角の和から、もう一方の直角三角形の角も で書ける。縦と横を出して掛ければ終わる。
を原点、辺 を 軸の正の向き、辺 を 軸の正の向きに取る。 は辺 上、 は辺 上、 は辺 上、 は辺 上にある。
三角形 は が直角で、斜辺が 、 だから
である。点 は直線 上にあるので、 のまわりで が成り立つ。 を使うと
となる。三角形 は が直角で斜辺が だから
である。したがって長方形の2辺は
となる( は、 が辺 上にあることから の 座標として確かめられる)。掛け合わせて
を得る。真ん中の項は、 という加法定理からきている。よって
である。なお と から であり、両端では が長方形の頂点と重なる。問題文が「辺はその両端の点も含む」と断っているので、この2つも許される。
、 のとき、式は 。座標から直接組み立てた長方形の面積も同じ値になる。
を としてしまう間違いが多い。 のまわりの3つの角の和が であることから丁寧に出す。
の動く範囲 を (1) のうちに出しておく。(2) で最大値を取る位置が範囲の内か端かを分けるのに要る。
(2) のとりうる値の最大値を で表す
答 のとき 、 のとき
の2つの項を合成して1つの にまとめる。合成した角が範囲 の中で に届くかどうかで、最大値が内部で取れるか端で取れるかが分かれる。
(1) の式の の部分を展開してまとめる。 だから
となる。これを合成する。振幅は
であり、 と書ける。ここで は
で定まる角である。 より なので である。
が から まで動くとき は から まで動く。 が最大になるのは が になるとき、つまり のときで、これが範囲に入る条件は
である。 だから、これは と同じで
すなわち となる。
のとき。 最大値は が を取る で実現し
のとき。 だから は に届かず、範囲の全体で 、つまり は について増加する。よって最大は右端 で取り
となる。
なら の側で 。 なら の側で 。どちらも を20万点きざみで全探索した最大値と一致する。
合成したあと、 が を取る角が範囲の中にあるかどうかを必ず調べる。調べずに振幅を足すと、 が大きいときに実現しない値を答えてしまう。
の変形を1行で済ませない。展開して確かめておくと、根号の中の形に自信が持てる。
という条件は 、つまり が第1象限にあることに使っている。
第4問 整数
平方数・因数分解・約数の個数・素数当サイトの体感難易度:やや難
(1)正の整数 について、 が平方数ならば であることを示す
答 と仮定すると が導かれ、 が正の整数であることに反する
背理法が速い。 なら は より大きくなり、平方数なら 以上になってしまう。そこから の符号で矛盾を出す。
が平方数であるとし、( は 以上の整数)とおく。 と仮定して矛盾を導く。
なら だから であり、 すなわち となる。よって
である。両辺から を引いて整理すると 、すなわち となる。 だから で、 が正の整数であることに反する。
したがって である。
のとき が平方数になるのは ()と ()で、どちらも 。
は 以上の整数である。 から とするところで、 が整数であることを使っている。
「平方数」の定義が問題文で 以上の整数の2乗と定められている。 の場合も平方数に含まれることに注意する。
(2) と「 が素数」が同値であることを示す
答 は と同値で、 は の約数の組の個数に等しい
は平方完成しても が出て扱いにくいので、4倍して を作る。すると平方数の差の形になり、因数分解で の約数の問題に変わる。
の両辺を4倍して整理すると
すなわち
となる。以下 とおく。 は 以上の奇数である。
組と解の対応。 、 とおくと で、 だから であり、 より である。逆に ()が与えられたとき
で を定める。 が奇数だから はともに奇数で、 も も偶数である。さらに と の和は (奇数)なので、一方が奇数で他方が偶数になる。
どちらが奇数かは を で割った余りで決まる。 だから、 か のどちらかで、いずれの場合も 、 となる。つまり が奇数、 が偶数で、 はともに整数として定まる。
が正であることも確かめる。 で、、 だから 、よって すなわち である。
以上より、 が平方数となる正の整数 と、 の約数の組 (、)とが1対1に対応する。したがって はこの組の個数に等しい。
同値性。 約数の組の個数が になるのは、 の正の約数が と だけで、かつ の組がない場合、すなわち が素数のときである。実際、 が素数なら組は の1つだけ。 が素数でないとき、 は に反するので は合成数で、 をみたす約数 が存在し、組 と の2つ以上が取れる。
よって であることと が素数であることは同値である。
なら (素数)で、組は のみ。、 で となり 。 なら (素数でない)で、組は と の2つ。実際 、 で である。 から まで全探索しても、 と「 が素数」は完全に一致した。
倍して を作るのがこの問題の要。平方完成で のまま進めると、整数の議論に持ち込めない。
から が整数として戻ることを確かめる。 がここで効いていて、確認を飛ばすと対応が1対1だと言えない。
が正であることまで示す。 を数えてしまうと個数が1つずれる。
第6問 複素数平面
反転・軌跡・放物線・最大最小当サイトの体感難易度:難
(1) 上の に対し の実部が であることを示す
答 上では となり、
円の方程式を共役で書き直すと、 と の関係になる。そこから の実部がすぐ出る。
は から原点を除いたものである。両辺を2乗して共役で書くと
となる。、 だから である。
上では なので と書けて
となる。
は 上にあり で実部 。 も 上で、 の実部は 。
原点を除いてあるのは を考えるため。除外の理由を1行書いておく。
である。共役を取っても実部は変わらない。
(2) が 上の相異なる複素数のとき、 のとりうる範囲を図示する
答放物線 の左側の開いた領域、すなわち
(1) より 、 は直線 上を動く。そこで 、 と置けば、2乗の和は の対称式で書ける。対称式なので、和と平方和を変数に取り替えると条件が見やすくなる。
(1) より 、 の実部はどちらも だから、実数 を用いて 、 と書ける。
逆に、任意の実数 に対し なので が定まり、これは 上にある()。つまり は実数全体を動く。また は と同値である。
このとき
となる。 とおくと 、 である。
、 とおくと 、 である。 は2次方程式 の2解だから、 が相異なる実数であることは判別式が正であること、すなわち
と同値である。 を に戻すと
となる。逆にこの不等式をみたす に対しては となる が定まり、相異なる実数 が取れる。
以上より、求める範囲は放物線 の左側の領域(境界を含まない)である。
なら で、 をみたす。 は に反するが、 なら は のすぐ左に来る。
が相異なるという条件が判別式の正の不等号になる。等号を許すと境界まで入ってしまい、(3) の答えが変わる。
が実数全体を動くことを、逆向きの確認( が 上にある)まで書く。書かないと「範囲」ではなく「必要条件」で終わる。
(3)(2) の範囲に属さない について、 の最大値と最小値を求める
答最大値 ( のとき)、最小値 ( のとき)
とおくと条件は で、求めるものは 。 を固定すると分母は が小さいほど小さいので、境界に乗せたときが端になる。そこから1変数の最大最小に落ちる。
( は実数)とおく。(2) の範囲に属さないことは 、すなわち
と書ける。なお原点は をみたして (2) の範囲に入るので、 である。このとき
である。 を固定して考える。分子 は によらないので、 のときは分母が小さいほど値が大きく、 のときは分母が小さいほど値が小さい。どちらの場合も を許される範囲で最小にしたときが端になる。
なら は でもみたされ、そのとき で、 のとき を取る。
なら の最小は で、そのとき
となる。そこで で の増減を調べる。
では だから、 の符号は の符号と同じである。よって で減少、 で増加し、 で最小になる。
では なので、下に有界で最小値は である。また では に近づくが、 の場合は上で見たとおり をちょうど取る。
以上をまとめると、最大値は で 、つまり のとき。最小値は で 、、つまり のときである。
どちらも条件をみたすことを確かめておく。 では 、 で等号が成り立ち、範囲に属さない。 では 、 でこれも等号である。
では で実部 。 では で 。格子による全探索でも、最大 ( の格子点)、最小 ( の格子点)と、刻み幅のぶんだけずれた値に収まった。
(2) の範囲が境界を含まないので、その外側は境界を含む。最大も最小も境界上で取るため、ここを取り違えると「最大値なし」としてしまう。
を固定して を動かす、という2段階の押さえ方をする。2変数のまま微分しようとすると手間が増える。
の側で は に極小を持つ。端の値だけを比べると最小値を取り逃がす。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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