- 独自の解答・詳解
- 問題文は非掲載
- 全6問・無料
東京大学 2021年度 前期日程 理科
東大理系 2021年度 数学の解答・解説
全6問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/11
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。
第1問 図形と方程式
2次方程式の解の配置・領域の図示・通過範囲・1次式の値域当サイトの体感難易度:標準
(1)点 のとりうる範囲を図示する
答3点 、、 を頂点とする三角形の内部(周は含まない)
共有点の 座標は 、すなわち2次方程式 の解である。「一方の解が 、他方が 」は、2次関数の値の符号だけで言いかえられる。下に凸なので、 での値が「正・負・正」であればよい。
共有点の 座標は の解、すなわち
の解である。条件は「 が と にそれぞれ解を1つずつもつ」ことである。 は下に凸の2次関数なので、これは
と同値である。それぞれ書き下すと
すなわち かつ かつ である。3直線 、、 の交点は 、、 なので、求める範囲はこの3点を頂点とする三角形の内部(周を含まない)である。
は三角形の内部にある。このとき の解は で、確かに と に1つずつある。(三角形の外)では解が となり範囲から外れる。
判別式を使う必要はない。、、 が言えれば、中間値の定理から2つの区間に解が1つずつあり、2次方程式なのでそれで全部である。
「2つの共有点をもつ」はこの3条件に含まれている。 だけで相異なる2実解があることが従う。
(2)放物線 の通りうる範囲を図示する
答、すなわち では 、 では (境界は含まない)
点 が 上にあるのは のときで、 を固定すると は の1次式である。1次式が三角形の内部を動くときにとる値の範囲は、3頂点での値の最小と最大のあいだの開区間になる。頂点が3つしかないので、各 について3つの値を比べるだけで済む。
点 が条件をみたすある の上にあることは、(1) の三角形の内部にある で となるものが存在すること、すなわち
である。 を固定すると は の1次式である。三角形は凸で、1次式はその上で頂点のどこかで最大・最小になるから、内部を動かしたときにとる値の全体は、3頂点での値の最小と最大のあいだの開区間になる。3頂点での値は
である。最大は ()、最小は
である。よって求める範囲は
すなわち
で、境界は含まない。 では下側の2つの式がどちらも を与え、つながっている。
では で、 は を動く。式でも下側 、上側 で一致する。 では下側 、上側 。実際 の極限で が上の境界、 の極限で が下の境界になる。 を格子で動かして を細かく振る総当たりの判定とも、境界の近傍を除いて1点も食い違わなかった。
を個別に動かすのではなく、 を固定して「 という1つの量」の値域を見るのが要点である。1次式なので、凸領域の上での値域は頂点だけ調べれば決まる。
と の大小が で入れかわるので、下側の境界はそこで式が変わる。上側は がつねに 以上なので、場合分けは要らない。
三角形の周は含まないので、求める範囲も開区間になり、境界の曲線は含まない。
第2問 複素数平面
複素数の連立・1次変換の像・凸多角形・領域の図示当サイトの体感難易度:やや難
(1)、、 のとき を で表す
答、、
がすぐ出るので、残りは の2元1次連立である。 を使って とだけ気をつければ、あとは複素数の計算で解ける。
である。また
なので、、 とおくと
となる。 を2つめに入れると 、すなわち で
を得る。さらに
である。、 だから
となる。
なら 、、 で、式に入れると 、、 となり元に戻る。 なら 、、 で 、 となり、やはり戻る。
(2) がいずれも 以上 以下の実数であるとき、 のとりうる範囲を図示する
答6点 、、、、、 を頂点とする六角形の周と内部(、、 がそれぞれ 、、 に入る点の全体)
を (1) の式で に書き直すと、実部も虚部も の1次式になる。つまり は立方体 を1次式で平面に写した像である。1次式による凸な立体の像は凸多角形になるので、立方体の8頂点の像をとってその凸包を求めればよい。
(1) より
だから、 の実部と虚部はそれぞれ
となる。すなわち
である。、、()とおくと
となる。 はそれぞれ から まで独立に動くので、像は立方体を1次式で写したもの、すなわち凸多角形で、その頂点は が立方体の頂点(各成分が か )のときの像の中にある。8頂点の像は
である。このうち と は他の6点でできる六角形の内部にあるので、像は
を頂点とする六角形(周を含む)である。 の動く範囲が閉じているので、境界も含む。6本の辺を不等式で書くと
( が実部、 が虚部)となる。
なら 、虚部 で 、たしかに六角形の内部にある。 を の格子 通りで動かした像はすべて3つの不等式をみたし、逆に六角形内の格子点それぞれについて の中の が見つかった。
が実数であることを使うと、 の実部・虚部がそれぞれ の実1次式になる。複素数のまま動かそうとすると見通しが悪い。
8頂点の像のうち2つは内部に落ちる。全部を頂点として結んではいけない。
の範囲は閉区間なので、答えの六角形も周を含む。
第3問 微分法・積分法
接線・分数関数・部分分数・三角関数による置換積分当サイトの体感難易度:やや難
(1) と の共有点で と異なるものがただ1つ存在することを示し、その 座標を求める
答
共有点の方程式を作ると分母が払えて3次方程式になる。接点では重解になるはずなので、 でくくれる。残る1次因子が答えを与える。
より 、 なので
である。共有点は の解で、 だから分母を払って
となる。 は接点だから重解のはずで、実際
と因数分解できる。よって解は (2重)と だけで、 と異なる共有点はただ1つ、 の点である。
、 で一致する。また を展開すると となり、元の式に戻る。
(2) を計算する
答
は分母が の分数式で、分子は (1) で求めた3次式である。2乗すると分母が になって扱いにくいが、先に分子を分母で割っておくと「多項式」「 型」「 型」「 型」の4種類に分かれ、どれも計算できる形になる。
(1) より
である。ここで分子を分母で割ると
だから
となる。 として3つの部分を順に計算する。まず
である。次に と直すと
であり、 と置換すると で 、 で なので
となる。よって
である。最後に と直す。 の積分は、 と を使って
と書けることから
となる。したがって
である。3つを足して 倍すると
を得る。
。被積分関数をそのままシンプソン法で から まで数値積分すると となり、小数10桁まで一致する。被積分関数は2乗なので値が正であることとも合う。
をそのまま展開すると分母が4次になって手が止まる。先に分子を分母で割り、 の形にしてから2乗する。
は公式を覚えていなくても、 を微分すれば と の関係が出るので、そこから求まる。
の置換で、 に対応する は である()。符号を落としやすい。
第4問 整数
合同式・二項係数・階乗の2の指数・組合せの整除当サイトの体感難易度:難
(1) が正の奇数、 が正の整数で のとき、 ならば であることを示す
答 が の倍数で、 が奇数だから が の倍数
が の倍数であることを示したい。 から を作ると、残りが になり、仮定からこれは の倍数である。あとは が奇数、つまり と互いに素であることを使う。
より
である。仮定より は の倍数なので、右辺は の倍数である。よって は の倍数である。
は奇数なので と は互いに素である。したがって が の倍数でなければならない。すなわち を で割った余りと を で割った余りは等しい。
の両辺を で割ってはいけない。 を作ってから「奇数と が互いに素」を使う。
(2) のとき、、 に対して となる正の奇数 が存在することを示す
答( は奇数)と書けて、、 とすればよい
を階乗で書き下して、 のべきだけを取り出す。 の中の偶数をまとめて をくくり出すと、 という形になる。この「奇数」の部分が、そのまま の材料になる。
のべきをくくり出す。 から までの積で、偶数だけを集めると だから
である。これを2回使うと
となる。そこで正の奇数 を で定める()。
を書く。 とおく。
であり、 だから
となる( なので のべきはすべて打ち消し合う)。したがって
とおけば が成り立つ。、 は奇数、 も奇数なので、 はともに正の奇数である。
、 なら 、 で、 の指数はどちらも である。 の範囲のすべての で の指数が一致することを確かめた。
のべきが打ち消し合うのは 、つまり だからである。、 という「 で割ると 余る形」が効いていて、 がずれると成り立たない。
(3)さらに が で割り切れるとき、 と を で割った余りが等しいことを示す
答(2) の が をみたすので、(1) が使える
(1) を使うには を言えばよい。 なので、残るのは である。 の漸化式を を法として見ると、 の余りは を で割った余りだけで決まることが分かる。
を で割った余り。 定義から
で、 だから
となる。 を法とすると 、 なので であり、 が偶数なら で 、 が奇数なら で となる。 から順に
となり、 を で割った余りは を で割った余りだけで決まって
である。
を示す。 なので、(2) の について 、 である。 が偶数のとき を示す。
- のとき:、また なので 。両辺とも になり成り立つ。
- のとき:、また である。 を で割った余りで4通り調べると、 では と 、 では と 、 では と 、 では と で、いずれも一致する。
よって であり、(1) より と を で割った余りは等しい。すなわち と を で割った余りは等しい。
、()では で で割ると 余り、 も 余る。 で が偶数のすべての組を多倍長整数で調べても例外はなかった。
が奇数だと は崩れる。たとえば 、 なら左辺 、右辺 で一致しない。「 が偶数」という条件はここで効いている。
(4) を で割った余りを求める
答
、 なので (3) がそのまま使える。 と もまた「 で割ると 余る形」なので、もう一度使えて一気に小さくなる。
、 で、 は偶数だから (3) より
である。さらに 、 で は偶数だから、もう一度 (3) を使って
となる。最後は直接計算して
なので、求める余りは である。
多倍長整数で をそのまま計算して で割ると、余りは になる。、 の余りもどちらも で、2段階の言いかえが正しいことも確かめられる。
(3) を使うには「上も下も で割ると 余る」ことと「 が偶数」の両方が要る。 と 、 と はどちらもみたしているので2回続けて使える。
第5問 微分法
半角の公式・関数の増減・中間値の定理・最大値の位置当サイトの体感難易度:やや難
(1) に となる がただ1つ存在することを示す
答 と書け、 は狭義減少で 、
をそのまま微分して増減を見ようとすると行き詰まる。、 を使って でくくると、残りの因子 の導関数が驚くほど簡単になり、符号がすぐ分かる。
だから
である。、 を代入すると でくくれて
となる。内側を
とおく。 では なので、この範囲で となるのは のときに限る。
を微分する。 積の微分を順に行い、半角の公式で整理すると
となる。、、 を入れて、 と を含まない3項をまとめると
となるので
すなわち
を得る。 では 、 だから で、 は で狭義減少である。
両端の値は
なので、中間値の定理と狭義減少性から となる は にただ1つである。よって となる もただ1つである。
のとき 、、、 で、 付近で1回だけ を切る。 の数値微分の符号変化を の 等分で数えても、 をいろいろ変えて零点はつねにちょうど1つだった。
でも になる( のため)が、これは区間の端なので「 にただ1つ」には数えない。 でくくることで、この端の零点と本質的な零点をはっきり分けられる。
はきれいに消えてくれるが、途中の整理を飛ばすと符号が追えない。 でくくった3項が にまとまるところが山場である。
(2) が区間 のある点で最大になるような の範囲を求める
答
(1) より の符号は の符号と同じで、 は減少しながら1回だけ を切る。だから は「上がって下がる」形で、最大は必ずその零点 で起きる。あとは を の単調性で言いかえれば、 という1つの不等式になる。
(1) の ( となる唯一の点)をとる。 は狭義減少だから で 、 で である。 では なので
となり、 は で増加、 で減少する。よって は でのみ最大になる。
求める条件は である。 はつねに成り立つ。 は狭義減少なので
である。実際に計算すると、、、 より
となる。これが負になる条件は である。 なので、 とあわせて
が求める範囲である。
。 のとき の最大の位置を数値で探すと 、 のときは となり、境目がちょうど 付近にあることが確かめられる。
最大の位置が そのものであることを先に確定させる。「 の零点がただ1つ」だけでは、そこが最大か最小かは決まらない。 が正から負へ変わることまで言う。
は区間 に入らないので、 は範囲から外れる。不等号は等号なしである。
第6問 整式・整数
恒等式と係数比較・因数分解・有理数解・平方数当サイトの体感難易度:やや難
(1) のとき を で表す
答、
右辺を展開して係数を比べるだけである。 の項は自動的に消え、 と の係数から と が分かるので、連立して解く。
右辺を展開すると
である。左辺 と係数を比べて
を得る。 より なので、 とあわせて
となる。
残る条件 に代入すると 、すなわち となる。これが の決定条件で、(2)(3) の出発点になる。
、 とすると 、。 を展開すると となり、 の項が消えていることも確かめられる。
(2)、 のとき、 をみたす有理数係数の整式 を1組求める
答、
(1) の注で見たとおり、 がみたすべき式は である。 とおくと の3次方程式になり、与えられた形は「 を因数にもつ」と言っている。実際に が解になることを確かめてから、割り算で残りの2次式を求めればよい。
(1) より は をみたす。、 とおくと
なので、方程式は
となる。 を代入すると
となるので、 で割り切れる。 とおいて展開すると
なので、係数を比べて 、、すなわち
を得る(定数項も となって合う)。よって 、 とすればよい。
なら 、、 で、方程式は 。、 で、 と一致する。
(3) を整数とし、 が有理数係数の2次式の積に因数分解できる をすべて求める
答
4次式が有理数係数の2次式の積に分かれるとき、最高次の係数をそろえれば両方とも最高次係数 にできる。 の項がないので、2つの2次式の1次の係数は符号だけが違う。つまり問題文の形そのものになり、有理数の が存在することと同じになる。(2) の因数分解を使うと、 の候補はほぼ に絞られる。
4次式が有理数係数の2次式2つの積になるとき、両方を最高次の係数 にそろえてよい。 の項がないので2つの1次の係数は和が 、すなわち と である。つまり因数分解できることは、有理数 で問題文の恒等式が成り立つことと同じである。
の場合。 このとき だから 、すなわち である。さらに 、 から だが
で は起こらない。よって の場合は因数分解できない。
の場合。 (2) より は
をみたす。後ろの2次式について、2解の和は 、積は である。よって実数解があってもすべて 以下で、 にはなりえない。
したがって でなければならない。 は有理数なので は有理数の平方であり、 が整数なので は平方数である。( の整数)とすると
で、左辺の2つはともに正の整数だから 、すなわち 、 である。
逆に のときは 、、 として (1) より 、 となり
と因数分解できる。よって求める は だけである。
の整数について、 を分母 以下の有理数で広く走査して の解を探すと、見つかるのは のときだけで、そのとき 、 となる。 が平方数になる整数も の範囲で だけだった。
の場合を落とさない。 になる だけが候補だが、そこでも のため成立しない。
の解を捨てる根拠は「和が負・積が 以上」である。判別式を計算する必要はない。
が「有理数の平方」であることから「整数の平方」へ進むには、 が整数であることを使う。整数の平方根は整数か無理数のどちらかである。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
当サイト運営者が制作した教材
同じ形式の問題を、5回分
中身を試し読みする
扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
関連するページ
- 東大理系数学の傾向と対策— 年度別・分野別の出題分析。この年度が全体のどこに位置するかが分かります。
- 東大理系数学 分野別完成演習— 過去問に入る前に、頻出7分野を段階的に固める演習書です。
- 東大理系数学のほかの年度— 同じ大学の解答・解説一覧。




