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名古屋大学 2020年度 前期日程 理科系
第4問 確率・漸化式の解答・解説
推移確率・連立漸化式・3項間漸化式・和の比較当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/12
問題文について
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(1)正方形の頂点を反時計回りに とし、先攻の駒を 、後攻の駒を に置く。先攻から交互にサイコロを振り、出た目を で割った余りが なら動かさず、 なら自分の駒を反時計回りに、 なら時計回りに隣へ動かす。移った先に相手の駒があればそこで終了とするとき、ちょうど 回目で勝敗が決まる確率を として を求める
答、
で割った余りは がそれぞれ確率 で出る。注目すべきは駒の位置そのものではなく2つの駒の間の距離(正方形の辺をいくつたどるか)で、これは (対角)か (隣)しかない。状態が2つだけなので一気に見通しがよくなる。
余りの確率。 から のうち、 で割った余りが なのは 、 なのは 、 なのは の各2通りである。よって「動かさない」「反時計回りに1つ」「時計回りに1つ」はそれぞれ確率 である。
状態は距離だけで決まる。 正方形の頂点を反時計回りに と番号づけ、2つの駒の番号の差を を法として見る。駒は「隣」か「対角」のどちらかにあり、距離は か である( になったら終了)。
距離 (対角)のとき、振った人が駒を動かすとどちらに回しても距離 になる。相手の駒に乗ることはない。したがって
- 距離 から:確率 で距離 のまま、確率 で距離 へ。終了しない
- 距離 から:相手の側へ回せば乗るので確率 で終了、逆へ回すと距離 で確率 、動かさなければ距離 のままで確率
どちらの駒を動かすかで状況は変わらない(距離だけで決まる)ので、先攻・後攻の区別は確率の計算には影響しない。
計算。 最初は と で距離 である。
1回目:距離 からなので終了しない。 で、1回目のあと距離 である確率が 、距離 である確率が である。
2回目:終了するのは「1回目のあと距離 」かつ「2回目に相手の側へ回す」ときなので
である。2回目のあとの状態は、距離 が 、距離 が である。
3回目:同様に
である。
30万回のシミュレーションで ()、()だった。
「出た目を で割った余り」なので、 はどれも確率 。 刻みで考えなくてよい。
対角にいる状態からはどう動いても相手に乗れない。最初の1回で勝負がつくことはないので である。
(2) を求める
答
回目を振る直前に「まだ終わっておらず距離が /」である確率を とおくと、連立漸化式になる。 なので、 の3項間漸化式に直して特性方程式を解く。
回目を振る直前に、まだ勝敗がついておらず2つの駒の距離が である確率を 、距離が である確率を とする。(1) の推移から
である。また終了するのは距離 から相手の側へ回したときだけなので
である。初期条件は である。
3項間漸化式にする。 ① の第1式から である。これを第2式の の形
に使うため、第2式 から
を得る(第2式を と解いて代入した)。これを に入れると
となる。② より も同じ漸化式を満たす。
特性方程式。 、すなわち を解くと
である。よって定数 を使って
と書ける。、 とおくと、 から 、 から である。前者より なので
である。、 だから
で、同様に である。これを代入すると
である。すなわち
である。
を入れると となり、(1) と合う。 は の整数倍なので、 はちゃんと有理数になる。
漸化式を分数のまま まで回した値と、この式の値の差は最大 だった。
状態を「駒の位置の組」で立てると になって手に負えない。距離だけに潰すと2状態で済む。
を初期条件に使う。 から始めてもよいが、 のほうが連立が軽い。
(3) 以上の任意の整数 に対して が成り立つこと(このゲームが後攻に有利であること)を示す
答 で を示し、 とあわせて項ごとに比べる
左辺は 回以内に先攻が勝つ確率、右辺は後攻が勝つ確率である。項数は同じか左が1つ多いだけなので、 を言えば項ごとの比較で終わる。 の単調減少は閉じた式を使わなくても、 の大小から出る。
()。 ① より
である。 で、 と から帰納的に (すべての )なので
である。
()。 ② と ① より
である。 では なので
である。つまり である。
和の比較。 左辺を 、右辺を とおく。 の偶奇で場合分けする。
③ は「奇数番より1つ手前の偶数番のほうが大きい」という形なので、 と を組にして比べる。
()のとき。 、 なので 、 である。 の最後の項 と の最初の項 を別にしてから組にすると
である。、 で、③ より各 だから である。
()のとき。 、 なので 、 である。やはり と で組にすると
で、③ より各項が正だから である。
いずれの場合も 、すなわち
が成り立つ。
とすると先攻の勝率は約 、後攻は約 に近づく。最初の1回では決して決まらず、しかも1回振るごとに「次に決まる確率」が減っていくので、1手遅く始める後攻のほうが有利になる。
から まで数値で両辺を計算すると、すべて左辺 右辺だった(たとえば で )。30万回のシミュレーションでも後攻の勝率が だった。
と は が奇数のとき だけ違う。項数がそろわない場合を落とさない。
組にするときは と ではなく と でそろえる。前者だと不等号の向きが逆になる。
の単調減少は閉じた式から言ってもよいが、 を示すほうが短く、根号を扱わずに済む。
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