名大理系数学の出題傾向と対策
名古屋大学・理系・2018〜2026年度の分析
形式は9年間不変
試験時間150分,大問4題,完全記述式。解答用紙は大問ごとに1枚。
| 年度 | 大問1 | 大問2 | 大問3 | 大問4 |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 定積分の漸化式・極限・交代級数 | 指数関数と対数関数のグラフの共有点 | 素数と二項係数(合同式) | 図形上を動く2点の確率漸化式・評価 |
| 2019 | 積分漸化式と回転体の体積 | 空間ベクトル(垂線の足・角の評価) | 平方根の小数表示(整数) | 順列のサイクル構造・確率・不等式 |
| 2020 | 双曲線と直線・面積の最小 | 整数(相異なる素数の組) | 凸性と定積分の不等式(証明3題) | ゲームの確率漸化式・不等式の証明 |
| 2021 | 2放物線の共通接線・面積の最大 | 対数の大小比較・3次関数の符号 | 盤面ゲームの確率 | ガウス記号を含む漸化式 |
| 2022 | 整式の割り算と余り | さいころ3回・整数条件の確率 | 複素数平面と正六角形 | 広義積分・解の存在と評価 |
| 2023 | 4次方程式の解と領域の図示 | 2円・回転体の体積・極限 | 超越方程式の解の個数 | 二項係数の恒等式の証明 |
| 2024 | 接線の本数と整数条件 | 複素数方程式の共通解 | 空間ベクトルと領域 | 確率と定積分の融合 |
| 2025 | 凸関数・最大値の一意性 | 整数 | 回転による通過領域(面積・体積) | コインの裏返し・確率 |
| 2026 | 曲線と面積の最小 | 空間の平面と線分の共有点条件 | 整数(互いに素な3数と ) | 2次元ランダムウォーク・確率と評価 |
「微分積分・確率・整数」の3本柱
分野別に数え直すと,名大の設計がはっきり見える。 この3分野で大問3つが埋まり,残り1題が空間図形・複素数平面・数列から選ばれる。
| 分野 | 9年中 | 特徴 |
|---|---|---|
| 微分積分(極限・面積・体積・評価) | 9 | 毎年1〜2題。計算では終わらず必ず極限か不等式へ接続する |
| 確率(漸化式・整数や積分との融合) | 8 | 出ない年は2023のみ。確率漸化式が中心 |
| 整数(合同式・素因数・約数・ガウス記号) | 7 | 「すべて求めよ」「示せ」型が主 |
| 空間図形・ベクトル | 3 | 2019, 2024, 2026 |
| 複素数平面 | 3 | 2022--2024と3年連続,以後2年途切れ |
小問の並べ方は4通りしかない
| 型 | 構造と対処 |
|---|---|
| A.具体例一般化評価 | (1)で を計算,(2)で漸化式,(3)(4)で極限か不等式の証明。確率の大問はほぼこれ。 (1)を落とすと以降の誘導がすべて死ぬ。 |
| B.段階を追う型 | (1)で一見どうでもよい等式を証明させ,(2)以降で道具として使わせる。 「(1)の結論を必ず使う」前提で読む。 |
| C.すべて求めよ | 整数問題に多い。必要条件で候補を絞り,十分性の確認を書かないと大幅減点。 |
| D.図形量の最大最小 | 変数が2つあって条件式で1つに減らすという一手間が必ず入る。 |
難易度と目標
「超難問は出ないが完答が難しい」という設計である。 各大問の(1)(2)は標準的な入試問題の水準だが,最終小問だけが一段跳ね上がる。 とくに不等式の評価が最終問に置かれた年が9年で5回あり,ここが合否の分岐点になる。 また9年間の小問およそ120問のうち約4割が「示せ」型で,答えを出す力より論証を書ききる力が測られる。
目標は医学部医学科で3完+(75点前後),その他学部で2完+2半(55点前後)。 4題すべてに手をつけ,各大問の(1)(2)を確実に取るだけで50点に届く。 1題に固執して他題の(1)を落とすのが最悪の失敗である。
この分析からつくった予想問題集
合格答案をつくる シリーズは、2018〜2026年度のこの出題分析をもとに書き下ろした名大理系数学のオリジナル予想問題集です。本番形式の問題に加え、どこで何点入るかを示した採点基準と別解を収録しています。