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名古屋大学 2019年度 前期日程 理科系
第4問 場合の数の解答・解説
順列のサイクル・かく乱順列・対数と調和級数・積分による評価当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/12
問題文について
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(1) の順列 を等確率に選び、 とたどってできる巡回の長さをサイクルの長さとする。 のとき、選んだ順列が長さ のサイクルを含む確率を求める
答
長さ のサイクルとは (不動点)のこと。余事象は「不動点がない」、つまりかく乱順列である。 なら数えるだけで済む。
長さ のサイクルは となる そのものである( なら1歩で戻る)。
の順列は 通りで、 となる が1つもないのは
の 通りである(どちらも長さ のサイクル1つ)。よって長さ のサイクルを含むのは 通りで、求める確率は
である。
残り4通りを書き出すと (長さ1が3つ)、(長さ1が1つと長さ2が1つ)である。
通りを全列挙して数えると 通りだった。
(2) のとき、長さ のサイクルを含む順列をすべて挙げる
答 の6個
長さ のサイクルは をひと回りする巡回で、 から出発して残り3つを並べる順番で決まるから 個。巡回の順番を書き出し、それを の形に直す。
で長さ のサイクルを含むのは、 全体が1つの巡回になっているときである。巡回は の形で、 は の並べ方だから 通りある。
それぞれを に直す。たとえば なら である。
- :
- :
- :
- :
- :
- :
番号順に並べ直すと
の6個である。
通りを全列挙してサイクル分解すると、長さ のサイクル1つになるのはこの6通りだけだった。
巡回の書き方 と、順列の書き方 を混同しない。前者は「次にどこへ行くか」の並び、後者は添字順に値を並べたものである。
のような「長さ2が2つ」は長さ4のサイクルではない。
(3) 以下の正の整数 に対して を示す
答 を から まで足す
は減少関数なので、区間 では で、等号は左端だけ。幅 の区間で積分すると のほうが真に大きい。これを足し合わせると右辺の が望遠鏡のように縮む。
を正の整数とする。 では で、 では真に である。よって
である。左辺は
だから
である。これを について足すと、右辺は隣どうしで打ち消し合って
となる。よって
である。
のすべての組で数値的に確かめ、反例は 件だった。
不等号が真に成り立つことを言うには、 となる が区間の中に正の長さぶんあることに触れる。
と を取り違えない。区間の右端まで積分するので である。
(4) を奇数とするとき、選んだ順列が長さ 以上のサイクルを含む確率 が を満たすことを示す
答長さがちょうど のサイクルをもつ確率が なので
の長さのサイクルは、あったとしても1つしかない。だから「長さ のサイクルをもつ順列」の個数を数えて足せばよく、重複を心配しなくてよい。個数を数えると というきれいな形になり、確率は になる。
長さが半分を超えるサイクルは高々1つ。 長さ の異なる2つのサイクルがあれば、それらは共通の数字をもたないので である。 のサイクルが2つあると となって矛盾する。よって長さ より大きいサイクルは、あっても1つである。
は奇数なので である。したがって「長さ 以上のサイクルを含む」という事象は、 について「長さがちょうど のサイクルをもつ」という事象の排反な和になる。
長さちょうど のサイクルをもつ順列の個数。 とする。
- サイクルに入る 個の数字を選ぶ: 通り
- その 個を1つの巡回に並べる: 通り(円順列)
- 残り 個の並べ方: 通り( なので、ここから長さ 以上のサイクルは出てこない)
よって個数は
である。全体が 通りなので、長さちょうど のサイクルをもつ確率は である。
を書く。 排反な和だから
である。(3) を ( が奇数なので正の整数)として使うと
である。
なら 、 なら で、 を大きくしても を下回らない。実際 で に近づく。
で全順列を列挙して を分数で求めると、 となり、 と完全に一致した。いずれも より大きい。
「長さ 以上」をいきなり足すと重複を疑いたくなるが、半分を超える長さのサイクルは高々1つなので排反である。 が奇数という条件はここで効く。
の約分を丁寧に書く。 と が だけ残す。
(3) の に を入れるには、それが正の整数で であることが要る。 が奇数で ならどちらも成り立つ。
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