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名古屋大学 2019年度 前期日程 理科系
名大理系 2019年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 積分法
漸化式のある定積分・部分積分・円錐の切断・弓形の面積当サイトの体感難易度:難
(1) について を求める
答
問題に与えられた分解 をそのまま使う。分子が分母の微分(の )になっているので、どちらも になる。
、 なので
である( では )。、 だから
である。分母を有理化すると だから
で、したがって
である。
数値積分で 、 だった。
をそのまま に残さない。 で平方になる。
(2) のとき を と で表す
答
を微分すると と だけが出てくる。これを から まで積分すれば、そのまま漸化式になる。部分積分を「微分して確かめる」向きに使うのがいちばん速い。
を微分する。積の微分で
である()。まとめると
すなわち
である。両辺を から まで積分すると、右辺は で、左辺は
である(、)。よって
で、 より だから
である。
とすると である。(3) で使う。
から まで を数値積分し、この式の右辺と小数9桁まで一致した。
と見て部分積分してもよいが、「何を微分すると目的の形が出るか」から入るほうが計算が短い。
で次数を2つ下げるのがこの種の漸化式の要である。
(3) 平面の原点を中心とする半径 の円板 を底面、 を頂点とする円錐 を平面 で2つに切ったとき、小さいほうの立体 の体積を求める
答
軸に垂直な平面で切ると、円錐の切り口は半径 の円板で、 の切り口はそれを弦 で切った弓形になる。弓形の面積を の式で書いて積分する。 が出るので、 と置換すると (1)(2) の に帰着する。
切り口の面積。 高さ ()での円錐の切り口は、原点を中心とする半径 の円板である。 はこのうち の部分だから、切り口は弦 で切り取られる弓形になる。、つまり では空である。
のとき、弓形を挟む中心角の半分を とすると である。弓形の面積は「扇形 三角形」で
である(扇形は中心角 で面積 、三角形は底辺 、高さ )。
積分する。 求める体積は
である(、 で向きが入れ替わる)。ここで 、つまり
と置換する。 のとき で 、 のとき で である。また
なので
である。したがって
である。2つに分けて計算する。
第1項。 なので、部分積分で
である( なので )。
第2項。 より
である。よって
である()。(2) より だから
で、 と から
である。数値は で、円錐全体の体積 の約 である。
弓形の面積を について数値積分すると 、式の値も だった。200万点のモンテカルロでも になった。
切り口が空になるのは 、つまり のとき。積分範囲を にしない。
弓形の面積は「扇形 三角形」。三角形の高さは (原点から弦までの距離)で、 ではない。
という置換が (1)(2) への橋渡しになっている。 の範囲が とぴったり一致するのが設計である。
第2問 空間ベクトル
正射影・内積・鈍角の判定・余弦定理当サイトの体感難易度:標準
(1)空間内の の直角二等辺三角形 と平面 があり、 は 上、 は 上になく に関して同じ側にある。 から に下ろした垂線の足を とするとき、 を示す
答 などと分解すると、直交する項が消えて そのものになる
を「 に平行な成分」と「 に垂直な成分」に分ける。前者が 、後者が で、異なる種類どうしの内積は になる。示すべき式はちょうど の展開である。
の単位法線ベクトルを とする。 は から に下ろした垂線の足なので は に平行、 は 上のベクトルなので に垂直である。 についても同じである。したがって
である。一方
なので、内積を展開すると
で、まん中の2項が だから
である。 より左辺は なので
である。
座標を組んで数値で確かめると、左辺は になった。
は「 上のベクトル」、 は「 に垂直なベクトル」。この2種類が直交することを明記する。
が 上にあるので が 上のベクトルになる。 の位置の条件が効いている。
(2) を示す
答(1) より
は の同じ側にあるので と は同じ向きで、その内積は正である。(1) の等式からもう一方の内積が負と分かる。
の単位法線 を、 のある側を向くようにとる。 は 上になく同じ側にあるので、正の数 があって
と書ける。 だから
である。(1) より
である。とくに左辺は でないので 、 であり、 が定まる。そして
である。 で が負なのは のときだから
である。
「同じ側にある」が の符号をそろえ、「 上にない」が を保証している。どちらが欠けても結論は崩れる。
(3) の設定で実際に角を計算すると だった。
だと角が定まらない。① の左辺が でないことから、、 が言える。
(3) 上の三角形 の辺の長さが短いものから であるとき、辺 の長さを求める
答
(2) より のところが鈍角なので、 の対辺 がいちばん長い に決まる。これで3辺の割り当てが確定し、余弦定理から ① の が出る。あとは を使って を決める。
辺の割り当て。 三角形では最大角の対辺が最大辺である。(2) より は鈍角で、三角形の鈍角は1つしかないから が最大角である。よってその対辺 が最大辺で
である。以下 、 とする(入れ替えても は同じ値になることを最後に確かめる)。
内積を求める。 余弦定理から
である(負なので確かに鈍角)。よって
で、(2) の ① から
である。
を決める。 三平方の定理から
である。 は の直角二等辺三角形なので 、したがって
である。② より を ③ に入れると
となる。 より 、つまり で、② から である。よって
である。
入れ替えた場合。 、 とすると ③ は になり、同じ計算で 、 でやはり である。
として座標を組むと 、、 で、すべて条件に合った。
「短いものから 」だけでは がどの頂点か決まらない。(2) の鈍角が、最大辺 を の対辺に固定する働きをしている。
の は捨てる。 は長さなので正である。
は「直角二等辺」の等辺が であることによる(直角が にあるから)。
第3問 整数
平方根の小数部分・不等式の整数解・ガウス記号当サイトの体感難易度:標準
(1)正の整数 の正の平方根 が整数でなく、 進法で表したとき小数第1位が 、第2位が 以外であるとき、このような の最小のものを求める
答
条件を小数部分の不等式 ()に書き直す。2乗すると が入る区間が の式で書けるので、 と順に、その区間に整数が入るかを見ればよい。
とおく。 の小数部分を とすると、条件は
- 小数第1位が :
- 小数第2位が 以外:(これは が整数でないことも含む)
すなわち
である。① の各辺に を足して2乗すると(すべて正なので向きは変わらない)
すなわち
である。(整数)とおくと ② は
となる。 を小さいほうから調べる。
- :。整数 なし
- :。なし
- :。なし
- :。なし
- :。 があり、
が大きくなると も大きくなるので、 に解がない以上、最小は のときの
である。実際 で、小数第1位は 、第2位は である。
③ の右端が を超えるのは 、つまり のときである。「 が入れるようになる最小の 」が だと見てもよい。
から順に の小数部分を計算すると、条件を満たす最小の は だった。
「小数第2位が 以外」は と同値( のもとで)。 だけでは足りない。
を展開するとき を落とさない。もっとも、 が整数なので最後は効かない。
(2)このような を小さいものから順に並べたときの10番目を求める
答
(1) の ③ をそのまま と続ける。 ごとに該当する (したがって )を全部書き出し、 の小さい順に並べれば順番がそのまま決まる。
(1) の ③ は
である。 が同じなら は について増加し、 が1つ増えると は必ず大きくなるので、 の小さい順に並べればよい。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
- : より 。
小さい順に並べると
なので、10番目は
である。実際 で、小数第1位は 、第2位は である。
ごとの個数は ③ の区間の幅 でおおよそ決まり、 で1個、 で2個、…… と増えていく。9番目までが で尽きるので、10番目は の小さいほうになる。
を から順に総当たりすると、条件を満たすものは で、10番目は だった。
ごとに が1個とは限らない。 から2個になるので、ここで数え落とすと順番がずれる。
の右端は整数になりえない( がある)ので、 としてよい。
第4問 場合の数
順列のサイクル・かく乱順列・対数と調和級数・積分による評価当サイトの体感難易度:難
(1) の順列 を等確率に選び、 とたどってできる巡回の長さをサイクルの長さとする。 のとき、選んだ順列が長さ のサイクルを含む確率を求める
答
長さ のサイクルとは (不動点)のこと。余事象は「不動点がない」、つまりかく乱順列である。 なら数えるだけで済む。
長さ のサイクルは となる そのものである( なら1歩で戻る)。
の順列は 通りで、 となる が1つもないのは
の 通りである(どちらも長さ のサイクル1つ)。よって長さ のサイクルを含むのは 通りで、求める確率は
である。
残り4通りを書き出すと (長さ1が3つ)、(長さ1が1つと長さ2が1つ)である。
通りを全列挙して数えると 通りだった。
(2) のとき、長さ のサイクルを含む順列をすべて挙げる
答 の6個
長さ のサイクルは をひと回りする巡回で、 から出発して残り3つを並べる順番で決まるから 個。巡回の順番を書き出し、それを の形に直す。
で長さ のサイクルを含むのは、 全体が1つの巡回になっているときである。巡回は の形で、 は の並べ方だから 通りある。
それぞれを に直す。たとえば なら である。
- :
- :
- :
- :
- :
- :
番号順に並べ直すと
の6個である。
通りを全列挙してサイクル分解すると、長さ のサイクル1つになるのはこの6通りだけだった。
巡回の書き方 と、順列の書き方 を混同しない。前者は「次にどこへ行くか」の並び、後者は添字順に値を並べたものである。
のような「長さ2が2つ」は長さ4のサイクルではない。
(3) 以下の正の整数 に対して を示す
答 を から まで足す
は減少関数なので、区間 では で、等号は左端だけ。幅 の区間で積分すると のほうが真に大きい。これを足し合わせると右辺の が望遠鏡のように縮む。
を正の整数とする。 では で、 では真に である。よって
である。左辺は
だから
である。これを について足すと、右辺は隣どうしで打ち消し合って
となる。よって
である。
のすべての組で数値的に確かめ、反例は 件だった。
不等号が真に成り立つことを言うには、 となる が区間の中に正の長さぶんあることに触れる。
と を取り違えない。区間の右端まで積分するので である。
(4) を奇数とするとき、選んだ順列が長さ 以上のサイクルを含む確率 が を満たすことを示す
答長さがちょうど のサイクルをもつ確率が なので
の長さのサイクルは、あったとしても1つしかない。だから「長さ のサイクルをもつ順列」の個数を数えて足せばよく、重複を心配しなくてよい。個数を数えると というきれいな形になり、確率は になる。
長さが半分を超えるサイクルは高々1つ。 長さ の異なる2つのサイクルがあれば、それらは共通の数字をもたないので である。 のサイクルが2つあると となって矛盾する。よって長さ より大きいサイクルは、あっても1つである。
は奇数なので である。したがって「長さ 以上のサイクルを含む」という事象は、 について「長さがちょうど のサイクルをもつ」という事象の排反な和になる。
長さちょうど のサイクルをもつ順列の個数。 とする。
- サイクルに入る 個の数字を選ぶ: 通り
- その 個を1つの巡回に並べる: 通り(円順列)
- 残り 個の並べ方: 通り( なので、ここから長さ 以上のサイクルは出てこない)
よって個数は
である。全体が 通りなので、長さちょうど のサイクルをもつ確率は である。
を書く。 排反な和だから
である。(3) を ( が奇数なので正の整数)として使うと
である。
なら 、 なら で、 を大きくしても を下回らない。実際 で に近づく。
で全順列を列挙して を分数で求めると、 となり、 と完全に一致した。いずれも より大きい。
「長さ 以上」をいきなり足すと重複を疑いたくなるが、半分を超える長さのサイクルは高々1つなので排反である。 が奇数という条件はここで効く。
の約分を丁寧に書く。 と が だけ残す。
(3) の に を入れるには、それが正の整数で であることが要る。 が奇数で ならどちらも成り立つ。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
当サイト運営者が制作した教材
同じ形式の問題を、5回分
中身を試し読みする
扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
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