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東京科学大学 2023年度 前期日程 理系

東京科学大 2023年度 数学の解答・解説

全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/13

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 積分法

定積分の評価・不等式ではさむ・整数部分・指数関数の比較当サイトの体感難易度:やや難

実数 の整数部分を求める

答

積分を計算することはできないので、上と下からはさむ。上は を捨てて 、下は を使って で押さえる。

とおく。

上からの評価。 では なので

である。したがって

である。

下からの評価。 ()より なので

である。ここで ()とおくと

であり、 に注意して

である。よって

であり

である。右辺は である。 より なので

であり

である。したがって

である。

以上より

なので、 の整数部分は である。

太い実線が 2/(x + eˣ)、上の破線が 2e⁻ˣ、下の細い破線が e⁻ˣ + e⁻²ˣ/2。太い線は上下の破線にはさまれていて、上の破線の面積は 2、下の破線の面積は 5/4 になる。

実際に数値計算すると である。上の評価 と下の評価 のあいだにきちんと入っている。

数値積分すると で、 を満たしていた。

上からの評価だけでは しか言えず、整数部分が か か決まらない。下からも を超えることを示す必要がある。

から 。この「」を残すのが効く( だけで押さえると にしかならず、 に届かない)。

第1問だけのページ

第2問 整数

連続3整数の積・約数の絞り込み・3次方程式の整数解・すべて求める当サイトの体感難易度:やや難

方程式 を満たす整数の組 をすべて求める

答 の4組

とおくと は の約数である。 が平方数であることから の候補が一気に絞られる。

、 とおくと である。

素因数分解。

である()。

を絞る。 は の約数で、しかも平方数である。 と書くと 、、 より 、、 である。したがって

である。

一方、 は連続3整数の積なので、 のとき (このとき左辺が になり不適)、それ以外では

であり、 は の絶対値とともに増える。 の約数になるのは の4つだけである( 以降は より大きい)。

それぞれ調べる。 が の形になるかを見る。

  1. ():。、 で にはならない。不適
  2. ():。、 で にはならない。不適
  3. ():。 は で、 の判別式は だから のみ。適する
  4. ():。 は で、 の判別式は だから のみ。適する

である。 は2乗されているので符号は関係なく、 は の両方が使える。よって

の4組である。

も も連続3整数の積なので の倍数である。、 とおくと 、すなわち となり、ここから攻めてもよい。

の全探索でも、この4組だけだった。

「 が の約数」から とだけ絞ると候補が多い。平方数であることを使って指数を半分にするのが近道。

の解がただ1つであることは、因数分解して残りの2次式の判別式を見れば分かる。

第2問だけのページ

第3問 複素数平面・確率

偏角と絶対値・多項分布の数え上げ・余りで分類する漸化式・対称性当サイトの体感難易度:やや難

(1)実数が書かれた3枚のカード 、、 から無作為に2枚のカードを順に選び、出た実数を順に実部と虚部にもつ複素数を得る操作を考える。正の整数 に対して、この操作を 回繰り返して得られる 個の複素数の積を とするとき、 となる確率 を求める

答

6通りの複素数の絶対値は が2通りずつ。 は積なので、 と が何回出たかだけで決まる。条件を満たす回数の組は少ない。

6通りを書き出す。 実部と虚部の順で選ぶので、得られる複素数と絶対値・偏角は

  1. :、偏角
  2. :、偏角
  3. :、偏角
  4. :、偏角
  5. :、偏角
  6. :、偏角

の6通りで、どれも確率 である。絶対値は がそれぞれ2通りずつなので、1回の操作で絶対値が になる確率はどれも である。

条件を言いかえる。 回のうち絶対値が だった回数を 、 だった回数を とすると

である。 となる を調べると

  1. :、:、: ✓
  2. :、:、: ✓
  3. :、:、:、: ✗

である。 をこれ以上増やすと はさらに大きくなるので、条件を満たすのは上の6通りの だけである。

数える。 絶対値が になる回がどの順で現れるかを考える。 回のうち「 の回」を 個、「 の回」を 個選ぶ場合の数を足し合わせればよい。

  1. : 通り
  2. 、:それぞれ 通り
  3. 、:それぞれ 通り
  4. : の回と の回を別々に選ぶので 通り

である。合計すると

通りである。どの場合も確率は なので

である。

では で になる。実際 までは なので、必ず条件を満たす。

で 通りを全列挙すると、 でこの式と一致した。

絶対値だけを見ればよい。どの複素数が出たかまで区別すると数え方が複雑になるが、絶対値ごとにまとめれば確率は ずつになる。

は「2か所を選んでどちらが か決める」ので 通り。 ではない。

(2) が実数となる確率 を求める

答

が実数 の偏角が の倍数。偏角は の倍数なので、 を単位にして「 で割った余り」を追えばよい。

である(6通りのどれも ではない)。 が実数になるのは の偏角が の倍数のとき、すなわち

のときである。(1) の表より、1回の操作で得られる偏角は の倍数で、 を単位にすると

である。積の偏角は和になるので、 回ぶんの合計 ( 単位)が の倍数であればよい。

で割った余り。 上の6つを で割った余りで分けると

  1. 余り : の4通り、確率
  2. 余り : の1通り、確率
  3. 余り : の1通り、確率

である。 回後に を で割った余りが である確率を とする。余り と余り が出る確率が等しいので、対称性から であり

である。

漸化式。 余りが になるのは「 から を足す」「 から を足す」「 から を足す」の3通りなので

である。 を解くと なので

である。(余り になるのは4通り)なので で

である。よって

である。

で である。偏角の余りが のどれになるかが、だんだん均等に近づく。

の全列挙で となり、この式と一致した。

が実数なのは「 が実数」だけでなく「 が純虚数」でもよい。偏角が の倍数、とまとめる。

を単位にすると、 の倍数は「 の倍数」になる。余りで分類する定石に持ちこめる。

第3問だけのページ

第4問 積分法

立体の共通部分・断面積の積分・回転による変換・円と正方形当サイトの体感難易度:難

空間において、 軸を軸とする半径 の円柱から かつ で表される角柱の内部を取り除いたものを とする。 を 軸のまわりに 回転してから 軸のまわりに 回転したものを とする。 と の共通部分の体積を求める

答

は 方向に無限に伸びた柱で、断面( 平面)は「円から正方形を抜いたもの」。 も同様に 方向の柱になる。 で切ると、 は だけ、 は だけを制限するので、断面積は2つの長さの積になる。

と を式で書く。 は によらないので

である。

取り除く
A の断面(yz 平面)。半径 2 の円から、1辺 2 の正方形の内部を取り除いたもの。x 方向にはどこまでも同じ形が続く。

軸まわりに 回す。 円は回しても変わらず、正方形 かつ は、頂点が のひし形 に移る。つまり

である(やはり 方向に無限に伸びた柱)。

軸まわりに 回す。 この回転は である。 の点 が移った先を とすると 、、 なので、 の条件は

となる。今度は 方向に無限に伸びた柱である。

取り除く
B の断面(xz 平面)。半径 2 の円から、対角線の長さが 2√2 のひし形の内部を取り除いたもの。y 方向にはどこまでも同じ形が続く。

で切る。 とおく()。この平面で は だけを、 は だけを制限するので、共通部分の断面は長方形の集まりになり、その面積は

である。ここで は許される の長さ、 は許される の長さである。どちらも の偶関数なので、 で考える。

  1. : なら制限なしで 。 なら で
  2. : なら 。 なら で

である。したがって体積は

である。

必要な積分。 とおくと である。

  1. 、
  2. より 、

である。これらを使って3つの積分を計算し、、、、、、有理数の各項を整理すると、 の項は打ち消し合って

となる。 倍して

である。数値では である。

は 方向、 は 方向に伸びた柱なので、 で切ると「 の条件」と「 の条件」に完全に分かれる。これがこの問題のいちばんの急所である。

モンテカルロ法で 、断面積の数値積分で となり、式の値 と合った。

軸まわりの 回転で、柱の向きが 方向から 方向に変わる。回転前と同じ向きだと思うと共通部分がまったく違ってしまう。

回転で正方形がひし形に変わる。円は変わらない。

の断面は「 の区間」×「 の区間」という長方形の集まり。面積は2つの長さの積になる。

第4問だけのページ

第5問 空間ベクトル

点と直線の距離・等距離の点の集合・2平面に分かれる・連立して解く当サイトの体感難易度:難

(1) 空間の4点 、、、 を考える。2直線 、 から等距離にある点全体のなす図形を求める

答2平面 と の和集合

点と直線の距離は外積で書ける。2つの距離の2乗を比べ、差を因数分解する。

とする。直線 は を通り方向ベクトルは である。

なので

である。直線 は を通り 、向きとしては である。同様に

である。2つが等しい条件は

である。展開して整理すると

で、 でくくれて

となる。したがって求める図形は

である。どちらの平面も (2直線の交点)を含んでいる。

交わる2直線から等距離にある点は、2直線が作る角の二等分線を含む2枚の平面の上にある。ここではそれが と である。

乱数で2000点をとると、距離が等しいことと が完全に一致した。

「2直線から等距離」は1枚の平面ではなく2枚の平面になる。因数分解して両方を書く。

(2)4直線 、、、 に共に接する球面の中心と半径の組をすべて求める

答中心 で 、中心 で 、中心 (複号同順の4点)で 。合わせて8組

4直線すべてへの距離の2乗を書き下して連立する。( 軸)への距離がいちばん簡単なので、それを基準にすると式が軽くなる。

、半径 とする。4直線への距離の2乗は、(1) と同じ計算で

  1. :
  2. :
  3. :( を通り方向 )
  4. :( 軸そのもの)

である。 を基準にして、残りの3本と等しいとおく。

。

。

。

である。

はじめの2本を解く。 、( は )と書ける。足し引きして

である。符号の組ごとに書くと

  1. :、
  2. :、
  3. :、
  4. :、

である。これを3本目に代入する。

  1. : より 、 または
  2. : より 、
  3. : より 、
  4. :、 または

である。それぞれ中心と を求めると

  1. 、
  2. 、
  3. 、
  4. 、
  5. 、
  6. 、
  7. 、
  8. 、

の8組である。どれも で、実際に4直線すべてから等距離になっている。

4直線のうち と はねじれの位置、 と もねじれの位置にある。4本すべてに接する球が8個もあるのは、(1) で見たように「等距離の条件」が毎回2枚の平面に分かれ、 通りの組み合わせが生じるためである。

8つの中心それぞれで4直線への距離を計算すると、どれも4つとも同じ値(、、)になった。

は 軸なので距離が と最も簡単。これを基準にすると式がそろう。

平方根を外すとき の両方を残す。符号の組ごとに場合分けが必要である。

第5問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

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