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東京科学大学 2022年度 前期日程 理系
東京科学大 2022年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 複素数平面
2次方程式の解・実数解と虚数解で分ける・共役な解・領域の図示当サイトの体感難易度:やや難
を実数とし とする。 が 、 を満たしながら動くとき、 を満たす複素数 がとりうる値の範囲を複素数平面上に図示する
答実軸上の線分 と、 かつ の部分(単位円板を幅 の帯で切り取ったレンズ形)との和集合
が実数か虚数かで話が変わる。虚数なら共役も解なので が から決まってしまい、実数なら を自由に選べるぶん広がる。
が虚数のとき。 の係数は実数なので、 が解なら も解である。解と係数の関係より
である。条件は
である。逆にこれを満たす虚数 に対して、この をとれば は解になる。
が実数のとき。 とすると 、すなわち である。 が を動くとき は
の範囲をすべてとる。この区間が と交わればよい。左端については がつねに成り立つ。右端については
である( の2次不等式を解いた)。よって実数の解としてとりうるのは である。
まとめ。 求める範囲は
である。図示すると次のようになる。
は の正の解(黄金比)である。、、 とすると でちょうど解になる。
刻みの格子で、実際に 、 がとれるかどうかと、この答えが完全に一致した。
実数解のときは を自由に選べるので、虚数解のときより広い範囲になる。両方を合わせるのを忘れない。
虚数解のときは が から一意に決まってしまう。「 を選ぶ自由」がない。
第2問 整数
最大公約数・基本対称式・素数で考える・mod による絞り込み当サイトの体感難易度:やや難
(1)3つの正の整数 の最大公約数が であるとき、、、 の最大公約数は であることを示す
答共通の素因数 があると仮定すると、 が をすべて割ることになって矛盾する
「最大公約数が 」は「共通の素因数がない」と同じ。素数 が3つすべてを割ると仮定して矛盾を導く。
3つの数の最大公約数が でないとすると、共通の素因数 が存在する。以下それで矛盾を導く。
より、 は のいずれかを割る。 は対称なので としてよい。
次に
で、 かつ だから である。よって は か を割る。 も対称なので としてよい。
さらに かつ 、 より である。
これで は をすべて割るので、 の最大公約数が 以上になり、 であることに反する。したがって共通の素因数はなく、3つの最大公約数は である。
の全探索でも、 はつねに だった。
「素数 が積 を割るならどれかを割る」という性質を使う。合成数では成り立たないので、素数で考えるのが要点。
(2)、、 の最大公約数となるような正の整数をすべて求める
答
基本対称式 、、 で書き直すと、(1) が使える形になる。 以上の素数は入れないことがまず分かり、あとは と が入れないことを で示す。
、、 とし、 とおく。基本対称式で書くと
である。
以上の素因数はない。 素数 が を割るとする。 である。 より 、 だから 。 より 、 だから 。すると は をすべて割り、(1) に反する。よって の形である。
では割り切れない。 なので がすべて偶数ということはない。 なら、奇数の個数は 個か 個で、 個は除かれるのでちょうど 個である。奇数の2乗は で割ると 余り、偶数の2乗は の倍数なので
となり、 である。よって 。
では割り切れない。 を考える。平方数を で割った余りは か なので、 となるのは「3つとも 」か「3つとも 」である。前者は となり に反する。したがって はどれも の倍数でなく、 とあわせると (ともに 、またはともに )である。
のとき などと書くと
である。 より 、 より 、すなわち となって矛盾する。 のときも同様に矛盾する。よって 。
候補と実例。 以上より である。どれも実際に起こる。
- :、、 で
- :、、 で
- : で
- :、、 で
よって求める正の整数は
である。
の全探索で、現れた最大公約数は だけだった。
を基本対称式で書き直すのが出発点。そうすれば (1) がそのまま効く。
と を除くには 、 での議論が要る。候補を出しただけでは答えにならない。
4つの値すべてに実例を挙げる。
第3問 図形と方程式
直角三角形の頂点の軌跡・三角関数の合成・道のり・領域に入らないことの証明当サイトの体感難易度:やや難
(1) は を満たす実数とする。 および を満たす直角三角形 が、、、 は第一象限内、という条件のもとで から まで動くとき、 はある直線上を動くことを示し、その直線の方程式を で表す
答 は直線 (すなわち )の上を動く
がつねに成り立つことに気づくのが出発点。すると と決まり、 から の向きを だけ回した向きに進めば が得られる。
である。 によらず なのがこの問題の仕掛けである。
、 の直角三角形なので
である。 は単位ベクトルなので、これを だけ時計回りに回した単位ベクトルは
である。したがって
である(反時計回りに回すと が第一象限に入らない)。 座標を積和の公式で整理すると
となる。よって
である。これは原点から向き に進んだ点なので、 は原点を通る直線
の上を動く。 では なので であり、 は確かに第一象限にある。
と を4通りずつとって と を計算すると、 と になった。
( によらない)が効く。これがないと が に依存してしまう。
回す向きは2通りあるが、第一象限という条件で一方に決まる。
(2) から までの間に点 が動く道のりを で表す
答
は直線上を往復するので、速さは 。絶対値を外すために で区切る。
(1) より ( が単位ベクトルなので)である。 は一直線上を動くので、道のりは
である。 なので で符号が変わる。
である()。合わせて
である。
は のとき原点から最も遠い()。そこまで進んでから引き返すので、「行き + 帰り 」という形になっている。
で数値積分すると、 と小数9桁まで一致した。
は往復するので、始点と終点の距離ではなく道のり(絶対値の積分)を求める。
(3) 平面内において連立不等式 、 により定まる領域を とするとき、点 は領域 には入らないことを示す
答 だが、 の最小値がちょうど
の2つの不等式を 、 と読みかえ、(1) の を代入する。両辺が でそろう。
とおくと、(1) より で である。 に注意して、 の条件は
- :、すなわち
- :、すなわち
となる。つまり
である。
一方、 のとき は から まで動く。 はこの範囲で両端が最小になるので
である。したがって となることはなく、 は に入らない。
は2つの円(直径が と 、 と )の内部の共通部分である。 はその「ぎりぎり外側」を通り、 と では の境界上に来る。
を2万分割して調べても、 が に入ることは一度もなかった。
で割れるので、2乗の不等式が1次の不等式に落ちる。ここを丁寧に。
の最小値を取るのは区間の端。中央の では最大になる。
第4問 複素数平面
1次分数変換・アポロニウスの円・円か直線かの判定・通過領域と双曲線当サイトの体感難易度:難
(1) は正の実数とする。複素数 が かつ を満たしながら動くとき、複素数平面上の点 が描く図形を とする。 が円となるための の条件を求め、そのときの の中心が表す複素数と半径を で表す
答。中心 、半径
の式を について解き、 に代入する。 という「2定点からの距離の比が一定」の形になる。
を について解く。
である( なら左辺 で矛盾するので )。このとき
なので、 は
となる。
円か直線か。 これは「 と からの距離の比が 」という条件である。比が 、つまり ()のときは線分の垂直二等分線(直線 )になり、円にならない。それ以外ではアポロニウスの円になる。よって
が条件である。
中心と半径。 ( 実数)とおいて2乗すると
で、整理すると
である。 で割って平方完成すると、中心は
で、半径の2乗は
である。よって
である(中心は実数なので、実軸上の点を表す)。なお のとき は を満たさないので、 は円全体になる。
で 点を移すと、この中心・半径の円からのずれは 以下だった。
比が のときだけ直線になる。 を見落とさない。
と factor を出しておくと、アポロニウスの形だと見やすい。
(2) が (1) の条件を満たしながら動くとき、虚軸に平行で円 の直径となる線分が通過する領域を複素数平面上に図示する
答双曲線 の2つの枝で囲まれた部分(境界を含む)。ただし頂点 と は除く
中心を とおくと、半径 が だけで書ける。 を消去すれば、 の関係式になる。
中心を 、半径を とする。問題の線分は
である。
を消去する。 中心の式を について解くと
である。また で、 だから
すなわち
である。
中心の動く範囲。 なので は について増加する。
- : で 、 で 。よって のすべてをとる
- : で 、 で 。よって のすべてをとる
である。
領域。 条件は なので
すなわち である。平方完成すると
である。これは中心 、頂点 と の直角双曲線の「内側」(2つの枝のそれぞれが囲む側)である。 または という条件は、頂点の2点を除くことに対応する。よって求める領域は
である。
では円が点 に縮み、 では点 に縮む。どちらも「円」にはならないので、頂点の2点が抜ける。
を変えて中心と半径を計算すると、 が小数9桁まで成り立った。
中心と半径の両方に が入っているので、 を消去して の関係に直す。
中心のとりうる範囲( または )を調べて、端の2点を除く。
第5問 積分法・極限
積和の公式・中間値の定理・単調性と区分求積・期待値の極限当サイトの体感難易度:難
(1) は を満たす実数とし、 とする。 を満たす がただ1つ存在することを示す
答 で、条件は 。 の増減から解はただ1つ
まず積和の公式で を簡単にする。積分して整理すると の方程式になり、あとは増減と中間値の定理。
を簡単にする。 積和の公式 を使う。
なので
である。
積分する。
である。これが になる条件は
である。
解の個数。 とおくと
である。 では で は増加するので、 となるのは 、すなわち である。
- : で減少
- : で増加
である。端の値は
である。したがって
- では は から減って負のままなので、 の解はない
- では は連続で狭義増加し、負から正に変わるので、中間値の定理より解がちょうど1つある
である。よって条件を満たす はただ1つ存在する。
数値で解くと である( の内側)。
数値的に解くと で、 になった。
だが は範囲に入らない。 ではすぐ負になるので、左側に解はない。
(2) を満たす実数 について が成り立つことを示す
答()なので は増加。あとは を積分するだけ
が で増加することを微分で示す。 のおかげで が を超えない。
(1) より なので
である。、 のとき なので 、したがって である。つまり は で(広い意味で)増加する。
よって では
である。これを から まで積分すると()
である。
の増減を数値で確かめると、 で単調に増えていた。
という条件が「 が増加」を保証している。これがないと途中で減り始める。
(3) 個の数 を出目とするルーレットを 回まわす試行において、各 について が出た回数を とし、 が成り立つとする。このとき (1) の等式 が成り立つことを示す
答 の両辺を で割って とする
「全部で 回まわした」という当たり前の式を書き、極限をとるだけ。
回まわすのだから、出た回数の合計は である。
である。これは によらず成り立つので、 としてよい。和は有限個なので極限は各項の極限の和になり、仮定 より
である。左辺は区間をつなぐと なので
である。
を変えても、小区間の積分の和はつねに になった。
有限個の和なので極限と和を入れかえてよい。ここを言っておくと丁寧である。
(4)(3) の試行において出た数の平均値を とし、 とする。 が成り立つとき、極限 を を用いて表す
答( を使うと )
を、(2) の不等式で区分求積ではさむ。極限は になる。
平均値は なので、 として
である。
はさむ。 (2) を 、 で使うと
なので、 を掛けて足し合わせると
である。両端はどちらも の区分求積なので、 で に収束する。はさみうちの原理より
である。
計算する。 なので
である。部分積分で
なので
である。
(1) より なので、( なので正)である。これを入れると
とも書ける。どちらも数値では である。
で となり、 に近づいた。
はそのままでは区分求積の形ではない。(2) で小区間の積分を長方形ではさんでから区分求積に持ちこむ。
を掛けるとき、不等式の向きが変わらないこと(正の数を掛けている)を確かめる。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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