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東京科学大学 2020年度 前期日程 理系
東京科学大 2020年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
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第1問 整数
合同式・絶対値で符号が変わる範囲・連続する整数と余り・素数になる条件当サイトの体感難易度:やや難
(1) の値が を法として に合同である正の整数 をすべて求める
答
まず絶対値を外す。 の符号が変わるのは と のあいだなので、 と で分ける。あとは を で割った余りで調べる。
符号。 の解は で、 なので正の解は である。したがって正の整数 については
- : なので
- : なので
である。
で割った余り。 と から
- : なので
- : なので
- : なので
である(いずれも )。
のとき。 または で、 にはならない。解なし。
のとき。 または なので、 のときに になる。 のうち なのは なので、残る
が答えである。実際 、、 で、どれも で割ると 余る ✓。
の全探索でも だけだった。
絶対値を外す場所を先に決める。 では符号が反転するので、余りも 、 と変わる。
(2) 個の連続した正の整数 に対して ()の値がすべて素数になる の最大値と、その に対する連続した正の整数 をすべて求める
答 の最大値は 。そのときの数列は の1つだけ
(1) の余りの表から、 のときだけ が の倍数になる。 の倍数が素数なのは のときだけなので、そこから が決まる。
の倍数になるのはいつか。 (1) の計算より、 のとき(そしてそのときだけ) は の倍数である。
の倍数が素数になるのは、その値が のときだけである。
である。 は判別式 が平方数でないので整数解をもたない。 は で、正の整数解は である。
したがって で が素数になるのは だけである。
の上限。 連続する 個の整数には で割って 余るものがちょうど 個ある。どちらも にはなれないので、 は不可能である。よって である。
の場合。 連続する 個の整数のうち で割って 余るものの個数は、先頭 の余りによって
- :余りは で 1個
- :余りは で 2個
- :余りは で 2個
なので、 でなければならない。そのとき で割って 余るのは で、これが である必要があるから である。
確かめる。
- :(素数)
- :(素数)
- :(素数)
- :(素数)
- :(素数)
すべて素数なので が実現する。よって
である(この1組だけ)。
は から となる。()と ()で の倍数になって素数でなくなるので、そのあいだの長さ が最長である。
の全探索で、長さ4以上になるのは (長さ5)と (長さ4)だけだった。
「 の倍数かつ素数なら値は 」という一点に絞るのが要点。値が になる を求める。
連続 個のうち で割って 余るものが1個だけになるのは、先頭が の倍数のときだけ。ここで数列が決まる。
第2問 複素数平面
正三角形の条件・回転と2次方程式・外接円上の点・対称式の和当サイトの体感難易度:やや難
(1)複素数平面上の異なる3点 を複素数 で表す(同一直線上にはないとする)。 が正三角形となる必要十分条件は であることを示す
答 とおくと、正三角形 で、それを払うと与式になる
を中心に を 回すと になる、というのが正三角形の条件。回転は複素数の掛け算なので、比 の2次方程式になる。
なので とおける。
が正三角形であることは、 が を のまわりに または 回した点であること、すなわち
と同値である。つまり
である。この2数は2次方程式 の2解である(和 、積 )。逆にこの方程式の解はこの2数しかない。したがって
である。両辺に を掛けると
である。展開して整理すると
となる。よって求める必要十分条件が示された。
(1の原始3乗根)を使うと
と因数分解できる。2つの因数はそれぞれ「反時計回りの正三角形」「時計回りの正三角形」に対応する。
乱数で2万個の正三角形を作ると、左辺から右辺を引いた値はつねに だった。
の両方を拾う。片方だけだと「必要十分」にならない。
の2解がちょうど であることを言っておく。
(2) が正三角形のとき、外接円上の点 を任意にとる。 および を外接円の半径 を用いて表す
答、
外接円の中心を原点にとると になる。 は の1次式で書けるので、3つ足すと の和が消える。
外接円の中心を原点にとる。正三角形なので、 を使って
としてよい(必要なら全体を回す)。 は と書ける。
2乗の和。 頂点を ()とすると
である。 なので、3つ足すと
である。
4乗の和。 ()とすると
である。 とおいて2乗して足すと
である。 は ずつ違うので である。また で、 も ずつ違う(つまり ずつ違う)ので 、したがって である。よって
である。まとめると
で、どちらも の位置によらない。
で確かめると、、(正三角形の1辺)なので ✓、 ✓。
で を4通りとると、どちらの和も一定で 、 と一致した。
中心を原点にとると が使えて一気に片づく。
ずつ違う3つの角の の和も、 の2倍角の和も になる。この2つを使う。
第3問 空間図形
平面の方程式・線分との交点・方べきの定理の逆・領域の図示当サイトの体感難易度:難
(1)座標空間に5点 、、、、 をとり、、 に対して 、 を考える。 を通る平面を とするとき、 と線分 の交点 、 と線分 の交点 の座標を求める
答、
は3つの座標軸を 、、 で切るので、切片形で一発で書ける。
は 軸、 軸、 軸をそれぞれ 、、 で切るので、切片形で
である。
。 線分 は ()と書ける。代入すると
である( より ✓)。これを代入して
である。
。 線分 は で、まったく同じ計算により 、
である。
では 、 で、どちらも 上かつ線分上にあった。
平面の切片形を使うと計算が最短になる。法線ベクトルを求めてから…とすると遠回り。
(2)点 が同一円周上にあるための必要十分条件を を用いて表し、それを満たす点 の範囲を座標平面上に図示する
答 または (すなわち )。ただし 、
は平面 上、 は平面 上にあり、直線 と はどちらも を通る。方べきの定理の逆が使える形である。
2直線は で交わる。 はどちらも を満たし、 はどちらも を満たす。直線 と はともに平面 上にあるので交わり、その交点は 、つまり 軸上で 上の点である。 の式で とすると 、 なので、交点は である。
方べきの定理。 は直線 上、 は直線 上にあり、2直線は で交わる。 座標を見ると は 、 は 、 は正なので、 は線分 の外側、線分 の外側にある。したがって4点が同一円周上にある必要十分条件は
である。
計算する。
である。 の 座標に を足すと なので
である()。よって
であり、同様に である。条件は
すなわち である。展開して整理すると
である。したがって求める条件は
である。後者は
と書ける。漸近線が 、 の双曲線で、 である。 となるのは のときである。
2つの曲線は で交わる。 は を満たすからである。
数値で を計算すると、 のときと のときにちょうど になった。
4点が2つの直線に2個ずつ乗っていて、その2直線が1点で交わる、という構図に気づくこと。そこから方べきの定理(の逆)が使える。
が両方の線分の外側にあることを確かめる。内側だと符号つきの扱いが変わる。
でくくれる。 のほうを落とさない。
第4問 積分法
斜めの直線のまわりの回転・垂線の足・断面積の積分・パップス・ギュルダンでの確認当サイトの体感難易度:難
(1) を正の奇数とし、曲線 ()と 軸で囲まれた部分を 、直線 を 、 のまわりに を1回転させてできる回転体を とする。 に対して点 を 、 から に下ろした垂線と 軸の交点を とするとき、線分 を のまわりに1回転させてできる図形の面積を の式で表す
答
は に垂直なので、回すと円環になる。外側と内側の半径は、 と から までの距離である。
に垂直な方向は である。 を通りこの向きの直線は で、 軸との交点は のときだから
である。
点 と の距離は なので
である( は奇数なので では 、また かつ なのでどちらも 以上)。
線分 は に垂直なので、回すと外半径 、内半径 の円環になる。面積は
すなわち
である。
この面積を使った積分が、パップス・ギュルダンの定理と一致した((2) 参照)。
が に垂直であることが効く。斜めの線分だと円環にならない。
は和と差の積で一気に簡単になる。
(2)(1) の結果を用いて、回転体 の体積を の式で表す
答
に沿った位置を とすると、断面積は (1) の円環の面積。 と の関係を微分して に直す。
上の位置を測る。 の方向ベクトルは なので、点 の 方向の座標は である。 と はどちらも
である(同じ垂線の上にあるので当然)。微分すると
で、 は とともに(広い意味で)増加する。 の位置での断面積が (1) の なので
である。 を整理して
である。
積分する。 なので
で、部分積分により
である。したがって原始関数は
である。 は奇数なので 、、 はどちらも 、 である。よって
である。差をとると
なので
である。
パップス・ギュルダンの定理でも確かめられる。 の面積は 、重心は なので までの距離は で、 ✓。
で数値積分すると 、、 で、式の値と小数9桁まで一致した。
と の関係を忘れない。 に沿った長さで積分する。
が奇数であることを使って三角関数の値を確定させる。偶数だと符号が変わる。
第5問 積分法・極限
部分積分による漸化式・はさみうちと極限・次の項までの展開・漸近展開当サイトの体感難易度:難
(1) を正の整数とし とおく。 を と を用いて表す
答
部分積分を2回。、 なので境界項がきれいになる。
とおく。
である。 なので境界項は である。もう一度部分積分すると
である()。したがって
で、 なので
である。
で の級数から分数で出した値と比べると、小数30桁まで一致した。
(2) を限りなく大きくするとき、数列 の極限値 を求める
答
を部分積分すると、残る積分が で押さえられる。
とする。 なので部分積分して
である()。残った積分は より
である。よって
である。
は に集中していく重み()なので、 は に近づく、と見ることもできる。
で だった。
(3)(2) の極限値 に対し、 を限りなく大きくするとき数列 が ではない値に収束する整数 ()を求め、そのときの極限値 を求める
答、、
(2) の計算に出た「残りの積分」をもう一段評価する。(1) を使うと、その積分が で書ける。
とおくと、(2) より
である。 を部分積分すると
である()。したがって
である。 なので
である。(2) を に使うと 、つまり なので
である。 が残らないためには でなければならず、そのとき
である。 が でない値に収束するのは 、つまり のときで、そのとき極限は である。よって で
である。
で で、 に近づいた。
を で書き直すのが鍵。(1) の部分積分がそのまま使える。
でないと が発散する(または に収束してしまう)。
(4)(2) と (3) の極限値 に対し、 を限りなく大きくするとき数列 が ではない値に収束する整数 ()を求め、そのときの極限値を求める
答、、、極限値は
(3) で得た をもう一段展開する。 という展開が効く。
(3) の式を 倍の形に直すと、、 より
である。 を入れて とすると、 が消えて
である。ここで ()とおくと
である。(3) より であり、また
なので
である。 とこの第1項が打ち消すには でなければならず、そのとき
である。これが でない値に収束するのは 、つまり のときで、そのとき
であり( ✓)、極限値は
である。
まとめると という展開が得られたことになる。
で で、 に近づいた。
を と展開する。 と見てしまうと次の項が出ない。
なので と は連続しない(、)。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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