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大阪大学 2023年度 前期日程 理系

阪大理系 2023年度 数学の解答・解説

全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/14

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/14時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 極限

等比数列の和・不等式ではさむ・交代級数・はさみうちの原理当サイトの体感難易度:やや難

(1) の自然数とする。 のとき を示す

答真ん中は に等しく、 では

は公比 の等比数列の和。

は初項 、公比 の等比数列の和である。 でも なので

である。したがって真ん中の中かっこは

となり、 を掛けると なので

である。あとは で

を示せばよい。 なので、 なら3つとも で等号。 なら で割って

を示せばよい。左は 、つまり から従う。右は

から従う。(証明終わり)

x = 1上の線下の線
図は n = 2 のとき。真ん中の曲線が xⁿ/(1+x) で、うすい2本は下の線 xⁿ/2 と上の線 xⁿ − x^(n+1)/2。塗った帯のなかに収まっていて、x = 0 と x = 1 では3本とも重なる。

と の 点で、不等式も との一致も成り立った。

(2) とするとき を求める

答

(1) の等式を から まで積分すると、左辺が に化ける。

(1) の途中で示した

を から まで積分する。、 なので

である。つまり

である。(1) の不等式を から まで積分すると

である。 を掛けると

で、 のとき左辺は 、右辺は に収束する。はさみうちの原理より

である。したがって

である。

は に「交互に近づく」級数。差はおよそ で、符号を打ち消すと が残る、というのがこの問題の言っていること。

で となり、 に近づいた。

をそのまま計算しようとしない。(1) の不等式ではさむのが筋。

第1問だけのページ

第2問 ベクトル

内積の計算・正規直交な組をつくる・円板と半平面・距離の最大最小当サイトの体感難易度:やや難

(1)平面上の3点 が かつ をみたすとき、 を求める

答

、 とおくと 。

、 とし、、 とおく。 なので

である。与えられた条件は と

である。 なので

である。求めるものはこの そのものなので、答えは である。

で 。つまり は正規直交な組で、これを座標軸にとると (2) が見やすくなる。

、 から を作ると条件がすべて成り立ち、内積は だった。

(2)平面上の点 が かつ をみたすように動くとき、 の最大値と最小値を求める

答最大値 、最小値

を座標軸にとる。条件は「中心 半径 の円板」と「」。

(1) より は正規直交なので、これを座標軸にとって 、 とする。このとき

である。 とおくと、条件は

である。中心 の 座標がちょうど なので、この領域は円板をちょうど半分に切った左半分(直径を含む)である。

なので、原点 は円の外にある。

最小。円板全体で に最も近いのは、線分 を の側に延ばして円と交わる手前の点

で、その 座標は なので半平面の条件もみたす。よって最小値は

である。

最大。円板全体での最遠点は の向こう側 だが、 座標が を超えるので使えない。そこで境界 (直径)の上で考えると、 で だから、 のとき最大で

である。円弧( の側)の上では、()として

( で 、等号は )なので、やはり を超えない。したがって最大値は である。

OC最大最小
u, v を座標軸にとったときの領域(塗った左半分の円板)。中心は (1/3, 1/3)、半径は 1/3。原点から最も遠いのは上の端 (1/3, 2/3)、最も近いのは中心へ向かう向きの点。

の格子で走査すると最大 ()、最小 ()だった。

半平面で切られるので、円板だけで考えた最遠点は使えない。切り口(直径)の端も候補に入れる。

第2問だけのページ

第3問 微分(接線の本数)

接線が通る条件・解の個数と増減・端点も数える・領域の図示当サイトの体感難易度:難

とする。 の実数 のうち、曲線 上の点 における接線が を通るものの個数を とする。 かつ をみたす の存在範囲を求める

答 では 、 では 、 では ( のときはない)

接線が通る条件を の形にし、 の符号で増減を調べる。

における接線は である。 を通る条件は

である。 とおくと

である。 は における の解の個数である。端の値は

である。

のとき。 の符号は で正、 で負、 で正、 で負である。つまり

と動く。( は で減少、 なので で )だから、4本の単調な区間すべてで解をもつのは

のときである(等号では2本が1点で重なり 個になる)。

のとき。 は で正、 で負なので、単調な区間が2つしかなく である。

のとき。符号は で正、 で負、 で正、 で負なので

と動く。今度は ( は で増加、)である。4つの単調な区間の値域はそれぞれ

なので、4つすべてに が入るのは

のときである。ただし端では重なりが起きる。 では で2区間が重なって 個、(これが より大きいとき)では で重なって 個である。一方 は と という異なる2つの を与えるので重なりではない。したがって

  1. (このとき ):
  2. (このとき ):

である。まとめると求める範囲は

  1. :
  2. :なし
  3. :
  4. :

である。

b = cos ab = π/2 − ab = −1
N(P) = 4 となる範囲(塗った部分)。左の山は 0 < a < π/2 で曲線 b = cos a と直線 b = π/2 − a のあいだ、右の部分は π/2 < a < π で直線 b = π/2 − a(または b = −1)と曲線 b = cos a のあいだ。a = π/2 では range がつぶれる。

と はどちらも同じ直線 を与えるが、 としては別物なので 個と数える。 が を超えると が範囲に入るのは、このためである。

万点走査で解の個数を数えると、上の範囲の内部でだけ になり、 では でも だった。

数えるのは「接線の本数」ではなく「条件をみたす の個数」。 を1つにまとめない。

が極大・極小の値に一致すると2つの区間が1点で重なって 個になる。端の扱いがこの問題の山。

第3問だけのページ

第4問 空間ベクトル

垂線の足・射影の長さ・外積の大きさ・2次曲線当サイトの体感難易度:やや難

(1)、 とし、、 とする。 を通り直線 に垂直な平面を 、 と直線 の交点を とするとき、 を示す

答 は から直線 に下ろした垂線の足なので、 は の 方向への正射影

から 。

は の平面上、 は なので 、つまり である。 は を法線とする平面で を通るから、 より

である。つまり は から直線 に下ろした垂線の足である。 は直線 上なので とおくと

で、これと の内積が だから

である。したがって

となり、両辺に を掛ければ求める等式になる。(証明終わり)

ランダムに2万組とって確かめると、両辺の差は相対誤差 以下だった。

(2) をみたすように が 平面上を動くときの の軌跡を求める

答。 なら楕円、 なら放物線、 なら双曲線

。(1) を使うと外積の形にまとまる。

なので三平方の定理から

である。(1) より だから、 は

と同値である。左辺は である。、 なので

であり

となる。展開して整理すると

である。 なので の係数は正であり、形は の係数 で決まる。

  1. : の係数がともに正なので楕円
  2. (このとき ): の1次と だけが残り 、すなわち放物線
  3. :係数の符号が逆なので双曲線

である( で だと となり条件 に反するので、 のときは必ず )。 のときは平方完成して

と書ける。

、 なら 、つまり原点中心・半径 の円になる。対称性からも納得できる。

4組の について、求めた曲線上の点ではつねに になった。

は外積の大きさの2乗。これに気づくと成分計算がぐっと短くなる。

第4問だけのページ

第5問 確率

漸化式でつなぐ・合同式・逆元・確率の漸化式当サイトの体感難易度:やや難

(1)さいころを 回投げ、 回目の目を とする。 が の倍数となる確率を とするとき、 を求める

答、

は から なので の倍数にならない。。

で、 は から のどれかだから の倍数にならない。よって である。

である。 を固定すると を で割った余りは決まる。 に対して で、どれも でない。したがって をみたす の余りは から のどれかであり、 のなかにちょうど1つある。

よって がどれであっても確率 で、

である。

全探索すると 、 だった。

(2)数列 の一般項を求める

答

。 は と互いに素なので、 のときだけ次が の倍数になりうる。

定義から

である。 なので は の倍数でなく、 を法として逆元をもつ。

は と同じである。 は から までを等しい確率でとるので

  1. のとき: なので が要るが、そんな目はない。確率
  2. のとき: が逆元をもつので 、つまり から のなかにちょうど1つ。確率

である。したがって

である。 を解くと なので

である。 だから

である。

で 。 で割った余りが結局は一様にならされる、という当たり前の結論に落ち着く。 の値によらないのがきれいなところ。

の全探索で となり、式と分数のまま一致した。

は最初の1回だけでなく、 の式にずっと出てくる。 を固定して条件つき確率を考えるのが安全。

第5問だけのページ

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