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名古屋大学 2024年度 前期日程 理科系
名大理系 2024年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/05時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 微分法
極値・接線の本数・2次方程式の解の配置・整数解当サイトの体感難易度:やや難
(1)()の極値を求める
答 で極小値 (極大値はない)
、 の形で微分する。 でくくると符号が一目で分かる。
なので
である。 では なので、 の符号は の符号に等しい。
- :(減少)
- :
- :(増加)
よって で極小で
である。極大値はない。
、 で と一致した。
として微分する。 なので 倍して 。
は である。相加相乗平均で から最小値 と見てもよい。
定義域が なので端点はない。極大値は存在しない。
(2) 軸上の点 から にちょうど2本の接線を引くことができるような の範囲を求める
答
接点の 座標を として、接線が を通る条件を書くと が の式になる。それを の2次方程式に直し、正の解がちょうど2個になる条件を調べる。
接点を ()とする。接線は で、 を通る条件は
である。、 を入れると
で、両辺に を掛けて
となる。展開して整理すると
である。接線の本数は、① の正の解の個数に等しい。
は解でない。 ① に を入れると 。だから (水平な接線)になることはなく、① と接線が1対1に対応する。
正の解が2個になる条件。 ① の判別式は
である。2解の和は 、積は なので、異なる2つの正の解をもつ条件は
- : または
- (和):
- (積):
をすべてみたすことである。 と合わせると
である。
のときは で重解 、接線は1本だけ。 では実数解がなく 本、 では正の解が1つで1本である。
① の正の解の個数を ごとに数えると、 で1個、 で0個、 で1個(重解 )、 で2個だった。
を掛けて分母を払う。 なので符号は変わらない。
「接線の本数」は「接点の個数」である。別々の接点が同じ直線を与えないことは、①と接線が1対1に対応することから分かる。
解の配置は「判別式・和・積」の3つをそろえる。 が和と積をまとめた条件になる。
(3)(2) において2つの接点の 座標を ()とするとき、 がともに整数である組をすべて求める
答
① の2解が である。解と係数の関係から 、。 を消すと の関係式が出る。
は ① の2解だから
である。1本目から 、これを2本目に入れて
すなわち
である()。
範囲。 (2) の増減から、 のとき2つの解は をみたす( が の重解だった)。よって は 以上 以下の整数、 は より大きい整数である。
で となる約数は と である( は を割らない)。
- : より 。このとき
- : より 。このとき
どちらも をみたす。よって
である。
だと となり で整数にならない。 は重解の場合()で、接線が1本しかないので除かれる。
について ① の解を求めると 、、、(重解)で、両方整数になるのは前の2つだけだった。
を消して という積の形に持ち込む。これで約数を調べるだけになる。
という範囲を使う。これがないと の分解が 通りに増える。
なので などは数えない。
第2問 複素数平面
3次方程式の因数分解・1 の8乗根・変数の置き換え・共通解当サイトの体感難易度:難
(1)方程式 をみたす複素数 をすべて求め、複素数平面上に図示する
答(実部がすべて の3点)
を代入すると になるので、 で割れる。残りは2次方程式で、 だから虚数解になる。
を代入すると
なので で割り切れる。実際に割ると
である。 は
で、 より だから
である。よって3つの解は
である。図示。 3点はいずれも実部が なので、直線 の上に、実軸上の を中心として上下に ずつ離れて並ぶ。
で3つの解を代入すると、いずれも の値が になった。
が解であることは係数の和 から分かる。 が消えるのが仕掛けである。
という条件があるので、2次方程式の解は必ず虚数である。実数解になる場合を考えなくてよい。
(2)方程式 をみたす複素数 のうち実部が最大のものを求める
答
は の原始8乗根である。係数を見比べると になっていることに気づく。そうすれば (1) の解を で割るだけ。
なので、 は の原始8乗根()である。とくに
である()。
を見抜く。
である。、 だから
である。
解。 したがって で、(1) より 、すなわち
である。 を掛けるのは「偏角を 回す」ことである。 とおいて実部を計算すると
である。 なので が最大で、求める解は
である。
のとき の3解の実部は で、最大 は と一致した。
に気づけるかがすべてである。 を使って 、 と書き換えると見える。
である。 の共役でもある( だから)。
実部の比較では を使う。 と のどちらが大きいかは の符号で決まる。
(3) と が共通解 をもつとき、 の値と を求める
答、
の3解はすべて実部が である。 の3解の実部は 、 なので、どれが になりうるかを見る。
とおく。(1) より の解はすべて実部が である。一方 (2) より の解の実部は
である。共通解があるなら、このどれかが に等しい。
- : となり不可
- : となり に反する
- :。◯
よって 、すなわち
である( ほどで、確かに )。
。 このときの の解は
である。これは の解 と一致しているので、確かに共通解である。
、 で 、 になった。
「 の解はすべて実部が 」という (1) の形を使うと、比べるのが実部だけで済む。3×3 の組み合わせを総当たりしなくてよい。
である。有理化を丁寧に。
得られた が本当に の解でもあることを最後に確かめる。
第3問 空間ベクトル
内積・垂線の足・領域の最短距離・境界での最小当サイトの体感難易度:難
(1)内積 、、 を求める
答、、
成分を出して計算するだけ。以降ずっと使う値なので、ここで押さえておく。
なので
である。
なので2つは垂直でない。また なので平行でもなく、平面 がきちんと定まる。
成分から直接計算して を確かめた。
は である。原点からのベクトルと取り違えない。
(2)原点 から平面 に下ろした垂線の足を とするとき、 を と で表す
答
とおく。 が に垂直、つまり とも とも直交する、という2本の式を立てる。
とおくと である。
なので 、 である。
の条件は かつ で、(1) の値を使うと
である。2本目を で割って 、 を1本目に入れると
で、。よって
である(座標では )。
なので、 は領域 ()には入っていない。(4) で 上の最短を別に考える必要があるのはこのためである。
について 、 を確かめた。
「 が平面に垂直」であって「 が垂直」ではない。基準点 を足し忘れない。
(1) で求めた3つの内積をそのまま使うと連立方程式が立つ。成分に戻さなくてよい。
(3)領域 上の点 に対して、線分 上に ( は非負の実数)をみたす点 が存在することを示す
答 とすると が をみたす
線分 上の点を ()と書き、 の係数を にする を探す。
()とする。線分 上の点 は を使って
と書ける。
の係数を に。 を解くと 、すなわち
である。 より で、確かに線分上にある。この に対して
で、 より である。よって を に対応する点にとれば
となり、題意の が存在する。
は「 から 方向に伸ばした半直線」の上の点で、これは の境界( の側)そのものである。つまり「 の任意の点から に向かうと、途中で必ず境界を横切る」と言っている。
で として線分上の点を計算すると、いずれも と一致し、 も成り立った。
が に入ることを確かめる。 だから である。
も示す。、 から出る。
は の外にあるが、線分 の 側の部分は の中にある。境界を1回だけ横切る、という形になっている。
(4)領域 において原点 からの距離が最小となる点 の座標を求める
答(最小距離は )
は に垂直なので、 上の点 について である。だから に近いほど に近い。(3) の は線分 上なので より に近く、最小は半直線 上で起きる。
最小は 方向の半直線上にある。 なので、 上の点 について三平方の定理から
である。したがって は の増加関数である。(3) の は線分 上にあるので 、よって
である。つまり のどの点 をとっても、()の形の点でそれ以下の距離が実現できる。したがって最小を探すのは半直線
の上だけでよい。
1変数の最小。
である()。平方完成すると
なので、( なので条件内)で最小 をとる。
座標。
である。最小距離は ( ほど)。
を 通りに刻んで の最小を探すと (、)で、 と一致した。 で である。
は の外()なので、 が答えではない。(3) が「境界まで下げられる」ことを保証している。
の境界( 方向)だけ調べればよい。 の境界は (3) の議論でカバーされる( の点も の点なので、そこからさらに の半直線へ下げられる)。
なので端点ではなく内部の最小である。もし負になれば (つまり )が答えになる。
第4問 確率
反復試行・二項分布・微分して積分で表す・対称性当サイトの体感難易度:難
(1) に対して と を求める
答、
「 回以上」は余事象を使うのが速い。 は「1回も赤が出ない」の余事象、 はそこから「ちょうど1回」も引く。
回のうち赤玉がちょうど 回出る確率は である。
。 「1回以上」の余事象は「0回」だから
である。
。 「2回以上」の余事象は「0回または1回」だから
である。
、 で 、 となり、二項分布の和と一致した。
「 回以上」であって「ちょうど 回」ではない。余事象のほうが項数が少ない。
や でも式は正しい(、)。
(2) に対して を示す
答両辺を で微分すると一致し、 でともに
を の関数と見て微分する。和が望遠鏡のように打ち消し合って1項だけ残り、それが右辺の被積分関数に一致する。
とおく。右辺を とする。
を微分する。 積の微分で
である。ここで
を使う(どちらも階乗に戻せば確かめられる)。 とおくと
なので
である。()だから
である()。
を微分する。 微分と積分の関係から
で、 である。
初期値。 のとき、赤玉は1回も出ないので より 。また (積分区間の幅が )。 は導関数が で の値も だから、恒等的に である。よって
が成り立つ。
、、 のすべてで、左辺(二項分布の和)と右辺(数値積分)が 以内で一致した。
と の2つが鍵。階乗で書いて確かめる。
和が望遠鏡()になる。並べ方を揃えると見える。
での値を合わせる。導関数が等しいだけでは定数だけずれる可能性がある。
(3)自然数 に対して を求める
答
(2) の式で 、 となるように、すなわち「(2) の 」を 、 を 、 にとる。すると左辺が「 回中 回以上」の確率になり、対称性から だと分かる。
(2) の式で 、((2) の添字を と書いて)、 とする。すると 、 なので
である。
左辺は 。 、 のとき、 は「 回中、赤玉が 回以上出る確率」である。赤玉と白玉が同じ確率なので、赤と白を入れ替えても確率は変わらない。
は奇数だから「赤が 回以上」と「白が 回以上」はちょうど排反で、どちらかが必ず起こる。2つの確率は等しいので
である。したがって
である。
なら 。実際 で合う。 なら 。
で を数値積分すると で、 と小数12桁まで一致した。
の指数をそろえるには 、つまり が必要である。 なら 。
が奇数だから「 回以上」と「 回以下」がちょうど半々になる。偶数だと真ん中の場合が残って使えない。
などを計算する必要はない。対称性だけで が出る。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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