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東京科学大学 2025年度 前期日程 理系
東京科学大 2025年度 数学の解答・解説
全5問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。
第1問 積分法
部分積分・逆関数の定積分・置換積分・微積分学の基本定理当サイトの体感難易度:やや難
(1)関数 を に対して と定める。不定積分 を求める
答
部分積分。 の原始関数として ではなく を選ぶと、残る積分が ときれいに約分される。
なので、これを の原始関数として部分積分する。
である。残る積分は だから約分できて
である。よって
である( は積分定数)。
をとると残りが となり、割り算が必要になる。定数 をずらしておくのがこの問題のコツである。
求めた式を数値微分すると、 で と小数9桁まで一致した。
(2)()の逆関数を ()とし、 を 、 となる実数とする。定積分 の値を求める
答
逆関数の定積分は、グラフを で折り返して考える。長方形の面積から、もとの関数の定積分を引けばよい。
は ということである。同様に である。
は で増加する()ので逆関数をもつ。 のグラフは のグラフを直線 について折り返したものである。したがって
が成り立つ(下の図のとおり、左向きの領域の面積を「大きい長方形 小さい長方形 曲線の下の面積」で測った)。
(1) より とおくと
なので
である。よって
である。
逆関数 を2分法で作って数値積分すると で、 と一致した。
は の値であって の値ではない。 と読みかえる。
の係数は「上の長方形の横幅 」と「下の長方形の横幅 」。長方形の取りかたを図で確かめる。
(3)関数 を に対して と定める。 の、定義域を とする逆関数 が微分可能であることは証明なしに認めてよい。関数 を に対して と定めるとき、 を求める
答
逆関数の微分 を使うと被積分関数が になる。さらに と置換すると、 の2乗の積分、つまり の積分になる。
を書きかえる。 は の逆関数なので、逆関数の微分法より
である。したがって
である。
置換する。 とおくと である。 なので、 が から まで動くとき は から まで動く。また だから
である。
を求める。 微積分学の基本定理より なので
である。よって
である。(1) の について だから
である。
という形を見たら逆関数の微分を思い出す。 と直せば、あとは置換で の積分に化ける、という一本道である。
を数値積分すると、 で求めた式と小数9桁まで一致した。
の引数は であって ではない。
を確かめてから積分区間を に取りかえる。
は による。定数項の扱いを間違えない。
第2問 空間ベクトル
ねじれの位置の2直線・共通垂線・四面体の体積・三角関数の合成当サイトの体感難易度:やや難
(1)空間の点 を通り を方向ベクトルとする直線を 、点 を通り を方向ベクトルとする直線を とする。 を 上、 を 上の点とし、直線 が とも とも垂直であるとき、 と の座標、および線分 の長さを求める
答、、
をそれぞれ媒介変数で表し、 と2つの方向ベクトルとの内積が という2本の式を連立する。
を媒介変数 で
と表す。このとき
である。 の方向ベクトル との内積が より
である。 の方向ベクトル との内積が より
である。 を代入すると
である。よって
であり
である。
で、 は とも とも垂直になっている。2直線の共通垂線の向きである。
内積はどちらもちょうど 、長さは だった。
(2) 上に2点 、、 上に2点 、 があるとする( は実数)。四面体 の体積を とするとき、 を求める
答
は の方向ベクトルの定数倍、 は の方向ベクトルの定数倍である。体積の行列式をその形で整理すると、驚くほどきれいになる。
まず2つの辺ベクトルを計算する。
である( は 上、 は 上なので当然だが、係数が 、 になっているのがポイント)。、 とおく。
四面体の体積は
である。 で、行列式は同じ列を足しても変わらないから
である(、)。ここで
である。 を計算すると
で、 との内積は
である。 が消えてしまうのがこの問題の仕掛けである。したがって
である。 を入れると
である。
を6通りとって行列式から直接体積を求めると、この式と小数9桁まで一致した。
をそのまま使わず に分けると、行列式が「 の向き、つなぎ、 の向き」の形になる。
も も正なので、絶対値はそのまま外せる。
(3) が を動くとき、 の最大値と最小値を求める
答最大値 、最小値
(2) の を展開し、 でまとめる。 なので の2次関数になる。
展開すると
である。 とおくと より なので
である。 なので、 のとき は
のすべての値をとる。 は で増加するので、 では単調増加である。したがって
- ()のとき最大で
- ()のとき最小で
である。 なので
である。 では と がどちらも範囲に入るので、どちらの値も実際にとる。
、 である。 はそのあいだにある。
を から まで細かく走査すると、最大 ()、最小 ()だった。
を と で別々に最大化してはいけない。同時に にはできない。
の2次関数の頂点 は の外にある。だから区間の端で最大最小になる。
第3問 確率
終了条件のあるゲーム・並びの数え上げ・等比級数・級数の和当サイトの体感難易度:やや難
(1) とする。表が出る確率が 、裏が出る確率が である1枚のコインを使い、点数 から始めて「表が出るごとに 点加算、裏が出たときは点数はそのまま、2回続けて裏が出たら終了」というゲームを行う。 以上の整数 に対し、ゲームが終わったときに 点となっている確率を とするとき、 を を用いて表す
答、
終わるまでの表裏の並びを直接数える。最後の2文字は必ず裏裏で、その前には裏が2つ続いてはいけない。
とおく。ゲームが終わるときの表裏の並びは、最後が「裏裏」で、それより前には「裏裏」が現れないものである。さらに、最後の裏裏の直前の文字は表でなければならない(裏なら、そこで既に裏が2つ続いている)。
。 表が1枚だけ現れる。最後の裏裏より前の部分は「表」か「裏表」の2通りである。
- 表・裏・裏:確率
- 裏・表・裏・裏:確率
なので
である()。
。 表が2枚。表の前(2か所)にそれぞれ裏を 枚か 枚入れられる(2枚続けては入れられない)。最後の表のうしろには裏を入れられない(そこは最後の裏裏になる)。したがって裏の枚数 は で、入れ方は 通りである。
である。
では 、 で、状態遷移で求めた値と一致した。
最後の裏裏の直前は必ず表(または並びの先頭)。ここを見落とすと重複して数えてしまう。
(2) を と を用いて表す
答
(1) と同じ数え方を一般の で行う。表 枚の「前」に裏を 枚か 枚ずつ置く、という数え方で二項定理がそのまま効く。
終了までの並びを「 + 裏裏」と書く。 には裏が2つ続かず、 の最後は表(または は空)である。 に含まれる表の枚数が である。
枚の表を並べたとき、裏を入れられるのは「各表の直前」の か所だけで、それぞれ 枚か 枚である(2枚入れると裏が続く。最後の表のうしろに入れると が裏で終わってしまう)。裏を 枚入れる方法は 通りで、その確率は である。
最後の裏裏の確率 を掛けて、二項定理より
である。 のときも (いきなり裏裏)で合っている。
とおくと である。つまり点数は、成功確率 の幾何分布にしたがう。 のとき なので となり、確率の合計も合う。
のいずれでも、状態遷移で求めた とこの式が小数9桁まで一致した。
裏を置ける場所は か所ではなく か所。最後の表のうしろは使えない。
(3) を満たす実数 に対して が成り立つことを示す(必要ならば のとき であることを証明なしで使ってよい)
答部分和に を掛けて階差をとると等比級数になる
部分和 を作り、 を計算する。
とおく。
で、2つめの和で添字を とずらすと
である。はじめの2項をまとめると等比数列の和で
となる。 より なので
である。 より 、また与えられた事実より ()なので
である。すなわち級数は収束して
である。
では右辺 、部分和 だった。
無限級数は「部分和の極限」として扱う。いきなり項別に操作しない。
は与えられた事実()から従う。ここを使うことを明記する。
(4)無限級数 を を用いて表す
答
(2) で ()と書けた。 は、(3) の級数から等比級数を引けば出る。
とおく。 のとき で である。(2) より なので
である。 と分けると、(3) と等比級数の和から
である。よって
である。 だから
である。
なら で、平均 点でゲームが終わる。 では発散する(表ばかり出てなかなか終わらない)。
では で、 と一致した。
をそのまま (3) に当てはめない。 と のずれを等比級数で調整する。
第4問 数列・三角関数
フィボナッチ数列・カッシーニの等式・tan の加法定理・望遠鏡和当サイトの体感難易度:難
(1)数列 を 、 で定め、数列 を ()で定める。 に対して を求める
答
とおいて を で表すと、 という簡単な関係になる。
()とおく。漸化式 より
すなわち
である。漸化式より なので
である。初項は
だから、 である。よって
である。
から まで直接計算すると だった。
を導くときは、 と のどちらを分解するか決めてから進める。
(2)( は整数)に対して を求める
答
の加法定理で を の式にし、(1) のカッシーニ型の等式で分母を書きかえる。
なので、加法定理より
である(分母・分子に を掛けた)。分子は である。したがって
である。
分子を整理する。 、 なので
である。
分母と比べる。 (1) を (奇数)で使うと 、すなわち
である。これを使うと
となり、分子と分母が一致する。よって
である。
から まで数値計算すると、どれもちょうど だった。
(1) を使う の偶奇に注意する。ここでは (奇数)なので右辺は である。
加法定理の分母 が でないことは、()から分かる。
(3)無限級数 を求める
答
(2) は ということ。角の範囲を確かめれば となり、和が望遠鏡式にたたまれる。
(2) より のとき
である。 では 、 なので 、 であり
である。 も にあり、 はこの区間で1対1だから
である()。したがって部分和は望遠鏡式にたたまれて
である。 より 、 なので である。また より 、よって である。したがって
である。最後に の項を足す。 より なので
である。
具体的には ということである。分母に現れるのは奇数番目のフィボナッチ数 である。
から まで足すと で、 に近づいた。
から と言うには、 がともに が1対1である区間に入っていることが要る。ここを確かめる。
の項 は (2) の関係に乗らない( が定義されていない)。別に足す。
第5問 微分法
分数関数の増減・グラフの概形・方程式の解の個数・条件の読みかえ当サイトの体感難易度:難
(1)関数 ()の増減を調べ、グラフの概形をかく
答。 で極小値 、 で極大値
と分けてから微分すると楽である。分母 はつねに正なので、符号は分子だけで決まる。
なので
である。 なので、 の符号は の符号と同じである。したがって
- : で減少
- : で増加
- : で増加
- : で減少
である。極値は
で、 で極小値 、 で極大値 をとる。
そのほかの様子は
- なので原点について対称(奇関数)
- となるのは
- のとき 、 のとき ( 軸が漸近線)
- のとき ( 軸が漸近線)
である。グラフの概形は次のようになる。
、 で一致した。
は定義域に入らない。増減表は と を分けて書く。
と はどちらも増加だが、 をまたいで「増加」とは言えない。
(2)実数 が、、、、 を満たしながら動くとき、 が取り得る値の範囲を求める
答 または
2本の等式はどちらも 、 と書きかえられる。つまり「 の値が等しい3点が の順に並ぶ」という問題になり、(1) のグラフを横線で切る話に変わる。
条件を書きかえる。 1本目の等式は
である。 なので で、両辺を で割ると
である。2本目も同様に となる。よって条件は
である。つまり、ある値 について方程式 が相異なる3つ以上の解をもち、 はそのうち最小のもの、ということである。
解の個数を調べる。 とおく。(1) のグラフを で切ると
- または :解は1個
- :解は2個
- :解は3個( に1つ、 に1つ、 に1つ)
- :解は2個()
- :解は3個( に1つ、 に1つ、 に1つ)
である。したがって条件を満たす は または であり、このとき解はちょうど3個なので はその3個に決まる。
の範囲。 のときは、最小の解は の部分にある。この部分で は増加し、 である。 となる をこの範囲で探すと
なので、 である。 は で増加するから、 が から まで動くとき最小の解は から まで動く。両端は 、 にあたり条件を満たさないので
である。
のときは、最小の解は の部分にある。この部分で は減少し、 で 、 で である。 が から まで動くとき、最小の解は から まで動く。端は条件を満たさないので
である。以上より求める範囲は
である。
になっているのが鍵である。 を整理した は を解にもち、 でくくると (重解 とあわせて)が出る。
を細かく動かして の最小解を集めると、 と の2つの範囲に分かれ、、 と合った。
で割ってよいのは があるから。この条件を使うことを書く。
のときは解が の2個しかない。 をまたいで一続きの範囲にしない。
のときは極値をとる点で2つの解が重なり、相異なる解は2個になる。端点を含めない。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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