名工大数学の出題傾向と対策
名古屋工業大学・理系・2019〜2026年度の分析
120分・大問4題・完全記述式
8年間を通じて,試験時間120分,大問4題である。 問題冊子では原則として大問1題に1ページが与えられ,解答用紙も大問ごとに1枚ずつ用意される。 小問は1題につき3〜6問,1年では14〜17問であり,前の小問で得た式を次の小問で使う 連続誘導型が中心である。
| 年度 | 大問1 | 大問2 | 大問3 | 大問4 |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | 有理関数の接線・面積・回転体 | 指数関数の不等式・定積分の極限 | 円と角の二等分線・軌跡・弧長 | 複素数平面上の3点・共線・正三角形 |
| 2020 | 文字係数を含む関数の極値個数 | 連立漸化式・不変量・比の極限 | 円の外部の面積から立体の断面積へ | 三角形の外心・交点範囲・面積最小 |
| 2021 | 絶対値を含む関数・面積・接線 | 媒介変数曲線・距離・面積・回転体 | 1次式の漸化式と係数列 | 対称移動・垂直二等分線 |
| 2022 | 三角関数で表された運動・速度・弧長 | 多項式の共有点・面積・有理式積分 | 空間ベクトル・垂線の足・交点 | 複素数列・一般項・実数解の完全分類 |
| 2023 | 媒介変数曲線・面積・回転体 | 偶奇で定義された数列・桁数 | 四面体・射影・角の二等分線 | 有理関数・極値・面積・共有点個数 |
| 2024 | の微積分・接線本数 | 群数列・添字・算術幾何級数 | 媒介変数曲線・接線長・弧長・面積 | 四面体の展開図・内積・距離最小 |
| 2025 | 指数曲線の近接法線・極限・最小円 | 部分和の総和・文字係数漸化式 | 角の二等分線・外心・ベクトル射影 | 放物線と直線・面積最大・軌跡 |
| 2026 | 対数の3次式・極値・変曲点・面積 | 非線形漸化式・逆数変換・初期値分類 | 正四面体・射影・角・存在範囲の面積 | 根号曲線と直線・共有点分類・回転体 |
毎年「解析2題+数列・代数1題+幾何1題」
分野名だけを見ると年度ごとの差は大きいが,大問の役割はほぼ固定されている。
表面の設定は変えてあるが,120分で要求される処理量は本番に合わせている。
| 役割 | 8年中 | 名工大での現れ方 |
|---|---|---|
| 微分積分・曲線 | 毎年2題 | 増減,接線,媒介変数,面積・体積・弧長を一つの素材でつなぐ。 式の因数分解と積分区間の向きが得点差になる。 |
| 数列・漸化式 | 6年 | 具体項から補助数列・一般項へ進み,和・桁数・極限で終わる。 2022年度はこの枠が多項式と複素数列に置き換わった。 |
| 幾何・ベクトル | 毎年1題 | 辺長から内積を作り,垂直条件や係数比較へ進む。 平面幾何の角追いをベクトル表示へ接続する年も多い。 |
| 複素数平面 | 2年 | 式を解くだけでなく,共線・回転・実数性など図形条件まで完全に分類する。 |
誘導の読み方
名工大の計算は,途中で完全平方や低次式に整理されるよう設計されている。 式が不自然に巨大になったときは,展開を続ける前に,前小問の因数分解・対称性・置換を見直すべきである。
| 段階 | 設問の役割 |
|---|---|
| 第1段階 入口 | 微分,具体項,内積,共有点などを直接計算する。ここで得た式と記号を答案の余白に残す。 |
| 第2段階 道具 | 増減表,補助数列,垂直条件,媒介変数の微分など,後半で使う道具を作る。 |
| 第3段階 範囲 | 存在範囲,上下関係,場合分け,極値,交点個数を確定する。境界で接する場合を落とさない。 |
| 第4段階 完成 | 面積・体積・弧長・軌跡・極限・最短距離を求める。 前小問の式をもう一度作り直していると時間が足りない。 |
難易度と目標
4題の標準的な構成は,完答しやすい標準問題1題,本番標準〜やや難2題, 最終小問が難しい1題である。前半の小問を全題から集めるだけでも相当の得点になる一方, 一つの大問に固執すると,他題の基本計算を失う。
まず60点を安定させることを目標にし,次に70点台を狙う。 そのためには,1題完答と他3題の前半を確保し,さらに得意分野でもう1題を完成させるのが現実的である。 第1〜4回は本番相当,第5回は後半をやや重くしてある。
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