三重大数学の出題傾向と対策
三重大学・全学・2019〜2026年度の分析
区分と学部の対応
三重大学の前期日程の数学は,学部によって3つの区分に分かれる。 2026年度(令和8年度)の対応は次のとおりである。
区分の番号と学部の対応は年度により入れかわる (2025年度は② が医学科のみ,③ が工学部であった)。 番号ではなく「自分の学部がどの範囲で受けるか」で捉えること。
| 区分 | 対象学部 | 出題範囲 |
|---|---|---|
| ① | 教育学部・生物資源学部 | 数学 I・II・A・B・C または I・II・III・A・B・C |
| ② | 医学部医学科・工学部 | 数学 I・II・III・A・B・C |
| ③ | 人文学部法律経済学科・医学部看護学科 | 数学 I・II・A・B・C |
形式
試験時間120分,大問3題,完全記述式。解答用紙は2枚。 名古屋大学などと違い,数学公式集は配付されない。 和積・積和,回転体の体積,曲線の長さといった公式は自分で用意しておく必要がある。
3つの冊子は「重なって」いる
三重大の最大の特徴がこれである。 2026年度を例にとると,重なり方は次のようになっていた。
2019--2024年度も同様で, 「② 専用の差し替え小問は数学IIIか複素数平面か整数」「共通の小問は数学I・II・A・B・Cの範囲」 という住み分けが一貫している。
| 大問1 | 小問5問。(1)〜(4)は3区分で完全に同一,(5)だけが差し替えられる (① ・③ は確率漸化式,② は複素数平面)。 |
|---|---|
| 大問2 | ① と ③ が同一問題。② だけ別問題。 |
| 大問3 | 区分ごとに別。① は2題からの選択,② は数学III,③ は数学II。 |
大問1(小問集合)が合否を決める
8年間で大問1はつねに小問集合であった。分野別に数え直すと次のようになる。
大問1は5問で40点。 1問あたり8点は大問2題ぶんの4分の1以上にあたる。 ここを4問確保できるかどうかが,そのまま合否になる。
| 分野 | 8年中 | よく出る型 |
|---|---|---|
| 三角関数 | 8 | の置換,加法定理・3倍角,方程式の解の図示 |
| ベクトル | 8 | 内積と三角形の面積,内分点,空間の平面と垂線の足 |
| 確率 | 8 | 袋と球(球を移してから取り出す),反復試行,条件付き確率 |
| 指数・対数 | 7 | 底の変換,対数不等式,大小比較 |
| 数列 | 6 | 漸化式(2項間・3項間),和の計算 |
| 複素数平面 | 6 | ② 専用。極形式・ド・モアブル・像の決定 |
| 図形と方程式 | 5 | 軌跡,領域の図示,領域における最大最小 |
大問2・大問3の型
| 大問2(① ・③ 共通) | ベクトル(平面・空間)/数列と漸化式/三角関数・対数の総合/軌跡と最大最小。 数学IIIを使わずに解ける題材が選ばれる。 |
|---|---|
| 大問2(② ) | 確率(漸化式・期待値・分散)/整数とベクトルの融合/数列と極限。 2023--2026年度は確率か数列が4年連続。 |
| 大問3(① ) | 2題から1題を選択。一方が数学III(増減・凹凸・面積・体積), 他方が数学II(3次関数・定積分)であることが多い。 |
| 大問3(② ) | 数学IIIの微積分。増減・凹凸を調べてグラフをかき,面積・回転体の体積・曲線の長さへ。 8年間で例外なし。 |
| 大問3(③ ) | 数学IIの微積分。接線・3次関数の極値・絶対値つき定積分・面積。こちらも8年間で例外なし。 |
難易度と目標
三重大は「典型問題を,丁寧な誘導で,正確に書かせる」という設計である。 発想を要求する問題はほとんど出ない。かわりに, 場合分け・定義域の断り・十分性の確認といった「書くべきこと」を書いたかどうかで差がつく。
各大問の(1)(2)は教科書の例題〜入試標準の水準で, 最終小問だけが一段上がる。とくに医学部医学科向けの大問3は, 極限や不等式の評価まで踏み込む年がある。
目標は次のとおり。
どの区分でも大問1で8割が前提になる。 大問3に時間を使いすぎて大問1の見直しをしないのが最悪の失敗である。
| 区分・学部 | 目標得点(100点換算) | 内訳の目安 |
|---|---|---|
| ② 医学部医学科 | 80点 | 大問1で36点,大問2・3で計44点 |
| ② 工学部 | 65〜70点 | 大問1で32点,大問2・3で計35点 |
| ① 教育・生物資源 | 60〜65点 | 大問1で32点,大問2・3で計30点 |
| ③ 人文・医看護 | 60点 | 大問1で32点,大問2・3で計28点 |
この分析からつくった予想問題集
合格答案をつくる シリーズは、2019〜2026年度のこの出題分析をもとに書き下ろした三重大数学のオリジナル予想問題集です。本番形式の問題に加え、どこで何点入るかを示した採点基準と別解を収録しています。
- Amazonで見る
合格答案をつくる 三重大数学 2027
170ページ・¥2,450