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東京大学 2025年度 前期日程 文科
東大文系 2025年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/11
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 図形と方程式
接線と法線・放物線と直線の交点・相加相乗平均・最小値当サイトの体感難易度:標準
(1) の 座標を求める
答
放物線と直線の交点は、連立して2次方程式を解けばよい。ただし が解であることは分かっているので、因数 でくくれる。くくった残りがそのまま答えになる。
より なので、 における接線の傾きは である。 だから、これと直交する直線 の傾きは で
である。 と連立すると
となる。 は だから、 の 座標は である。
なら の 座標は 。 での法線は で、 を入れると となり、確かに放物線上にある。
(2) が正の実数全体を動くとき、 の 座標の最小値を求める
答( のとき)
(1) で作った「点の 座標 法線のもう一方の交点の 座標」という対応は、 の符号によらず の形で同じように使える。だから の 座標はこの対応を2回繰り返したものになる。 とまとめると、相加相乗平均で の範囲が決まり、あとは の増加関数になる。
の 座標を とすると、(1) と同じ計算( を に置きかえるだけで、 なら途中の式はそのまま通る)で、 の 座標は である。
とおくと で、 だから
となる。 での相加相乗平均より
で、等号は 、すなわち のときに成り立つ。また が正の実数全体を動くとき は 以上のすべての値をとる。
次に の増減を見る。 で、 では だから正である。よってこの関数は で増加し、 のときに最小になる。
したがって の 座標の最小値は である。
のとき 、 の 座標は 、 の 座標は 。 では 、 の 座標は でわずかに大きい。 を 万等分した全探索でも最小は ()だった。
(1) の公式を使い回すとき、 の 座標は負である。 を仮定して導いた式でも、途中で を使っているのは「接線の傾きが でない」ところだけなので、 ならそのまま成り立つ。
に相加相乗平均をもう一度使うと最小が のときになるが、 なのでその値はとれない。範囲の端で最小になることを、増加であることから言う。
第2問 図形と計量
円による被覆・垂直二等分線・外接円の半径・場合分け当サイトの体感難易度:難
(3)()のとき、 と を で表す((1)(2) はその特別な場合)
答、。とくに (1) では 、、(2) では
「 に含まれる」は「どの点も3頂点のどれかから距離 以内」ということなので、 を求めればよい。 は を3辺の上で、 は三角形全体で動かしたときの値である。 のほうは、垂直二等分線で分けて「どの頂点がいちばん近いか」ごとに考えると、各部分は凸多角形になり、頂点だけ調べれば最大が分かる。
を原点、 の二等分線を 軸にとり、、 とおいて
とする。 ✓、 で、 から までの距離は である。 の中点を とする。
「図形が に含まれる」とは、その図形のどの点 についても ということである。したがって は3辺の上での、 は三角形全体での、この最小値の最大である。
を求める。 辺 の中点を とすると で、中線の長さの公式から
なので である。よって については3つの距離がすべて 以上で、 が必要である。逆に なら、辺 、 は長さ なので両端の円だけで覆える。
残るのは辺 (長さ )である。 の円だけで覆えるのは のとき。そうでないときは真ん中が の円で覆われなければならない。 の円は直線 を、 を中心とする長さ の部分で切るので、条件は
となる。つまり辺 が覆われる条件は である。合わせて
である。 は 、すなわち と同値、 は と同値なので、 は答えの3段の式になる( はつねに成り立つ)。
を求める。 軸について対称なので、 の側だけ考えればよい。 では
なので となり、 が最も近い頂点になることはない。つまり である。
そこで、三角形の上半分(、、 を頂点とする直角三角形)を、 の垂直二等分線 で2つに分ける。定点からの距離は凸関数なので、凸多角形の上での最大は頂点で起きる。各部分の頂点を調べればよい。
この垂直二等分線は、辺 ()とは で、辺 ()とは で交わる。 は 、すなわち と同値である。
- のとき:二等分線は 上の点 と の中点を結ぶ。 側の部分の頂点は 、、 の中点で、 からの距離はそれぞれ 、、。 側の部分の頂点は 、、、 の中点で、 からの距離は ( は二等分線上なので )、、、。 は と同じでつねに成り立つので、最大は 。これは外接円の半径である。
- のとき:二等分線は 上の点 と の中点を結ぶ。 は二等分線上なので で、 である。 側の部分の頂点は 、、、 の中点で、 からの距離は 、、、。 側の頂点は 、、 の中点で、 からの距離は 、、。 は と同じなので、最大は 。
以上から は答えの2段の式になる。
(1)(2) の値。 のとき なので 、 より (正三角形の外接円の半径)。 のとき なので である。
3辺を 等分して「3頂点までの距離の最小」の最大を数値で求めると、 で 、 で となり、式の 、 と合う。三角形の内部も の格子で調べると、 で 、 で となり、どちらも に(格子の刻みぶんの誤差で)一致する。
と は では一致する。最後まで覆われずに残る点が辺 の上にあるためで、「三角形のほうが辺より広いから が大きいはず」とは限らない。
を「外接円の半径」と答えてしまうのは (鋭角三角形)のときだけである。鈍角になると外心が三角形の外に出て、最も覆いにくい点は辺 の上に移る。
の場合分けは と の2か所で起きる。前者は「辺 と辺 のどちらが厳しいか」、後者は「辺 を両端の円で覆うか の円も使うか」の切り替わりである。
第3問 確率
確率漸化式・状態の分類・等比数列・対称性当サイトの体感難易度:やや難
(1) のとき、右から2番目の玉が白玉である確率を求める
答
手順が見るのは右端の2個だけなので、「右から2番目と1番目の色の組」を状態として追えばよい。4通りの状態の間の推移を書き出せば、あとは順に計算するだけである。
手順 で参照されるのは、新しくおく玉の1つ左と2つ左の色だけである。そこで「右から2番目の色、右から1番目の色」の組を状態とする。状態を 、新しい玉の色を と書く。
- のとき:とりかえは起きない。新しい状態は 。
- かつ のとき(このとき ):とりかえは起きない。新しい状態は で、2色が異なる。
- かつ のとき(このとき ):1つ左の玉が にとりかえられるので、右端3個が となり、新しい状態は 。
色を白 、黒 と書くと、推移は次のようになる(どの枝も確率 )。
- または
- または
- ()または (、とりかえ)
- ()または (、とりかえ)
回後の各状態の確率を (順に )とすると
である。初めは だから、順に
となる。右から2番目が白であるのは か のときだから、求める確率は である。
手順をそのまま実装して 万回試すと、 で右から2番目が白になる割合は となり、 と合う。
(2) を正の整数とするとき、右から2番目の玉が白玉である確率を求める
答
4つの状態を別々に追うより、「右から2番目の色がどう変わるか」だけを見るほうが速い。手順を見ると、右から2番目の色は「変わらない」か「元の右端の色になる」かのどちらかで、しかも変わるのは限られた場合だけである。あわせて が等比数列になることを使う。
(1) の3つの場合を、「新しい右から2番目の色 」の目線でまとめ直す。とりかえが起きないときは (元の右端)、とりかえが起きるときは左の玉が に変わるので である。つまり
- のとき:とりかえは起きず 。色は変わらない。
- のとき:(確率 )ならとりかえが起きて 、(確率 )なら 。
つまり右から2番目の色が変わるのは「 かつ 」のときだけで、そのとき白と黒が入れかわる。 を「右から2番目が白」の確率とすると
である( から白が減り、 から白が増える)。そこで を求める。漸化式から
であり、 だから 、したがって
となる。よって で
である。 なので、 では
となる( でも で合う)。
なら で (1) と一致する。状態の確率を分数のまま まで追っても、 となり、すべて に一致する。
「右から1番目が白」の確率は でつねに である。新しくおいた玉はとりかえの対象にならないので、右端の色はコインの表裏そのものだからである。問われているのは2番目なので、こちらとは別に扱う。
(3) を正の整数とするとき、右から1番目と2番目の玉がともに白玉である確率を求める
答、すなわち が偶数なら 、奇数なら
求めるのは である。(2個が同色)と の2つが分かれば が出る。後者は (2) で求めた。前者は「同色か異色か」だけを見る2状態の漸化式になり、(1) の推移表から「異色からは必ず同色へ移る」ことが読み取れる。
(1) の推移表を「2個が同色か異色か」だけで見ると、
- 同色からは、確率 で同色、 で異色へ。
- 異色からは、 でも (とりかえ)でも新しい2個は同色になる。つまり確率 で同色へ。
となる。異色である確率を とすると で
である。 と変形できて だから
となる。したがって同色である確率は
である。(2) で を得ているので、辺々足して2で割ると
となる。 をほどくと
である。
:。:。: で、(1) の計算と一致する。分数のまま まで追っても となり、式と完全に一致した。 万回のシミュレーションでも で (式は )だった。
「異色からは必ず同色へ移る」が効いている。とりかえが起きる場合も起きない場合も結果が同色になるので、確率 である。
では で、 ではない。右端2個が同色になりやすい仕掛けがあるので、4状態が等確率にはならない。
第4問 積分法
絶対値を含む不等式・放物線で囲まれた面積・3次関数の最大・場合分け当サイトの体感難易度:標準
で の最大値を求める
答( のとき)
上の境界 と下の境界 の差を積分する。絶対値は の符号で割れるので、 か かで形が変わる。 のときは を変数にとると、面積が の3次式になって扱いやすい。
とする。上の境界を 、下の境界を と書く。
のとき。 なので で
である。これが 全体で 以上になるのは 、すなわち のときで、そのとき
となり、 について減少する。 では区間が狭まるのでさらに小さくなる( として となり、やはり減少)。よって では の が最大である。
のとき。 とおくと、 で 、 で である。
()のときは 全体で となり
である( なので被積分関数は正)。これは増加するので、この範囲では の が最大である。
()のときは2つに分ける。 では 、 では で、どちらもこの範囲で正である。 を使うと
であり、
である。足すと
となる。微分すると
で、 で正、 で負。よって 、すなわち で最大になり
である。 は、ほかの範囲での最大 ()や ()より大きい。よって求める最大値は である。
、、 で、数値積分の値 、、 と一致する。 を から まで 万等分した全探索でも、最大は ()で と合う。
では下の境界が で折れる。 をそのまま として積分すると、折れた部分のぶんだけ面積を取り違える。
そのものではなく を変数にとると、面積が の3次式になって微分しやすい。 の範囲 ()を忘れない。
では上下の境界が交わって区間が狭くなる。この範囲でも は減少し続けるので最大には関わらないが、場合分けとしては触れておく。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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