東京大学・文系
東大文系数学の
傾向と対策
2019〜2026年度(8年分)の過去問分析
この分析からつくった問題集
- 試験時間
- 100分
- 大問数
- 4題
- 1題あたり
- 25分
- 数学の配点
- 80点
よく出る分野(全32題中の出題数)
- 微分・積分10
- 場合の数・確率8
- 図形と方程式6
東大文系数学の頻出分野
8年分・全32題の出題分野を数えたもの。棒が長い分野ほど、繰り返し狙われています。
- 微分・積分(数学II)10題/32題
2次・3次関数に限られる。面積・接線・解の個数
- 場合の数・確率8題/32題
8年連続で毎年1題。数え上げ型と漸化式型が半々
- 図形と方程式(軌跡・領域)6題/32題
「図示せよ」が3回。通過領域・存在条件が中心
- 整数(合同式・約数・対数)4題/32題
2020, 2021, 2022, 2024
- ベクトル・空間図形3題/32題
2019, 2023, および 2022(確率との融合)
- 平面図形・三角比1題/32題
2025
形式は8年間不変
試験時間100分、大問4題、完全記述式、配点80点。解答用紙は大問ごとに1枚。理科(150分・120点・6題)とは別問題で、文科・理科の共通問題が1〜2題含まれる年が多い。名古屋大学などと違い、東大では「数学公式集」は配布されない。公式は自分で用意しておく必要がある。
横にスクロールできます
| 年度 | 第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | 正方形内の3点と三角形の面積比 | 内積と距離の条件がつくる領域・ の範囲 | 正八角形上のランダムウォーク | 絶対値の領域とベクトルの差の動く範囲 |
| 2020 | 3次曲線と 軸で囲まれた領域の格子点 | の格子点から5点を選ぶ場合の数 | 半直線の通過領域・正三角形をなす条件 | の積の和と整式 |
| 2021 | 3次曲線と円の共有点の個数 | 連続する整数を含む・含まない集合の個数 | 2放物線の共有点の条件と通過領域の図示 | 二項係数を4で割った余り |
| 2022 | 放物線の直交する2接線と円 | 3次曲線と法線・解と係数の関係 | 漸化式で定まる数列の余りと最大公約数 | ベクトルとコイン投げの確率 |
| 2023 | 2次方程式の解の対称式の最小値 | 点と直線の距離の定積分・最大最小 | 玉の並べ方と条件付き確率 | 球面上の4点と四面体の体積 |
| 2024 | 放物線と円の共通接線・面積・不等式 | 常用対数と最小の自然数 | 角の条件をみたす点と面積比 | 正 角形から4点・中心を含む確率 |
| 2025 | 放物線の接線に直交する直線の反復 | 二等辺三角形と3つの円 | コインと玉の並びの手順・確率 | 連立不等式の表す領域の面積の最大 |
| 2026 | 放物線と 軸で囲む面積の範囲 | 格子点から3点・三角形になる確率 | 2次関数と折れ線の共有点の個数 | 3次曲線の3接線のなす角と面積 |
「微積分・図形と方程式・確率」の3本柱
8年32題を分野別に数え直すと、東大文科の設計がはっきり見える。確率(場合の数を含む)が毎年必ず1題、2次・3次関数の微分積分が毎年1〜2題、残りを図形と方程式・整数・ベクトルが分け合う。
もっとも重要な事実は、東大文科の微積分は 2 次関数・3 次関数に限られる という点である。 公式、 公式、3次関数の対称性——道具は少ない。少ない道具をどう組み合わせるかだけが問われている。
| 分野 | 32題中 | 特徴 |
|---|---|---|
| 微分・積分(数学 II) | 10 | 2次・3次関数に限られる。面積・接線・解の個数 |
| 場合の数・確率 | 8 | 8年連続で毎年1題。数え上げ型と漸化式型が半々 |
| 図形と方程式(軌跡・領域) | 6 | 「図示せよ」が3回。通過領域・存在条件が中心 |
| 整数(合同式・約数・対数) | 4 | 2020, 2021, 2022, 2024 |
| ベクトル・空間図形 | 3 | 2019, 2023, および 2022(確率との融合) |
| 平面図形・三角比 | 1 | 2025 |
小問は「2問前後」しかない
8年間の小問数は 8, 7, 8, 9, 6, 8, 8, 7 で、1題あたり平均1.9問。小問がまったく置かれずいきなり結論だけを問う大問が8年で6回ある(2020第1問、2021第1問、2023第1問、2024第4問、2025第4問、2026第1問)。
つまり東大文科では、誘導は自分で作らなければならない。これは名大や阪大のように (1)(2)(3) が丁寧に並ぶ大学との決定的な違いである。
全20題のうち小問をまったく置かない大問を5題(25%)、小問2つの大問を5題(25%)、小問3つの大問を10題(50%)とし、1題あたりの小問数を平均2.0問にそろえてある(直近3年の本番は 0, 2, 2, 3/2, 3, 3, 0/3, 2, 3, 0 で平均1.9問)。そこではどこで区切って何を先に求めるかを、自分で決めることになる。
| 型 | 構造と対処 |
|---|---|
| A。条件範囲・最大最小 | 「〜が動くとき のとりうる値の範囲を求めよ」。 変数が2つあって条件式で1つに減らすのが第一歩。8年で最頻出。 |
| B。図示せよ | 軌跡・通過領域・存在範囲。境界を含むか含まないかで毎年差がつく。「ある が存在する」を の方程式が解をもつ条件に翻訳する。 |
| C。個数を求めよ | 共有点の個数・接線の本数・場合の数。定数分離と増減表、または重複を数えない工夫。 |
| D。示せ | 32題中の小問61問のうち「示せ」型は約2割。理科より少ないが、 出たら差がつく。 |
難易度と目標
東大文科の数学は「1題は取りやすく、1題は非常に重い」という設計である。4題のうち1題は標準的な問題集の水準であり、これを落とすと苦しい。一方で毎年1題は、方針が立っても計算量か場合分けで押し切れない題が置かれる。
実際に32題を4段階(易/標準/やや難/難)で分類すると 易 0 題・標準 4 題・やや難 18 題・難 10 題で、「易しい大問」は8年間で1題もない。「1題は取りやすい」と言われるのは標準のことであって、易ではない。
目標は文科一類で2完+2半(50点前後)、文科二類・三類で2完(40点前後)。4題すべてに手をつけ、取れる小問だけを拾う戦い方が正解であり、1題に固執して他題に手をつけないのが最悪の失敗である。
この分析のあと、何をするか
やりたいことを選ぶと、東大文系数学で用意しているものに移ります。
過去問の解答・解説
東大文系数学の過去問について、当サイトが独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を公開しています(全32問)。 大学の公式解答ではありません。問題文は載せず、東京大学公式の問題公開ページへリンクしています。
- 2026年度 数学(文科・前期日程)第1問 2次関数・積分法/第2問 確率・場合の数/第3問 関数・方程式/第4問 微分法・図形と方程式全4問
- 2025年度 数学(文科・前期日程)第1問 図形と方程式/第2問 図形と計量/第3問 確率/第4問 積分法全4問
- 2024年度 数学(文科・前期日程)第1問 図形と方程式・積分法/第2問 指数・対数/第3問 図形と方程式/第4問 確率・場合の数全4問
- 2023年度 数学(文科・前期日程)第1問 2次方程式/第2問 積分法/第3問 確率/第4問 空間図形全4問
- 2022年度 数学(文科・前期日程)第1問 2次関数/第2問 微分法/第3問 整数/第4問 確率・ベクトル全4問
- 2021年度 数学(文科・前期日程)第1問 微分法/第2問 場合の数/第3問 図形と方程式/第4問 整数全4問
- 2020年度 数学(文科・前期日程)第1問 微分法/第2問 場合の数/第3問 図形と方程式/第4問 整式・数列全4問
- 2019年度 数学(文科・前期日程)第1問 図形と方程式/第2問 図形と方程式/第3問 確率/第4問 図形と方程式全4問
東大文系数学の対策の進め方
東大文系の数学は、出題の形が年度をまたいでよく似ています。だから形式と頻出分野を先に押さえてから演習するほうが、いきなり過去問に入るより速く仕上がります。
東大文系数学の出題形式と頻出分野をつかむ
東大文系の数学は100分で大問4題、完全記述式です。単純に割ると1題あたり約25分で、見直しの時間を引くと実際にはもっと短くなります。2019〜2026年度(8年分)の出題を分野別に数えると微分・積分・場合の数・確率・図形と方程式が多く、ここが得点源にも失点源にもなります。
年度別の出題一覧で、過去問を解く順番を決める
このページの年度別の表を見て、微分・積分のように毎年出ている分野から過去問に当たると、手をつけた順に積み上がります。
本番と同じ形式で、答案を仕上げる
最後は本番の形式で通して解き、答案として書ききる練習をします。合格答案をつくる 東大文系数学は、この分析をもとに書き下ろした予想問題5回分に、どこで何点入るかを示した採点基準を付けたものです(全2巻)。
書籍の中身を見る(試し読み)
合格答案をつくる 東大文系数学 2027から、4ページを抜き出して載せています。扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
東大文系数学について、よくある質問
- 東大文系の数学は何分で何題ですか?
- 試験時間は100分、大問は4題、解答形式は完全記述式、数学の配点は80点です。単純に割ると1題あたり約25分で、見直しの時間を引くと実際にはもう少し短くなります。
- 東大文系の数学で頻出の分野はどこですか?
- 8年分・全32題の出題を分野別に数えると、微分・積分(数学II)(10題)、場合の数・確率(8題)、図形と方程式(軌跡・領域)(6題)が多く出ています。ページ内の分野別グラフで全体の偏りを確認できます。
- 東大文系の数学は何点を目標にすればよいですか?
- 目標は文科一類で2完+2半(50点前後)、文科二類・三類で2完(40点前後)。
- 東大文系の数学は記述式ですか?
- 東大文系の数学は完全記述式です。答えの数値だけでなく、途中の論証を最後まで書ききる力が問われます。
- 東大文系の数学の過去問は何年分さかのぼるべきですか?
- このページでは2019〜2026年度の8年分を年度別・分野別の表に整理しています。まとめて並べると、分野の配置や小問の型がどこまで固定されているかが見えてきます。
合格答案をつくる シリーズ
東大文系数学の予想問題集
このページの2019〜2026年度(8年分)の出題分析をもとに書き下ろした、東大文系数学のオリジナル予想問題集です。本番と同じ形式の問題に加えて、どこで何点入るかを示した採点基準と別解を収録しています。
- Vol.1〜2は何が違う?
- 収録している問題が違います。どの巻も予想問題5回分で、巻をまたいで同じ問題は入っていません。難易度や構成は同じです。
- 最初にどれを買えばいい?
- Vol.1 からで結構です。順番に意味はありませんが、1冊で5回分あるので、まず1冊を解ききってから次を足すのがおすすめです。
非公式の自作教材です。東京大学とは関係ありません。価格・在庫は Amazon の表示が優先されます。




