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東京大学 2022年度 前期日程 文科

東大文系 2022年度 数学の解答・解説

全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/11

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 2次関数

接線・直交条件・円と接線・軸当サイトの体感難易度:標準

(1) を で表し、 のとりうる値の範囲を求める

答、 はすべての実数をとりうる

原点を通る接線を探すとき、接点を とおいて接線の式を作り、そこに原点を代入するのがいちばん短い。この放物線では定数項が になるので、条件が というきわめて簡単な形になる。あとは2つの傾きの積が というだけである。

なので、接点を とすると接線は

である。これが原点を通る条件は 、つまり

である。接線が2本あるには が2つなければならないので が必要で、このとき の2つに決まる。

傾きを書き下す。 座標の小さい方が なので が 、 が である。接線の傾きをそれぞれ とすると

で、 より 、すなわち

を得る。

範囲を確かめる。 逆に をどんな実数にとっても だから、接線は確かに2本あり、その傾きの積は で直交する。2本は原点で交わっているので、条件をみたす が実際にとれる。したがって

である。

は「接線が2本ある」ための条件として先に出てくるが、 はどんな でも自動的に正になる。だから に制限が付かない。範囲を問われているのに制限が出ないときは、ここを書いておかないと答案が完結しない。

なら 、 で、、。積は になる。 でも 、、 で積は である。

、 の区別( 座標の小さい方が )は (1) では効かないが、(2) では を使うところで決定的に効く。ここで が だと決めておく。

接線が「原点で」直交することは、原点を通る2本という条件に含まれている。交点をあらためて求める必要はない。

(2) の半径が の半径の2倍になる を求める

答

円が点 で に接するなら、中心は を通る の法線上にある。それが軸 と交わる点が中心で、半径は中心と の距離である。ここで だから「 の法線の傾きは 」「 の法線の傾きは 」となり、2つの半径を同じ文字で書ける。比をとると約分が効いて、 という驚くほど簡単な式になる。

とおく。 より の 座標は と書けるので

である。また の軸は である。

中心と半径。 は で に接するので、中心は を通り に垂直な直線上にある。その傾きは ( を使った)である。中心の 座標は なので、 からの の変化は で

となる。同様に の中心は傾き の法線上にあり、 の変化は なので

である。

比をとる。 より

なので、 が約分されて

となる。よって条件 は

と同値である。

符号を決める。 かつ だから、 である。したがって に決まり、 である。 より

を得る。このとき で、 は と一致している。よって

が答えである。

OP1P2D1D2l1l2C軸
()のときの放物線 、原点で直交する2本の接線 、および軸 上に中心をもつ2つの円 。半径は と でちょうど2倍になる。

のとき 、、軸は 。 の中心は で 、 の中心は で 。確かに である。

から と2通り書いて、 を残してしまうと という余計な答えが出る。 と から が決まることを、かならず書いておく。

の中心は の内部に入る( では2円の中心間距離 が より小さい)。図を描いて「2円が離れているはず」と思い込むと混乱する。接しているのは円と直線で、2円の位置関係は問われていない。

半径を「中心と接点の距離」で出すほかに、「中心と直線 の距離」で出してもよい。後者だと点と直線の距離の公式になり、 が分母に来る。どちらでも比は同じ形になる。

第1問だけのページ

第2問 微分法

法線・3次関数・解と係数の関係・値域当サイトの体感難易度:やや難

(1) が と3つの異なる点で交わる の範囲を求める

答

が交点の1つだとわかっているので、連立の3次式は で必ず割れる。割った残りの2次式が「異なる2実解をもち、どちらも ではない」が条件である。法線の傾きを とおいたまま進め、最後に を入れると、 の符号だけの問題に落ちる。

なので での接線の傾きは である。これを とおく。 だと接線が 軸に平行で は となり、 とは1点でしか交わらない。よって で、 の傾きは

である。 と の連立は

となる。 つの異なる交点をもつ条件は、2次式

が異なる2実解をもち、しかもそのどちらも ではないことである。

判別式。 の判別式は

である。、 を入れると

となる。ここで がつねに成り立つので

である。

が解でないこと。

で、、 だから である。この条件は自動的にみたされる。

したがって求める条件は 、すなわち

である。

PβγCl
のときの と、 での法線 。 は と3点で交わり、 以外の2つの交点の 座標が 、 である。

は の極値をとる で、そこでは接線が水平、法線が垂直になって交点が1つに減る。 がそれより大きいところでも、法線の傾きが小さすぎて交点は1つしかない。

なら 、 で 。解は となり、 上の点 、 はどちらも の上に乗っている。いっぽう なら で 、交点は だけである。

()を「傾きが定義できない」で片づけず、そのとき が という垂直線になり交点が1個であることまで書く。範囲の端が除かれる理由がここにある。

を のまま に代入して分母を払うときは、 の符号で不等号の向きが変わる。 の形にまとめてしまえば場合分けが消える。

(2) であることを示す

答

は (1) で出した2次式の2解なので、 と が と で書ける。 は という対称式なので、代入するだけで が消えて だけが残る。

は の2解だから、解と係数の関係より

である。したがって

となり

を得る。 は という形の数で、分子が だから になりえない。よって

である。

は の対称式で、 と見るのがこの形の定石である。 の因数として覚えている人は、そちらから を使って示してもよい。

では 、 で 。これは と一致する。 を 万 点で調べても、両者の差はすべて 未満だった。

「 を示せ」なので、値が何になるかまで出してしまうのがいちばん確実である。 がちょうど の傾き になるという事実が、そのまま (3) の計算に効く。

は実数だが、 だけでは して にならないことは言えない。実際 は負にもなる( だから で、ここでは正だが)。値を出す以外の近道はない。

(3) のとりうる値の範囲を求める

答

(2) で分母が だとわかったので、 と置き換えるだけで が だけの3次関数になる。あとは (1) の範囲 での値域を増減表で出す。端が開いていること、極小値が左端の値より大きいことに注意する。

(2) より分母は なので である。よって

となり、 は だけの関数である。定義域は (1) より である。

増減。 とすると

なので、 と が極値を与える。 なのでどちらも定義域の内部にある。 の符号は で正、 で負、 で正である。

  1. :増加。値は を含まず、 まで。
  2. :減少。 から まで。
  3. :増加。 から を含まずまで。

まとめる。 は より小さく、 より大きい。だから3番目の区間で出る値 も、2番目の区間で出る値 も、1番目の区間で出る値

にすべて含まれる。 は1番目の区間で連続かつ増加で、左端の値 だけが届かず は実際にとる。よって

が求める範囲である。

最大 1極小 3/4含まない含まない
のグラフ()。 で最大値 、 で極小値 をとる。両端は定義域に入らないので、 と はとらない。

。 を から まで 万等分して を計算すると、最大 ()、最小 となる。定義域をさらに端へ寄せると最小は に近づくが届かない。 では である。

極小値 は最小値ではない。左端近くで は まで下がるので、極小値だけ見て「」とすると大きく外す。定義域の端の値をかならず計算して比べる。

右端の値 は最大値 より小さいので、範囲の上端には関係しない。3つの区間の値域を合わせるときは、数値で大小を確かめておくと安全である。

端が開いているので、下端は 、上端は になる。 は で実際にとれる(このとき は原点で、 は である)。

第2問だけのページ

第3問 整数

漸化式・合同式・周期性・最大公約数当サイトの体感難易度:標準

(1) を で割った余りを求める

答

そのものは爆発的に大きくなるので、 だけを追う。 の余りは の余りだけで決まるから、全体が周期をもつはずだと見当がつく。実際に数項書けば周期6が見える。

で考える。まず の余りは の余りだけで決まり

である。つまり足される項は、 のときだけ で、ほかは である。

から順に計算すると

となる。 から並べると

である。 で、 は「 の余り」と「 の余り」だけから決まるのだから、 かつ ( は の倍数)より、以後は周期 でまったく同じ並びが続く。

なので、 は周期のちょうど6番目にあたり

である。求める余りは である。

周期が になるのは、 の余りが決まっても次を出すには の余りも必要だからである。「状態」は( の余り、 の余り)の組で、 の周期 と の並びがかみ合って になる。 を確かめるだけでなく、 も確かめないと周期が言えない。

の漸化式を から まで実際に回すと になる。 で回すと で、これも で割れば である。周期6の表()で 余り だから6番目の 、という読み方と一致する。

を のまま2乗して 、と進めると数が大きくなるだけである。最初から余りに直す。

「 だから周期 」と書くには、 の側の余りもそろっていることが必要である。 のように同じ余りが並ぶ箇所があるので、 の値だけで周期を主張すると誤る。

(2) の最大公約数を求める

答

漸化式は「次の項 前の項の2乗 具体的な整数」という形である。だから3項すべてを割る数は、漸化式の差をとることで具体的な整数 を割らなければならない。2つ分使えば候補が一気に絞られ、(1) の結果でとどめを刺せる。

とおく( なので は正の整数)。

候補を絞る。 漸化式より

である。 は と をともに割るので、 を割る。同じく は と をともに割るので、 を割る。よって

である。素因数分解すると

で、共通の素因数は だけ、しかも前者には が1個しかないので

である。したがって または である。

を落とす。 (1) より なので は の倍数ではない。よって で

である。求める最大公約数は である。

、、 はどれも年号がらみでよく出てくる分解である。 の は素数で、 なので で割れないことを確かめれば足りる。

、 で 。いっぽう の漸化式から 、、 なので、3項とも では割れない。 以外の共通素因数は上の絞り込みで消えているので、最大公約数は しかありえない。

まで出した時点で止めると、 かもしれない。(1) がここで使われる設問構成なので、 を引いてくる。

は3つ同時の最大公約数である。 だけを計算しても、 の約数という条件しか出ず絞り切れない。2本の差を両方使う。

に が1個しかないことまで見る。 の指数は小さい方なので、 に あっても結果は である。

第3問だけのページ

第4問 確率・ベクトル

1次独立・場合の数・重複組合せ・対称性当サイトの体感難易度:難

(1) のとき が にある確率を求める

答

は を で割った余りだけで決まる3本のベクトルで、3本足すと になる。だから「どの向きを何本足したか」だけが問題になる。表の回数を「その表より前に出た裏の回数」で分類すれば、原点に戻る条件が3つの本数が等しいという条件に化ける。

は で決まるので、 を で割った余りだけで決まり、 の3通りしかない。この3本は正三角形の頂点の向きで

をみたし、 と は1次独立である。

v0v1v2
3つのベクトル 。互いに ずつずれた単位ベクトルで、3つ足すと になる。

表が出るたびに、そのときまでに出た裏の回数 に応じて が足される。そこで各回の表を「その表より前に出た裏の回数」で分類し、裏がちょうど 回出たあとに出た表の回数を とする。裏が全部で 回なら である。すると

となる。ここで はそれぞれ を で割った余りが である の総和である。 を代入すると

で、 が1次独立だから、 が にあることは

と同値である。

の場合。 表の回数を とすると なので は の倍数で、 より である。

  1. :すべて裏。 で条件をみたす。 通り。
  2. : なので の 個。余り の組にそれぞれ 個ずつ入るので、、、 である。 より の 通り。

の組を決めることと表裏の並びを決めることは1対1に対応するので、条件をみたす並びは 通りである。全体は 通りで、どれも同じ確率だから

が答えである。

通りの表裏をすべて並べて の座標を直接計算すると、原点に戻るのはちょうど 通り(表 回が 通り、表 回が 通り)で、上の数え方と一致する。確率は である。

は「それまでに出た裏の回数」であって何回目かではない。裏が出た回では点は動かず、 が1つ増えるだけである。

の3本は1次従属(足すと )なので、 からただちに とは言えない。 を消して1次独立な2本にしてから係数を比べる。

のときの並びは「表表表裏裏」ではない。 は「表・裏・表・裏・表」という並び1通りを指す。 の組と並びの対応を取り違えないこと。

(2) のとき、表がちょうど 回・裏がちょうど 回出て、かつ が にある確率を求める

答

(1) の数え方をそのまま使う。裏が 回なら の番号 は から までの 個で、 は の倍数だから、余り の3組にちょうど 個ずつきれいに分かれる。あとは各組で「 個の数の和を にする」のを数えるだけで、重複組合せになる。

(1) と同じく、 が にある条件は である。表の回数は で だから

が条件である。 は の倍数なので、この条件は矛盾しない。

組の分かれ方。 裏は 回なので、 の番号 は の 個ある。 を で割った余りで分けると

で、どの組もちょうど 個である。したがって

である。

数える。 各組について「 以上の整数 個の和を にする」組を数えればよい。これは 個のものを 個の箱に分ける重複組合せで

通りである。3つの組は互いに関係なく決められるので、条件をみたす は

通りある。 の組と表裏の並びは1対1に対応し( が決まれば「表を 回、裏、表を 回、裏、…、裏、表を 回」という並びが一意に決まる)、どの組でも表は 回、裏は 回で合計 回になる。

全体は 通りでどれも同じ確率だから、求める確率は

である。

という回数と 回という指定が効いているのは、裏が 回だと番号が 個になり で割り切れる点である。たとえば裏が 回(表 回)だと番号が 個で組の個数が と不均等になり、しかも が の倍数でないので確率は になる。

小さい場合で同じ数え方を試すと、 では番号 個・各組3個・和 なので 通り、 では和 なので 通りになる。、 通りの全探索でも、原点に戻る並びはそれぞれちょうど 通り、 通りだった。

番号の個数は裏の回数 ではなく である。裏が 回なら「最初の裏より前」も1区間なので 個になる。ここを にすると組が 個ずつに分かれず、答えが変わってしまう。

重複組合せは で、 は箱の数である。 の は「 個の箱の仕切り 本」であって、 ではない。

の組を数えたあとに「並べ方」を掛けてはいけない。 の組1つに対して表裏の並びはちょうど1通りで、すでに数え上がっている。

最後に約分する。 に気づけば まで下げられる。

第4問だけのページ

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