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東京大学 2019年度 前期日程 文科

東大文系 2019年度 数学の解答・解説

全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/11

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文科の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/11時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 図形と方程式

三角形の面積・分数関数・3次関数の最大最小・変域当サイトの体感難易度:標準

(1) を で表し、 それぞれのとりうる値の範囲を求める

答、。、、

は直角をはさむ2辺が なので面積はすぐ出る。 は3点とも動くので、ベクトルの外積()で面積を書くのが早い。範囲は「 がすべて辺の上にある」、つまり 以上 以下という条件から出る。

、、 で、 である。

。 直角をはさむ2辺が だから

である( なので )。

。 、 なので

である。これが だから 、つまり

である。、 より なので前者は起こらない。よって で、 を使うと

である。

範囲。 より 、また だから

である。この範囲で は減少し、 で 、 で だから である。

は上に凸で、頂点は ()である。 では減少し、 で だから

である。いずれも 以上 以下に収まっているので、逆にこの範囲の はすべて条件をみたす。

OABCPQR
のときの正方形と3点。、、 で、 と の面積はどちらも 。

なら 、 で、、 も座標から計算すると になる。 でも同じく両方とも であった。

を解くと2通り出るが、 から片方は消える。絶対値を外すときに片方だけ書いて済ませない。

の範囲は から出る。 だけでは足りず、 が効いている。 の範囲を先に使おうとすると遠回りになる。

の頂点がちょうど区間の左端 にある。区間の内部に頂点がないので、端の値を比べるだけで値域が決まる。

(2) の最大値と最小値を求める

答最大値 ()、最小値 ()

、 なので 、 である。(1) の結果を入れると は だけの3次関数になるので、あとは での増減を調べるだけでよい。

と は同じ高さにあるので 、また である。(1) より だから

である。 とおくと

で、 では だから、符号は で決まる。 の前で正、後ろで負なので、 は で極大かつ最大である。値は

である。最小は両端を比べて

なので、 より のときの が最小である。よって

である。

、、 である。最大は区間の内部、最小は左端で起きる。

を から まで 万等分して を直接計算すると、最大 ()、最小 ()となり、、 と一致する。 では で、最小ではない。

は と の距離で、 の 座標 にそのまま等しい。 が辺 上にあることを使っている。

最小値は (左端)で、(右端)ではない。両端を両方計算して比べる。

を の式に直さずに のまま扱うと、 と が連動していることを見落として「 最大・ 最小」を別々に取りにいってしまう。 が最小 になるのは 、 が最大 になるのは で、同時には起こらない。

第1問だけのページ

第2問 図形と方程式

内積・点と直線の距離・領域の面積・なす角当サイトの体感難易度:やや難

(1) を図示し、その面積を求める

答、つまり放物線 と直線 ではさまれた部分。面積は

どちらの条件も の式に化ける。 で、 は定数、 も の定数倍だからである。 とおけば、条件1が の範囲、条件2が と の関係になり、放物線と直線ではさまれた領域の面積に帰着する。

なので 、 は を通り に垂直な直線だから

である。したがって

である。

条件を書き直す。 なので条件1は

である。条件2は だから

である。条件1より なので絶対値が外れて 、すなわち

である。この不等式は を含む(右辺から を引いて を足した形なので、)。したがって

である。下の境界は下に凸の放物線(頂点 )、上の境界は直線である。

交点と面積。 2つの境界が交わるのは

なので 、交点は と である。面積は

である。 なので、 公式()を使って

である。面積は である。

(-2, 21/2)(4, 9/2)(2, 5/2)
領域 。下の境界は放物線 (頂点 )、上の境界は直線 で、 と で交わる。面積は 。

面積を 、 の長方形で 万点のモンテカルロ法で求めると となり、 と一致する。交点 、 はどちらも放物線と直線の両方の式をみたす。

は定数 である( が を通り に垂直なので )。変数と思って の式にしようとしない。

の計算で が約分されて、条件2がきれいな になる。ここで条件1の を使って絶対値を外す順番が大事である。

条件2が条件1の下半分()を含んでいるので、残る条件は だけになる。条件1の左側を二重に書く必要はない。

(2) のとりうる値の範囲を求める

答()

は の向きだけで決まる。 の中では なので、 とおくと で、これは の増加関数である。だから の最大・最小を求めればよい。 を固定すると の端は が最小のとき、つまり下の境界の上で起きる。

の下の境界 は頂点 で最小なので、 の中ではつねに である。よって

と書ける。 なので、 は の増加関数である。したがって の最大・最小を求めればよい。

の端は下の境界で起きる。 を固定して を動かすと、 なら は の減少関数、 なら増加関数である。どちらの場合も が端( では最大、 では最小)になるのは が最小のとき、つまり下の境界の上である。 では で、これは下で見る範囲に入る。

そこで下の境界上で

の最大・最小を調べる。分母は である。

なので、 では の符号は の符号、つまり の前で正、後ろで負である。よって は で最大、区間の端 か で最小になる。

なので、 の最大は (点 )、最小は (点 )である。

に戻す。 のとき

で、 のとき

である。 は連結なので は から までのすべての値をとり、したがって

である。小数で書くと である。

O(3, 3)(-2, 21/2)
の向きが端になるのは、原点から引いた2本の直線が に接する(または角で触れる)ときである。右端は放物線に接する点 (傾き )、左端は角 。

の境界を 万点たどって を直接計算すると、最大 (点 )、最小 (点 )になる。、 と一致する。

は の長さによらない。 の点を全部調べる必要はなく、原点から見た向きの幅だけを見ればよい。

の端が下の境界で起きるのは、 の符号によらず「 を小さくするほど端に寄る」からである。 のときに向きが逆になる点に注意する。

の導関数の零点は だが、 は の外()である。区間の外の極値を使わない。

最小値は角 で、接点ではない。 での接線は に触れないので、左端は角で決まる。

第2問だけのページ

第3問 確率

ランダムウォーク・反復試行・反射の原理・余事象当サイトの体感難易度:難

(1) 回の操作のあと が にある確率を求める

答

頂点を から の番号で表し、表を 、裏を とする。 回後の位置は「表の回数 裏の回数」を で割った余りで決まるので、表の回数についての合同式に落ちる。

頂点 に反時計回りに の番号をつける。表なら番号が 、裏なら され、 を法として考えればよい。

回のうち表が 回出たとすると、番号の変化は である。 が (番号 )にある条件は

である。 だから で、場合の数は

通りである。全体は 通りなので

である。

ABCDEFGH
正八角形の頂点。反時計回りに から で、表が出ると反時計回りに、裏が出ると時計回りに1つ進む。 から へは反時計回りに 、時計回りに である。

は必ず偶数なので、 を法として になるには 、つまり しかない。 回では一周ぶん()までしかずれないので、この3つで尽きている。

通りをすべて列挙して 回後の位置を調べると、 にあるのはちょうど 通りで、 である。

を としない。両辺を で割るときは法も で割って になる。

と はどちらも 通りで、忘れやすい。 だけだと になってしまう。

(2)事象 ( 回後に )と事象 (途中で少なくとも1回 に移動)がともに起こる確率を求める

答

番号を で割らずに、整数の上の動き (表 、裏 の累計)として追う。 回では なので、 にいる()のは か のときだけ、と候補が絞れる。あとは「ある高さに到達する経路の数」を反射の原理で数える。

表を 、裏を として、 回目までの累計を とする()。 の番号は を で割った余りである。

候補を絞る。 なので、 となるのは

のときだけである( や は を超える)。また かつ 、 は偶数だから

で、これは (1) の に対応する。 で場合分けする。

(i) のとき(、 通り)。 は ずつしか動かないので、 から へ行くには途中で必ず を通る。よって 通りすべてが をみたす。

(ii) のとき(、 通り)。 同様に、 から へ行くには必ず を通る。 通りすべてが をみたす。

(iii) のとき(、 通り)。 に達するか に達するかを数える。

  1. に達する経路:反射の原理より、 から へ行き途中で に達する経路の数は、 から へ行く経路の数に等しく 通り。実際、 回で まで上がって戻るには「表5回のあと裏5回」しかない。
  2. に達する経路:同様に、 から へ行く経路の数に等しい。 より で 通り。
  3. 両方に達する経路: に達する唯一の経路は の最小値が なので、 には達しない。 通り。

よって (iii) では 通りである。

合計。

である。

反射の原理とは、はじめて高さ に達したところから後ろを について折り返す操作である。 から へ行き途中で に達する経路と、 から へ行く経路が1対1に対応する。 へ行く経路は必ず を通るので、対応は全単射になる。

通りをすべて列挙すると、 が起こる 通りのうち途中で に移動するものはちょうど 通りで、 である。内訳も と一致した。

にいることを だけで判定しない。時計回りに 進んだ も である。 回という制限から候補がこの つに絞れる、という順番で考える。

の場合は「必ず通る」ので数え直しがいらない。ここで反射の原理を使おうとすると手間が増える。

に達する経路と に達する経路を足すときは、両方に達するものを引く。ここでは だが、確かめずに足すと危うい。

第3問だけのページ

第4問 図形と方程式

絶対値の不等式・ベクトルの差・領域・平行移動当サイトの体感難易度:標準

(1) と をそれぞれ図示する

答 は 点 、 を頂点とする正方形の周と内部。 は 、すなわち 点 、 を頂点とする正方形の周と内部

を求めるには、「 に入ること」と「」が同値であることを両向きに示す。入ることは三角不等式で、逆は と を具体的に作ればよい。 が原点について対称なので、 もまた の点を指す、という点が効く。

は で、 点 、、、 を頂点とする正方形(傾いた正方形)の周と内部である。

。 、 をともに の点とすると、 で

である。

逆向き。 をみたす に対して

をとると、どちらも より の点である。そして だから、 は に属する。

以上より

で、 点 、 を頂点とする正方形の周と内部である( を原点中心に 倍に拡大したもの)。

(1, 0)(0, 1)(2, 0)(0, 2)DE
(濃い正方形)と (破線の正方形の内側)。 は を原点中心に 倍したものになる。

から 万組の をランダムにとって差を計算すると、 を外れたものは 件だった。また の点(たとえば 、)は、それぞれ 、 で作れる。

「」だけでは図示にならない。 の点がすべて作れることを、 を具体的に書いて示す。

がとれるのは が原点対称だからである。原点対称でない領域では、この作り方は使えない。

は を 倍したものだが、これは が原点対称な凸集合だから起きることで、一般には が元の 倍になるとは限らない。

(2) から同じように作った が と一致することを示す

答 から を引くと の点になり、差では が打ち消し合うので

は を だけ平行移動したものである。差をとると平行移動ぶんが相殺するので、 は によらない。これを「 が を動く」という形に書き直して示す。

について

である。そこで 、 とおくと、 が 全体を独立に動くことと、 が 全体を独立に動くことは同じである( で戻せる)。

このとき

すなわち

である。したがって の動く範囲 は、 が を動くときの の動く範囲、つまり そのものである。よって

が示された。

(1) の計算をもう一度やってもよい。 は三角不等式から出るし、逆向きは 、 をとればよい。ただし「平行移動ぶんが差で消える」と見るほうが、 が何であっても同じという理由がはっきりする。

たとえば としても、、 はどちらも の点で、差は である。 の任意の点が作れ、逆に差が を超えないことも三角不等式から言える。

と は独立に動く。同じ点を動く2つの変数なので、 のような結びつきを勝手に入れない。

は「 によらない」ということである。 を含む答えが出たら、どこかで平行移動を相殺し損ねている。

第4問だけのページ

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。

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