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名古屋大学 2022年度 前期日程 理科系

名大理系 2022年度 数学の解答・解説

全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。

最終更新 2026/10/12

問題文について

大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。

問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。

第1問 整式

剰余の定理・重解と微分・3次関数の増減・解の個数当サイトの体感難易度:標準

(1)整式 を2次式 で割ったときの余りを求める

答

余りを とおき、 の代入と、両辺を微分してからの の代入の2本で決める。重解で割るときの定石である。

商を 、余りを とすると

である。 を代入すると

である。次に両辺を で微分する。右辺の第1項の導関数は

で、どちらの項も を因数にもつので で になる。よって

である。② を ① に入れて

だから、求める余りは

である。

として を二項展開してもよい。 を含まない項は で同じになる。商は である。

を で割ると、いつも商が でちょうど割り切れた。

は2次式なので余りは1次以下。 とおく。

重解で割るときは「代入」だけでは式が1本しか出ない。微分してもう1本作る。

(2)実数係数の2次式 で を割ったときの余りが であるとき、 の値に応じてこのような が何個あるかを求める

答 のとき3個、 のとき2個、 のとき1個

を で割った余りを で表し、 と係数比較する。 を消すと の3次方程式になる。

実際に割り算をすると

である(右辺を展開すると )。よって余りは である。

これが に等しいので

である。① より 、これを ② に入れて

である。 は で決まる()ので、求める個数は の実数解の個数である。

増減。 とおくと

なので、 で極大値 、 で極小値 をとる。

水平線 との交点の個数を数えると

  1. または :1個
  2. または :2個(極値のところで接する)
  3. :3個

である。

(-1, 2)(1, -2)
。極大値 ()と極小値 ()をもつ。水平線 との交点の個数がそのまま の個数で、 で3個、 で2個、それ以外で1個になる。

の判別式 の符号で数えると、 で1個、 で2個、 で3個となり、予想と一致した。

は の組で決まるが、 と から定まるので、数えるのは の個数でよい。

のときは重解が1つと別の解が1つで2個。3個でも1個でもない。

「余りが 」なので の係数が に固定される。ここから が出る。

第1問だけのページ

第2問 確率

不等式の場合分け・積の大小・互いに素・数え上げ当サイトの体感難易度:やや難

(1) となる確率を求める

答

で場合を分ける。 なら恒等的に成り立ち、 なら という の上限になる。

を と書き直す。

のとき。 左辺は でつねに成り立つ。 は自由なので 通り。

のとき。 で割って

である。右辺を計算すると

なので、(整数)の条件はそれぞれ 、、、、 である。

を数える。

  1. : の3通り
  2. :上に を加えて5通り
  3. :さらに を加えて8通り

したがって

で

である( ほど)。

通りを全列挙すると 通りで、 だった。

を別扱いにする。 で割れないし、このとき全部成り立つ。

は が大きいほど小さくなり、 では を下回る。 に落ち着く。

に を数え落とさない。 を忘れやすい。

(2) と が互いに素となる確率を求める

答

は偶数なので、まず が奇数、つまり が奇数( がともに奇数)でなければならない。あとは と 、、 それぞれの共通因数を見る。

は奇数。 は偶数なので、互いに素であるためには が奇数、すなわち が奇数、つまり も も奇数()でなければならない。

このとき は奇数なので とは互いに素であり、条件は

と同じになる。素数 が両方を割るとすると

  1. のとき: と から 。 は奇数( が奇数)なので
  2. のとき:同様に
  3. のとき: と から 、よって または

つまり条件は「 と が互いに素、かつ と が互いに素」、まとめると である。

数える。 、 で を数える。

合計すると

で

である( ほど)。

は「 の素因数( か だけ)が を割らない」ということ。 が の倍数なら 、 の倍数なら 、と読める。

通りを全列挙して を直接判定すると 通りで、 だった。

の が効いて、まず が奇数に絞られる。ここを落とすと数が合わない。

と の共通素因数は のどれかを割る。 と が同値になることを押さえる。

が奇数なので、 なら は奇数。 から が言える。

第2問だけのページ

第3問 複素数平面

2次方程式の解・偏角と絶対値・正六角形の頂点・因数分解当サイトの体感難易度:難

(1) を求め、 がそれぞれどの頂点か答える

答、 は 、 は

を で割れば の2次方程式になる。偏角の条件でどちらかに決まる。あとは「 かつ偏角が 違い」をみたす頂点の組を探す。

なので の両辺を で割る。 とおくと

である。、 なので、 をみたすのは

である。つまり で、 の偏角は の偏角より 大きい。

頂点を調べる。 正六角形 で ()とすると、反時計回りに並ぶ頂点は

である。原点からの距離と偏角のずれ( を基準)は

である。距離が2倍になる組は と しかなく( や の2倍に当たる頂点はない)、偏角のずれが なのは のほうだけである( は )。したがって

である。

OA (= α)BC (= β)DE
正六角形 (反時計回り)。原点 からの距離は が 、 が 、 が 。 を基準とした偏角は が 、 が 、 が 、 が 。

が をみたし、、 であることを数値で確かめた。

の2解は共役で、偏角が 。 で のほうに決まる。

を先に使って候補を絞る。頂点の距離は の3種類しかない。

も距離は2倍だが偏角が なので不適。偏角の向きを確かめる。

(2)組 をすべて求め、それぞれの組について正六角形 を複素数平面上に図示する

答 が になる3組。 で、いずれも 、

第3式を の2次方程式として解く。 を入れると因数分解でき、 か になる。前者は頂点になりえないので、後者が頂点になる を探す。

なので 、 である。第3式は

である。2解の和と積を見ると

となっているので、この2次方程式は

と因数分解でき

である。

は不適。 、 なので である。頂点はすべて の定数倍で、その定数は

のどれかだが、 はこのどれとも異なる。よってこの は頂点になれない。

が頂点になる場合。 、()、(互いに異なるから)なので、 は 、、 のいずれかである。 として1つずつ解く。

  1. : より 、
  2. : より 、
  3. : より 、

それぞれ 、 を計算すると

の3組である。どの組も は互いに異なり、 でない。

図示。 正六角形は を決めれば1つに定まる。3つの場合は、 がそれぞれ

  1. 、()
  2. 、()
  3. 、()

の位置にあり、そこから反時計回りに が並ぶ。

Oγ = Bγ = Dγ = E
3つの場合の正六角形。実線が (、1辺 )、点線が (、1辺 )、薄い線が (、1辺 )。どれも原点を頂点にもち、 が実軸方向に ずれた頂点になっている。

3つの について、 が確かに頂点 に一致し、第3式の値が 以下になることを確かめた。6辺の長さがすべて等しいことも確かめた。

第3式は の2次方程式。和と積を見ると と に分かれる。解の公式を使うより因数分解を狙う。

(線分 の中点)は頂点にならない。 の係数が頂点の係数のどれとも違うことを言えばよい。

は「 から実軸方向に 動いた点」。これが頂点になるように六角形の大きさと向きが決まる。

()や ()は「互いに異なる」に反する。 も に反する。

第3問だけのページ

第4問 積分法

広義積分の発散・不等式による評価・中間値の定理・置換積分当サイトの体感難易度:難

(1) を示す

答 なので で下から押さえられる

は増加で だから で である。被積分関数を下から で押さえれば、残りは の計算だけ。

は で増加し なので、 では である。また では なので

である。したがって

である。 で だから、はさみうち(下から発散)により

である。

、 で 。下からの評価 より確かに大きく、 とともに増えた。

を言うのに「増加かつ 」を使う。 の具体形は与えられていない。

である。符号を落とさない。

上端は ではなく 。 では被積分関数が発散して積分が定義されない。

(2)()について を示し、 より大きい実数 で をみたすものがただ1つ存在することを示す

答 は から まで狭義増加なので、 をみたす がただ1つある

前半は (1) と同じく で下から押さえる。後半は、 では なので2つ目の積分が に等しいことに気づけば、 という1本の方程式になる。

前半。 では 、 なので

である。 で右辺は に発散するので である。

後半。 とおく。(1) より である。また では なので

である。したがって求める条件は

である。

は で微分可能で

なので狭義増加である。さらに 、 である。

なので、中間値の定理より をみたす が存在し、狭義増加だからただ1つである。これを とすればよい。

、 で 、 を二分法で解くと がただ1つ見つかった。

2つ目の積分は (分母が )で、 では負である。 の定義(分母が )と符号が逆になる。

(積分区間の幅が )から出発して増加する。だから をちょうど1回横切る。

「ただ1つ」は狭義増加から出る。存在だけなら中間値の定理で足りる。

(3)(2) の について、不等式 がすべての に対して成り立つことを示す

答 の置換で 、 は増加だから

さえ言えれば、 が増加だから より である。 を で置換すると と同じ形になり、 の中身だけが違う。

を置換する。 で とおく。、 で、 のとき だから

である。一方

なので、2つは「分子が か か」だけが違う。

大小を比べる。 では

なので である。 は増加関数だから で、 より

が区間全体で成り立つ。したがって

である。

結論。 (2) より で、 は狭義増加だから

である。これはすべての について成り立つ。

は「 を中心とした折り返し」である。 を に移すと、分母 がちょうど になり、 とそろう。

と の全12通りで が成り立ち、二分法で求めた はすべて 未満(〜)だった。

を直接示すのではなく、「 かつ が増加」から言う。 の値を求める必要はない。

置換 で区間の向きが逆になり、 と合わせて符号が戻る。

は が狭義増加だから言える。 が区間全体で成り立つことを確かめる。

第4問だけのページ

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