早稲田人科 数学選抜の出題傾向と対策
早稲田大学・人間科学部 数学選抜
数学が満点の $72\%$ を占める
この方式の最大の特徴は,配点の偏りにある。
共通テストの数学 点と合わせると, 点中 点が数学である。 逆にいえば,独自試験の数学1科目で合否のほとんどが決まる。 合格最低点は例年6割前後といわれるので,独自試験で 点()を1つの目安にするとよい。
| 区分 | 科目 | 配点 |
|---|---|---|
| 大学入学共通テスト | 国語 | 20 |
| 数学(数I A・数II BC) | 40 | |
| 理科 | 20 | |
| 外国語 | 40 | |
| 地歴・公民から1科目 | 20 | |
| 独自試験 | 数学(記述式) | 360 |
| 合計 | 500 | |
形式は「必須3題+選択1題」
試験時間120分,全問記述式,満点360点。問題は 題からなるが, 解答するのは4題である。
解答用紙は2枚(その1・その2)配られ, 選択した問題には解答用紙の選択欄にチェックマークを記入する。 両方に記入した場合,どちらにも記入しなかった場合は採点の対象外になるので, 最初に必ずチェックを入れる習慣をつけておくこと。
| 大問 | 区分 | 性格 |
|---|---|---|
| 1 | 必須 | 小問集合(2問,それぞれに (a)(b) がつくことが多い) |
| 2 | 必須 | 誘導のない一題勝負。5題中もっとも難しいことが多い |
| 3 | 必須 | 小問集合(2〜3問) |
| 4 | 選択 | 空間図形・ベクトル。数III を使わない |
| 5 | 選択 | 微分積分。数III を使う |
出題範囲は二層構造になっている ── 本方式の核心
募集要項の出題範囲には,次のような注記がある。
これは飾りではない。実際の出題を調べると,次のことが確認できる。
つまり5を捨てて4を選べば,数III を1問も解かずに満点が取れる 設計になっている。文系型のカリキュラムで学んだ受験生にも門戸が開かれているわけである。
| 1〜3(必須) | 数III・複素数平面は一度も出ていない。 確率・場合の数・データの分析・図形と方程式・三角比・三角関数・指数対数・数列・数II の微分積分に限られる |
|---|---|
| 4(選択) | 空間図形・空間ベクトル。数C のベクトルまで |
| 5(選択) | 数III の微分積分(極限・微分・積分・媒介変数表示) |
2年分の出題一覧
新課程に移行した2025年度以降の2年分を,分野で整理すると次のようになる。
ここから読み取れることは3つある。
| 年度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 確率(玉と番号)/領域上の最大最小 | 連立方程式(平方の和への変形) | 三角比(余弦定理)/対数条件つき面積の最大最小 | 正四面体と内接球(3段構え) | 指数関数の最大値・接線・共有点 |
| 2026 | 場合の数(四面体上の10点)/データの分析(合併の分散) | 放物線の接線と垂線(軌跡型) | 鈍角三角形/三角関数の最小値/常用対数(桁数・最高位) | 空間ベクトル(平面と直線・なす角) | 媒介変数曲線の面積と回転体 |
| 1(1) は数え上げ | 2年とも確率か場合の数。 (a) で具体的に数え,(b) で一般化という誘導がつく |
|---|---|
| 1(2) は「その他」枠 | 2025 は領域上の最大最小,2026 はデータの分析。 新課程で必修になったデータの分析は今後も要注意 |
| 3 は三角+対数 | 2年とも三角比・三角関数と対数がセットで出ている。 常用対数の桁数・最高位は頻出である |
2が勝負を分ける
2は2年とも小問がなく,誘導が一切ない。 2025 は連立方程式,2026 は放物線の性質であり,いずれも 「何をすればよいか」を自分で決めるところから始まる。 配点は他と同じ 点だから,ここを白紙にするとそれだけで を失う。
対処法は決まっている。自分で小問を作ってから解くのである。
と,答案を書き出す前に3段階に分けておく。
| (i) | を固定して と を で表す |
|---|---|
| (ii) | , が実数である条件から の範囲を出す |
| (iii) | を だけの式にして増減を調べる |
難易度と目標
一題あたりに使える時間は 分で, 国公立大学の2次試験並みにゆとりがある。 実際,出題される内容も教科書の章末問題〜入試標準レベルが中心で, 奇をてらった問題は出ていない。
したがって,この試験の難しさは「思いつくかどうか」ではなく「書ききれるかどうか」にある。 全問記述式であり,本番の注意事項には 「解答の際,問題を解答欄に写す必要はない」とある。 書かなくてよいのは問題文だけで,答えに至る過程を書くことは当然の前提なのである。 場合分けの漏れ,等号成立の未確認,逆(十分性)の未確認といった 「答えは合うが点は来ない」失点が,この試験では致命傷になる。
目標は必須3題のうち2題を完答し,残り1題と選択問題で半分ずつ。 これで 点前後になり,合格ラインにおおむね届く。 2に30分以上かけて3を落とすのが最悪の失敗である。
4と5,どちらを選ぶか
選び方の指針を挙げておく。
どちらを選んでも 点分の練習になるので, 時間があれば両方解くのが最も力がつく(本番では必ずどちらか一方に絞ること)。
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