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東北大学 2025年度 前期日程 文系
東北大文系 2025年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/13時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 確率
反復試行・移動量の言い換え・二項分布・起こりえない事象当サイトの体感難易度:標準
(1)原点を出発点として数直線上を動く点 について、試行 「硬貨を1回投げ、表なら を正の向きに 進め、裏ならさいころを1回投げて奇数なら正の向きに 、偶数なら負の向きに 進める」を3回繰り返したとき、 が原点にもどっている確率を求める
答
1回の試行で実際に起こることは「 進む」か「 進む」かの2通りしかない。まずその確率を出してしまえば、あとはふつうの反復試行である。
1回の試行。 移動量は か のどちらかである。
- 進むのは「裏」かつ「偶数の目」のときで、確率は
- 進むのはそれ以外で、確率は
( は「表」の と「裏かつ奇数」の を足して でもよい。さいころの目が から まで等確率なので、奇数・偶数はそれぞれ である。)
位置。 回のうち 進んだ回数を とすると、位置は
である。原点にもどっているのは 、つまり のときである。
のとき。 なので
である。
位置の分布を分数のまま3回ぶん計算すると、原点の確率はちょうど だった。
硬貨とさいころを別々に数えない。 と の2通りにまとめてしまうのが早い。
の確率は ではなく 。「裏かつ奇数」も である。
(2)試行 を6回繰り返したとき、 が原点にもどっている確率を求める
答
(1) と同じで を使う。 なら である。
のとき原点にもどるのは のときなので
である。
で、(1) の より小さい。回数が増えるほど「ちょうど原点」にいる確率は下がっていく。
分布を6回ぶん計算すると だった。
(3) を で割り切れない正の整数とするとき、試行 を 回繰り返して が原点にもどっている確率を求める
答
(1) で出した「位置 」がそのまま効く。 には が の倍数であることが必要なので、そうでなければ起こりえない。
(1) より、 回のうち 進んだ回数を ( の整数)とすると、 回後の位置は である。原点にもどっているのは
のときに限る。 は整数なので、これは が の倍数であることを意味する。 が で割り切れないとき、そのような は存在しないので、 が原点にもどることはない。よって求める確率は
である。
回後の位置はつねに 、つまり と を法として合同な整数しかとれない。 で割った余りが保存されるので、 なら位置も にならない、と見てもよい。
で分布を計算すると、原点の確率はいずれもちょうど だった。
計算せずに「起こりえない」と言い切る問題である。 が整数であることを根拠に書く。
第2問 数列
対数をとる・連立漸化式・等比数列になる条件・一般項当サイトの体感難易度:標準
(1)、、、 で定まる正の数列について、、 とするとき、 が等比数列になる実数 をすべて求める
答
積と累乗の漸化式なので、底 の対数をとれば和と定数倍の漸化式になる。 を で表し、「 の定数倍になる」という条件を係数で比べる。
両辺の底 の対数をとると、 などから
である。初項は 、 である。
とおくと ① より
である。 が公比 の等比数列になるには であればよい。 の係数を比べて
である。第1式を第2式に入れると
なので または である。それぞれ公比は で
- :、
- :、
で、どちらも初項が でないので確かに等比数列になる。よって
である。
数値で回すと (公比 )、(公比 )になった。 では比が一定にならなかった。
初項が だと「等比数列」にならない(公比が定まらない)。 の確認を入れる。
の係数を比べてよいのは、 と が独立に動くからである。実際に から ① で生成される列は と が比例しないので問題ない。
(2)数列 の一般項を求める
答
(1) で2本の等比数列が手に入ったので、連立して を取り出す。最後に に戻す。
(1) より
である。第1式から第2式を引くと なので
である。これを第2式に入れて
である。 だから
である。
で指数は となり、 である。 より のほうが速く増えるので、 では指数が負、つまり は急速に に近づく。
漸化式を分数のまま回した と、この式の値が完全に一致した()。
指数が整数になることは、 から分かる(、)。
第3問 空間ベクトル
体積の比・ベクトルの分解・交点の決定・正四面体の内積当サイトの体感難易度:標準
(1)四面体 において 、、 とし、点 は を満たすとする。四面体 の体積を とするとき、四角錐 の体積を を用いて表す
答
は平面 上にある。頂点 は共通で高さも同じなので、体積の比は底面積の比に等しい。底面の比は平面 の中だけで計算できる。
なので、 は平面 上にある。そこで平面 の中で、 を原点、 と を座標軸の向きにとって考える。この座標では
である。
四角形 の面積を求める。対角線 で2つの三角形に分けると
- :、 で面積は
- :、 で面積は
なので、四角形 の面積は である。一方、 の面積は である。よって
である。四面体 と四角錐 は、どちらも頂点が で底面が同じ平面 上にあるから、高さは共通である。したがって体積の比も で
である。
この「、 を軸にとる」やり方では長さや角度は変わってしまうが、面積の比だけは変わらない。比を聞かれている問題では、こうして計算しやすい座標に取りかえてよい。
1辺 の正四面体の座標で両方の体積を計算すると、比はちょうど だった。
四角形 の頂点の順に注意する。 の順で、 ではない。
が平面 上にあることを押さえてから、高さが共通だと言う。
(2) を を用いて表す
答
のように始点を にそろえて代入するだけ。
、、 なので
である。両辺に を足して
である。係数の和が になっているのは、 が平面 上にあることの表れである。
乱数で200通りの をとって両辺を比べると、すべて一致した。
(3)線分 と線分 の交点を とするとき、 を を用いて表す
答
を2通りに表して係数を比べる。 は1次独立(四面体の3辺なので)だから、係数は一意に決まる。
は線分 上にあるので、 を使って
と書ける。また は線分 上にあるので、 を使って
とも書ける。 は1次独立なので、両方の表しかたで係数が一致する。
- の係数: より
- の係数:
- の係数:
より で、 も満たしている。、 なのでどちらも線分の内部にある。よって
である。
は線分 を に内分する点である。 の係数 が、そのまま逆の順で内分比に現れている。
乱数で200通りの をとると、、 の点が一致し、それが とも一致した。
の係数が になることが「 が平面 上にある」、つまり直線 上にあることの条件になっている。ここから が決まる。
(4)四面体 が1辺の長さ の正四面体のとき、線分 の長さを求める
答
(2) の式を2乗する。正四面体なので 、どの2つの内積も である。
正四面体なので で、どの2つのなす角も だから
である。(2) より なので
である。代入すると
なので
である。
1辺 の正四面体の座標で計算すると で、 と一致した。
展開するとき、交差項は 。符号つきの係数をそのまま掛ける。
第4問 積分法
3次曲線と放物線の交点・面積が等しい条件・定積分が0になる言いかえ・解と係数の関係当サイトの体感難易度:やや難
を正の実数とする。曲線 と放物線 で囲まれた2つの部分の面積が等しくなるような の値を求める
答
面積を2つとも計算して引き算するのは大変である。差 の定積分で考えると、「2つの面積が等しい」は「 から大きいほうの交点まで積分して 」と言いかえられる。
交点。 を整理すると
である。 の判別式は ()なので、異なる2つの実数解 ()をもつ。解と係数の関係から
なので である。交点の 座標は の3つである。
差の関数。 とおくと
である。 では 、、 なので 、 では である。したがって2つの部分の面積は
である。 は
と同値である。
計算。 なので
である。 なので で割って 倍すると、条件は
となる。ここで は の解だから である。これを代入すると
である()。 より
である。 なので を満たしている。よって
である。
このとき で、交点は と等比数列になる。2つの部分の面積はどちらも である。
で数値積分すると、2つの部分の面積はどちらも だった。
に言いかえるのが要点。 を別々に で書き下すと式が膨れ上がる。
は2次方程式の解なので と次数を下げられる。これを使うと一気に が決まる。
最後に を満たしているか確かめる。
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