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東北大学 2023年度 前期日程 文系
東北大文系 2023年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/13
問題文について
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第1問 確率
非復元抽出・色の並びで数える・順番に依存する勝敗・余事象当サイトの体感難易度:標準
(1)赤玉4個と白玉5個の袋から、 と が から交互に1個ずつ取り出す(戻さない)。 が赤を取り出したら の勝ち、 が白を取り出したら の勝ちでそこで終了し、玉がなくなったら引き分けとするとき、引き分けとなる確率を求める
答
9個を全部取り出す順番を「色の並び」と見る。同じ色の玉は区別しないことにすると、並びは 通りで、どれも同様に確からしい。引き分けになる並びはたった1つしかない。
色の並びで考える。 9個すべてを取り出す順番を考え、赤がどの位置に来るかで色の並びを決める。赤の位置の選び方は
で、どれも同様に確からしい(玉を区別して 通りと数えても、同じ色の並びを与えるものは 通りずつで等しい)。ゲームは途中で終わることもあるが、「その先も全部取り出したとしたらどういう並びか」で数えれば、各並びがちょうど1つの結果に対応する。
は1,3,5,7,9番目、 は2,4,6,8番目を引く。
- の手番で赤が出たらそこで の勝ち
- の手番で白が出たらそこで の勝ち
引き分け。 最後まで誰も勝たないのは、奇数番目がすべて白、偶数番目がすべて赤のときである。奇数番目は5か所、偶数番目は4か所で、白が5個・赤が4個だからちょうど過不足なく配れる。そのような並びは
の1通りだけである。よって引き分けの確率は
である。
126通りを全列挙して勝敗を判定すると、引き分けはちょうど1通りだった。
途中で終わるゲームでも「9個全部の並び」で数えてよい。終わったあとの並びを勝手に決めても、結果は変わらないからである。
白が5個・赤が4個と、奇数番目5か所・偶数番目4か所がぴったり合う。ここが「1通りだけ」になる理由である。
(2)このゲームに が勝つ確率を求める
答
が 回目の手番で勝つ並びを数える。それまでの 個の色は「奇数番目は白・偶数番目は赤」と完全に決まり、 番目が赤、残りは自由なので、組合せ1つで数えられる。
が 回目の手番( 番目)で勝つのは、次のときである。
- 番目( か所)がすべて白
- 番目( か所)がすべて赤
- 番目が赤
- それ以降は何でもよい
このとき赤は 個、白は 個が使われ、残り か所に赤 個と白 個を並べる。並べ方は 通りである。
- :
- :
- :
- :
- :赤は4個しかなく、 番目で使い切るので 番目を赤にできない。 通り
合計すると 通りなので、求める確率は
である。
同じ数え方で が勝つのは 通りである。 でちょうど尽きるので、よい検算になる。確率で書くと が 、 が 、引き分けが で、先手の が有利である。
126通りの全列挙で の勝ちは76通り、 だった。
( が9番目で勝つ)は赤の個数が足りず起こらない。機械的に と書き下すときに見落とさない。
「それ以降は何でもよい」の部分も数に入れる。勝敗が決まった時点で止まるが、並びとしては最後まで決めて数えている。
第2問 図形と計量
円の接線・三平方の定理・内接円の半径・外接円の半径当サイトの体感難易度:標準
(1)平面上の半径 の円 の中心 から距離 だけ離れた点 をとる。 を通る円 の2本の接線を考え、この2本の接線と円 の接点をそれぞれ とするとき、三角形 の面積を求める
答
なので は直角三角形。 は に垂直で、交点は直角三角形の斜辺に下ろした垂線の足になる。
接線の性質から である。、 なので三平方の定理より
である。 と は直線 について対称なので、 である。 と の交点を とすると、 は直角三角形 の斜辺 に から下ろした垂線の足である。面積を2通りに表すと
である。また より
である。 なので
である。
座標で として計算すると面積は で、 と一致した。
は の中点ではなく、 寄りの のところで交わる。
(2)三角形 の内接円の半径 と、外接円の半径 をそれぞれ求める
答、
は「面積 内接円の半径 周の半分」、 は正弦定理(または )。3辺と面積はすでに (1) で出ている。
3辺は 、 なので、周の半分は
である。 より
である。次に より
である。よって
である。
正弦定理で確かめることもできる。 とすると 、 で 、 である。 より 、 となる。
外接円の中心は の中点( から距離 の点)である。 までも 、 までも で確かに等しい。
座標計算でも 、 だった。
は周の長さではなく、その半分。 の形で覚えておく。
第3問 2次関数
区間が動く最大最小・軸と区間の位置関係・場合分け・関数の関数の最小当サイトの体感難易度:標準
(1) を実数とし、2次関数 を考える。実数 が の範囲を動くときの の最大値を とするとき、 を で表す
答 のとき 、 のとき
下に凸なので、最大値は2つの端点のうち軸から遠いほうでとる。軸 と区間の中点 の大小で分かれる。
なので、軸は 、下に凸である。
下に凸な関数は、区間の端点のうち軸から遠いほうで最大になる。区間の中点は なので、軸と中点の大小で分かれる。
である。したがって
- (軸が中点より右):左端 で最大。
- (軸が中点より左):右端 で最大。
である。 ではどちらの式も で一致する(両端で同時に最大)。
を 刻みで動かして区間を2万分割し、数値的に最大を求めるとこの式と一致した。
最大は「軸から遠いほうの端点」。最小のときの考えかた(軸が区間に入るかどうか)とは分かれかたが違う。
(2) の での最小値を とするとき、 を で表す
答 のとき 、 のとき 、 のとき
最小は、軸が区間の中にあれば頂点、区間の外なら近いほうの端点。軸 が を満たすかどうかで3つに分ける。
軸 が区間 に入る条件は
すなわち である。これで3つに分かれる。
- (軸が区間より右):右端 が軸に最も近い。
- (軸が区間の中):頂点で最小。
- (軸が区間より左):左端 が軸に最も近い。
である。境目では のときどちらも 、 のときどちらも で、つながっている。
(1) と同じ走査で最小も確かめ、この式と一致した。
軸が区間の外にあるときは「近いほうの端点」。 では軸 が区間より右なので、右端 が近い。
(3) がすべての実数を動くとき、 の最小値を求める
答( のとき)
(2) の3つの区間それぞれで の最小を求め、いちばん小さいものを選ぶ。各区間の端点も忘れずに見る。
(2) の3つの場合それぞれで最小を調べる。
のとき。 である。頂点 はこの範囲に入っているので、最小値は
である。
のとき。 は が大きいほど小さい。 が最大なのは なので、最小値は
である。
のとき。 は増加するので、 では より大きい( は含まないので下限は取らない)。
3つを比べると
なので、 の最小値は
である。
のとき区間は 、軸は で区間の外にある。最小は右端 でとり、 である。
を 刻みで走査すると、最小は での だった。
の頂点 が、その場合分けの範囲 に入っているかを確かめる。入っていなければ端点の値を使うことになる。
第4問 積分法
線分の通過領域・傾きをそろえる変換・折れ線のとき・放物線と接線当サイトの体感難易度:難
(1)関数 に対して、座標平面上の2つの点 、 を考える。実数 が の範囲を動くとき線分 が通過してできる図形の面積を とおく。 に対して の値を求める
答
はいつも傾き 、長さ の線分である。そこで「 の値」を高さと見ると、線分は水平な線分になり、通過領域の様子が一気に見やすくなる(面積は変わらない)。
なので、線分 は傾き で、 から右上に進む長さ の線分である。線分上の点は
と書ける。ここで
で、これは によらない。そこで とおき、各点を で表すことにする。この対応は平面を 方向にずらさず 方向にだけずらす変換なので、面積を変えない。
この座標では、パラメータ の線分は「高さ の、 が から までの水平線分」になる。したがって通過領域の面積は
で計算できる。
を調べる。 なので
- : で 。 は から まで増える
- : で 。 は から まで減る
である。よって の動く範囲は で、 の高さには と の2本、 の高さには の1本だけが対応する。
高さごとの長さ。 のとき2つの区間は
である。重なるのは 、すなわち 、 のときである。
- :区間は1つで長さ
- :離れた2つで長さの和は
- :つながって 、長さ
である。足し合わせると
である。第3項は
なので
である。
重なりを無視して「線分が掃く量」を足すと になる。重なっている部分が あるので、実際の面積は である。
数値計算では で、 と合った。モンテカルロ法でも 程度だった。
線分どうしが重なる。重なりを数えないように、高さ ごとに「区間の和集合」の長さを測る。
の高さには折れ線の右半分からしか線分が来ない。 と分けて考える。
(2)関数 に対して、曲線 の接線で傾きが のものの方程式を求める
答
となる を求めて接線を書くだけ。ただしこの が (区間の右端)になることが (3) の鍵になる。
なので、 より である。このとき
なので、接線は
である。
接点の 座標がちょうど 、つまり (3) で が動く範囲の右端にあたる。これが (3) で効いてくる。
、 で、接線 は で を通る。
(3)設問 (2) の関数 に対して、 の値を求める
答
(1) と同じ を使う。今度は が単調なので、どの高さにも線分は1本しか来ず、重なりが起こらない。
とおくと
である。 では なので は減少する( でだけ )。したがって は から値域への1対1の対応になり、どの高さ にも線分はちょうど1本しか来ない。重なりは起こらない。
になるのが であることは、(2) で求めた「傾き の接線の接点が 」ということと同じである。接点が区間の右端にあるおかげで、 では が狭義に減少する。
値域は
より である。各高さでの区間はただ1つで長さ だから
である。
重なりがないので、(1) の注で書いた「掃いた量」の計算と一致する。実際 である。
数値計算でも 、モンテカルロ法でも 程度だった。
(1) と違って重なりがないことを、 の単調性で確かめてから面積を出す。確かめずに と書くと、(1) のような場合に間違える。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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