名古屋大学 2025年度 前期日程 理科系
第3問 積分法・図形の解答・解説
通過領域・点と曲線の距離・扇形と円環・パップス・ギュルダンの定理当サイトの体感難易度:難最終更新 2026/10/05
問題文について
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(1)円板を原点のまわりに角 だけ回したとき、通過する領域の面積を求める
答
方針通過領域を「円板の集まり」と見ずに、中心が描く弧からの距離が 以下の点の集合と読み替える。すると図形が「円環の扇形+両端の半円」に分かれ、積分なしで面積が出る。
中心は、原点を中心とする半径 の円周上を、偏角 から まで動く。この弧を とおくと、通過領域は に一致する。
点 の偏角で場合が分かれる。
- 偏角が と の間 … 最も近い弧の点は同じ偏角の点なので、条件は 。つまり半径 から までの円環の、中心角 の扇形
- 偏角がその外 … 最も近いのは弧の端点。つまり両端に付く半径 の半円が2つ
円環の扇形の面積は
半円2つで円1つぶんの 。2つの半円は偏角が 未満の側と より大きい側にあって重ならないから、単純に足して
検算
とすると で、回していないときの円板の面積に戻る。 なら 。
答案で省略しない方がよい点
- 両端の半円を忘れて だけにしてしまう間違いが多い。 を代入して になったら、その式は誤り。
- 「円板の面積 何か」では出ない。通過領域は円板の平行移動の和集合で、重なりがあるので足し算にはならない。
(2)球を 軸のまわりに角 だけ回したとき、通過する領域の体積を求める
答
方針(1) と同じ読み替えがそのまま効く。中心が描く弧からの距離が 以下の点の集合で、「輪切りの扇形(回転体の一部)+両端の半球」に分かれる。回転体の部分はパップス・ギュルダンの定理で一発。
中心は 平面内の単位円周上を偏角 から まで動く。その弧を として、通過領域は 。
円柱座標 で考える。偏角 が と の間の部分は、 半平面内の円板 を 軸のまわりに角 だけ回したもの。断面積は 、その重心は にあるから、パップス・ギュルダンの定理より
偏角がその外側の部分は、両端に付く半径 の半球が2つ。合わせて球1つぶんの 。よって
検算
とすると で、回していないときの球の体積に戻る。(1) の と見比べると、扇形↔回転体、半円↔半球ときれいに対応している。
答案で省略しない方がよい点
- パップス・ギュルダンを使うときは「断面が回転軸をまたがない」ことを書き添える。ここでは がその保証。
- 回転角が なので、 ではなく を掛ける。全周回した場合の公式をそのまま使わない。
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