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名古屋大学 2023年度 前期日程 文科系
名大文系 2023年度 数学の解答・解説
全3問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 微分法
因数分解・共有点の個数・3次関数の極値・グラフの図示当サイトの体感難易度:標準
(1) を実数、、 とするとき、 を因数分解する
答
が文字のまま入っているので、 を含まない因数を探す。 を入れると の項が打ち消し合って になるので、 が因数である。あとは割って2次式を因数分解する。
まず差を整理すると
である。これを とおく。 を代入すると
なので、 は で割り切れる。実際に割ると
である。2次因子は、和が 、積が になる2数が と なので
と分解できる。よって
である。
について整理して と見てもよい。 である。
で両辺を計算すると一致した。 を5通り、 を4通り試しても一致した。
が入ったままの3次式でも、 の係数でくくると共通因数が見える。 について整理するのが定石である。
(2) と のグラフの共有点が2個となるような を求める
答 または
共有点の 座標は の解。(1) の因数分解から解は の3つで、共有点が2個になるのは、このうち2つが一致するときである。
共有点の 座標は 、すなわち
の解である。解は で、 が決まれば共有点は1つに決まるから、共有点の個数は相異なる解の個数である。
なので、相異なる解が2個になるのは が か に一致するとき、つまり
のときである(それ以外の では3個)。
では解が3個、 では2個になった。
「共有点が2個」は「方程式の解が2個」ではなく「相異なる解が2個」。重解を1個と数える。
(3) が (2) の条件を満たし、さらに の極大値が より大きいとき、 と のグラフを同じ座標平面に図示する
答。 は で極大、 で極小。 とは で交わり、 で接する
(2) の2つの候補について、それぞれ を計算して極大値を求め、 より大きいほうを選ぶ。 なら が因数分解できて極値が暗算で出る。
の場合。 で
である。 の解は で、極大を与えるのは小さいほう である。このとき
なので条件を満たさない。( と から、極大値が と のあいだの小さな値になることは、値を出さなくても 、 と増減表から見当がつく。)
の場合。 で
である。 の解は で、 で 、 で 、 で だから
- で極大、極大値
- で極小、極小値
である。極大値 なので条件を満たす。よって
である。
2つのグラフの位置関係。 このとき (1) より
である。 なので、 では 、 では (等号は )。つまり で交わって上下が入れ替わり、 では接する(重解なので交わらずに触れる)。交点は
である。 は上に凸で頂点 の放物線である。以上をまとめると次の図になる。
、 で、交点の座標が合う。、 で接線の傾きも一致し、確かに接している。
を「極大値が 以下だから」ときちんと外す。2つの候補のうち片方を選ぶのがこの小問の主眼である。
は重解なので接する。図でここを「交差」に描かない。
の極小値 は の値 より上にある。極小点が放物線より上にくることも図に反映させる。
第2問 空間図形
断面への帰着・相似比・四面体の体積・相加平均と相乗平均当サイトの体感難易度:やや難
(1)1辺 の立方体 – の辺 上に となる点 をとると、線分 と線分 は四角形 上で交わる。その交点を として を で表す
答
は同一平面上にあり、、、、 なので、四角形 は長方形である。 も もこの長方形の中にあるので、空間の問題を平面の問題に落として相似で片づく。
長方形に直す。 と はどちらも立方体の辺で、平行で長さが である。よって は平行四辺形、とくに は正方形 の対角線で 、( は面 に垂直)だから、 は
の長方形である。 は 上、 は長方形の頂点なので、 も もこの長方形の中にある。
相似。 で、 は と の交点だから、 と は相似である(錯角が等しい)。相似比は
なので
である。 は1辺 の立方体の対角線なので である。よって
である。
のとき 、 のとき() で は の中点。長方形の対角線どうしの交点になるので、確かに中点である。
で座標計算すると 、 で一致した。
立方体のまま考えずに、 が同一平面にあることを使って平面図形に落とす。ここがこの大問の設計である。
(空間対角線)、(面の対角線)を取り違えない。
(2)三角形 の面積を で表す
答
底辺を とすると、高さは から直線 までの距離である。長方形の中で は を に内分するので、高さは の 倍になる。
長方形 の中で考える。 は を に内分する点なので、 から辺 に下ろした距離は、 から までの距離 の 倍である。つまり高さは
である。底辺は なので
である。
で座標から外積で面積を出すと 、式の値も だった。
高さは ではない。 を底辺に見たときの の「高さ」で、長方形の縦の長さ の 倍である。
(3)四面体 と四面体 の体積の和を とするとき、 を で表す
答
2つの四面体それぞれで「底面 高さ」の組を選びやすい向きを探す。 は を底面にすると高さが に一致し、 は を底面にすると高さが の「高さ」になる。
四面体 。 はいずれも平面 上にある。辺 はこの平面に垂直である( かつ ではないので、正確には次のように見る)。
座標を ととる。このとき で、(1) より
である。四面体 の体積は、、、 から
である。 を入れて
である。
四面体 。 は底面( の平面)にあり、、 なので面積は である。高さは の 座標
である。したがって
である。2つを足して
である。
を底面にすると、(2) の面積 に、 から平面 までの距離 (正方形 の1辺 に対する対角線までの距離)を掛けて 倍しても同じ値になる。
で座標から行列式で計算すると 、式の値も だった。
座標を入れてしまえば四面体の体積は行列式で一発。空間図形で迷ったら座標を置く。
の 座標がそのまま の高さになる。底面が の平面にあるからである。
(4)点 を辺 上で動かすときの の最小値を求める
答( のとき)
と置き換えると となり、相加平均と相乗平均の関係がそのまま使える形になる。等号成立の が範囲に入っていることを確かめる。
は辺 上なので である。 とおくと で、 より
だから
である。 なので相加平均と相乗平均の関係から
で、等号は 、すなわち のときである。 なので は範囲内で、そのとき
である。よって最小値は
である。
両端では でも でも で、最小値 より大きい。 が にも にも寄りすぎない位置で が最小になる。
を 刻みで から まで動かすと、最小は での で、 と一致した。
と置き換えずに のまま微分してもよいが、相加・相乗が使える形に直すほうが文系の範囲でも速い。
相加・相乗の等号成立 が に入ることを確かめる。入らなければ端点で最小になる。
第3問 確率
状態の推移・条件つき確率・非復元抽出・末尾の条件当サイトの体感難易度:やや難
(1) の数字が2個ずつ計8個の球が袋に入っている。カードを8枚用意し、「球を1個取り出して数字が のとき、残りのカードが 枚以上なら1枚取り除き、 枚未満なら取り除かない」という試行を8回行う。球を毎回袋に戻すとき、8回のあとでカードが1枚だけ残っている確率を求める
答
どの数字も確率 で出る。残りカードが 枚以上あるうちは必ず1枚減るので、最初の5回は自動的に減って残り 枚になる。残り3回だけを場合分けすればよい。
数字の確率。 各数字の球は2個ずつで計8個なので、1回の試行で数字 が出る確率はどれも である。
最初の5回は必ず減る。 残りカードが 枚のとき、 なら1枚減る。 なので、 のあいだはどんな でも必ず減る。はじめは だから
と、1回目から5回目まではかならず1枚ずつ減り、5回目のあとは確実に である。
残り3回。 8回終えて になるには、残りの3回でちょうど2枚減ればよい。 のとき減る確率は で 、 のときは 、 のときは である。減ることを 、減らないことを と書くと、2回減るのは次の3通りである。
- :。
- :。
- :。
( で減らない確率は 、 で減らない確率は 、 で減らない確率は である。)足して
である。
同じやり方で 枚が 、 枚が 、 枚が と出て、4つを足すとちょうど になる。よい検算になる。
残り枚数の分布を分数のまま8回ぶん計算すると 枚が で、和が になった。40万回のシミュレーションでも だった。
「残りのカードが 枚以上」なので、 のときは減る。 は減るほうである。
最初の5回で確実に になることに気づけば、場合分けは3回ぶんで済む。8回ぶん場合分けしない。
(2)取り出した球を袋に戻さないとき、8回の試行のあとでカードが残っていない確率を求める
答
8回で8枚すべてなくなるには、毎回必ず1枚減らなければならない。(1) と同じ理由で最初の5回は自動的に減るので、条件は「6回目に 以下」「7回目に 以下」「8回目に 」だけである。非復元なので、球の並び方(順列)の問題になる。
条件の言い換え。 カードが8枚あり試行が8回なので、全部なくなるのは毎回1枚ずつ減るときだけである。 回目の直前の残り枚数は なので、条件は
である。 なので では自動的に成り立つ。残るのは
- 6回目:
- 7回目:
- 8回目:、つまり
の3つだけである。
数える。 8個の球を区別して1列に並べると 通りで、どれも同様に確からしい。後ろ3つ(6,7,8回目に出る球)だけが問題なので、後ろから順に選ぶ。
- 8回目:数字 の球2個のどちらか。 通り
- 7回目:数字 以下、つまり がもう1個と が2個の計3個から。 通り
- 6回目:数字 以下の球は の6個で、うち2個はすでに使った。 通り
残り5個の並べ方は 通りなので、条件を満たす並べ方は 通りである。よって確率は
である。
後ろ3つを決めるのが 通りで、そのうち条件を満たすのが 通り、と見ても同じである。前の5回は何が出ても必ず1枚減るので、数える必要がない。
の相異なる並び 通りを全列挙すると、カードが残らないのは 通りで だった。40万回のシミュレーションでも になった。
非復元なので「数字 は2個しかない」ことが効く。8回目に を使うと、7回目に使える は残り1個だけである。
6回目の数え方で「すでに使った2個を引く」のを忘れない。7回目に選んだ球は必ず 以下なので、ちょうど2個減る。
球を区別して 通りで数えると、同じ数字が2個ずつあっても分母・分子の両方で同じ重複度が出るので、そのまま確率になる。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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中身を試し読みする
扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
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