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名古屋大学 2020年度 前期日程 文科系
名大文系 2020年度 数学の解答・解説
全3問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
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第1問 2次関数・積分法
解の配置・絶対値つき定積分・3次関数の増減・最小値当サイトの体感難易度:標準
(1) を実数、 とするとき、方程式 の解 が必ず を満たすための の条件を求める
答
この2次方程式は解の公式がきれいに出る(判別式が の平方の定数倍)ので、解を直接書き下して評価するのがいちばん早い。解の配置の3条件(判別式・軸・端点の値)で解いてもよい。
判別式を4で割ったものは
なので、実数解はつねに存在する。解の公式から
である。 でも でも、2解の集合は になる。それぞれの絶対値は
で、後者のほうが大きい。したがって「2解とも に入る」条件は
である。有理化すると なので、求める条件は
である()。
解の配置で解くなら、 から 、 から 、軸 が にあることから となり、共通部分は同じ である。
では解が で区間内、 では が外に出た。
で、 ではない。 の符号で場合分けしてもよいが、結局同じ条件になる。
のとき解は (重解)で、これも条件を満たす。等号を外さない。
(2)(1) の条件を満たす に対し を求める
答
絶対値は「符号が変わるところで区間を切る」のが基本だが、ここでは2解がともに の中にあるので、 と書ける。後ろの積分は 公式で一発である。
2解を とすると、(1) の条件より である。 は下に凸なので で 、それ以外で である。したがって
と書ける(負の部分だけ符号を反転させるので、全体の積分から負の部分を2回引く)。
第1項。 奇関数の項は消えて
である。
第2項。 なので、 公式から
である。(1) より2解の差は
なので
である。以上から
である。
では で、 と合う。 は の偶関数( しか出てこない)である。
で数値積分すると 、式の値は で一致した。
であって ではない。 でも だからである。
公式の係数は の係数 。 である。
(3) の値が最小となる を求める
答(このとき )
は偶関数なので で考えれば十分。 では という3次関数なので、微分して増減を見る。極小を与える が (1) の範囲に入っていることを確かめる。
なので で考えればよい。この範囲では
で、微分すると
である。 となるのは と
である。 では 、 では なので、 で最小になる。これは より小さいので (1) の範囲に入っている。
そのときの値は、、 から
である。偶関数なので、 側にも同じ最小値を与える点があり、答えは
である。
を 刻みで動かすと最小は での で、、 と一致した。
が入っているので、そのまま微分しない。偶関数であることを使って に限ってから微分する。
答えは2つある。 だけで止めない。
極小を与える が (1) の範囲 に入るかを確かめる。外れていれば端点が最小になる。
第2問 空間ベクトル
単位ベクトルの和・内積・垂線の足と外心・正四面体当サイトの体感難易度:やや難
(1)平面上に をみたす相異なる4点 があるとき、 ならば三角形 は正三角形であることを示す
答 から となり、3辺がすべて
1つのベクトルを残り2つで表して長さを取る、という2行で内積が決まる。あとは に入れるだけである。
、、 とおく。仮定は と である。
の両辺の長さの2乗を取ると
なので
である。 の役割は対称なので、同じ計算で
である。したがって
で、同様に である。3辺がすべて で等しいので、三角形 は正三角形である。
は、なす角が ということである。3本の単位ベクトルが ずつ開いている、という図のとおりの結論になる。
和が になる単位ベクトル3組を2万通り作ると、3辺はつねに で等しかった。
「相異なる4点」という条件から は相異なるが、実は 自体が を保証している。
(2)空間内に をみたす相異なる5点があり、 から平面 に下ろした垂線の足を とする。命題(i)「 ならば三角形 は正三角形」と、命題(ii)「 かつ ならば四面体 は正四面体」を示す
答 と直交分解し、(1) を を中心として使う
は から等距離(三角形 の外心)である。 と分けると、 と は直交するので、長さの2乗が「縦の成分」と「横の成分」にきれいに分かれる。
準備。 は外心。 は平面 に垂直なので、 について である。三平方の定理から
なので、 である。この共通の値を とおく。 は相異なるので である。
直交分解。 、 とおく。 を3つ足して
である。 は平面 に平行なので であり
が成り立つ。
命題(i)。 仮定 を ① に入れると
なので 、すなわち
である。 なので、各ベクトルを で割れば長さ1の3本のベクトルの和が になる。これは平面 の中での話だから、(1) がそのまま使えて三角形 は正三角形である。
命題(ii)。 より
である。 とあわせて ① に入れると
なので である。よって命題(i) の議論から三角形 は正三角形で、しかも
である。つまり は、 から平面 に下ろした垂線の反対向きに だけ進んだ点である。
辺の長さ。 である。正三角形の外接円の半径が なら1辺は なので
である。一方 で、 だから
すなわち である。 も同じである。よって6辺がすべて で等しく、四面体 は正四面体である。
の配置で ととると、4本のベクトルの和の大きさが 、6辺がすべて になった。
が三角形 の外心であることを最初に言う。 から等距離の3点を平面に落とすので当然だが、これがないと が共通だと言えない。
直交分解 ① が議論の中心。「縦( 方向)」と「横(平面内)」が直交するので、長さの2乗が足し算になる。
(ii) では三角形 が正三角形であることだけでは足りない。 の位置()まで決めて6辺を比べる。
第3問 場合の数
格子点の数え上げ・長方形の数え方・和の計算・積の形への因数分解当サイトの体感難易度:やや難
(1) で定まる領域を とし、4つの頂点がすべて に含まれる格子点で 軸と平行な辺をもつ長方形の数を とするとき、 と を求める
答、
長方形は「左右の 座標の組 」と「上下の 座標の組 」で決まる。4頂点がすべて に入る条件は、右上の頂点 だけ見れば足りる。
条件の整理。 求める長方形は、 軸に平行な辺をもつので 軸にも平行な辺をもつ。したがって整数 、 を使って4頂点が
と書ける。4頂点が に入る条件は 、 と、 が4通りすべてで成り立つことだが、、 なので左辺が最大になるのは右上の頂点である。よって条件は
だけでよい。、 も自動的に従う。
数える。 右上の頂点 を固定すると、 は の 通り、 は 通りである。よって
である。 では
- : で
- : で
である。 では
- :
- :
- :
である。
4重ループの総当たりで 、 になった。
4頂点すべてを調べる必要はない。 がいちばん大きいのは右上の頂点なので、そこだけで足りる。
の個数は 通り( から )。 通りではない。
(2) のうち特に1つの辺が 軸上にある長方形の数を とするとき、 を求める
答
に固定するだけ。すると の選び方が1通りになり、和が1重になる。 と の公式で closed form になる。
1つの辺が 軸上にあるのは のときである。(1) の数え方で の選び方が1通りに固定されるので
である( とおいた。 は から までの 通り)。計算すると
で、 でくくると
である。
、 である。 という形でもある。
総当たりで を数えると で、式の値と完全に一致した。
に固定しても は動く。 の個数 を落とさない。
(3) を求める
答
下の辺の高さ で分類する。 だけ下にずらすと、領域はちょうど の を に取り替えたものになり、その中で「下の辺が 軸上」の長方形を数えることになる。つまり (2) の の和になる。
下の辺の高さ ()で場合分けする。 の長方形は、 かつ を満たすものである。 と平行移動すると、条件は
となり、これは「 を に取り替えた領域で、下の辺が 軸上にある長方形」の条件そのものである。よってその個数は で
である( なので の項は落とした)。(2) より だから
である。 とおくと で
だから
である。
という形になっている。、 で (1) と合う。
総当たりで を数えると で、式の値と完全に一致した。
だけ平行移動すると「同じ形の小さい問題」になる、という見方が要。直接2重和を計算してもできるが、 の計算が重くなる。
の形にまとめると、 が と因数分解できて見通しがよい。
(4) となる を求める
答
に素因数分解してから を見ると、連続4整数の積として が見える。 は について増加するので、答えは1つだけである。
(3) より
すなわち
である。左辺は連続する4つの整数の積で、 が 以上の範囲で増加する。 の4乗根はおよそ なので あたりが 前後と見当をつけると
- :(小さい)
- :(一致)
- :(大きい)
となるので
である。左辺が増加関数なので、これ以外に解はない。
なので である。 と が因数に入っていることから、連続4整数のうち2つが 、つまり だと当たりがつく。
で を計算すると、 になるのは だけだった。
を素因数分解してから考える。 は覚えておくと速い。
解が1つだけであることに触れる。左辺が について増加することを言えばよい。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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