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名古屋大学 2021年度 前期日程 理科系
名大理系 2021年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。理科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
問題を転載している非公式サイトへのリンクは、当サイトでは行っていません。
第1問 微分法・積分法
放物線の接線・共通接線・判別式・面積・最大値当サイトの体感難易度:標準
(1) の点 における接線の方程式を求める
答
微分して傾きを出し、点傾き形に入れるだけ。以降の小問はすべてこの形を使うので、 という定数項まで覚えておく。
より なので、 での接線の傾きは である。点 を通るから
すなわち
である。
は上に開いた放物線なので、鉛直な接線はない。つまり の接線はすべて の形で書ける。(2) で「共通接線を全部数える」ときに効いてくる事実である。
で、等号は だけ。確かに接している。
(2) と ()が異なる2本の共通接線をもつような の範囲を求める
答
(1) で の接線は と尽くされている。あとは「この直線が にも接する」を判別式 で書き、 の2次方程式が異なる2解をもつ条件を、もう一度判別式で出す。判別式を2回使う形である。
の接線 が にも接する条件を書く。 の式と連立して
すなわち
である。接するのはこれが重解をもつとき、つまり
のときである。展開すると
で、 で割って
となる。共通接線は ① の実数解 と1対1に対応する( が違えば接線も違う)。よって共通接線が異なる2本あるのは、① が異なる2つの実数解をもつときである。
① の判別式を で割ったものは
で、 だから 、したがって
である。 とあわせて
が答えである。
では ① の解が の2つで、どちらの接線も と重解で交わった。 では実数解がなかった。
「共通接線」は の接線でもあり の接線でもある直線。 の接線をパラメータ で全部書き出してから の条件を課す、という順番にすると漏れがない。
判別式を2回使う。1回目は「 に接する」、2回目は「そういう が2つある」。役割が違うので混ぜない。
(3) のとき、2本の共通接線 の交点の座標を求める
答
の2接線の交点は、接点の 座標を として になる。解と係数の関係をそのまま使えるので、 を根号で書き下す必要がない。
① の2解を ()とすると、解と係数の関係から
である。2本の接線
を連立すると
で、 だから両辺を で割って
となる。これを に代入すると、② を使って
である。よって交点は
である。
交点の 座標が2接点の中点 になるのは放物線 に共通の性質で、(4) で「」がちょうど左半分を切り取ることに直結する。問題が を で与えているのはこのためである。
で数値計算すると交点は で、 と一致した。
(4) と で囲まれた領域 と、 の表す領域 の共通部分の面積 を求める
答
(3) より2接線の交点の 座標はちょうど なので、 は「左半分」、つまり で と に挟まれた部分である。被積分関数が になるので積分は一瞬で終わる。
は下に凸なので、接線 はどちらも の下側にある。よって は、上を 、下を2本の接線で囲まれた領域で、 の範囲にある。
(3) より と の交点の 座標は なので、 の部分では下側の境界は だけである。したがって
である。これは
となる。あとは を求めればよい。① の解は
( なので )だから、小さいほうが で
である。よって
である。
でシンプソン法で数値積分すると 、 で一致した。
「 と2接線で囲まれた図形」の面積を で切ると、下側の境界が だけになる。 は の側の境界なので、この積分には出てこない。
と書けるのは だからで、ここを のまま引きずると最後の形が合わない。
(5) が (2) の範囲 を動くときの の最大値を求める
答( のとき)
と 乗の形にまとめてしまえば、中身の を最大にすればよい。 とおけば2次関数で、微分すら要らない。
と に注意して、 を 乗の形に直す。
は で増加するので、 が最大になるのは が最大になるときである。
とおくと、 は にあたる。このとき
なので、 のとき最大値 をとる。 は の内部にあり、 に対応する。
よって の最大値は
である。
を 刻みで動かして を数えると、最大は での だった。 と一致する。
をそのまま微分してもできるが、 乗の形にまとめると2次関数の平方完成で済む。 の範囲が になることだけ確認する。
。 を3乗しない。
第2問 指数・対数
底の変換・大小比較・解と係数の関係・3次関数の符号当サイトの体感難易度:標準
(1) について を示す
答底の変換で
底がばらばらなので、まず全部を同じ底にそろえる。そろえれば分子と分母が順に打ち消し合う。
底を (何でもよい)にそろえると、底の変換公式から
である( はいずれも でない)。よって
である。
この が (3) で効く。 のように、逆数が残り2つの積に化けるからである。
数値で になった。
(2) を小さい順に並べる
答
対数の大小は、 と有理数 の比較を と の比較に直すのが基本。 だけは より小さいことがすぐ分かるので先に外し、残り3つを との比較に帰着させる。
が最小。 より なので
である。一方 、、 なので、 がいちばん小さい。
と 。 は と同値で、 だから
である。これは正しいので である。
と 。 は と同値で
である。これも正しいので である。
以上をあわせて
である。
()が増加関数であることを使って、対数の不等式を整数の不等式に落としている。 と という、暗算でできる形まで持っていけるのがこの問題の狙いである。
数値では で、並び順が一致した。
と を直接比べようとすると と のような形にならず苦しい。 を仲立ちにする。
両辺を 乗するときは、両辺が正で が増加であることを前提にしている。
(3)、、 とするとき、 の正負を判定する
答、、
(1) の を使うと に直る。すると は と因数分解でき、あとは3つの因数の符号を (2) の大小から読むだけになる。値を計算する必要はない。
を書き直す。 (1) の から
なので
である。
を因数分解する。 基本対称式がそろったので
の右辺は、 とあわせてちょうど である。したがって
と因数分解できる。 の実数解は の3つで、(2) の を 倍して
すなわち である。
符号を読む。 3つの因数 の符号を調べる。
のとき。 だから 、、 で、負が2つなので積は正である。よって 。
と のとき。まず である(、すなわち だから)。また である。したがって
で、 も も と のあいだにある。このとき 、、 で、負が1つだから積は負である。よって
である。
として直接計算すると 、、 で、符号が一致した。
をそのまま で扱うと因数分解に気づけない。 を使って基本対称式の形に直すのが (1) の意味である。
定数項が なので、因数は ではなく になる。符号を取り違えると零点が逆になる。
と については (2) の並びだけでは足りず、 と を別に言う必要がある。
第3問 確率
推移のある試行・到達確率・漸化的な計算・全事象の確認当サイトの体感難易度:やや難
(1) から までを4段(上から順に5個・4個・2個・1個)に左詰めで並べた配置で、石を右隣以降・真下以降の数字へ等確率に移すゲームを行うとき、終了時に が丸で囲まれている確率 を求める
答
「終了時に が丸で囲まれている」=「ゲーム中に石が一度でも に乗る」である(丸は消えない)。移動先はつねに自分より大きい数字なので、同じ数字を2度通ることはなく、 は「 に入ってくる道」をすべて足せば求まる。 に入れるのは最初に選ぶ場合と から来る場合だけなので、2項で終わる。
まず移動先を整理する。 配置は、第1段が 、第2段が 、第3段が 、第4段が を左詰めにしたものである。「同じ段で右にあるもの」と「同じ列で下にあるもの」をすべて書き出すと、次のようになる。
- (7通り)
- (5通り)
- (3通り)
- (2通り)
- (5通り)
- (3通り)
- (1通り)
- (2通り)
- は行き先がない
行き先がないのは の4つだけで、これはちょうど終了条件の4つと一致する。つまりゲームは「動けなくなるまで動く」のと同じであり、必ず のどれか1つで終わる。
また、どの移動も数字を真に大きくする。したがって石は同じ数字を2度通らず、 が丸で囲まれるのは「石が をちょうど1回通る」ことと同じである。そこで
を、 に入ってくる道で場合分けして足す。
を求める。 に石が乗るのは次の2通りで、互いに排反である。
- 最初の (a) で を選ぶ:確率
- 最初に を選び、次に へ移る: からの行き先は7通りなので
に入ってこられるのは「同じ段で左にある」 だけ( は最上段なので真上の数字はない)なので、これで尽きている。よって
である。
40万回のモンテカルロで 、 と一致した。
丸は消えないので、 は「最後に石がある場所」ではなく「一度でも通ったか」の確率である。終了条件の 以外についても は定義されている。
移動先の個数は数字ごとに違う( なら7通り、 なら2通り)。分母を のまま使い回さない。
(2)確率 と を求める
答、
移動はつねに数字を大きくするので、 と番号の小さいほうから順に確定していく。 に入ってくる矢印を全部拾って を足すだけで、連立方程式を解く必要はない。
番号の小さい順に計算する。 から へ移る確率は ( は の行き先の個数)で、(1) の表から である。
以下、分母を にそろえて書く()。
に入れるのは から。 に入れるのは から。いずれも最上段なので真上はない。
に入れるのは から( の列には しかないので真上はない)。
のほう。 に入れるのは、同じ段の左の と、同じ列の上の である。順に用意する。
よって
である。
モンテカルロで ()、()だった。
に入ってくる矢印を数え落としやすい。 の「同じ段で左にあるもの全部」と「同じ列で上にあるもの全部」の2方向を機械的に拾う。
には から直接は行けない( と は段も列も違う)。図の位置関係をそのつど確認する。
(3) のうち最も大きいものの値を求める
答
残りの も同じ手順で出す。4つの和が になるはずなので、それを検算に使えば計算ミスがそのまま見つかる。
に入れるのは同じ段の左の と、同じ列の上の である。
に入れるのは同じ段の左の と、同じ列の上の である。 なので からは必ず へ行く。
に入れるのは同じ列の上の である(第4段には しかないので左はない)。
4つを並べると
で、和は
となる。ゲームは必ずこの4つのどれか1つで終わるので、和が になるのは当然であり、よい検算になっている。最大は
である。
が大きくなるのは、 に入ってくる矢印が4本あるうえ、 からは確率 で に来るからである。行き止まりの直前にある数字は確率が集まりやすい。
モンテカルロ40万回で となり、 と一致した。4つの和も分数計算でちょうど になった。
で からの寄与を忘れやすい。 に が入っている。
を必ず確かめる。合わなければどこかの矢印を数え落としている。
第4問 数列
ガウス記号・漸化式・軌跡の図示・2項間漸化式の一般項当サイトの体感難易度:やや難
(1)、、 とするとき、 が を動いてできる点 の軌跡を図示する
答 の部分が 、 の部分が の、2本の線分(右端は除く)
の値が変わるところで場合分けする。 なら は 以上 未満なので、ガウス記号の値は か の2通りしかない。
なので である。 は を動くから、
- のとき なので
- のとき なので
の2通りである。それぞれ に入れると
である。端点は で 、 で に近づく(含まない)、 で 、 で に近づく(含まない)。
求める軌跡はこの2本の線分(それぞれ右端を除く)である。
なら 、 なら で、式のとおりだった。
であって ではない。切り替わるのは である。
は等号なしなので、右端の と は含まない。 自体は右側の線分に入るので、 は含む。
(2) ならば であることを示す
答( は小数部分で )
、 とおいて、 を で表す。 なら なので、ガウス記号の中身が1つ繰り上がる。
、 とおく。 は整数で である。仮定は である。
このとき
なので の整数部分は であり
である。よって
となり
である。 だから 、すなわち である。
の20万点で、小数部分が 以上のときに が破れる例はなかった。
ガウス記号は「整数部分 をくくり出す」と扱いやすい。( は整数)を使う。
は小数部分の定義そのもので、ここだけが不等号を強くする根拠である。
(3) ならば かつ であることを示す
答(2) の対偶から 、よって となり ()
(2) の対偶を使って小数部分を 未満に絞るのが第一歩。そのあとは を の形に読み替えればガウス記号が確定する。
(2) の対偶より、 ならば である。 とおく。
前半。 より
なので である。したがって
である。
後半。 これを で書くと
である。ここで だと となって に反するので 、つまり
である。よって
となり
である。
の20万点のうち となったものすべてで、 と が成り立った。
の場合を落とすと となり で結論が崩れる。仮定 から を言っておく。
は を整数で挟んで決める。 まで持っていけば自動的に決まる。
(4)ある 以上の自然数 について が成り立つとき、 を の式で表す
答
(3) を に順に使うと が と ずつ下がることが分かる。すると漸化式のガウス記号が消えて という普通の2項間漸化式になる。
より である。仮定より で なので、(3) の後半を繰り返し使って
である。また (3) の前半より、 で
すなわち
である。ガウス記号が消えたので、ふつうの漸化式として解ける。
特殊解を探す。 右辺が の1次式なので、 が ① を満たすとしてみる。代入すると
で、これが に一致するには と 、つまり
である。そこで とおくと、① から
となる。よって である。
初期値。 より
である。したがって で
である( を使った)。 として
である。
を入れると で に戻り、 では となって (1) の左側の線分 と合う。
では減少が と4項続き、式に を入れた値がこの4つと分数のまま完全に一致した。 を 刻みで動かしても反例はなかった。
が言えるのは「減少が続いている の範囲」だけである。 より先では (2) が働いて増加に転じうる。
の公比は で、符号が交互に変わる。 を と書かない。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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中身を試し読みする
扉・問題・解答などを、それぞれ抜粋して掲載しています。連続したページではありません。画像を押すと拡大できます。
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