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九州大学 2022年度 前期日程 文科系
九大文系 2022年度 数学の解答・解説
全4問。当サイトで独自に解いた解答・計算過程・詳解・別解を、大問ごとに載せています。
最終更新 2026/10/12
問題文について
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。文科系の問題文は、この年度については大学が公開していません (2026/10/12時点)。お手元の過去問集・赤本などでご確認ください。
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第1問 積分法
絶対値のついた放物線・接する条件・判別式・面積当サイトの体感難易度:やや難
(1) の値を求める
答
と因数分解できる。 なので、 では は放物線を折り返した形(上に凸)、それ以外では下に凸である。傾きが負の が接するのは折り返した側で、判別式 を解く。
なので である。 より、 では中身が負で
(上に凸)、それ以外では
(下に凸)である。
折り返した側との交わり。 を整理すると
で、判別式は
である。 となるのは か で、 をみたすのは である。
もとの側との交わり。 を整理すると
で、判別式は
なので、こちらでは必ず異なる2点で交わり、接することはない。
よって である。このとき接点は より で、 は にあるから確かに折り返した側の点である。接点は である。
を 刻みで動かして となる値を探すと だけだった。
は と因数分解できる。これに気づくと折れ目が だと一目で分かる。
接する可能性は折り返した側だけではない、と最初に疑ってかかる。実際に を確かめておく。
は範囲外なので捨てる。
(2) と で囲まれた2つの図形のうち、点 が境界線上にある図形の面積を求める
答
なので 、 である。 と は で出会う( は接点)。 は の折れ目にあるので、 の側の図形を求める。
より である。
交点。 折り返した側()では より (接点)。もとの側では
で、、 とどちらももとの側にある。よって と は で出会い、囲まれる図形は と の2つである。
どちらを求めるか。 は で 上の点()であり、 の側の境界にある。こちらを求める。
積分。 では 、 では である。
である。それぞれ計算すると
なので
である( ほど)。
数値積分すると右側が 、左側が になった。
で が折れるので、積分を2つに分ける。
がどちらの図形の境界にあるかを確かめる。左側()には含まれない。
は の積分である。接しているので完全平方になる。
第2問 空間ベクトル
外積・単位法線ベクトル・点と平面の距離・対称点当サイトの体感難易度:標準
(1) の両方に垂直で、 成分が正、大きさが のベクトル を求める
答
外積 が両方に垂直なベクトルを与える。あとは大きさで割り、 成分の符号を合わせる。
、 である。外積は
で、大きさは である。 成分 なのでそのまま割って
である。実際 、 となっている。
外積を使わないなら とおいて 、、 を解く。、 から同じ答えになる。
、 を数値で確かめた。
「 成分が正」という条件で向きが1つに決まる。 のほうを答えない。
大きさ にするのを忘れない。 のままでは である。
(2)点 から平面 に垂線を下ろし、その交点を とするとき、線分 の長さを求める
答
は原点を通り を法線とする平面なので、 から までの距離は である。 の大きさが なので割り算も要らない。
は を通る平面、すなわち原点を通り を法線にもつ平面である。 から に下ろした垂線の足 について
であり、 である( だから)。
なので
である。ついでに で、 である。
は で平面上にあり、 である。
なので「点と平面の距離」が内積そのものになる。(1) で大きさを にしておいた効果である。
平面が原点を通るので定数項がない。通らない平面なら のように基準点をとる。
(3)平面 に関して点 と対称な点 の座標を求める
答
平面 は原点を通るので、 から平面までの符号つき距離は である。対称点はそのぶんを2回ぶん戻した点になる。
平面 は を通る、すなわち原点を通り を法線とする平面である。 について
である( から平面までの距離が で、 の側にある)。対称点は
である。
確かめ。 中点は で、 との内積は だから平面上にある。また で に平行である。
中点 が平面上にあり、 が の 倍であることを確かめた。
の を忘れると、対称点ではなく垂線の足になる。
平面が原点を通るので定数項がない。通らない平面ならここに平行移動が入る。
第3問 整式
因数定理・虚数解と共役・解と係数の関係・整数解の絞り込み当サイトの体感難易度:難
(1) が で割り切れることを示す
答
因数定理そのもの。 を含む2つの項がちょうど打ち消し合う。
を代入すると
である。 と が打ち消すので、 によらず になる。因数定理より は で割り切れる。
実際に割ると
となる。この3次式を とおく。
をいくつか変えても になり、商が であることを確かめた。
と に を入れると と になる。ここが仕掛けである。
(2)方程式 は負の実数解をもつことを示す
答 の3解の積が で、虚数解の積は正だから残る実数解は負
が虚数解をもち、係数が実数なので、虚数解は共役の対で現れる。 はすでに実数解なので、残る3解( の解)のうち2つが共役な虚数、1つが実数である。その実数解の符号を解と係数の関係で決める。
の係数は実数なので、虚数解は共役の対で現れる。(1) より は実数解だから、残る3つ( の解)のうち2つが共役な虚数 、1つが実数 である。
解と係数の関係。 の3解の積は なので
である。 は虚数なので 、よって である。したがって
となり、 は負の実数解 をもつ。
では 、 では で、どちらも負だった。
「虚数解をもつ」という条件から、 の3解が「実数1つ+共役な虚数2つ」に決まる。3つとも実数の場合は起こらない。
である。ここが符号を決める。
の定数項は 、最高次係数は なので、3解の積は である()。
(3) のすべての実数解が整数、すべての虚数解の実部と虚部がともに整数であるとき、 をすべて求める
答
の3解を (負の整数)と ( 整数、)として、係数比較(解と係数の関係)で3本の式を立てる。 の係数の式と定数項の式を組み合わせると、候補が有限個に絞れる。
の3解を と ()とする。条件より は整数で、(2) より である。 とおく。
解と係数の関係より
- 和:、すなわち
- 積:、すなわち
- 2つずつの積の和:
である。
候補を絞る。 より は偶数で、 より は の約数である。よって 。それぞれ 、 を調べる。
を出す。
- (、、): より
- (、、): より
である。
確かめ。
で、どちらも虚数解をもち、実数解も虚数解の実部・虚部もすべて整数である。したがって
である。
、 を全探索すると の2通りで、 の根 、 の根 はいずれも を にした。
から が偶数と分かる。 と合わせて候補が5つに減る。
(虚数解)なので が必要である。 の場合は除く。
が平方数になるかも確かめる。 では で整数にならない。
最後に を実際に因数分解して、条件をすべてみたすことを確かめておく。
第4問 積分法
定積分の定義・導関数の定義・関数の増減・区分求積法当サイトの体感難易度:やや難
(1) を導関数の定義から示し、これと定積分の定義 ① から を示す
答差分商を2つに分け、それぞれの極限が存在することから和の極限を得る。あとは が の原始関数になることを ① に入れる
どちらも定義どおりに書き下すだけである。前半は「極限の和は和の極限」、後半は「 が の原始関数」という一言で済む。
前半。 とおくと、 について
である。 は微分可能なので、 のとき右辺の2つの極限はそれぞれ 、 として存在する。極限の和の性質より左辺の極限も存在して
である。
後半。 、 となる をとる。前半より
なので、 は の原始関数である。定義 ① を に対して使うと
である(最後の等号で それぞれに ① を使った)。
、、 で両辺を計算すると、どちらも になる。
「極限が存在するから分けてよい」の順に書く。 が存在することが仮定である。
定義 ① は「原始関数の差」である。原始関数の取り方によらないと問題文にあるので、好きな をとってよい。
(2)定積分の定義 ① と、関数の増減と導関数の関係を用いて、 かつ区間 で ならば であることを示す
答原始関数 は より増加するので
「導関数が正なら増加」をそのまま使う。 なので、 が増加すれば正だと分かる。
となる をとる。定義 ① より
である。
は増加する。 区間 で なので、関数の増減と導関数の関係より はこの区間で(狭義)増加する。
だから
である。
この (2) は、性質 (C) を「差 に使う」ときの土台になる。 なら 、つまり である。
、 で となり、確かに正である。
「 だから積分も正」は見た目には当たり前だが、ここでは定義 ① から導くことが求められている。
増減を調べる相手は ではなく原始関数 である。
を使う。 なら積分は になってしまう。
(3)空欄 ア に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ② を示す
答ア (C)
が増加関数なので、小区間 上では の値が両端の値の間にある。これを定数関数と比べるのが性質 (C) である。定数の定積分は ① から直接計算できる。
空欄 ア は (C)(大小関係が定積分に移る性質)である。
定数の定積分。 定数 に対し なので、① より
である。
不等式 ②。 は増加関数なので、 では
が成り立つ。左の不等式に (C) を(、 定数 として)適用すると
である(区間の幅が )。右の不等式に同じく (C) を適用すると
である。2つを合わせて ② が得られる。
、、 で 、、 となり、② のとおり挟まれている。
(C) を使う相手は定数関数である。「定数関数に対する定積分の計算を行う」という下線部はそのことを指している。
区間の幅が であることから が出る。 の値そのものが積分値になるのではない。
が増加関数だから、左端で最小・右端で最大になる。減少関数なら不等号が逆になる。
(4)空欄 イ に入る記号を (A), (B), (C) から選び、不等式 ③ を示す
答イ (B)
を 個の小区間の和に分けるのが性質 (B) である。② を から まで足すと、左側から が、右側から「右端和」が出てくる。2つの差は途中が打ち消し合って になる。
空欄 イ は (B)(区間を分けて足す性質)である。これを繰り返し使うと
である。
左側の不等式。 ② の左側を から まで足すと
すなわち である。
右側の不等式。 ② の右側を足すと
とおける。ここで
である(途中の項が次々に打ち消し合う)。したがって
となり、2つを合わせて ③ が示された。
が増加関数なので であり、③ の右辺は で に収束する。はさみうちの原理から がしたがう。これが区分求積法である。
(増加関数、)で とすると で、 以下である。 でも で ③ が成り立った。
(B) は「 のとき2つに分ける」形だが、これを繰り返せば 個に分けられる。そのことを一言添えておく。
は左端の値を使う和である。(右端の和)と取り違えない。
が望遠鏡のように打ち消し合うのが要点。 だけが残る。
大学の公式解答ではなく、当サイト独自の解答・解説です。問題文は掲載していません。解答は当サイトで検算していますが、誤りが残っている可能性はあります。掲載方針配点・採点基準・難易度を大学の公表値として示すことはしていません。
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