「2027 年度の共通テスト物理対策で、残り時間が少ない中で何から手を付ければいいか」── 高 3 秋以降に最も多い相談です。共通テスト物理は 「現象を図と式で読み解く力」 を時間内に発揮する試験で、二次試験型の演習だけでは伸びません。本記事では過去問の出題傾向と配点を踏まえ、いまの得点帯別に最短で点数を上げる戦略 を、物理専門塾 Solvora の視点でまとめます。
この記事の結論
- 共通テスト物理は『力学・電磁気で 7 割、波動・熱・原子で 3 割』が基本配点
- 現象読解(グラフ・実験設定の解釈)で点を落とすか拾うかが合否を分ける
- 60 点台 → 80 点台は『過去問演習+誤答ノート』、40 点台 → 60 点台は『単元復習+基礎問題』
- 直前 2 週間は新しい問題に手を出さず、過去問の解き直しと公式の再確認に絞る
2027 年度共通テスト物理の出題傾向|近年の分析
2027 年度の共通テスト物理の出題傾向は、過去 5 年(2022〜2026 年度)の本試験から次の 3 点が読めます。
| 傾向 | 内容 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| ① 現象読解型の比率が増加 | グラフ・実験設定・対話文を読み解く問題が約4割 | 速読+図への書き込み訓練 |
| ② 公式当てはめだけでは解けない | 単純代入問題は約2割まで減少 | 「現象→量→式」の翻訳練習 |
| ③ 単元横断問題の出現 | 力学+エネルギー保存、電磁気+波動など複合問題が定番化 | 単元の境界をまたぐ復習 |
共通テスト物理の配点|単元別の優先度マップ
共通テスト物理の配点は、概ね「力学 35〜40 点、電磁気 25〜30 点、波動 15 点、熱 10 点、原子 5〜10 点」(100 点満点)。出題年により多少前後しますが、力学+電磁気で約 7 割 という基本構造は変わりません。
| 単元 | 配点目安 | 優先度 | 重点学習項目 |
|---|---|---|---|
| 力学 | 35〜40点 | ★★★★★ | 等加速度・円運動・単振動・運動量保存 |
| 電磁気 | 25〜30点 | ★★★★★ | 電場と電位・回路・電磁誘導 |
| 波動 | 15点 | ★★★★ | 干渉・ドップラー・反射と屈折 |
| 熱力学 | 10点 | ★★★ | 状態方程式・第一法則・p-V図 |
| 原子 | 5〜10点 | ★★ | 光量子・ボーアモデル・半減期 |
共通テスト物理の過去問、正しい使い方
共通テスト物理の過去問は「演習用の問題集」ではなく、「自分のつまずき診断ツール」 として使うと効果が最大化します。
| 使い方 | 目的 | 推奨頻度 |
|---|---|---|
| 時間を測って解く | 本番感覚・時間配分の練習 | 週1回(本番形式) |
| 解説を読んで誤答ノート化 | 単元別の弱点特定 | 解いたら必ず |
| 単元別に切って解き直す | 弱点単元の集中強化 | 弱点が見つかった都度 |
| 選択肢の言葉を分析する | 共通テスト独特の言い回し慣れ | 月1回まとめて |
得点帯別の月別学習計画(11月/12月/直前)
現在の得点帯別に、月別の優先タスクを示します。残り日数が短いほど『伸びしろの大きい単元 × 確実に取れる問題タイプ』に絞る のが鉄則です。
60点台→80点台を狙うルート
| 時期 | 主タスク | 補助タスク |
|---|---|---|
| 11月 | 過去問5年分(時間測定)+ 誤答ノート | 弱点単元(多くは電磁気)の二次型問題 |
| 12月 | 過去問さらに3年分 + マーク模試形式 | 波動・熱の総復習(取りこぼし禁止) |
| 直前2週間 | 過去問 解き直し に絞る | 公式集・ノートの再確認 |
40点台→60点台を狙うルート
| 時期 | 主タスク | 補助タスク |
|---|---|---|
| 11月 | 教科書傍用問題集で力学+電磁気の基礎を固める | 過去問は1年分だけ「現状把握」 |
| 12月 | 過去問3年分(時間測定) | 公式の導出を白紙でできるか確認 |
| 直前2週間 | 過去問の 基本問題だけ 解き直す | 難問は捨てて取れる問題を確実に |
80点以上を狙うルート
| 時期 | 主タスク | 補助タスク |
|---|---|---|
| 11月 | 過去問8年分(時間測定)+ 誤答パターン分析 | 二次試験対策と並行で深い理解 |
| 12月 | マーク模試形式で90点台を安定 | 単元横断の発展問題 |
| 直前2週間 | ケアレスミス対策・時間配分の最終調整 | 難問1問に時間を取られない訓練 |
現象読解型問題で点を落とさないチェックリスト
共通テスト独特の 現象読解型問題 は、以下のチェックリストで挑むと取りこぼしが激減します。
- 01
Check 1|問題文を読みながら図に量を書き込む
速度・力・電流・磁場の向きを矢印で描き、与えられた数値を図中に必ず書く。頭の中だけで処理しない。
- 02
Check 2|選択肢を読む前に自分で答えを予測する
選択肢に流される前に、『自分ならこう答える』を決める。選択肢に引っ張られて誤答するパターンが激減します。
- 03
Check 3|グラフ問題は『軸の量・単位・概形』の3点を確認
縦軸が速度なのか位置なのか、単位は何か、グラフが直線か曲線か。この3点を口に出して確認するだけでミスが減ります。
- 04
Check 4|対話文(実験設定)は条件を箇条書きでメモ
『摩擦なし』『初速ゼロ』『理想気体』など、隠れた前提を必ず箇条書きにする。
- 05
Check 5|時間が足りないなら『取れる問題から』
難問1問に5分使うより、基本問題2問を確実に取る。捨てる勇気は得点を上げます。
本番1週間前〜当日の過ごし方
| タイミング | 推奨アクション |
|---|---|
| 1週間前 | 新規問題は禁止。過去問の解き直しと誤答ノートのみ |
| 3日前 | 公式集・ノートを最初から最後まで通読 |
| 前日 | 解いた問題の中で「これだけは絶対」の10問を流し読み |
| 当日朝 | 軽食 + 軽い運動。頭を冷静に |
| 試験中 | 全問を一度ざっと見て、易→難の順で解く |
よくある質問(FAQ)
共通テスト物理の対策は、何月から始めれば間に合いますか?
理想は高3の夏、現実的には10月開始でも70点台は十分狙えます。11月以降スタートでも、本記事の得点帯別ルートに沿って『伸びしろの大きい単元』に絞れば60点台までは到達可能です。重要なのは『今から最短で何を捨てて何を取るか』を決めることです。
共通テスト物理の過去問は、何年分解けばいいですか?
60〜80点を狙うなら5〜8年分、80点以上なら8年以上が目安です。ただし『何年分解いたか』より『誤答を分析して同じミスを繰り返さない仕組みを作ったか』のほうが重要です。1年分解いたら必ず誤答ノートを作ってください。
二次試験対策と共通テスト対策は両立できますか?
国公立志望なら両立は必須。基本は『二次型の演習で力学・電磁気の本質理解を作り、共通テスト形式で時間内処理力を鍛える』の役割分担。直前2ヶ月は共通テスト形式の比率を上げます。
原子分野は捨ててもいいですか?
5〜10点なので『最低限』の準備で十分です。光量子・ボーアモデル・半減期の基本式と典型問題を1日で押さえれば、全捨てよりは確実に点が拾えます。完全に捨てるのは80点以上を狙わないなら避けるべきです。
本番でパニックにならないコツはありますか?
『最初に全問をざっと見る30秒』を必ず取ってください。簡単な問題から取りに行く順番を決めてから解き始めると、不思議と落ち着きます。1問にこだわらず、わからなければ印を付けて次へ。これで時間切れによる失点が防げます。
関連記事・参考文献
- 単元別対策:高校物理 電磁気 苦手 を単元別に克服する完全マップ
- 力学の前提:等加速度運動の公式 完全ガイド / 円運動の向心力 / 単振動 高校物理
- 波動の前提:ドップラー効果の公式 完全ガイド
- 学習設計の前提:高校物理が苦手になる本当の理由



